人工知能の見る夢

★あらすじ

全ての神アプモンを取り込み、全人類アプリ化計画へ向けて動きだすリヴァイアサン。
電衛門の導きではじめの待つ秘密基地へ逃れたハルたちは、いちかばちかの賭けに出ます。
人工衛星に隠されていたミネルヴァの力を借り、リヴァイアサンをハッキングさせて
中で奮闘中のガッチモンたちを脱出させる経路を作り出そうというのです。

そのためには東京ハイタワーの上に登り、人工衛星が通過する前にアンテナを上方へ向け
ミネルヴァ覚醒のためのデータを送り込まねばなりません。
ところが、アンテナは妨害かトラブルの類で機械制御できない状態に陥っていました。
そこでハルがタワーの頂へ出向き、手動でアンテナを動かそうと試みます。

あとを追うエリたちの前に妨害の意図か、ふたたびYJ14が現れました。
彼を激しく糾弾するエリは自らの格闘能力にまかせ、果敢に時間稼ぎを仕掛けてゆきます。
その間に頂上へたどり着いたハルは、散乱したケーブルを使って自らを重石とし、
アンテナを狙いの方向へ動かすことに成功。同時に、ガッチモンたちがデータ防御壁を破壊。
レイが送り込んだデータで覚醒したミネルヴァがハッキングを仕掛け、ついに経路が開きます。

しかしその時、ケーブルが解けてハルの体が東京上空に投げ出されてしまい…

 
 
★全体印象

51話です。
リヴァイアサンの計画が最終段階に及ぶ中、これを阻止せんとするハルたちの奮闘が描かれます。
ガッチモンたちは中から、ハルたちは外からミネルヴァの力を借りてのハッキングに奮闘していました。
これは、彼らが取り込まれていなければ起き得なかった状況でしょう。
それとも、リヴァイアサン側はこのことさえ計算づくだとでも言うのでしょうか。

前回からこっちハルが急激にレベルアップしており、いつになく凛々しい顔も見せるようになってます。
しかし、フリーダム入手後のキラ・ヤマトにも似た唐突さを感じずにはいられません。
もっとも、最後は自分の策で自分を大ピンチに陥れてしまうのですが……

作画は一目でわかる、最後の直井作監。脚本は久方ぶりの加藤陽一さんでした。
加藤さんはシリーズ構成の方をメインとしているのか、あんまり本編では書きませんでしたね。
つまり、大筋の問題は半ば以上この方にあるということに……
 
 
 
★キャラなど個別総括
 
 
・ハル
 
 「一皮剥けましたよ」という表現か、先頭に立って行動する場面が非常に目立ちました。
 「直感に従ってとにかく走り出す」という主人公の典型みたいな行動も披露しています。
 むしろ普段からこれくらいだと良かったのですが。

 何と言いますか「最終話も近いし、そろそろコイツに本気出させてみますか」という
 脚本側の姿勢が透けて見えるようなのです。あまりいい傾向ではありません。
 全く同じ内容だったとしても、これまでの積み重ねが効いてさえいれば印象は違うはずなのですが。

 あ、でも最後にタワーから落っこちちゃう締まらなさはある意味彼らしかった気がします。
 ここから、YJ14=勇仁が思わず救いの手を差し伸べたりする流れに繋げられそうですね。
 たぶんガッチモンが助けるのでしょうけど。

 
 
・ガッチモン
 
 こっちはいつも通りという感じ。良くも悪くも変わりません。
 しかし、ガッチクローの威力が当社比数倍ぐらいになってた気がします。
 底力か、ラスト前の演出暴走か。
 
 
 
・エリ
 
 YJ14の言動に義憤を燃やし肉体言語に訴えるという、格闘少女らしいところを見せました。
 パンチと言いつつ蹴りを繰り出して虎次郎にツッこまれたりしてますが、それに対しては
 「ハルをひどい目に遭わせたんだからこれぐらいのフェイクは当然」と返しています。
 これは所謂ハルエリとしてポイントが高い言動でしょう。
 
 
 
・ドカモン
 
 ガッチモンらと共に神アプモンのデータを残して行動、リヴァイアサンのデータ障壁を破壊すべく
 内部を奔走しました。彼はガッチモンとともに、最後の詰めへたどり着いた人物です。
 ガッチクローに乗ってのヤケクソみたいなパンチ攻撃で、事実上の決め手を取りました。
 技ごと壁をブチ抜いても平気だなんて、本当に頑丈ですね。
 
 
 
・虎次郎
 
 唐突に「すげえよハル」と太鼓持ちみたいなことを言わされた人物。
 エリに比べると、残念ながら特筆できるほどの行動はしていません。
 そのエリと共にYJ14を責める場面でも、目立ってたのはエリの方ですし……
 
 
 
・ミュージモン、ハックモン
 
 並アプモンとしては広域攻撃を得意とする二人。
 リヴァイアサン内部においては、襲いくるワームを阻んでガッチモンとドカモンを先行させてます。
 オフモンと並んで美味しい役回りですが、後でフツーに出てくるでしょう。
 この手の展開で「ゴジラ ファイナルウォーズ」を上回るものはある意味知りませんけど。
 「おい、先に行けって言ったろ」と後からピンピンして現れるアレです。
 
 
 
・レイ
 
 ドライヴァーの中ではオペレーター役を担当。
 ま、この手のコトができるのは彼だけなので妥当な人選です。
 その彼でも動かせなかったところを見るとシステムが半ば掌握されてたのか、それとも
 この混乱でアンテナ制御系システムが死んでたせいですかね。再構築の暇はさすがに無いし。
 
 
 
・はじめ

 電衛門じいちゃんがガードを施していてくれたおかげで、分解されずに済んでいました。
 実働メンバーには加わらず、ハルたちを見送る立場です。
 ドライヴァーになってブートモンと共に戦う場面を期待してましたが、アテが外れましたか。
 いや、まだ最終話がある。
 
 
 
・勇仁(YJ14)

 放置しておいてもいいのに、なぜかドライヴァーたちの前に現れています。
 ハルたちの行動が無駄だと言い切る割には、妨害みたいなこともしていました。
 やはり明らかに拘っています。自分では気づいてないのでしょうか?

 それとも「自分が妨害するから無駄だ」とでも言いたかったんですかね。
 という割には、あまり妨害には積極的じゃなかった気がするんですけど。
 もちろんエリが邪魔をしてるせいはありますが、その排除にも積極的じゃないですね。

 ここに至っても鉄面皮が崩れないままです。そろそろ盛大に崩し始めないと間に合わない気が…
 
 
 
・オフモン

 お前、結局全部知ってたのか……どの時点から?
 少なくとも46話の段階では知ってた風ですから、最初からじゃないにしても登場からそこまでのどこかかな。
 それとも捕まって救出されるまでの間に、何かがあったんでしょうかね。

 ってか、あそこまで言いなりになってるからにはそれなりの理由があると思ってたのですが
 ひょっとして「勇仁はバディでもあるから」ってだけ? そんなアホな…
 止めたかったんならもっと具体的にアクション起こしましょうよ。おじさん全くわからんかったぞ。

 ってか君、止められなかったって言うけどそもそも止めようとすらしてないやないですかい。
 
 
 
・デウスモン

 で、こいつ一体何だったんでしょうね。やっぱり最初の神アプモンってことでいいのかな。
 自分の役目をちゃんと理解してたようには到底見えなかったのですが……
 
 
 
・リヴァイアサン

 前回に増して装置感がすごいです。
 実質的なラスボスはYJ14で、こいつとの戦いは後始末同然になりそうな感じ。
 
 
 
・ミネルヴァ

 今回で完全にシロと確定しました。ごめんなさい。もう何もないよな…?
 覚醒するやエネルギーの集合体となってリヴァイアサン内部を駆け巡るなど、さらっと描かれますが
 不肖の息子であるリヴァイアサン以上にトンデモです。
 それにしても喋りませんね。38話のアレも本人が喋ってたのかどうか。
 
 
 
・電衛門じいちゃん

 38話以来の登場。ハルたちに上述の秘策を授けた人物でもあります。
 事ここに至っても彼の頭脳に頼りがちというか、完全に「困ったときのじいちゃん」になってますね。
 ハルが「信じてるだけでプランは何もない」ことをも悪い意味で露呈させてしまってます。

 まあ、ノープランなのはガッチモンも同じだったのですが…
 てっきり、ガイアモンになったことで何かを掴んでいたのかと思ってましたよ。
  
 
 
・ワトソンと亜衣

 前者は逃げりゃいいのに上空の現象を写真に撮りまくり、その最中に案の定粒子化されました。
 後者は親子ヒシと抱き合いながらの粒子化です。
 ワトソンはだいぶ前から諦めてましたが、亜衣はもうちょっとこう何か欲しかった。
 まさかお見送り役がはじめ一人とは……

 一番アレなのは、亜衣がいなくなっても「すでにここにも手が…」な確認に流れが終始してたことです。
 せめて机にバンと両手を突いて「亜衣ちゃん…!」ぐらいは言って欲しかったぞ。
 
 
 
・巻き込まれおじさん

 毎度アプモン事件に巻き込まれる人。
 今回は人類アプリ化計画のイメージ絵の中に出てきました。これまでで一番の災難ですね。
 ただし、本人が取り込まれる場面は存在してなかったりするのですが。
 
 
 
★次回予告

 次回で最終話。
 シンギュラリティとは技術的特異点のこと。そして、人類と人工知能の未来をも漠然と指します。
 それが吉と出るか凶と出るかは、これからの世を支える若い世代にかかっているのかもしれません。