僕の居場所

脚本:佐藤寿昭 絵コンテ:貝澤幸男 演出:長谷川和哉
作画監督:宇代祐規/市川吉幸/有我洋美 総作画監督:金久保典江

★あらすじ

ミラーワールドでムースモンを駆る貸金庫強盗を追う最中、事故が発生。
ムースモンの能力によって現実世界へのゲートが開かれ、近くにいたレーナが
介入してきたグラニット共々はるか遠くの雪山に投げ出されてしまいます。
このムースモンは成熟期ながらミラーワールドを開けるレアスキルの持ち主だったのです。

寒さの中、ムースモンの探索を強行したグラニットは凍死しかけてしまいます。
これを救ったのはレーナ達でした。一同はたまたま見つけた山小屋に避難し、
そこでひとまずの暖を取るのですが、そこに現れたのはムースモン。
小屋はこのデジモンとサポ主の隠れ家だったのです。

ミラーワールドに戻るためには、ムースモンに例の能力を使わせるしかありません。
レーナとグラニットは即興の連携を取り、連続攻撃を仕掛けます。
この賭けは当たり、二人と二体はミラーワールドへの帰還に成功。
限界を迎えて退化したムースモンとそのサポタマは、レーナに確保されます。
トモロウ達との合流も無事に果たされ、一件落着となりました。

無言でその場を去っていったグラニット。
あの隠れ家の地下には、大量の金銀財宝が眠っていました。
これを発見したことで、結果的に彼は任務以上の利得を齎したことになります。
しかしその表情に喜びはなく、死に損ねた虚しさがあるだけでした。

守りたい大切な人を喪った時から、彼は死に場所を探し続けているのです……
 
 
 
★全体印象
 
16話です。
レーナ組とグラニット組の孤立という、かなり限定的状況が早い段階で始まるお話。
ミラーワールドから現実世界のまったく別の場所に放り出されるケースがあり、
それがいかに危険かということも提示された回だったと思います。
トモロウ達も、レーナらが自力でMWヘ戻るまでどうしようもなかったわけですし。

レーナの過去にも追加情報がありました。
八歳で両親が蒸発、居場所を探して転々としていたのですね。
キョウに拾われてなかったら、今でも荒れた生活を繰り返していたかもしれません。
彼女にとってグローイングドーンは失いたくない「居場所」というわけですね。

それ以上に大きな扱いだったのは、グラニットの過去です。
詳細は下に譲りますが、その半生はレーナの対比となり得るものでした。
死に場所を求める彼にとっては、仮にもエリートとして遇される今の立場すら
虚しいものでしかないのでしょうか。
その割には、チームの規律にも拘っていたようですが……

脚本は佐藤寿昭さん。絵コンテはしばらくぶりの貝澤幸男さんです。
演出担当の長谷川和哉さんは見慣れないお名前でしたが、調べたところによると
「逃走中」にて演出助手をつとめていた人みたいです。
ということは今回で演出に昇進というわけですかね。絵コンテは別だけど。
 
 
 
★キャラなど個別印象
 
 
・トモロウ

 サブに回ってましたが、レーナの手がかりを探して休むのもそこそこに奔走するなど
 随所で存在感を示してはいます。彼にとってももうグローイングドーンは居場所であり、
 レーナも大事なファミリーの一人だという意識が根を下ろしつつあるのでしょう。
 表立っては口にしてないけど。
 
 
 
・ゲッコーモン

 序盤トモロウと共にムースモンらを追撃、サポ主を捕縛する手柄を上げています。
 相方の発言がキョウの受け売りであることをバラしたり、相変わらずイタズラ好き。
 
 
 
・マコト組

 メインでは一番影が薄いものの、トモロウに負けじと走り回る姿には
 しっかり者コンビらしさが伺えました。それにミラーワールドへ戻っていれば、
 彼らならすぐレーナたちを見つけられるでしょうし。

 ところで彼ら、二度目はどうやってミラーワールドに入ったんでしょう。
 まあ、レーナ捜索のために閉じてはいなかったんでしょうが……
 出入り口に時間制限とか、任意に閉じられたりはするんですかね?
 
 
 
・キョウ組

 レーナ捜索は概ねトモロウ達に任せていました。
 ムースモンらをミラーワールドに追い込んだのが彼らなら消耗しているはずだし、
 トモロウ達の方から「あんたは休んでろ」と言われた可能性もあります。
 それに、この手のケースでは待つしかないということを知ってるのかも。

 かと言って、トモロウ達を無理に止めたりもしていません。
 ファミリーを助けたいという気持ちでは、もちろん彼らも変わらないからですね。
 
  
  
・レーナ

 上記の通り、その過去に追加情報がありました。
 八歳のとき両親が蒸発、その後すぐプリスティモンが生まれてクリーナーになったと。
 まだ十代ですが、クリーナーとしてはかなりの経験があるわけですか。
 その彼女らでも到達できてないから、完全体進化以上は本作でも相当難しそうです。

 両親がいなくなった理由は語られていません。
 親戚の誰も引き取り手がおらず、しばらくは施設暮らしだったみたいです。
 プリスティモンのことを考えると、そこにも長くはいなかったでしょうけれど。
 「あんな親」って言われてましたが、なんか問題のある感じだったんでしょうか。
 単純に世間体かもしれないけど。

 いずれにせよ彼女は、この時から「自分の居場所は自分で見つける」と心に決めてます。
 プリスティモンは、そのときの想いから現れた可能性がありますね。
 ファミリーを大事にしている彼女らですが、お互いだけでも逞しく生きてゆけるし
 だからこそ余計に居場所というものを大切にするのでしょう。

 つまり、彼女らは「生きる場所」を求めてきたのです。
 今度どうなるかはわからないけど、少なくとも今彼女はそれを手に入れていますね。

 またファミリー以外であっても、助けないといけない時にはきっちりと助け
 一緒に食い扶持を稼いだ同士だからと躊躇いなくパンを差し出す度量も見せています。
 その行動、特に助けに来た時はグラニットにステラを思い出させました。
 
  
 
・プリスティモン → ウルヴァモン

 今回の主役格として気を吐いていました。
 寒さに弱いのか、雪山では慌ててレーナの懐に飛び込むシーンがあったりもします。
 寒いのは足丸出しなレーナも相当だったでしょうけど。

 でも成熟期進化さえできればトムボーイブレイズがあるし、暖を取るには困りません。
 山小屋で火を起こすことができたのも、彼女の能力によるところが大きいです。
 生木を燃やせたのだって、あの火力あってのことだったかもしれません。
 (実際に生木を燃やす場面はなく、付近の場面では成長期でしたが)

 後半のバトルではレーナを背負ってのダイナミックな滑降やムースモンとの粘り強い格闘と
 良いところを見せてます。ルドモンの防御力を活かした即興連携も
 間に合わせの割にはうまくハマり、帰還への道筋を作ってました。
 直接ぶっ飛ばす描写はないものの、久々の面目躍如ですね。
 
  
 
・グラニット

 本名がルカであり、どこかの紛争地出身であることが回想で明かされました。
 グラニットというのが誰につけられた名前で、今の正式な名前なのか
 コードネームなのかは明らかになっていませんが。

 難民キャンプにいたことがあるらしく、当時は少し内気ながらも
 気を許せば笑うことも多い、普通の少年だったみたいですね。
 それが紛争によって大切な人を喪い、虚無を纏うようになってしまったと。
 彼にとって、喪ったあの子の隣こそが居場所だったのですね。
 どんなに願っても、もう二度と手に入らないと絶望してしまったほどの。

 死に場所を探していたのは、今の彼にとっての居場所が「この世にない」
 からなのでしょうか。今の地位を得たのは本当にたまたまで、
 一見ほかの二人、特にライトのようなエリート意識は薄いようにも見えます。

 でもその割には自ら命を断つようなこともなくこれまで生きてきているし、
 タクティクスの規律を再三口にしているのも、足並みを乱すことで
 チームにいられなくなることを恐れているからではないかとも取れます。
 あるいは、大切な人を自分のせいで喪ったと思い込んでいることによる反動か。

 そんなグラニットも人間、寒さには震えるし腹も減ります。
 最後に取った選択も含め、彼は生きるための選択をしていました。
 本当に死にたいのなら、あそこで雪山に残る選択もできたはずです。

 とどのつまり、彼もまた探しているのかもしれません。
 ここに骨を埋めてもいいと、「精一杯”生きた”と言えるような場所」を。
 チームセブンがその場所かどうかは、今後の描写しだいですが。
  
 
・ルドモン

 このデジモンがグラニットのサポタマから生まれた理由、それは「守りたい」
 だったのでしょう。本当は自分だけじゃなく、あの子も守りたかったはず。
 でも、守ることができたのはグラニットだけでした。
 当時の彼らには、それが精一杯だったのです。

 その後も無言で付き従い、グラニットを守り続けてきたのでしょう。
 当のグラニットのセリフから、それはなんとなく感じ取れます。
 極端に無口なその裏には、パートナーを生かしたいと願う気持ちがあるのですね。
 それは守護のデジモンとして生まれた本能みたいなものでもあるだろうし。

 でも彼の存在は、グラニットの「守れなかった」という無念の象徴でもあります。
 いつか過去のあの時と同じぐらい「守りたい」と思える何かを手に入れ、
 グラニットが僕だけでなく、僕の大切なもの全てを守ってくれと願ったとき、
 彼は次なる進化を手に入れるのかもしれません。
 
 
・マキ

 ライト達をタクティクスのチームセブンと見抜いていました。
 とはいえ、両チームの間に一瞬で走った緊張から察することはできそうです。
 バーのママもやってる彼女ならわけもないでしょう。
 
 
・吉村

 熱いマグカップをうっかり掴んでしまい、落として割ってしまってました。
 寒さに震えるレーナ達との対比ですね。
 そのあと黙々と後片付けをする光景がなんだかジワジワ来ます。
 
 
 
・ライト組&ホタルコ組

 伽藍堂に現れ、トモロウ達と顔を合わせていました。珍しい顔合わせです。
 ライトは「命令だから探しているだけ」と嘯いており態度も悪いですが、
 ホタルコは礼儀を心得てて場の空気を緩和していました。

 とはいえそんな彼らも、グラニットがいないと困る局面があるのは確かなはず。
 わざわざ伽藍堂にまで顔を出したのは、情報集めに走り回ってた証拠です。
 ライトのあからさまな物言いも、若干照れ隠しに聞こえなくもありません。
 本当のところはまだ断言できないけど。
 
  
 
・セラフィ

 ラストシーンでグラニットに連絡を入れ、隠れ家の財宝による利益が
 ムースモン捕獲による利益を上回るであろうことと、それが彼の功績であることを
 簡潔に伝えていました。これで任務失敗の埋め合わせができた形です。
 あいにく、グラニット自身は全然嬉しそうじゃありませんでしたが……
 
 
 
・ムースモン

 今回のメインエネミーである古代獣型デジモン。
 成熟期とされてますが厳密にはアーマー体です。この区分が成熟期扱いになって
 もう久しいし、能力的に矛盾も少ないのでハイブリッド体ほど違和感はないですが。

 完全体じゃないのにミラーワールドへのゲートを開けるという、レアスキルの持ち主。
 角が黄金に輝き肥大するのが、能力発動の目印です。
 泥棒なんかをやらせるには勿体ないと、チームセブンにも捕獲指令が出てた模様。
 もっと有意義な使い方があるということでしたが、何をさせるつもりだったんでしょう。

 でも大量のe-パルスを消費するため、濫用は退化につながってしまうようです。
 やはり成熟期の身に、ゲート開放は負担が大きすぎるのでしょう。
 なぜこんな能力を持って生まれてきたのかといえば、それはサポ主の影響でしょう。
 サポ主の感情というか、欲望に応える形で生まれてしまったのかもしれません。

 この能力を活かし、サポ主の命令で貸金庫を盗んではミラーワールド経由で逃走。
 雪山の小屋の地下に盗品を集めて隠していたわけですね。
 ああいった辺鄙な場所なら、そうそう見つけられることもないですから。

 その雪山に来たグラニットやレーナ達を襲ったのは、つまりサポ主の集めた
 盗品を守ろうとしていたのでしょう。
 きっと、自分にはそうする以外に「居場所」が得られないと思っていたから。
 そのサポ主には見捨てられたも同然なのを思うと、実に虚しい気持ちになります。

 最終的にはその能力を帰還のために利用されますが、e-パルスの補給なしに
 二度もゲート開放を行使したため、すでに限界を迎えていました。
 さいわい退化だけで済み、幼年期パフモンになっています。
 この時点で捕獲の意味が失われたため、グラニットにも見逃されました。

 今後はニリンソウにて、とりあえずの新たな居場所を得るのでしょう。
 未来はともかく、少なくとも今のところはまだ幸運な方ですね。
 
 
 
・赤坂マナブ

 ムースモンのサポ主。名前を呼ばれることはなく、セリフもないです。
 しかしムースモンのことは道具としか思っていなかったようで、捕まった後も
 犯行を否認し続け「そんな化け物は知らない、証拠を出せ」の一点張りだった模様。

 ムースモンをさんざん利用していながら、この態度です。
 全部あいつのせいだと押し付けることさえなく、存在さえも黙殺するとは。
 恐らくロクな人間ではありますまい。ムースモンは生まれる場所を間違えましたね。

 事件後の消息は語られていませんが、サポタマが回収された以上
 罪に問われることは間違いないでしょう。
 こういう人格ですから、また同じことを繰り返すかもしれませんが。
 
 
 
・ステラ

 グラニットが難民キャンプで出会った快活な少女。
 ガムをくすねて大人たちから逃げる最中、彼を巻き込んだことをキッカケに親しくなり
 ともに様々な時を重ね、お互い大切な存在となってゆきました。

 しかし難民キャンプへの攻撃という国際条約違反により、その日常は崩壊。
 グラニットの手を引いて逃げる最中、手が離れて転んでしまった彼を
 振り向いて気遣う姿が最後となりました。
 ルドモンのおかげでグラニットは無傷でしたが、あの状況から見る限り
 彼女が生きている確率はゼロでしょう。なにせ小型ミサイルです。

 以来、グラニットは滅多に笑わなくなり虚無を抱えるようになりました。
 彼の本当の名である「ルカ」は光を連想させる言葉です。
 だけどその光は、星──ステラがあってこそのもの。
 星なき光は、ただ闇に呑まれるだけです。

 もし自分の手が離れなかったら。もし自分が足並みを乱さなかったら。
 ルドモンは自分だけでなく、彼女だって守れたかもしれない。
 グラニットが特に三つ目の誓いに拘ってるのは、このときの影響かも。

 彼の心には、当時の絶望がずっと残ったままなのでしょう。
 ステラと同じぐらい、またはそれ以上に「守りたい」と思えるような、
 そんな対象は見つかるのでしょうか。

 そしてチームセブンの仲間は、彼にとってその対象たりえるでしょうか。
 答えはまだ、誰にもわかりません。

 ステラの中の人は藤井ゆきよさん。
 「セーラームーンCrystal」の土萌ほたるや「ゲゲゲの鬼太郎(6期)」のまなと
 印象的なヒロインを演じることが多い方です。
 シリーズにおいては「クロスウォーズ」にモブで出演しているほか、
 「デジモンサヴァイブ」ではラブラモン役としての出演が記憶に新しいですね。
 進化した際には凛々しい演技にガラッと変わるのがまた印象的。
 
 
・ED

 よく見るとラストカットがレーナ&プリスティモンになっています。
 その回のメインによって変わるってことでしょうかね。
 じゃあ次はマコト&キロプモンかな?
 
 
 
★名(迷)セリフ
 
 
「助けなんて来ないよ。
 それに……死ぬには、ここはいい場所かも」(グラニット)


 下手に動かずに助けを待った方がいい、とムースモン追跡を止めるレーナに。
 よく見ると、かすかに微笑んで言っています。
 でもこの言葉が、レーナを動かすことになったのかもしれません。
 それに結果だけ見れば、ここが行動すべき局面だったのは確かです。
 
 
「仲間? クハッ! 命令だよ、命令! でなきゃ、わざわざ探すことねーだろ」(ライト)
 
 お前たちも仲間を探しているのか、と訊くトモロウに。
 嘲笑するような口調です。これがどこまで本気の発言かわかりませんが、
 少なくともトモロウに与えた印象は極めて悪いといえます。
 一回やり口を見てるので、眉を顰めた程度でしたが。
 
 
「もう…いいんだ、ルドモン…… このまま……逝かせてよ……」(グラニット)
 
 なんとか自分を助けようとしているらしいルドモンに。
 一度は本気で「ここで死んでもいい」と思ってしまったのでしょうか。
 これであの子のところへ行ける、と。
 
 
「なんで…… ぼくなんかを、助けたの……」(グラニット)
 
 山小屋で回復し、レーナに助けられたことを知って。
 このセリフから想像する限り、自己評価は高い方じゃないんでしょうね。
 大切な人ひとり守れなかった無力感を、ずっと背負って生きているのでしょうから。
 案外、ライトにはそこを見透かされているのかもしれません。
 
 
「二人とも、そう簡単にくたばったりしないさ」(キョウ)
 
 今日は休め、とトモロウ達に伝えて。
 こうしたケースでは向こうが自力でなんとかするしかない、と知ってそうなセリフです。
 と同時に、レーナ達の逞しさをよく知っているゆえのセリフでもありましょう。
 
 
「誰に許可取ってんの?
 あたしたちが一緒に集めた薪! それでこんがり焼いたパン!
 自分たちで稼いだ食い扶持じゃん?」(レーナ)

 
 グラニットにパンを差し出した際「食べていいの?」と聞かれて。
 彼からすればグローイングドーンはいわば商売敵。助ける理由などないはずです。
 それなのに食料を差し出すことが意外だったのでしょうけれど、
 このセリフはそんな確認をふんわり包み込み、かつ割と筋の通った意見でした。

 この直後、グラニットは空腹に負けてパンに食いつくことになります。
 二組の間柄がほんの少し変化した瞬間でした。
 
 
「あいつが、戦いで真っ先に前に出るのも……金にこだわるのも、
 ここで、役に立っていることを実感しようとしていたのかもな」(キョウ)

 
 レーナの生い立ちを語って。
 トモロウのハッとなる表情が印象的です。4話で聞いた話や、実際に彼女と行動を共にし
 掴んできた実感との裏付けが取れたからなんでしょう。

 この後トモロウは休憩を中断して捜索を再開し、マコトもこれに続きました。
 クーガモンもキョウも、その背中を頼もしそうに見送っています。
 
 
「サポタマ、出しな。
 そんなことしなくても、あんたの居場所がある世界……作るからさ」(レーナ)

 
 限界を迎えつつあるムースモンに。
 観念したか、それとも安堵したのか。退化したムースモンはパフモンになりました。
 この人は敵ではなく、自分に新しい居場所をくれる人だと悟ったのかもしれません。

 グラニットはその光景を見守り、無言で去ってゆきました。
 無事に仲間と連絡が取れるエリアへ戻り、ムースモンも退化してしまった今
 もちろん止まる意味はもうなかったのですが、どこか思うところがありそうでした。
 命令通りにしなければ居場所を保てなかったムースモンに、彼は何を思うのか。
 
 
「はぁ……今度も、また生き残っちゃった……」(グラニット)
 
 セラフィの連絡を受け取った後。
 彼が「あの子の分まで生きてみせる」と決意する日は来るのでしょうか。
 それとも、そんな日は来ないのでしょうか……
 
 
 
★次回予告

 「反感」を意味するサブタイです。誰から誰への反感でしょう?
 次がホタルコの掘り下げ回になるのは間違いなさそうですけれど、
 どうやら彼女、実家は庶民的っぽいですね。
 対応キャラであるマコトとどんな対比が描かれるのか、気になります。