天才の証明
脚本:會川昇 絵コンテ:華雅明 演出:小松由依 演出補/小林大起
作画監督:洪範錫/酒井夏海/佐藤敏明/細川修平/柳瀬譲二
総作画監督:金久保典江
★あらすじ
裏で闇オークションを仕切っていたクレイ・アルスランの尻尾を掴もうと、
河原崎からさらなる依頼が飛び込んできます。
しかし既にクレイに牽制されていたキョウは依頼を断り、
トモロウは不満を抱えたまま兄・アスカの見舞いに赴くことに。
そんな時、なんと彼らの前にゴクウモンが出現。しかもアスカのサポタマを持って。
これを迂闊に追ったトモロウは、ゲッコーモン共々捕えられてしまいました。
たまたま目撃したヒトミが事態を伝えたものの、行方がわかりません。
目が覚めたとき、そこは謎の闘技場でした。
デジモンを使っての違法賭博。その胴元がクレイの収入の本丸だったのです。
しかも敗れたサポ主はコールドハートされるという、過酷な場所でした。
そこでトモロウは、意外な人物──ライトに再会しました。
ティンカーモン喪失の責任を問われ、タクティクスを追われていたのです。
彼はどうやら敗北者の行く末を知りませんでしたが、自分が天才であると
証明し続けるため、ここで戦い続けると言い張って聞きません。
闘技場での直接対決の中、ライトをこのまま放っておけないと感じた
トモロウとゲッコーモンは心をひとつにし、さらなる強さを発揮。
ニュートロンブレイドをさらに強化させ、完全体進化したアズダルモンと
互角以上に打ち合います。
激突の中、ライトは気づいてしまいました。
トモロウとゲッコーモンが同じ想いを共有し、力を合わせていることを。
なのに自分は……迷いが生じるとともに、勝負は決着を迎えます。
そして……
★全体印象
20話です。早いもんでもうすぐ2クール目も大詰め。
前回に続き、今度はデジモンを使っての違法賭博という案件が明らかに。
敗北者は事実上殺されるという、とんでもねえ場所です。
コールドハートなどという設定すらなんの緩和にもなっていません。
クレイの人非人ぶりがよくわかります。
おまけに、ライトがこの違法コロシアムに放り込まれていました。
てっきり任務に復帰し、トモロウ達と別のところで完全体制御に成功……
なんて展開も考えてたのですが、そんなもんは一足飛びでしたね。
「次はない」というセラフィの言葉に偽りはなかったわけです。
そしてこんな場所でも、ライトは生き方を変えようとしていませんでした。
過去に関しても触れられましたが、デジモンバトルだけは大の苦手で
そこから這い上がってきた自負があったのですね。
人生をナメてたというより、やっぱり俺は天才だと調子に乗ってたわけだ。
トモロウ達への対抗心はむしろ嫉妬だったのかもしれません。
でもトモロウと共に気魄最高潮のアルマリザモンを見て、彼らがなぜ
これほどの底力を発揮できるのか悟ったようです。
悟ったのならば、彼らはむしろこれからなのかもしれません。
脚本は會川昇さん。14話に続いてトモロウとライトの激突を描いてますが、
互いの心象・心理はだいぶ様相を変えていますね。
チームセブン組の敵陣営離脱は思ったより早いのかも。
絵コンテの華雅明さんについてはめぼしい情報が見当たりません。
あと演出補という見慣れない役職がありますね。
今回作画も演出もかなり凄かったので、人員を増やしてる感じです。
そしてやっぱり志田さんがおりました。わかりやすいです。
★キャラなど個別印象
・トモロウ
最近になって安定感が出てきた感ありですね。
ゲッコーモンのボケへのツッコミが精度を上げ続けているのもその一環でしょう。
兄貴のサポタマを見ると頭に血が上るあたりの猪ぶりはまだまだ健在ですが、
こればっかりはあまり責める気になれません。だって兄貴ですよ?
アズダルモンが泣きながら戦っていると聞き、鏡写しであるライトの心を慮って
彼らのために力を振り絞ろうとするあたりも成長を窺わせる要素。
自分のためだけでなく、誰かのためにパートナーと呼吸を合わせたのです。
この事実は、ライトに「足りなかったもの」を気づかせました。
前回とまた違う意味で、少し前の自分を思い出して放っておけなかったのかも。
自分のことに精一杯で相方のことを思い遣ってやれなかったのは同じだし、
立場や考え方は違ってもそこだけは共感できてそうです。
・ゲッコーモン → アルマリザモン
試合緒戦で危なげなくグレイモンを破り、その実力を見せつけています。
続くライト達との試合では戦いながら、相手が無理をしていることを敏感に察知し
これをトモロウに伝え、心をひとつにするキッカケを生みました。
得意のニュートロンブレイドはさらに強化、七支刀のようにトゲが生えました。
その攻撃力はアズダルモンを向こうに回し、一歩も退かないほどです。
やはり、ここは譲れないと決めた時の底力は計り知れないものがありますね。
無論トモロウとの心のシンクロがいつになく高いおかげなのですけど。
デスロールプレスも威力・スピード共に上がっているらしく、ライトを瞠目させました。
どうやら進化せずとも、戦えば戦うほど強くなってゆくようです。
思えば14話はまだ、アルマリザモンとしての戦いは3回目ぐらいですからね。
これで完全体になったら、五行星レベルに迫るのでは……
・レーナ組
河原崎が探し当てたコロシアムにトモロウ達を見つけ、野次を送っていました。
レーナはキョウの方針にひとりだけ異議を述べてませんでしたが、古参だけあって
彼の気持ちもよく理解できていたのかもしれません。
行くと決めたら割とノリノリだったので、やる気はしっかりあったようですが。
こう見えて冷静なんですよね、このコンビ。
・マコト組
あんなふうに言われても、マコトはホタルコへの善意を曲げていません。
いえ、闇オークションのことを知ってますます気持ちが強くなったのでしょう。
コロシアムの実態を知れば、さらにその想いは高まりそう。
・キョウ
地味に以前の通り名が「黄金のキョウ」だったとわかりました。
滅茶苦茶キラキラしてます。今と違ってツンツンもしてそうだけど。
今回ずーっと怖い顔でした。無理もないけど。
クレイの牽制を受けてこれ以上の深入りは危険と感じ、ハッキリ仕事を断ったものの
トモロウが捕まったとあって何がなんでも救出すべく、腰を上げました。
その際の気魄(殺気?)は、冷徹な河原崎すらたじろがせています。
彼、かつてはあっち側で五行星のヤバさはよく知っているから、どれだけ気張っても
自分の手の届く範囲しか守れないことを熟知しているのだと思います。
その分、身内が危ない時には無理をしてでも助けに行くことは10話でも明らかですが。
王会長のことも別に「今でも尊敬してる」とか、そんな感じじゃなさそうですね。
考え方に賛同できないだけで、その手腕は認めてるかもしれないけど。
一方、クレイのことはあからさまに嫌悪している様子。まあ無理ないか。
・クーガモン
クレイが来た途端、唸り声を上げて牽制してました。温厚な彼にしては珍しい。
この事実ひとつ取っても、クレイがいかに嫌悪されてるかわかるってものです。
・マキ
トモロウ達とともに、闇オークション及び違法賭博の存在を把握する立場となりました。
キョウが動かなかったのは彼女を危険に晒さないため、でもあるのかもしれません。
彼女、大抵のことはうまいこと切り抜けてそうな雰囲気はあるけど。
・吉村
店に顔を出した途端にクレイと鉢合わせし、狼狽えていました。
面識があるのかないのか、単に鉢合わせてビックリしただけか。
なんか顔を隠すような仕草だったし、案外知られてる立場だったりして……
・ヒトミ
8話以来の登場。検診に来たところをトモロウ拉致の場面に出くわしました。
彼女コールドハートから復帰した立場だし、後遺症がないか今でも調べてるんですね。
その後登場はしませんが、急いでグローイングドーンに知らせたみたいです。
目立つポジションではないけど良い子ですよね、この子。
・ライト
思った通りというべきか、今回でだいぶ見る目が変わりました。
実はデジモンを使うことだけが大の苦手だったんですね。
つまり彼らの実力は天才肌からのものではなく、血の滲むような努力の結果ということ。
この前提を踏まえると、拘りの理由が窺い知れてきます。
というか「自分は天才である」という自負だけがアイデンティにさえ見えてきますね。
本当は何をやりたかったのか、何をしたかったのかがわからない。
あるいは、意図的に伏せられていると感じます。
やりたいことが何もないと思い込んでいて、気づいていないだけか
または考えないようにしているだけなのかもしれませんね。
そんな中、デジモンを連れての戦いだけが苦手だったという事実はつまり、
彼が孤独だったという裏打ちになりそうです。
今のように殊更に自分の才能を鼻にかけていたようなら、孤立してた可能性があります。
少なくとも、回想でクラスメイトに囲まれていた描写はありません。
だから誰かの心に寄り添うことが苦手だったし、非情な手にも躊躇いがなかったと。
兄弟の気持ちもデータでしか知らない、いわゆる一人っ子だったのかもしれません。
いつしか「他人のことはどうでもいい」と悪い意味で思うようになったと見ます。
親の存在が見えないのも嫌なポイントですね。天涯孤独か施設出身か。
そもそもちゃんと学校には通ってたのに、なぜタクティクスに入ったのでしょう。
まあモノドラモンが生まれた影響でしょうが、どんな感情で生まれたのかな。
いずれにせよ、彼はパートナーにさえちゃんと寄り添えてなかったわけです。
他人に興味がない、または興味を持たないようにしつつ、自分の才を証明することでしか
生きて来れなかった分、モノドラモンのことをどこかで「道具」扱いしていたのかも。
モノドラモン自身が忠実だったから余計に。
その剥離そのものは分かっていても、そういうものだと思っていたのかもしれません。
トモロウとゲッコーモンがなぜ強いのか、なぜ自分たちに食らいついてこられるのか
頭でなく心で、感情で理解したときは相当のショックだったことでしょう。
そもそも決定的に足りないものがあったのだと、この土壇場で悟っちゃったのですから。
ラストシーン、アズダルモンを見つめる視線はなんとも言えないものでした。
自分がいかにパートナーの奮闘に甘え、分かってあげられてこなかったかが
とうとう実感できてしまったのですね。
しかしまだ挽回はできます。この局面を乗り越えられさえすれば。
・モノドラモン →ランフォモン →アズダルモン
当初から割とフレンドリーに喋ってました。
コロシアムにいる経緯をトモロウ達に話してくれたのも彼です。
これ、コミュニケーション自体相方に丸投げされたケースも多そうですね……
上でもちょっと書きましたが、どんな感情から生まれたのか気になります。
「天才のこの俺がなぜ」といった感じのこう、赤裸々な心の叫びからでしょうか。
そうだったのなら、ライトの自己証明に肯定的だったのも頷けますが。
しかしその忠実さゆえ、かなり無理をしていたようです。
成熟期進化をあそこまで仕上げることができたのも、彼がライト以上に頑張って
相棒がやれるヤツだと証明し続けてきたからなのかもしれません。
ライトはそれを、自分だけの才能だと勘違いしていた可能性があります。
本当は二人で築き上げ、二人でそれを誇るべきだったというのに。
でも血を吐きながらの忠節は、ついにライトにこの剥離を気づかせたようです。
実際に体を張っていたのはお前なのに、俺は一人で戦ってる気でいたと。
俺はお前のこと、何も分かってやれていなかったんだと。
でもここから立ち直れたとき、彼らの本当の飛翔が始まるのかもしれません。
相棒の心意気に応えるためにも、ライトはここで終わっちゃいけないんでしょう。
終わるんじゃねぇぞ。初めてそう思えました。
・ホタルコ
物陰で気遣わしげにしていました。
ライトのことは別に好きではないにしても、同僚としては気にかけてたし
まさかこんなことになるとは思ってなかったのかもしれません。
それに明日は我が身、と完全に気づいてもいるわけで。
これは、次回で出動した際の動向が気になりますね。
その前にグラニット組に異変がありそうですけど……
・セラフィ
冷静にライトの処置についてクレイと話していました。
ライトをコロシアムに放り込んだのが彼の判断か、クレイの判断かは
明確じゃないので、本当は反対してた可能性も無きにしもあらずなんですが。
どうも彼も、感情を無理して押さえ込んでる気がしてならないんですよね……
・クレイ
前回ラストシーンで出てきたのは、要するにキョウを牽制する目的だったわけですね。
ファミリーに手を出されたくなかったら動かないことだ、と。
ただ彼も実利で動くタイプだし、キョウさえ大人しくしていてくれたならば
別に何かする気はなかったっぽいです。今回の件には関与していませんし。
……となるとこの事件、キョウの誤解を受けた可能性がありますね。
よりによって自身のシマであるコロシアムにトモロウが放り込まれちゃってるし、
闇オークションを潰された報復と捉えられても全然おかしくない。
ファミリーに手を出されたら黙っていられないのがキョウという男だし。
しかも状況からみて、ゲンジョウに裏の事業がバレているのは明白。
これは、五行星で最初に落ちるのは彼になるかもしれませんね。
相方に「上」があるのなら話は違ってきますが。
・ヒロイチ/グレイモン
コロシアムでライトと最初に戦ったコンビ。
グレイモンは言うまでもなく元祖パートナーデジモンの一体であり、シリーズで
最も繁栄しているグレイモン系列のルートにあたる存在です。
しかし本作では特に良いところがないまま破れ、ボタモンに退化。
ヒロイチに至ってはコールドハートされたあげく、棺のようなものに放り込まれ
敗北者の末路を見せつける役目を押し付けられてしまいました。
控えめに言ってとても悲惨です。
……ところでヒロイチの名前って、「太一」から捩ったのかな……
・ゴクウモン
そのゲンジョウが表に出ない代わりに暗躍していました。
トモロウ組をあっさりと捕らえたあたり、実力の高さが改めてわかりますね。
もちろん、クレイが彼らに頼んだわけではありません。
となるとゲンジョウの狙いは、クレイの事業を潰すことでしょうか。
もし王会長が13話の印象通りの人なら、裏オークションやコロシアムの存在を
良しとするとはとても思えませんし、ゲンジョウが会長の忠実な片腕であるなら
その意志を代弁する形で動いていても不思議ではありませんから。
でもゲンジョウって、マリンブルモンでグローイングドーンも潰そうとしたんですよね。
ぶっちゃけ、そんなことをしてもワールドユニオン側のメリットは少なそうなのに。
アレが彼の独断か、トボけてるだけで王会長の指示だったのかで話が変わってきます。
狙いはどこにあるのでしょうか? やはり最も警戒すべきは彼ら、なのかもしれません。
・イズミ
いつの間にかコールドハートされてました。最後まで顔さえ分かりませんでしたね。
クレイの隠れ蓑にされてただけで、あまり強い立場ではなかったんですね。
結局どこの誰だったんでしょう?
・河原崎
いつになく活発に働いており、キョウにさらなる調査を依頼しています。
トモロウが拉致された場所を特定、キロプモンが正確な座標をつかむキッカケを作るなど
シゴデキぶりも発揮したほか、キョウのただならぬ雰囲気にたじろぎを見せるなど
初めて人間らしいところも垣間見せてました。
デジモンを異物と断じる考え方はともかく、悪人ってわけじゃないんですよね。
・赤坂マナブ
16話に出てきたムースモンのサポ主が、意外な形で顔写真だけ再登場しました。
なるほどこの線から漏れるわけか……
じゃあ宝石を集めていたのは、賭けに負けて抱えた莫大な借金を返すために……?
★名(迷)セリフ
「フッ……もうあのジジイの時代じゃない。
黄金のキョウと呼ばれたお前と俺が組めば、ワールドユニオンを好きにすることも可能。
そうは思わないか?」(クレイ)
伽藍堂にて。いかにも俗物っぽいセリフです。
それにしてもキョウをここまで買っているとは、彼がその強さだけでなく
本来は「同類」であるとでも考えているのでしょうか。
「王会長は、デジモンを自分に与えられた”力”だと思っている……」
「あんたはデジモンを金儲けの道具としか見ていない。オレからはどちらも同じだ」(キョウ)
同じく伽藍堂にて。古巣への見解がよく見て取れるセリフです。
彼の離反を招いた以上、王会長の考えも褒められたもんじゃなさそうですね。
少なくとも現状では理念だけはあるように見えますけれど。
「助けてあげたいです。ホタルコさんも」(マコト)
河原崎の依頼を断ったキョウへ異議をとなえたトモロウに続く形で。
向こうさんのヤバさがどんどん明かされてきてる以上、実際あのままそこにいても
ホタルコが報われるとはとても思えませんものね……
それにしてもブレないな、この子。
「だがグレイモンは最強っ!」(ヒロイチ)
ネームドモブから一献。
それなりに自信があったみたいですが……
「なんだか知らねえけど、つぶれたケーキは買うってナ!」(アルマリザモン)
「売られたケンカな! どっちにしろ買うなよそれ!」(トモロウ)
グレイモンとの戦いにて。トモロウのツッコミがやはり切れ味を増している。
このやり取り一つ取っても、彼らの方に余裕があるのがわかりますね。
事実この後、あっさり勝利を掴んでいます。
その勝利は、サポ主の運命をも決めてしまうことになるのですが……
「子供の頃からオレは……天才だと言われてきた……
一度見れば正確に再現できる。ゲームも、スポーツも、勉強でも。
できないことは何もなかった……!
たったひとつ、うまくできなかったのは……デジモンを使うことだ。
だが今は違う! 勝ち抜いて内藤に言わせてやる。お前は天才だってな!」(ライト)
ようやく少し明かされた感のある過去。
意外?にも、デジモンと共に戦うことだけは苦手だったんですね。
なぜ苦手だったのかは「デジモンを”使う”」というセリフから
なんとなくわかることかもしれません。
直後のモノドラモンの激励に応えられてないところからも、
余裕のなさが伝わってくる場面です。
「こんなとこに……ライト達を置いてゆけるか……!」(トモロウ)
ヒロイチの末路を見て。一緒に逃げる気まんまんです。
知らない間柄じゃないとはいえ、心根の善性が出ておりますね。
「トモロウとゲッコーモンを……助け出す……!」(キョウ)
出動の決意を固めて。やると決めた時のその表情は、普段からは考えられないものです。
殺気にも似たものが出ていたのか、河原崎が思わず固唾を飲んでいました。
「お前だって兄貴のe-パルスを見つけるためだろうが……!
責める資格あんのか!」(ライト)
どこまでも自分のためか、と言うトモロウの言葉に。
トモロウの目的は兄のためなので、この反論はいささかズレています。
ひいてはトモロウ自身のため、と言われればそうなんですが。
「モノドラモンは、勝つことで人を傷つけてる…… お前が傷つけさせている!
もう一度訊く…… ここで負けたヤツがどうなるか、知った上で戦ってるのか!」(トモロウ)
敗北者がコールドハートされると話して。
ライトはチャンピオンに収まっているので、何組とも打ち倒してきたはず。
つまり、同じだけの人数をコールドハートに追いやったことになります。
14話の所業は、あくまでスナイモンを誘導してやらせたこと。
パートナーにコールドハートの片棒を担がせてたと知ったライトの反応は、
明らかに敗者について把握していなかった類のものでした。
他者への関心が薄く見えるライトですが、これはさすがに衝撃だった模様。
開き直りさえできなかったあたりからも明らかです。
「トモロウ! こいつ、痛いんだってナ! 苦しいんだってナ!
なのに……ライトのために!」(ゲッコーモン)
アズダルモンの猛攻を避けながら。
溢れるe-パルスから、相手の感情までをも察知したのかもしれません。
「なぜだ……前に見た技より速く、強い……!
なんでこいつらはまだ強くなる! くそぉ! なんでなんだよっ!」(ライト)
デスロールプレスがアズダルモンをも吹っ飛ばし、ダメージを与えたのを見て。
すでに完全体進化をもってしても、アルマリザモンを翻弄できなくなりつつあるわけです。
一度見たら対処できても、見るたびに想定を超えてくるのではそれも役に立ちません。
悪態をつきたくなる気持ちはわからんでもないです。
しかし、この焦燥がパートナーにさらなる無理をさせてしまうことに……
でも狭いコロシアムの中ではアズダルモンといえど得意分野を活かしきれません。
格下ならいざ知らず、アルマリザモンほどのレベルが相手ともなると
それがモロに響いてきてしまう感じです。
逆に、あの壁はデスロールプレスのような技には最適にはたらくでしょうし。
「オレは……やれる…… ライト……お前が天才だと、証明する……!」(アズダルモン)
ライトの前に吹き飛ばされつつ、ギリギリ避けて。
言っていることは同じですが、このときライトは気づいたのかもしれません。
言葉は同じなのに、オレとコイツの間には溝があると。
「ライト! お前は天才だ。オレはとっくに認めてる!」
「だけど……今日は絶対倒す!」
「「お前たちのために!」」
「…ってナ!」(トモロウ&ゲッコーモン)
気魄の反撃に打って出ながら。
両者とも一切の迷いがありません。シンクロした顔とセリフからも明白です。
「そうか……! こいつら……! 同じ、感情を!
それがe-パルスを高めあい、さらなる力を……!
……アズダルモンは、いつだってオレのことだけを想っていた……
でも……
オレは……!」(ライト)
上のトモロウ達の様子を見ての気づき。
二人が互いを「使う」のではなく「共に」戦っているのだということを
ハートに来る感じで理解した場面ですね。
力は与えるものでも貸すものでもなく、まして「使う」ものでもなく、
「合わせる」べきものだったことが。
そして、自分にはそれができていなかったことが。
諦めていないアズダルモンと、闇の中で心が折れてしまったライト。
二人の剥離が、残酷なまでに際立っていました。
★次回予告
どうやらグラニット組に動きがある模様。進化来ますかね??
ギガスモンとムラサメモンの対決、キョウとセラフィの叫び、
まだまだ余裕そうなクレイと見どころは他にもたくさんありそう。