黒い感情

脚本:森地夏美 演出:古賀豪
作画監督:西村あずさ/近藤瑠衣/吉田雄一/迫由里香
総作画監督:諸葛子敬

★あらすじ

給料日を迎えたグローイングドーン。
トモロウは未だ昏睡中の兄・アスカに誕生日プレゼントを贈ろうと考えるのですが、
ゲッコーモンが買い物について行くと言って聞きません。

そのうえ、プレゼント用にしようとしたマフラーの色で揉めたあげく
大喧嘩に発展してしまい、ゲッコーモンはどこかへ飛び出していってしまいます。
そんなとき折り悪しく、危険なレアモンが湾岸地区排ガスターミナルに出現しました。

対処に向かうトモロウ達。後からゲッコーモンも合流するのですが、
トモロウとの連携は最悪の状態です。そのうえレアモンの毒で状況も悪化の一途。
馬を引っ掻き回した上になおも無謀な戦いを続けようとするゲッコーモンに対し、
トモロウは溜まりに溜まった鬱憤を爆発させてしまいます。

その黒い感情を受けて、ゲッコーモンは暴走。
レアモンに向かってゆくのですが、巨大なその口内に呑み込まれてしまいました。
そこへ突如巻き起こった謎の火炎が、たったの一撃でレアモンを焼き尽くします。

手を下したのはクリーナー五行星のひとり、忽那カイトでした。
しかも、キョウの昔の知り合い。なんと、キョウも以前は五行星のメンバーだったのです。
好戦的なカイトでしたが、あくまで戦いを避けようとするキョウに毒気を抜かれ
その場を去ろうとし、事件はそれで収まるかと思われました。

が、まだ暴走していたゲッコーモンが無謀にも攻撃をかけてカイトの逆鱗に触れます。
そのパートナー、フレアモンの一撃が炸裂し、ムラサメモンが庇ったものの
ゲッコーモンは幼年期へと退化してしまいました。
トモロウは炎の中、この惨状を呆然と見つめることしかできなかったのです。
 
 
 
 
★全体印象
 
11話です。
そのうちやるだろうと思っていた喧嘩回が、年末の山場にやってきてしまいました。
さらに五行星のひとり、忽那カイトという強敵まで出てきてもう無茶苦茶です。
正確にはカイトは今んとこ同業者であって、敵とは言い切れんのですが……

とはいえ、第一の山場として要素は妥当だし盛り上げ方も適切と感じます。
これを乗り越えなければ、トモロウもゲッコーモンも次のステージへは進めますまい。
そうしなければならないだけの負の布石は積み上げられてたと思います。

新登場となる忽那カイトも、強敵感がゴリゴリに出ていてかなり良い感じ。
キョウの昔馴染みという設定も、ドラマを期待するには十二分です。
他の五行星との関係性についても俄然気になってきますね。

年内の放送は次回で締めでしょうか?
何はともあれ、一旦落ち着く感じのラストに着地してほしいものですね。
まだまだ先は長いかもしれないのですし。

脚本は4話以来となる森地夏美さん。今回の満足度も高いです。
デジアド:、ゴーストゲームと、シリーズを重ねるごとに良くなっている印象。
本作は特に割と堅実な作りなんで、脚本にもそれが反映されやすいのかもしれません。

演出には「アプモン」のSDである古賀豪さんが参加されてます。
氏は「ドキドキ!プリキュア」のSDでもあるので、同作のシリーズ構成も担当していた
山口亮太さんの縁で参加に至ったと推測できますね。あくまで推測ですけど。
 
 
 
 
★キャラなど個別印象
 
 
・トモロウ

 思えば一度内面描写が減ってるんですよね、この子。
 5話と6話はパンダモン中心だし、7話はキョウ、9話と10話は完全にマコト中心。
 8話だけは例外ですが、自身やパートナーとのドラマ的発展があったわけじゃありませんし。
 4話でいったん腰を落ち着けたあとは、ろくな成長イベントが用意されてないんです。

 で、これがおそらく意図的な構成だったことが今回でわかる仕掛けになってるんですね。
 彼はクリーナーとしてなんとか生活しながらも心のどこかでずっと「なんでこんなことに」
 とずっと思っていて、それが全く払拭できてなかったんでしょう。
 これまででパートナー同士の様々な関係を見てきましたけど、それとこれとは話が別だし。

 それに自由奔放、好奇心旺盛すぎるゲッコーモンには延々と手を焼かされていました。
 今回のようにマコト達がフォローしてくれるにしても、おのずと限度ってものがあります。
 おまけにゲッコーモンが場を引っ掻き回して状況を悪化させたことも、これが初めてじゃありません。
 さまざまな意味でストレスが溜まりに溜まった上でのあのライン越えの発言と考えれば、
 責めるより先に「それはそれとして感情は分からんでもない」とはなりますね。

 それにあの発言、自分のことも含めているような気がしてならんのです。
 両親が逮捕されたことも、兄がコールドハートになったことも、彼はまだ自分のせいだと思っています。
 そもそも自分がいなければ、両親も兄もあんな目に遭っていなかったのではないかと。
 そのようにして考えれば5話からここまでのお話も、少しずつ彼の内面に関わってるかもしれません。

 ただ感情が先走っていても、ゲッコーモンを本気で嫌ってるわけじゃないのは描写から明らか。
 なので、次回以降にどう挽回するかですね。
 もちろんそれによる進化がどんな感じになるかも注目したいです。
 
 
 
・ゲッコーモン

 トモロウとの関係性が悪いカードとして全部裏目に出てしまいました。
 最初の大きなキッカケはマフラーの件。このせいでトモロウを疑心暗鬼にさせてしまいました。
 レアモンはたまたまそこにいただけで、ゲッコーモンが意図的に刺激したわけではないんですが。

 二つめのもっと大きなキッカケは、無謀をやらかした果てにうっかりトモロウを殴っちゃったこと。
 正確には揉めてる間に事故っちゃった形なんですが、これでトモロウが完全にキレちゃいました。
 結果、あのような暴走に繋がりましたがそれでもトモロウを攻撃することはギリギリなく、
 怒りをぶつけるようにレアモンへ突撃していってます。

 しかし暴走したからといって、それで別に戦況が改善したりなどは全然ありませんでした。
 彼を結果的に助けたのはフレアモン、そしてそのフレアモンから庇ったムラサメモンです。
 「ゴーストゲーム」のように、圧倒的力を発揮して敵をぶちのめすという流れにはなってません。

 本作は現状わりと徹底的に「暴走したところで何の解決にもならない」方向で固められてます。
 それは取りも直さず「自分の感情に振り回されてはいけない」という話につながります。
 デジモンが心の乱れをダイレクトに反映するならば尚更といえるでしょう。
 まあ、それは今までのシリーズでも概ねそうだったはずですけど。

 そういえば暴走してた間のことは覚えてないとして、退化したらどうなるんでしょうね。
 ニリンソウの幼年期たちを見る限り、成長期以降の記憶が失われている可能性もあるんですが
 実は明言されてないし、ここで答え合わせができるかもしれません。

 そしてやはり、気になるのは進化ですね。
 おそらくキョウがしばらく戦えなくなるから残りメンバーだけで対処しないといけないし、
 ここで成熟期進化しなきゃいつ進化すんのってタイミングです。それは期待しますよ。
 
 
 
・レーナ

 ほぼ野次馬としてトモロウの外出についていった一方、ゲッコーモンと喧嘩した彼を嗜めたり
 姉貴分らしいこともしてましたが、あんまり効果は上がってません。
 むしろ彼女も、プリスティモンとの間が円満とまで行かないことが判明しちゃってます。

 後半はキョウの指示を聞き、マコトと共にすばやく撤退。
 ウルヴァモン共々単独の戦績ではすでにマコト組にすら遅れをとってしまってる状態なんで、
 そろそろ巻き返しに期待したいですね。今年はもう無理でしょうが。
 
 
 
・プリスティモン → ウルヴァモン

 レーナの発言に異議を唱え、いろいろ軋轢があることをバラしてしまいました。
 まあ明らかにガサツなレーナよりはしっかりしてそうだし、言いたいことはあるんでしょう。
 どっちかというと今回のように皮肉へ乗せて伝えるタイプだと思いますけど。

 バトルではレアモンの毒をくらい、成熟期進化解除の憂き目に遭ってます。
 しかもそのままガスの中に取り残されたので、放っておいたらかなりヤバかったでしょう。
 これを救助したナイトキロプモンも連鎖的に戦闘不能へ陥り、事態悪化へ繋がっちゃってます。
 
 
 
・マコト

 前半でゲッコーモンの脱走を見落とすというチョンボをかましています。
 でもこれはレーナとプリスティモンに気を取られたからだし、もし責任を問うとしたら
 あの場の全員にあると言うしかないでしょう。
 まあ事態はそれどころじゃないところまで転がってるんですが。
 
 
 
・キロプモン → ナイトキロプモン

 前回で会得した進化をさっそく活用し、サポ主を救出する活躍をしています。
 またガスの中に放り出されたプリスティモンも救助しましたが、これは決死の行動でした。
 事実、彼もあっという間に毒にやられて戦闘不能になってしまったからです。

 ガスの中から脱出できたのは幸いでしたが……
 あのスーツ、隠密行動には適してるけど対ガスは考慮されてないんですね。

 ところでどうでもいいことなんですが、ガスから出たばかりの状態のところへ
 早々に接触するのは非常にまずいんじゃないでしょうか……
 キョウも注意してた通り、デジモンでさえ簡単にダウンしてしまう毒なのに。
 まあその「常識」を遵守したところで流れを阻害するだけなんですが。
 
 
 
・キョウ

 相手が非常にヤバい手合いとあって、今回は最初から同行しています。
 結果、クーガモン共々初の進化バンクを披露していました。
 でもこういう場合楽勝展開になることはまずないし、事実えらいことになったんですが。

 かつて五行星だったという話は、やはりなという印象。
 まあワケアリと思ってただけで、ストレートに元五行星とまでは考えてませんでしたけど。
 でもこれで、五行星連中とのドラマも作りやすくなるわけですね。

 つまり彼、何かしらの理由でメンバーを抜け、グローイングドーンを立ち上げたんですね。
 カイトの言葉からすると当時と今とではだいぶ違うみたいですから、
 彼をそれほどまでに変えて立場も権力も何もかも捨てさせる何かがあったんでしょう。
 そういう意味じゃ彼、マコトとも似たもの同士なのかもしれません。

 今の行動原理はあくまでも、トモロウ達ファミリーを守ること。
 そのためなら頭を下げることも厭わないというのは、当時じゃ考えられなかった側面かも。
 脱退の際にはカイトと派手にやり合ったっぽいので、闘争心の塊に見えるカイトには
 今のキョウの姿勢は「落ちぶれた」「腑抜けた」と映るんでしょうね。

 ラスト手前では、咄嗟にトモロウを庇って負傷してしまっています。
 昔は五行星として力と特権を恣にしていたであろう彼を、ここまで変えたものは何なのか。
 トモロウ達の今後と同じぐらい、彼の過去についてますます気になってきましたぞ。
 
 
 
・クーガモン → ムラサメモン

 上記の通り、成熟期からの進化バンクを初めて披露しています。
 というか、三人揃っての進化バンク自体がそもそも初めて。
 四人同時進化はいつになるでしょうね。

 バトルでの活躍はというと、実はあんまり良いところがありません。
 レアモンとは相性が悪いのか剣があまり効いていなかったし(サポ主を露出はできましたが)、
 フレアモンとの戦いも途中でキョウが頭を下げたため、消化不良に終わっています。

 またゲッコーモンを庇った際には片膝をつくなど、初めて戦闘で消耗した姿を晒してました。
 ただ、それでもダメージを受けただけで退化に至ってないのはさすがと言えます。
 現状、彼以外にこれだけの芸当はできなかったことでしょう。 
 
 
 
・マキ

 レアモンの情報を教えてくれました。
 情報屋のところにはやはり、相当速やかに報せが届くみたいですね。
 さすがにまだ賞金額は設定されてませんでしたけど。
 
 
 
・アスカ

 回想に登場。寒いのが人一倍苦手だと判明しました。
 そこからトモロウがマフラーを贈ろうと思いついたまではよかったのですが……
 
 
 
・トモロウの両親

 なんと逮捕されていたことが明らかになりました。だから家族が兄貴しかいなかったんですね。
 何の罪を犯したのかも知らされないとは、なんとも穏やかじゃありません。
 トモロウは二人が無実だと信じているようですが。たぶんそれは正しいんでしょう。
 直接犯罪を犯してなくても、ヤバい案件の情報を知ってるってだけで理由になってしまうし。
 
 
 
・忽那カイト

 五行星のひとりにして、フレアモンのパートナー。
 どっかのカリスマアイドルみたいな名前ですけど、見るからに好戦的な雰囲気です。
 明言はされてませんが、コードネームは間違いなく「火」に関わるものでしょう。
 逆に火じゃなかったらビックリするような外見と連れですが、肩書き通りのデタラメな強さです。

 登場した瞬間にレアモンを消してしまったので、出番のほとんどはメインキャラとの絡みが主体。
 「力」へのこだわりが強いらしく、キョウのことを「弱くなった」「落魄れた」と酷評したほか
 トモロウやゲッコーモンのことは「弱っちい」「雑魚」と完全に見下していました。

 その一方でキョウ自身には一定のリスペクトがあるらしく、今の彼を見るのは忍びないと語るなど
 かつてはライバル関係にあったことを容易に見て取ることができます。
 もっとも、この性格からして一方的なライバル宣言だった可能性も高いのですが。

 それゆえか、キョウが頭を下げた際には幻滅して背を向けていました。
 しかしゲッコーモンには本気の反撃をさせているあたり、向かってくる者には容赦しません。
 強者との戦いを望むというより、弱者を憎んでいると表現した方が近そう。

 全体に、横暴と傲慢が服を着て歩いているような男ですね。
 国民保護庁をも凌ぐという五行星としての特権が拍車をかけているのでしょうか。

 中の人は中村悠一さん。言わずと知れた超売れっ子声優さんです。
 あの「ニンテンドーダイレクト」でナレーションをつとめている関係から、
 「日本一守秘義務を抱えている声優」と冗談混じりに言われている方でもあります。

 デジモンシリーズにおいては「アプモン」でカリスモンを演じたことがあるほか、
 ゲーム「デジモンストーリー サイバースルゥース ハッカーズメモリー」においては
 メインキャラである御島龍司の中の人として活躍していました。
 なので、TVシリーズに人間役のレギュラーとして出演するのは初めてになります。

 今後の動向に期待したいところですね。
 案外あっという間に半退場して後半ちょっとしか出てこない枠かもしれないけど……
 
 
 
・フレアモン

 カイトのパートナー。炎の申し子みたいな名と姿を備えた獣人型の完全体デジモンです。
 進化先のアポロモンは登場済でしたが、こちらが登場するのは初めてですね。
 予告でシルエットだけ出てましたので、カンの鋭い方はその段階でこのデジモンと見抜いたはず。

 本編前半にもカイトと一緒に登場しましたが、すでに圧勝で仕事を終えている様子でした。
 その際のありさまから、デジモンをデリートするのに躊躇いを持たない手合いともわかります。
 カイトが心底そういうタイプなら、このデジモンもそうだと考えて良いのかもしれません。

 まあパートナーに忠実なだけかもしれませんが。
 実際、カイトが引くと言えば一言も聞かず共に背を向けるし、ゲッコーモンが攻撃してくれば
 カイトの意志に従って一片の容赦もなく大技を放つし、徹底しています。
 寡黙なため、本当は何を考えているのかわからないのですが。

 中の人は江川央生さん。
 オーガモンやムゲンドラモン、スカルグレイモンなどパワー系のデジモンを歴任してきた方です。
 かつては叫びまくってたのですが、最近はこのフレアモンのように寡黙な役が多いかも。
 「ワールドトリガー」のガトリンあたりもそのタイプですね。
 
 
 
・レアモン

 細田のサポタマから現れたアンデッド型の成熟期デジモン。
 サポ主の嘆きや悲しみ、捨て鉢な心理といった負の感情から生まれたせいか極めて危険な存在で、
 毒を撒き散らしながら移動する恐ろしいデジモンとして爆誕しました。
 周囲の環境にも影響されたのかもしれません。

 情報屋のもとには、その対処が緊急案件として報告されています。
 極めて実害が強いタイプとあって、誰でもいいから最速でなんとかしてくれってところでしょう。
 五行星たるカイトが動いたのも、この緊急性へ確実に対応するためと言えます。
 まあ実際のところはどうだかわかりませんが。彼、すでにキョウ達がいることを知ってたし。

 最も警戒すべきは、やはりその毒です。
 デジモンもたちどころに影響を受けるとあっては、生半可なことじゃ手は出せません。
 その意味で、熱を武器とするフレアモンは相性が良かったといえるでしょう。
 レアモン本体への効果が高いのはもちろん、毒も焼き尽くして無効にしちゃった風ですし。
 
 
 
・細田

 レアモンのサポ主というか被害者です。名前とは逆にかなりのマッチョ。
 妻子に逃げられて涙ながらに家財道具を不法投棄していたところ、レアモンに取り込まれたようです。
 チョイ役ですがひたすら気の毒です。でもこの人のような例は、本作のご時世じゃ珍しくもないんでしょう。
 まあ不法投棄はよくないんですが、それはそれとして。
 
 
 
 
★名(迷)セリフ
 
 
「フン……やっぱりザコ相手じゃ物足りねえな。まったく……全然滾りやしねえ。
 もっと燃え上がらせてくれるヤツはいねえのかよ……!」(カイト)

 
 遊園地跡にて。いかにもという感じのセリフです。
 こうした娯楽施設がシャングリラエッグ外では壊滅状態ということもわかります。
 
 
「あれ、オレもやるのか……」(トモロウ)
 
 給料袋配布の儀を眺めながら。
 アレはボーナスの時にやることな気がするし、毎月やってるなら確かにヘンですね。
 家族同然の集団だからおちゃらけてるんでしょうけど。
 
 
「いい? サポ主とうまくやるには、時にガマンも必要なのよ」
「あたし、ガマンとかさせたことないけど」
「あらあら、そうだったかしら?」(レーナ&プリスティモン)

 
 思いがけずちょいと険悪になった場面。マコトの胃が心配です。
 
 
「兄さん、寒いの苦手なのに…… オレのせいで、ごめん……」(トモロウ)
 
 アスカの掛け布団を直してやりながら。
 なぜか上着がそのままなのは、ああなると剥がれないからなんでしょうか。
 いずれにせよ、彼はこの行動からプレゼントの品を思いつくことになります。
 
 
「何やってんだよ…… 何やってんだよ!」
「誰もそんなこと頼んでないだろ! なんで邪魔ばっかすんだよ!
 だいたい、兄さんのことはお前に関係ない!!」(トモロウ)

 
 ゲッコーモンがゴネた結果、せっかく選んだマフラーが千切れたことに怒って。
 ゲッコーモンも悪いことをしたと思っているのに頭ごなしになっちゃってるんですが、
 感情的にはある程度理解できてしまいます。
 
 
「お前… また何かしたのか。また余計なことしたのかよ!」(トモロウ)
 
 上のせいで疑心暗鬼になってのセリフ。
 これはゲッコーモンの伝え方も悪かったんですが、負の蓄積が……
 
 
「この、クソトカゲ! いつまでも不貞腐れてんじゃねぇ!
 迷惑ばっかかけやがって、なんなんだお前!!」(トモロウ)

 
 揉み合いの末にうっかり良いのを貰っちゃって。
 ですが、これでもまだ優しい方です。
 
 
「兄さんとお前は違う!
 ……っ。デジモンなんかに、家族が凍結した俺の気持ちがわかるのかよ!」(トモロウ)

 
 アスカのことばかり、と不満をぶちまけるゲッコーモンに。
 二行目の前に若干躊躇った節があるのがポイントかも。
 
 
「お前なんて、生まれてこなきゃよかったんだ!」(トモロウ)
 
 完全にライン越えの一言。
 これによってゲッコーモンは彼のe-パルスを受け、暴走してしまいます。
 売り言葉に買い言葉でしたが、トモロウの不幸ぶりを思うと責めるのは気が引けますね……
 本人も言葉と裏腹に、ゲッコーモンのことをメチャクチャ心配していたし。
 
 
「弱くなったなぁ、キョウ……!」(カイト)
 
 後半一発目のセリフ。
 いきなりコレとは、だいぶ重めの感情が見て取れますね。
 
 
「あーあ。テメェの落魄れた姿なんて、見たくなかったぜ」(カイト)
 
 余裕たっぷりに歩み寄りながら。
 煽るような言い回しですが、割と本音に近いようにも見えます。
 
 
「口の聞き方を知らねぇガキだ。
 こいつのせいでテメェが腑抜けになったんなら…… こいつをデリートしてやろうか?」(カイト)

 
 トモロウの胸ぐらを引っ掴んで。
 彼のことを人間どころか「バグ」扱いしているとわかる傲慢なセリフです。
 
 
「ファミリーに手を出さないでくれ。頼む」(キョウ)
 
 一触即発の空気を断ち切るように、頭を下げて。
 この返しにカイトは唖然と通り越して愕然となり、やる気を失って背を向けます。
 いったい過去のキョウはどれほどに鬼だったのでしょうか。気になります。
 
 
「チッ、ザコが…… お望みなら、消し炭にしてやるよ!」(カイト)
 
 背後から仕掛けてきた暴走ゲッコーモンに。ある種の八つ当たりです。
 明らかにオーバーキルなフレアモンのカウンターが、その苛立ちを表現するかのようでした。
 
 
 
 
★次回予告

 沈んだ心を表現するかのような雨が、お話の湿度を物語っていますね。
 グローイングドーンの拠点を狙ってくるっぽいマリンブルモンの動きは偶然か、思惑か。
 ゲッコーモンの記憶は? キョウの安否は? トモロウの決断は?
 気になりまくる第1クールの締め、いよいよ目の前ですね。