ネットの海が大ピンチ!
『トキ』は来た、極アプ合体!!

★あらすじ

世はバレンタインデー。そして、世界9割のシェアを誇るワッフル社のOSがバージョン11にアップグレードする日。
ところが、ダウンロードされたワッフルOSがその途端に動かなくなるという超大規模のトラブルが発生します。
その影には無数のバイラモンの影が……

事態を打開するため、ネットの海を介してワッフル社のメインサーバへ向かうハル達。
レイも先行して奮戦していましたが、バイラモンの数が多すぎて埒が開かない状態でした。
ハルとドガッチモンはなんとかOSの心臓部を破壊しようとするのですが、やはり無数のバイラモンに阻まれます。
捕まったドガッチモンは大量のLウィルスの中に引きずりこまれ、絶体絶命の危機へ陥ってしまいます。

ドガッチモンを追って、ウィルス感染も厭わずに手を差し伸べるハル。2人が再び手を結んだとき、奇跡は起こりました。
駆けつけたタイムモンによって救われたばかりか、タイムモンチップで極アプモン・グローブモンが現れたのです。
グローブモンは一瞬にして全世界のバイラモンを把握し、必殺のグランツゲイザーで綺麗さっぱり全滅させました。
まさしく桁違いな極アプモンの力でしたが、行使できる時間にはまだ限りがあるのでした。

事件は解決されましたが、これを機にLコーポレーションのLOSがスマホの多数派となります。
目的の半ばを達成したミエーヌモンからは、いまだ余裕の笑みが消えることがなく……
 
 
 
★全体印象

19話です。
放映時期の関係でバレンタインネタがありましたが、一種の祭りであるこの日になぞらえてのことか
OS刷新前後のフィーバーを題材に取った内容にもなっています。
元ネタがアップル社のiOSなのは、バージョンが現行である10に1を足した「11」であることからも明らか。
もっとも出たての頃ならともかく、現在では世界で9割なんてシェアには到底届いていませんが……

いまや生活の根幹へ食い込んだスマホのOS。
それが新しくなる瞬間というのは、言い換えれば大きな「隙」が生まれる瞬間でもあります。
しかも膨大な数の人間がアクセスするため、関係者はそちらの対応だけでも手一杯でしょう。
ミエーヌモンらは労せず計画を実行に移せる最良の日を狙って、一気に仕掛けてきたことになります。
あの大量のバイラモンはそのために、ずっと前から控えていたのでしょう。
あるいは今までの事件も、今回のための予行演習みたいなものだったのかもしれません。

印象としては、一気に事態が深刻化してあっという間に沈静化し、通常運転へ戻った感じ。
もちろんグローブモンが出るべき大事になる、というのは予想のうちです。
扱いが先行登場的なもので、まだ気軽に出せる段階にない…というのもある意味、予想のうちですかね。
恐らくまだしばらくは、本当に困ったときのための切り札。ホイホイ出てはこないでしょう。
ちょっと強化されすぎなので、かえって噛ませにされやすくなってしまいそうですが……

ただ、ドガッチモンに手を差し伸べた際にハルが投げた言葉には若干の違和感がありました。
日常がメインであるせいか、あんまり困難を乗り越えてきたという実感が湧いてこないのかもしれません。
そういう要素がなかったわけじゃないけど、放置したまま今へ至っている感じですし……
グローブモンのお披露目はさすがに力が入った出来映えでしたので、そこは満足でしたけど。

脚本は樋口達人さん。
作監の飯飼一幸さんは、深夜アニメから朝アニメまでジャンルを問わずに参加されているマルチアニメーターです。
例えば昨年の秋から現在にかけ、連名とはいえ複数の作品で作監をつとめているという驚異的な仕事量を誇ります。
こういう方がいるから業界が回っていられるんでしょうね。頭が下がる思いです。

デジモンシリーズからのファンには色々と既視感のある演出が目立つ回でもありました。詳しくは後述。
 
 
 
★キャラなど個別印象
 
 
・ハル
 
 大人しいと見せかけて、時折とんでもない行動を取る人物ですよね。それが主人公なのでしょうけど。

 いきなりの大ピンチを受け、Lウィルス満載の海に飛び込んでドガッチモンを助けようとした彼。
 主観的・視聴者的には視覚化されていますが、セリフにあった通りアプリドライヴァーたちもデータになってます。
 その状態でLウィルスの中に飛び込んだらどうなるかわからないのに、迷いなく実行していました。
 「やっぱり、僕じゃダメだったのか…?」と絶望しかける場面も無し。主人公すぎる。

 むしろ絶望しかけていたのはドガッチモンの方で、そっちの主観になっていたので本当のところはわかりませんけどね。
 いずれにしても、ハルのこの行動がタイムモンの胸をトキめかせたのは間違いないところでしょう。

 思い通りにならぬ手足を必死に掻きまくり、ドガッチモンへ手を伸ばすシーンはやっぱりアレですよね。
 いっしょに戦いに来たんだよ! もうお前だけを戦わせやしない、オレがそばにいる! オレがついてるよ! なアレ。
 ついさっきまで一緒だった2人なので、単に絵面が一致してるだけでしたけど。
 
 
 
・ガッチモン→ドガッチモン
 
 最近ナビモンの霊圧をまるで感じません。アクティブ後は暇を持て余してるのか、実は参加してるのか……

 それはさておき、大量のバイラモンに取り付かれて技のひとつも撃てないまま戦闘不能になりかけていました。
 確かに数の暴力が働いてましたけど、超アプモンなのに並にやられるとはいささか情けないです。
 いかに頭数で負けていようと、格下に不覚を取るとそれだけで格が下がってしまいます。

 これまで同格の相手とあまり戦わせてもらえなかった弊害が出てますね。出し渋りすぎるのも良くないということか。
 スコープモンとサクシモンを直接対決と同時に退場させたのは失敗だったんじゃないでしょうかね。
 そのあとすぐ新顔が出て戦ってくれるならともかくそんなことはなかったし、コーチモンはお茶淹れてるだけだし……
 
 
 
・グローブモン
 
 ドガッチモンとタイムモンがアプ合体することによって誕生した極アプモン。
 頭身がさらに伸び、一人称も「私」となって超然とした雰囲気が加わり、見るからに強そうになりました。
 ゲームで見るよりさらにカッコいいです。やはり映像作品で見ると違うなあ。

 その能力はまさに検索の極みと言うべきもので、世界中に散った億単位のバイラモンを瞬時のうちに把握し
 必殺技グランツゲイザーと駄目押しの一撃で全滅させました。フリーダムガンダムも真っ青です。
 その間、わずか1分弱。これは、グローブモンとなっていられる制限時間にも等しい時間です。セブンガーか。

 しかし制限があるだけあって、さすがに桁外れの能力でしたね。
 パワー値も60000と、ドガッチモンから比較すれば正しく桁が違うものを持っています。
 やったことの大きさを考慮すると、むしろ控えめな能力値ではないかとさえ感じてしまいますけれど。

 だって、バイラモンを1発で完全破壊するだけの威力を9億発以上ですよ。単純計算では矛盾がありすぎます。
 恐らくはグローブモン単体のエネルギーではなく、ネットワークを構築して拡張しているのでしょうね。
 何となく上記を連想させる描写も見受けられたし、そう考えれば納得いかなくもないかも。

 この居ながらにしてすべての敵を把握し、精確にそれだけを破壊する特性はインペリアルドラモンを、
 暴力的なまでの数を引っくり返す圧倒的なパワーはオメガモンを連想させてやみません。
 事実上、デジモンで言えば究極体レベルの力を持っていると評してもよいほどの実力です。
 というより、極アプモン自体が究極体の位置付けなのでしょう。タイムモンもそう言ってますし。

 もちろん、さらに上があるというのはゲームをやってる人じゃなくても承知の上。
 今回の描写でだいぶハードルが上がったと思うので、むしろ少し心配になってきましたけど。
 これ以上のことをやろうと思ったら、もはや現実改変しかないぞ……?
 
 
 
・タイムモン
 
 ハルとガッチモンのユルいやり取りをマジレス顔でじっと見つめている姿に笑いを禁じ得ませんでした。
 あんた、もしかしてずーっと2人を見てたの??

 後半では出てきた途端にイメージ空間っぽい風に画面が変わってましたが、アレは実際に彼のフィールドか何かで
 ハルとドガッチモンのウィルスが綺麗さっぱり無かったことになったのもそのおかげでしょう。
 たぶん、2人はLウィルスにやられる前の状態に戻してもらったのです。たぶん。きっと。おそらく。

 いずれにせよ、やろうと思えば空間をも無視できるのは間違いありません。
 それがドガッチモンの検索能力と合わさったとき、世界の全てを同時に掴めるようになるのでしょう。
 
 
 
・エリ組/虎次郎組
 
 途中までハル達と一緒でしたが、サーバーに辿りつく過程ではぐれて各個撃破されかけてました。
 エリとドカモンはそれでも持ち堪えてましたが、ミュージモンはLウィルスにやられてグダグダの事態に。
 しかしそれもグローブモンのおかげで瞬時に解決し、極アプモンの凄まじさをまざまざと見せつけられています。
 
 
 
・レイ組
 
 ハル達に事件の詳細を伝える役。
 おそらくミエーヌモンを追っていたのでしょう、かなり早い段階でメインサーバに足を踏み入れていました。
 しかし連絡のすぐ後で大量のバイラモンに襲われたのか、ミエーヌモンどころではなくなっていたようです。
 それでもまだ余裕がありそうだったあたりは流石と言うべきでしょうね。

 ちなみにハックモンは終始レイドラモンの姿で出演しており、またセリフもありませんでした。
 阪口大介さんもアフレコには参加していないみたいです。
 
 
 
・亜衣
 
 ハルをはじめ、大勢の男子にチョコを渡していました。
 ガッチモンの検索によるとハルへのそれは「義理」とありましたが、あくまでもハックモンの主観であって
 そう明言されているわけではないので、本当のところは誰もわかりません。
 本命が誰もいない、とも取れます。ハルが複雑な表情をしているショットもあり。
 
 
 
・ワトソン
 
 いまいち疎いエリや虎次郎に「OS」について説明する役回りでした。何か、やっとそれっぽいお鉢が回ってきた気が。
 よほどの見栄っぱりかまたは裕福な出なので、かなりのアーリーアダプターでもあると見ました。
 しかしそのおかげで障害に巻き込まれてしまい、ヨイショしていたワッフルOSからLOSに乗り換えていました。
 どっちみち後でまたひどい目に遭う予感しかしませんけど。

 それにしても、悲惨なのはワッフル社のみなさんですね。
 頂点から奈落、人生の絶頂からどん底へ陥った人がいったい何人出て、何度電車が止まったのでしょうか。
 今回の事件による被害はまちがいなく、ぶっちぎりで過去最大規模であると断言できます。
 現実に近い題材なぶんリアルに想像できてしまいますね。こうした手法の利点でもあるけど。
 
 
 
・勇仁
 
 さらっとLOSのユーザーであることをカミングアウトしてました。つまり、今回の事件では被害を全く受けていません。
 おいおい、コレ使ってんの俺だけ? とジョークに交えての発言でしたけど、これも伏線なんでしょうね。
 問題は彼が知っていてワッフルOSを避けたのか、知らないうちにそう誘導されていたのか、ですが……
 
 
 
・バイラモン

 なんと今回だけで9億体以上の存在が確認されました。
 端末に取り付いてる数だけで9億2943万1937体いたそうですから、ワッフル社にいた数を入れればさらに増えるはず。
 単一種でこれほどの数が確認された例は、デジモンシリーズまで通して振り返っても皆無でしょう。
 かのディアボロモンでさえ万単位だったはず。

 Lウィルスの媒介者であり、むしろLウィルスそのものでもあるかもしれない彼ら。
 これほどの数が隠れていたと考えるよりは、ワッフルOSのネットワークを活かして大増殖したと考えるのが自然かも。
 もしそうならば、彼らの最大の武器はその繁殖力と言うか自己増殖力にこそあるのかもしれませんね。
 現実のコンピュータウイルスも自身を複製できるので、彼らもそうだと考えてなんら問題はないはずです。
 コピペモンあたりと違って、複製できるのはあくまでも自分たち自身だけでしょうけど。

 明確な意志をもって悪行をなしているリヴァイアモンの手下というのもあり、浄化される場面はありません。
 というか浄化のしようがないので、グランツゲイザーによって一体残らず粉々にされていました。
 なにげに、明確な破壊描写がされた初のアプモンということになります。
 正確には前回ですでにそんな描写がありましたけどね。ガッチクローで両断されかかってたし。

 
 
・ミエーヌモン

 ワッフル社のセキュリティをいとも簡単にくぐり抜け、新OS心臓部にバイラモンたちを取り付かせてました。
 彼女の最も恐ろしい能力はやはりこれでしょう。並のプロテクトでは何の意味もないのですから。
 たぶん、ガチでやりあったら何だかんだでスコープモンやサクシモンより強いんじゃないですかね。

 以後は現地で推移を見守っていましたが、レイの登場で一時身を隠します。
 そのままドガッチモンの危機を高見の見物と洒落込んでいたところ、グローブモンが突然の登場。
 撤退を余儀なくされたものの、LOSがワッフルOSに代わってスマホのOSを掌握するという次善の目的は達成したので
 今回も戦略レベルでは負けていないといえます。なんだかんだで一歩一歩着実に侵略を進めてますね。
 中盤のボス役はひとまず確定として、あとはいつ彼女自身が極となって立ちはだかってくるかですが…

 悔しがっているところをコーチモンにフォローされて、すぐドヤ顔に戻るあたりが少し可愛かったです。

 
 
・巻き込まれおじさん

 毎回アプモン事件に巻き込まれる人。
 ワッフルOSをアップグレードしたと思ったらスマホが動かなくなり、いつもながら悲鳴を上げていました。
 たぶん、この後すぐワトソン同様にLOSへ乗り換えたのだと思います。
 障害の原因が(当然ながら)不明だということなので、多くの人が怖くて使っていられなくなったようですね。
 
 
 
★名(迷)セリフ
 
 
「今まで、どんな大変なことだって一緒に乗り越えてきたじゃないか!
     ドガッチモン…ぼくたちは、バディだ! やれるよ、ドガッチモン! ぼくたち2人なら!」(ハル)


 内山夕美さんの熱演が光る場面ですが、日常メインだとなかなか十全に活かすのが難しそうなセリフ。
 ベタなセリフほど難しいものです。
 あと2人じゃなくて3人じゃなかったでしたっけ。今は違うのかもしれないけど。
 
 
「充分だ…!
地球の歴史の中では一瞬。だが、私には無限大!」(グローブモン)


 極になっていられる制限時間が60秒しかないと知り慌てるハルに対し、安心させるかように確信をこめたセリフ。
 そして実際、わずか1分足らずで事態を収拾してみせるという高い能力を示してみせました。
 「キン肉マン」の完璧・無量大数軍篇におけるポーラマンとの戦いの土壇場、真・友情パワーを発動したウォーズマンが
 「5分で充分だ!」と力強く宣言した場面を思い出したのは秘密です。
 
 
 
★次回予告

 悪夢を操るというドリーモンが登場。ここでこのキャラを出すとは、いろいろ想像させられるものがありますね。