そばにいるもの

脚本:佐藤寿昭 絵コンテ:貝澤幸男 演出:石田暢
作画監督:北村友幸/洪範錫/吉田雄一/迫由里香/天界/澤木巳登理
総作画監督:小島隆寛

★あらすじ

激闘の末アルマリザモンに敗れ、幼年期ケトモンに退化してしまったアズダルモン。
敗北者となったライト共々に連行されていってしまいます。
キョウ、レーナ、マコトらが乱入してきますが、ライトを放っておけないトモロウは
彼を探して施設の奥へ。招集をかけられたホタルコとグラニットも動き出します。

セラフィも参戦しての乱闘の中、状況は二極に収束してゆきます。
やっと発見されたライトは、自暴自棄に陥っていました。
勝敗にかかわらずコールドハートされる予定だったと知り、絶望したのです。
そんな彼に、ケトモンがサポタマを携必死に逃げようと訴えかけてきます。

一方、キョウと対峙したセラフィはグラニットに命じ、ルドモンを用いた
強力な盾をギガスモンに持たせ、攻勢に出ていました。
ルドモンの防御力向上の裏には、グラニットのe-パルス過剰注入が。
グラニットはセラフィと、いざという時盾になる約束を交わしていたのです。
命令を果たした上での死なら、思い出の中のステラも許してくれるとの考えで。

それを知って攻撃できなくなったムラサメモンを、一方的に責めるギガスモン。
土壇場で割って入ったのは、レーナでした。
自分の生き死にぐらい命令でなく、自分で決めろ。その言葉に決意を固め、
ルドモンはe-パルスの受け取りを遮断。グラニットを守るためです。

命令違反として猛攻を受け、斃されそうになるルドモンを見たグラニットは絶叫。
それは、もう独りぼっちにはなりたくないという魂の叫びでした。
その想いを受け取ったルドモンは、ティアルドモンに進化。
圧倒的に向上した防御力で、ギガスモンの攻撃をも無効化してのけます。

すでに、クレイのプロガノモンが証拠隠滅のため周辺の破壊を始めていました。
トモロウ達とグラニットはドサマギで脱出するも、ライト組の姿はありません。
彼らは一体どこへ……

一方、裏で糸を引いていたのがゲンジョウだと気づいたクレイでしたが
時すでに遅く、そのゲンジョウによって裏家業のデータが流出する事態に。
これを受け、王会長はクレイを賞金首として指名手配するのでした……
  
 
 
★全体印象
 
21話です。前回に続いての急展開となりました。

タクティクス篇の銘打ちに違わず、今回のスポット担当はグラニット。
16話を踏まえ、彼がタクティクスに身を置いていた理由と
彼の本当の願いの開示、そしてルドモンの進化が描かれました。

グラニットが死より恐れたもの、それは「孤独」だったのですね。
ステラを助けたくて助けられなかったあの日から、彼の時は止まったままで
ずっと独りぼっちだと思い込んでいたのでしょう。
でも、すぐそばにずっとルドモンがいて気にかけてくれたことを改めて実感、
そのパートナーまで失いたくないと一気に弾けたのでしょう。

そんなグラニット達を冷徹に盾として使い潰そうとしたセラフィ。
彼がなぜこうまでしてクレイに付き合うのかも気になってきました。
容赦のないそのやり方、今までもキョウと対比されてきましたが
近いうちに対比要素が補充されるやもしれません。

それにしてもゲンジョウの真意が読めませんね。
クレイの悪事を暴き排除するのが今回の目的だったぽいのは良いとして、
そのためにキョウを動かして潰し合わせようとした割には
以前そのキョウのいるグローイングドーンを潰そうとしてるし……
いや、もしかして本当に利用されているのはトモロウ……?

脚本は佐藤さん。16話と同じ人です。この方がグラニット担当なら、
ホタルコが目立ちそうな次回は森地脚本になるかもですね。
絵コンテは貝澤さん。この方気のせいか、分割カットインを多用する気が。
 
 
 
 
★キャラなど個別印象
 
 
・トモロウ

 ライトを探して駆けずり回っていました。
 コールドハートが地雷な境遇ですから、彼がコールドハートされると分かってて
 ホイホイ逃げる気になんてなれないのは無理もないところです。
 もちろん理由はそれだけじゃないだろうけど。

 仲間たちもその真実を知り、前のめりで協力してくれています。
 トモロウがそういう子だということは、もう皆知っていますからね。
 
 
 
・ゲッコーモン

 前回で大奮闘したぶん、今回は控えめでした。
 ケトモンの意志を通訳?した場面ぐらいでしょうか。
 
 
 
・マコト組

 トモロウ組と共に行動していました。探し物なら一番頼りになりそうですからね。
 次回は彼らが活躍しそうなので期待しときましょう。
 
 
 
・レーナ

 グラニットの自殺行為を止める活躍をしました。
 単純な人の好さから来る行動ではなく、独りでも歯を食いしばって生きて
 今までやってきた彼女の主義的に、まるっきり知らない仲でもないヤツが
 目の前で自暴自棄に走る光景はつまるところ地雷なんでしょう。
 動機的にはトモロウと原理が近いのかもしれません。

 まさかのルドモンを生身で受け止めたのにはビックリしましたが。人間か??
 でもその必死の行動と叫びが、ルドモンの覚悟に火をつけました。
 彼女はこの瞬間、間違いなくグラニット組の「星」になったのです。

 レーナ自身はステラの名前しか知らない、というのもポイントですね。
 しかも下手すっと聞こえてなかったし、アレ。
 
 
  
・プリスティモン→ウルヴァモン

 トモロウとマコトのサポートとしてバカスカ撃ちまくっていました。
 人間相手にも割と容赦ありません。さすがに直撃はさせてませんが。

 後半では、ムラサメモンVSギガスモンの合間で及ばずながら奮闘してます。
 グラニットへの声かけにも迷わず参加し、レーナの言葉を補足。
 デジモンである彼女には、ルドモンの気持ちが良くわかるのでしょうね。

 しかしこの調子だと、五行星を相手取らなきゃいけなくなった時不安ですね。
 悪どいことをやってるのがクレイ一派だけなら危険は少ないかもですが、
 そんなわけねえしなぁ……なんならカイトが一番クリーンですよ。
 
 
  
・キョウ

 本格出戦ですが、今回ばかりはレーナ組に大きな見せ場を譲っていました。
 でもルドモンの防御力がグラニットからの過剰供給だといち早く察して
 攻撃を止めさせたあたりはさすがと言うべきかもしれません。
 結果として不利にはなったけど、巡り巡ってそれは正しい判断でしたから。

 撤退の判断も相変わらず素早いです。
 この「良い意味での逃げ足の早さ」も本作主人公組の特色かも。
 
 
 
・ムラサメモン
 
 ギガスモン相手に一歩も退いていませんでしたが、ルドモン……というか
 グラニットの命そのものを盾に使われて防戦に回らざるを得なくなりました。
 それでも決定的ダメージは受けておらず、撤退ルートも確保できています。
 もちろん展開上、退化だけは絶対できなかったのも事実なのですが。

 セラフィからは「鋭さが増している」とのフォローみたいなセリフまでありました。
 ここのところ戦闘機会が増えて彼ら自身のカンが戻りつつあるのに加え、
 トモロウがニリンソウでの負担を肩代わりしてるので少し余裕が出ているのかも。
 
 
 
・ライト組

 精神的ダメージが大きかったのか、牢屋でフテ寝していたライト。
 自分が捕まえた賞金首たちがコロシアム送りになったあげくコールドハートされ、
 地下で累々と眠っていることを知り、すっかり自暴自棄になっていました。

 命令のまま自身の優秀さを証明するためだけに戦い続けてきた挙げ句がこの有様で、
 そのうえ結果を出してももう意味がないと悟っては無理もないところでしょう。
 現在のところ、彼にはそれ以外何もなかったように見えるし。
 今なら聞けばやりたかったことの一つや二つ、ポツリポツリ溢すかもしれないけど。

 そんなライトに、ケトモンは逃げようと呼びかけています。
 でもそれは自由と引き換えに、生きるための目標を失うことなのかもしれません。
 タクティクスとしての自分に拘りがあったライトとしては葛藤もあるでしょう。
 たとえその立場が空虚なものだったとしても。

 結局、脱出したトモロウ達のそばに彼らはいませんでした。
 どこへ行ったのでしょう。あの場に残ったわけではないでしょうけど……
 
 
 
・ホタルコ組

 セラフィにライトを見つけ次第始末しろと言われていましたが、
 実際にやったのは彼の解放でした。その後の動向はいまのところ不明。
 これまた明確な命令違反ですね。たぶん誤魔化して報告するんだろうけど。
 幸か不幸か、コロシアム自体がなくなったから証拠が残る心配も少なそう。

 でも今となっては、留まっていても報いがないと悟ってしまったでしょう。
 19話時点ではまだ余裕がありましたけど、コロシアムの実態を知って
 完全に心が揺れています。正当性のあるやむを得ない任務ではなく、
 悪事の尻拭いをさせられるも同然になるところだったのですから。

 今ならマコトに「ぼくのこと嫌いでも構いません、もうやめてください」
 なんて言われようもんならフラッと傾いちゃいそうですね。
 
 
 
・グラニット

 ステラのために安易な死は選ぶ気がなかった、とハッキリしました。
 彼女の後を追わずルドモンと共にしばらく賞金首として彷徨いてたのも、
 そのステラに恥ずかしくない死を迎えたいという想いがあったわけです。
 たとえ危うさはあるにしても。

 そんな彼は、ルドモン共々今回のMVPです。
 命令のまま盾として使い潰されそうになったものの、ルドモンがパートナーとして
 ずっと側にいてくれたことを思い出し、今度はそのルドモンを守るために
 限界を超えたe-パルスを発揮、壁を越えました。
 それは彼自身の孤独を癒し、心を守るための叫びでもありました。

 ルドモンがいてくれたから、今までやってこれた。
 ステラに赦してもらえる死に場所を探す気になれた。
 今となっては、ルドモンこそが誰よりも大切な存在だと気づけたのですね。
 この優しいパートナーのためにも、死ぬわけにはいかないと。

 これから彼らはどうするのでしょうね。
 もうタクティクスには戻れないし、しばらくGDの厄介になるのでしょうか。
 協力者にはなってもファミリー入りはしなさそうですが。
 自分の居場所は自分で探したい、とか言って。 
 
 
 
・ルドモン→ティアルドモン

 唐突なイケメンボイスで視聴者のハートを掻っ攫ってゆきました。
 こ、これが三瓶由布子さんが起用された真の理由……!
 しかも一人称が「僕」とな!?!

 もともと高い防御力をもって生まれただけあり、成熟期の攻撃なら完全防御、
 e-パルス強化すれば完全体の攻撃をも凌ぐほど硬いデジモンでしたが、
 ムラサメモン相手はさすがに厳しいのか、限界を超えた供給が必要でした。
 グラニットが雇われた最大の理由は、こういう時のためだったのです。

 しかしレーナの言葉で、やはりグラニットを死なせたくないと覚悟を決め
 処分を覚悟の上でe-パルスの受け取りを遮断し、彼の命を救います。
 これで内藤の怒りを買い、ギガスモンの猛撃によって盾とメットを壊されますが
 e-パルス抜きでも簡単には破壊されませんでした。防御力の高さがわかります。

 グラニットの叫びを受けて進化したあとは、ギガスモンの拳を完全防御。
 逆に氷の結界でその腕を氷結させ、打ち砕くという活躍を遂げています。
 もはやギガスモンでも、その防御を抜くのは困難でしょう。
 今までの彼らではできなかったことです。まさしく進化ですね。

 脱出の際はグラニットと共にグローイングドーンについて行きましたが、
 さすがに消耗が激しく二人ともその場で眠ってしまいました。
 でもそれは、レーナ達への信頼のあらわれでもあるのかもしれません。
 少なくとも、お互い以外で最も心を許せるのはもうレーナ達でしょうから。
 
 
 
・内藤

 会を追うごとに冷徹さが増している人。
 いざという時、グラニット組を盾にして使い潰すつもりだったとは……
 そういう条件で雇ったんだから文句はないだろ、あたりが言い分でしょうけど。

 しかしながら、キョウや視聴者の視点では人質を取っているも同然なので
 ぶっちゃけ非常にカッコ悪いです。もともと高いわけではない株が、
 今回でズンドコまで下がってしまいました。控えめに言って”ダセェ”ですね。
 ルドモンに拒否されたとはいえ、そこまでやって追い込み切れてないのも
 ますますダセェとしか言いようがありません。

 そして、次はもう同じ手が使えません。
 それどころか、より防御力の増したティアルドモンが敵に回ってしまう。
 もしムラサメモンとティアルドモンに連携されたら、勝ち目は薄いですよ。
 部下も次で全部いなくなりそうだし、踏んだり蹴ったりです。

 全部自分の行動が招いたことなんですけどね……
 グラニットの離反については「話が違うじゃん!!」ってとこでしょうが
 まあ、命令ひとつで人の生き死にを自由にできると思う方が悪いってことでさ……
 こらえてくれ。

 それはともかく、次回以降の動向が気になります。
 あの状況でなおクレイに付くのなら、そこには単純な利害関係じゃなく
 忠誠を誓う別の理由があるってことになりますから。
 拾ってくれた恩があるのか、それとも弱みを握られているのか……

 どうであれ、クレイに近い立場だった以上タダでは済みません。
 利害だろうと忠義だろうと何だろうと、離れるにはもう遅いかも。
 
 
 
・ギガスモン

 いつになく饒舌でした。愉悦混じりのセリフが多かったように見えます。
 その凶暴な本性というヤツが垣間見えたかも。
 推測ですが、内藤って元々は手のつけられない暴れん坊だったのかも……
 だからこのギガスモンの性格にも、敵を甚振ることへの愉しみがあるとか。

 でも盾無しではあまり良いところがなく、ティアルドモン相手には
 体のいい噛ませにされと終わってみればそこそこ散々な目に遭っています。
 おまけに今回働いた所業のせいで、ますますキョウを怒らせた可能性が……
 
  
 
・クレイ

 余裕ぶっこいてたら賞金首にされちゃった人。
 キョウに画面越しから睨まれただけで若干怯んだり、格が下がりはじめてます。
 まあ3月中に退場しちゃいそうだし、大物ぶってる余裕はもう無いでしょう。
 
  
 
・プロガノモン

 13話以来の登場となるクレイのパートナー。
 そのドリルでコロシアム全体を崩壊させるという、圧倒的破壊力を見せつけました。
 伊達に五行星の一角を張ってたわけじゃありませんね。もう五行星じゃないけど。
 出たと思ったら肩書きを外されるとは、いささか不憫なパートナーです。
 
 
 
・ゲンジョウ&ゴクウモン

 いつの間にかコロシアムの客の中に紛れ込んでました。
 キョウとクレイを潰し合わせる気だったみたいですが、今回の目的は
 その間に闇オークションとコロシアムの情報をリークすることにあったようです。
 そして、明らかになった事実関係を王会長に報告。
 まんまとクレイを追い落とすことに成功しています。

 と、これだけ書けば組織の腐敗を切り落とす役割を果たしただけなんですが
 そもそもカイトにはクレイ以上に警戒されてたことを忘れちゃいけません。
 あの手の人物のカンって、大抵よく当たるんですよ……
 果たして、彼らの真意はどこにあるのでしょうね。
 
  
 
・王会長

 ゲンジョウの報告を受け、即時クレイを賞金首に落としました。
 ということはこの人、クレイの悪事をまったく把握できてなかったことになります。
 若干格が下がった感を受けると同時に、この人やっぱり本質的には悪人じゃないんかな……
 という印象が強まったのも事実です。手段として悪を選ぶことはあるとしても。
 
 
 
 
★名(迷)セリフ
 
 
「トモロウ! あとでヒトミって子にお礼を言っときな!」(レーナ)

 コロシアム乱入時の第一声。
 思えばヒトミって、グローイングドーンの他の面々については初対面同然。
 それでも知らせてくれたのだから、確かに影のMVPかもしれません。
 もちろん、ゴクウモンがわざと彼女に見せるように動いた可能性も高いのですが。
 
 
「五行星と元・五行星……存分に潰しあってもらいましょう……」(ゲンジョウ)

 コロシアムの混乱を眺めながら。
 悪どいことをやってるクレイはともかく、やはりキョウのことも邪魔に思ってそうですね。
 キョウだってこんなことがなきゃ迂闊に動かないし、放っておいた方が得策でしょうに。
 やはり何か別の目的があるってことでしょうか。
 
 
「……わかってるよ。
 楽して会いに行っても……ステラは……きっと僕を、許してくれない……」(グラニット)


 それなりの矜持で動いていたことがハッキリした一言。
 結構ちゃんとしてんだなってことで、ああなる下地はあったように思えます。
 何か契機があれば「あの子の分まで精一杯生きる」とより前向きになりそうだし、
 その契機が今回の一件になり得るんじゃないでしょうか。
 
 
「コールドハートされるんだよっ!」(トモロウ)

 ライトに構っている場合ではない、と急かすレーナに。
 その一言でだいたい充分でした。
 
 
「あなたは…… 知るべきことがある」(ホタルコ)

 ライトの牢をシャコモンに破らせて。外からは案外カンタンに外せるようです。
 マコトにはああ言ってましたけど彼女、仮にも同僚を平気で始末できるほど
 非情には見えないし、そうなる必要もないんですよね。
 
 
「反撃開始だ……!」(内藤)

 ルドモンの盾を手にしたギガスモンの後ろで、拳を合わせながら。
 こんなカッコ悪い反撃開始発言、初めて見た気がしますね。
 
 
「行方不明の賞金首さ。こいつらは、オレが捕らえた。
 天才だからな……ちょろいもんだったぜ」(ライト)


 コールドハートされた人々が眠る、墓場のような空間にて。
 自虐セリフその1です。いい気になっていたかつての自分の愚かさを悟り、
 座り込んで虚脱している様子からはいつもの覇気がまるで見られません。
 
 
「くだらん情に流されて攻撃できんとは……どこが完璧だ!」(内藤)

 グラニットの身を案じて手を出せないでいるキョウ組に。
 部下を盾に人質まがいの戦法を取らなければ有利を取れない方々が、
 思いっきりフラグを立てています。あんたら本当にダセェよ……
 
 
「この命令に従えば……僕は、ちゃんと死ねる……
 ステラも許してくれる……はず……」(グラニット)


 気遣ってくるレーナを拒絶して。
 「はず」という歯切れの悪い言い回しに本質が隠れています。
 
 
「ホタルコから聞いた……
 内藤は、そもそもオレを元に戻すつもりなんてなかったってな……
 笑え! これでいくら勝とうが、無駄だったってわけだ!」(ライト)


 自虐セリフその2です。
 あまりにも自分が滑稽すぎて笑うしかないのでしょう。痛々しい。
 
 
「ああ、笑ってやる! お前をここから出したあとでな!」(トモロウ)

 そんなライトを引き起こそうとしながら。
 言葉通り、ここでの彼の顔はまったく笑っていません。
 そもそも笑える状況ではないのです。
 
 
「ざっけんなぁ!
 なにが命令よ! あんたたち、本当にこれでいいわけ!?
 自分のことぐらい……自分で、決めなよッ!」(レーナ)


 ギガスモンのところに戻ろうとするルドモンを体ごとで止めて。
 ほぼ同時にウルヴァモンがギガスモンに飛びつき、その動きを制限しています。
 体当たりにも程がありますけど、彼女たちらしいと言えばらしい。
 この行動と言葉が、ルドモンの魂と覚悟を奮い起こすことになります。
 
 
「姿を見ればわかる……あの子は守るために生まれた!」(ウルヴァモン)
「ずっと戦ってるんだよ! あんたを守るためだけに!!」(レーナ)


 e-パルスを遮断し、命令違反を犯した咎でギガスモンに攻撃されるルドモン。
 パートナーの行動を見て戸惑うグラニットへ贈る言葉。
 そのとき改めて、グラニットは自分が独りではなかったと実感します。
 
 
「あんたも戦え! グラニットーーーー!」(レーナ)

 生きることは戦うこと。ちゃんとした死に場所が欲しいなら生きろ。
 生きて、生き抜いて胸を張って逝けるところを目指せ。
 ルドモンがお前のために、常に体を張って戦い続けているように。
 その叫びは、虚無だったはずのグラニットの心に確かに届くものでした。
 
 
「独りぼっちは……もう……嫌だ!
 嫌だーーーーーーッ!」(グラニット)


 トドメを刺されそうになっているルドモンを見て。
 結局、彼が一番恐れているのは「孤独」だったのです。
 安易にステラの後を追いたくなかったのも、そんなことをして嫌われて
 あの世でも一人になってしまうかもしれないのが怖かったからなんでしょうね。

 そして今、彼は支え続けてくれた一番の友がすぐそばにいると気づきました。
 上にも書きましたが、このセリフはパートナーを守るためでもあったのでしょう。
 そのためには、もっと力が必要だったわけです。守るためのより強い力が。
 
 
「ルドモン進化ぁぁッ! ティアルドモンッ!」(ティアルドモン)

 土壇場での成熟期進化。緑のe-パルスが眩いです。
 中の人の満を持したようにパワフルな叫びが、状況を盛り上げてくれます。
  
 
「グラニット。僕らの死に場所は……ここじゃない!」
 「……そうだね……!」(ティアルドモン&グラニット)


 ギガスモンの攻撃を見事完全防御、どころか痛烈なカウンターを喰らわせて。
 これまた、中の人のイケメンボイスを有効活用した場面です。
 いきなり饒舌になるなんてズルいじゃんよぉ……
 
 
「ったく、タダ働き最悪〜っ」
「でも、収穫はあったじゃない?」
「……まぁ、ね」(レーナ&プリスティモン)


 消耗して眠るグラニット組を見下ろしながら。
 ぼやきつつも満足そうな二人です。
 
 
「ヤツは一線を超えた。
 現時刻をもって、クレイ・アルスランを……賞金首に指名する!」(王会長)


 ラストシーンのセリフ。
 五行星の連携がシャングリラ計画に不可欠と謳うこの人にとっては、
 絶対に看過できない事態です。妥協なんてできないでしょう。
 たとえ五行星がひとつ欠けることになったとしても。
 
 でも、誰かを五行星の後任として立てるメドは立ってるのでしょうか。
 まさかキョウを復帰させようとか考えないでしょうね……
 
 
 
★次回予告

 とうとうチームセブン最後の一人になってしまったホタルコ。
 なってしまったらあっという間でした。その彼女にも、どうやら選択のときです。
 あの嗤う口元はホノカのものでしょうか? 再登場の目的は……?