ボクたちのシンギュラリティー
★あらすじ
リヴァイアサンの中から脱出し、ハルを救出するガイアモン。
続けて残る神アプモンたちも脱出、気迫も新たにリヴァイアサンへ立ち向かってゆきます。
しかし、リヴァイアサンにはあらゆる攻撃が通じません。
それでも諦めないハル達に応え、衛星からパワーアップコードが送信されてきました。
引き換えにミネルヴァは破壊されましたが、遥かに力を増した神アプモンたちの猛反撃で
リヴァイアサンもまた次第に追い詰められてゆきます。
そしてついにガイアモンの一撃が決まり、天空の巨躯は粉々に砕け散りました。
勝利に酔う皆の前に、YJ14が現れます。それは、ハルのよく知る勇仁でした。
喜びもつかの間、データだけになって脱出してきたリヴァイアサンが勇仁の体を乗っ取り逃走。
追った先には、人類のデータが蓄えられた「理想の世界」がありました。
死も悩みも別れも無い代わりに、喜びも楽しさも何も無い世界が。
真っ白なこの世界で、ハルに突きつけられる選択。それは……
★全体印象
最終話です。スタッフもメインどころが大集合。
リヴァイアサンとのバトル自体は前半で終わり、後半は対話形式で決着がつく内容です。
あらすじの通りミネルヴァも失われるので、アプモンだけが残る形になりました。
ある意味、これで異端が消えたので普通の状態? になったと言えなくも無いのかも。
アプリドライヴについては爺ちゃんが何とかしてくれる…かな?
しかし此処まで来ても、ツッコミどころ満載というか何というか。
ハルが落っこちたのは本当に引きのためだけだったし、そのハルはノリでポーズ決めてただけで
何とかしたのは実際ミネルヴァだし、速水さんは喋んないし、何より一番ヒドいのはオフモンですよ。
仮にもあの場面で勇仁の側にいられないなんて、これは本当にバディものなんですか。
私も途中まで存在忘れかけてたけど! ブートモンのことも!
バトルは非常に迫力があっただけに、何とも勿体ない……
後半に至っても中途半端に日常回を続けてきたうえ、その割にバディ同士の絡みがあまり描かれないので
そのツケが終盤へまとめて来ることになりましたね。ナイトなんて本当に何のために出てきたのやら。
どうしても日常回をやりたいんなら、リヴァイアサンの件は2クール目までは匂わすだけにして
3クール目から本格的に動かし、勇仁についてはその時に片付けるべきでした。
よりによって終盤にやらんでもいいでしょうに…そりゃ流れが全部そっちへ傾きますよ。
おかげで、ガッチモンの影が最終局面でありながら恐ろしく薄くなってしまっていたし。
ハルを奮起させた49話で実質やるコト終わってるじゃねーですか。あと全部テキトーに何か言ってるだけで。
その49話にしたところで、ハルが実質勇仁しか見てねーモンだからどうにもはや虚しいという……
★キャラなど個別総括
・ハル
とりあえず手を出してみたら、なんかそれっぽく決まった人。
アレを「何かわからんが気合じゃ負けてねぇ!?」と感じないあたりに、本作のズレっぷりが凝縮されてます。
確かにミネルヴァが最後の手助けをしてくれたのは、あの気合? があったからだとは思いますけれど。
後半では概ね勇仁のことしか見ておりません。
あの選択ではその勇仁より人類全体を選びましたが、それも「勇仁ならそうしたはず」という主張にしか見えず。
最後の方では人工知能の研究者になる、と目的を決めたようなことを言ってましたけど、それもまた勇仁のため。
ラストシーンを見る限りその勇仁が再起動している可能性は非常に高いので、宙ぶらりんっぷりが凄いのですが。
作風によってはそれでも良いのかもしれませんけど、これアプモンの物語ですよね?
シリーズ全体を通し、とにかく動かない人物でした。巻き込まれないと働かないというか。
脇役っぽいって主張してる割に境遇はどう見ても主人公だし、その割にはやっぱり脇役っぽいところがあって、
でありつつ周囲にディスられない…のは良いとして突然持ち上げられるなど、積み重ねが雑としか言いようがなく。
そこへ持って来て終盤も終盤に視野狭窄もある程度やむなしな状況をぶつけられるのは、明らかに構成の問題ですけど。
場面場面だけ見れば良さげに見える時もあるのですが、ブツ切りになっていてどうも一貫性を感じないのです。
「ハルといえばコレ」という強みが無い、またはあっても描写されてないのも痛いところ。
序盤の数話で垣間見せた洞察力や菩薩系っぽい側面をそのまま維持してたら、まだ違ったのでしょうか……
・ガイアモン→ガッチモン
最終話だというのにバディと通り一遍の会話しかしてなかった人。
ここは無理をしてでも、もっとハルとの絡みをねじ込んでおくべきだったんじゃないかなぁ…
なにも最終話に限ったことじゃないですけど。
ガイアモンとしての活躍は演出の頑張りもあって、四体の中ではさすがに最も見応えがありました。
出色と言えるシーンが山を削ってダムに叩きつけられかける場面なのはいかがなものかと思いますが。
ぶっちゃけ、後半は49話のアレぐらいしか印象に残る出番はなかったかもしれません。かなりマズい。
カリスモンを討ち取るという功績はあるものの、極での戦績はとても褒められたものじゃなかったですし。
極以上での出番自体が少なかったといえばそれまでですが。
・エリ
ハルが主体なので、この最終話では横でなんか言ってるだけです。
後日談でアイドルに復帰してたのはいいですけど、どうせならいずみさんも出して欲しかったなぁ。
いや出てたのかもしれないけど、もっとこうわかりやすい形で…
物陰からそっと見守って、ふと笑って去ってゆく程度でもいいですから。
総選挙で「副業」がそれなりに本筋へ絡んだり、メイン回では割と美味しい時もありました。
しかし4クール目中盤以降はアプリ山活動休止でただのアプリドライヴァーとなり、
いきおい見せ場も減ってった感があります。やはりアイドル活動あっての彼女でした。
51話でYJ14に叩きつけた啖呵は個人的にポイント高めです。ハルエリ的な意味も込めて。
・ポセイドモン→ドカモン
最終話ということだからか、今回に限っては妙にエリに厚遇されてた気がする人物。
ポセイドモンとしては、水中から渦を巻いて現れるカットが出色です。
後半を通しで見るとエリからの待遇はあまり改善しておらず、鉄拳制裁されたりなど
ヒドイ目に遭うケースが出てきてたのでむしろ悪化した感さえなきにしもあらず。
それでも一切メゲずにエリへ尽くしてましたが、頑丈なぶんだけ痛みに強いのかもしれません。
体の痛み程度では、彼のエリへの気持ちが揺らぐことはない…のかも。
・虎次郎
エリと共に、ハルの横で何か言ってましたけど目立ってたのは後日談の方。
あの後両親はともかく、龍次郎にこっぴどく怒られた可能性は極めて高いと思います。
やらかしましたな……
いざシリアス展開となると「ノレる?」「ノレない?」でわちゃわちゃやるのが関の山で、
それ以外では持ち味をほとんど活かせないという根本的問題を抱えた人物でした。
家庭面での設定が一番しっかりしてたので、メイン担当は比較的に良回が多かった印象なのですが。
・ウラノスモン→ミュージモン
最終話におけるバディたちの中では、一番影が薄かった気がします。
セリフはちゃんとあった気がするんですけど、全然思い出せません。
ウラノスモンとしての活躍も一番地味だったような……
・レイ
虎次郎と同じく、目立ってたのは後日談の方です。
あれから料理に目覚めたのか、クレームブリュレを作って試食に持ち込む場面がありました。
キラパティにでも行くつもりか? エリのマネージャー候補というオチも想像してましたが。
ハッカーとして技術面を支えると同時に、重い過去で異彩を放っていた人物です。
はじめを取り戻した後も欠かせない人材で、彼個人としての推移はアプモンの美点のひとつ。
勇仁が目立ってる時は出ないことが多いなど、どっちかというと構成の被害を受けたタイプでしょうか。
ディープウェブに出入りしつつ、ダンテモンに差し入れしてたくだりは好感度が高いです。
そーいえば、ダンテモンって結局なんだったんでしょうね。
・ハデスモン→ハックモン
メインどころではおそらく最も冷静な判断力を持っているであろう人物。
ハデスモンとしては、リヴァイアサンへ初めて明確な手傷を与えたことで印象深いものがあります。
後日談ではやはり「クレームブリュレ…!」ボッ を挙げたいです。なぜ火がついた。
・はじめ
ブートモンのバディになり損ねた感がある人物。
ドライヴァーたち以外では唯一、アプリ化されずに持ちこたえていた人物でもあります。
今回については特に何かしてたわけじゃないんですけどね。そこは現場要員じゃないので仕方なし。
後日談では、レイとのキャッチボールが微笑ましいですね。
今後の成長が楽しみです。これは二期に期待ですね。えっ、二期ですか? ないモフ。
・勇仁(YJ14)
YJ14としての人格は事実上無視された人物。
結局、勇仁としての人格はコトが起こるまで何も知らなかったのですね。49話のアレは模倣だったか。
ハルとの再会までには、おおむね全てを把握してたみたいですが。
そうなんじゃないかと思ってました。ここまで引っ張った以上、話を畳むにはそうするしかないし、
ミネルヴァがシロであるのなら勇仁に可能性を見出してアプリドライヴを託した、という説にも裏が取れます。
だからこそ、こんな終盤にやるネタじゃないって話なのですが。
最終的に勇仁の人格はリヴァイアサンをも抑えつけ、ハルの代わりに自滅プログラムのスイッチを入れます。
もっとも本編の推測からみて、ハルがどちらを選択したとしても彼の人格が表に現れていた可能性はあったのですが。
あの時点でリヴァイアサンは意図を勇仁に伝えており、彼を含めて事がどう推移するか見守る方向に移った…のかも。
そうして結局はリヴァイアサンに巻き込まれる形で消滅を遂げるのですが、ボディは残りました。
ラストシーンでは、どうやら再起動したと思しき描写があります。それともバックアップボディ?
いずれにせよ、もろもろブチ壊しですな。せっかくハルが目的を見つけたというのに。
ハルを押しとどめ、代わりにボタンを押す場面において彼は主人公キャラでした。まるで馬神ダンのような。
ハルが彼にとってヒーローであるように、彼もまたハルにとってのヒーローでありたかったのかもしれません。
最後でブチ壊しですけど。大事なことなので二回言いました。
・オフモン
あろうことか、勇仁の最期? に居合わせないというバディにあるまじき冷遇を被っています。
そこはハルとオフモンの両側から声をかける場面だろうが!! なに考えてんじゃコラァ!!!
後日談では妙に明るく再登場しますが、視聴者としては「えっ、生きてたの?」となるレベルの場面。
それもこれも、巨大リヴァイアサンが粉々にされたというのに脱出したシーンがないせいなのですが。
あんだけでかい穴が開いてたんだからもちろんみんな脱出したよ? とでも言いたいのでしょーか。
もうバディはいないのに一体どうするんだろうなと思いましたが、どうやらその心配はなさそうです。
ラストシーンにも当然のようにいないんですけどね……
・ブートモン
後日談にちょろっとだけ登場。引っ張っっておいて5話近く出番がなく、最後もこの扱いです。
せめてオンモンの姿を見せてほしかったんですが、それすら無しでした。
はじめのバディになるかどうかはミネルヴァが消えた以上、限りなく未知数ですね。
・デウスモン
……で、こいつ本当に何だったんでしょうね。
・リヴァイアサン
装置感が抜けないままいきなり恐怖を訴えだすという、すごい一足飛びをかましたラスボス。
あのですねェ、そういうことするのにも仕込みって要るんですよ?
最後までよくわからん方だ。
後半では勇仁を乗っ取ってあれこれ語り出しましたが、結果的にYJ14の存在意義がゼロになってます。
YJ14がリヴァイアサンを受け入れ、統合される場面があったのならまだマシだったのですが。
せめてYJ14を表に出してくださいよ。これじゃあ甲斐がない。
ラスト前の推測を信じるなら、あの時点でハルの選択次第では人類を解放する気があったようですね。
全人類を救う、という選択肢にガチで自己崩壊プログラムを仕込んでるあたり、本来はマジメなのかもしれません。
そう見せてただけで実際は能動的活動を引き上げて潜伏、見守りモードに入っただけとか言い訳はいくらでもつきますが。
あれこれ書きましたけど、本来言いたいことはひとつだけです。
リヴァイアサン主体の時はちゃんと速水さんに喋らせろよ! おい!!
・ミネルヴァ
流れの中で衛星ごと破壊されましたが、感謝されただけで割と流されたラスボスの生みの親。
でも確か巨大リヴァイアサンの中にデータを送り込んでたはずなんで、彼女?も生き残ってるかもしれませんね。
だとしたら顛末の後も、どこからともなくアプリドライヴが子供たちのもとへ届けられるのかもしれません。
神アプモンたちに送られたアレは、さしずめMコードとでも言うのでしょうか。
亜衣ちゃんのついでに録られたかのような音声が涙を誘います。
・電衛門じいちゃん
一連のドサクサに紛れ、アプリアライズして肉体を手に入れてました。ただし老人のまんまです。
最初は意図がわからなかったのですが、役目が済んだのでもう長生きするつもりはないのでしょうか。
なんだかんだで、ハルが30代ぐらいになるまではしぶとく生き延びてそうですが…
・亜衣とワトソン
後日談にちょろっとだけ登場。ワトソンの方はセリフなしです。
亜衣ちゃんも、主人公憧れのマドンナとは思えない扱いでした。もはや単なる秘密基地提供者です。
ねりねりで思い出したのですが、オフモンに見せたあのドSな顔は結局なんだったのでしょう。
・ナイト
後日談でそれらしい後ろ姿がちょっと映ったのみ。同じ画面にはワトソンたちも映っていました。
予想はしてたけど、結局セリフすらなしか…でも、いっそその方が幸せかもしれませんね。
・巻き込まれおじさん
リヴァイアサンの世界で微妙に抵抗してる描写がありました。
実はスゴい精神力の持ち主なのかもしれません。あの場面では本人かどうかさえわからなかったけど。
後日談では楽しそうにしてました。何よりのことです。
★最後に
序盤は期待してたんですが、1クール目をピークに低空飛行を続けてそのまま胴体着陸した感じでした。
正直、最後の方はだいぶ冷めていてやや事務的にキーボードを叩いていた面を否めません。
アルティメット4をソードマスターヤマトしたあたりが決定打になっちゃったかなぁ……
triと同じく、円盤の確保さえ「どうしても見たかったら録画も配信もあるし…」と躊躇っているレベルです。
せめてあちこちで聞こえてくる声のように、デジモンの一派として存続し続けるのを祈るばかりです。
少なくとも、デジモンの方にはそれをやるだけの世界観的体力がある。