サクシモン 超アプリンクで 打ち破れ!

★あらすじ

ハル達のアプモンチップを全て奪おうとするレイ。
その裏には、弟・はじめを救おうと求める必死の想いがありました。
知らずリヴァイアサンに近づいたがために、はじめを囚われることになってしまった過去。
それを全て精算し、弟を取り戻すために彼は独りで足掻きつづけていたのです。

ところが、早くもサクシモンの次なる策が発動。
ハル達から引き離されたレイは罠だらけの中翻弄され、レイドラモンもチップに戻ってしまいます。
そこへ駆けつけたのは、他ならぬハル達でした。
レイの行動理由に強い想いを感じたハルの決意が、エリや虎次郎をも動かしたのです。

それでも戦況は不利でしたが、ハルとドガッチモンの勇気はレイをも動かしました。
託されたレイドラモンのチップで超アプリンクし、ドガッチモンが超パワーアップを遂げます。
圧倒的なパワーとスピード、サクシモンの罠フィールドをも無効にするハッキング能力で逆転勝利。
はじめに関するデータも得ようとしましたが、リヴァイアサンの介入でそこまでは無理でした。
 
戦い終わって、礼の代わりにセブンコードアプモンたち全てをハル達に預けるレイ。
去り行く彼の背中も、それを見つめるハル達の目も昨日から一歩踏み込んだものになっていました。
 
 
 
★全体印象

12話です。なにげに七五調のサブタイ。
レイの過去がより詳細に語られ、初の超アプリンクも登場するという1クール目の山場といえるお話。
2クール目に持ち越してもよさそうな内容までぶっ込んできた印象です。だいぶ動きましたね。

山場を越えての大きな変化は、やはりレイの態度が軟化したことでしょう。
これまで様々なデータを通してハル達のことを知り、協力を仰ぐ価値を見出せずにいた彼ですが、
土壇場でのその行動を直接目の当たりにして大きく考えを改めたようです。
まだ共に行動するとまではいかないでしょうが、この事実は今後の展開に幅をもたらすでしょう。

一方で増えた謎もあります。
リヴァイアサンは一体「高い知能を持つ人間」をネットの海に取り込んでどうする気なのか。
何故はじめが狙われたのか。そもそもなぜ、リヴァイアサンは人間を欲するのか。
考え出すと他のわからないことにもリンクしてしまい、結局何もわからないままという感じです。
どこからどこまでがヤツの狙いなのでしょう。

脚本は7話以来となる山田由香さん。作画監督は小松こずえさんです。
海外組も多数参加しており、さすがに力の入った仕上がり。超アプモンの戦闘が3Dであることを
最大に活かした迫力でした。3Dを選んだスタッフの決断がひとつの集大成を迎えたと言えますね。
 
 
 
★キャラなど個別印象
 
 
・ハル
 
 レイに面と向かって弱いとか脇役とか言われても一歩も退かず、逆にはじめの件を聞き出したり、
 そのレイがサクシモンに連れ去られると逃げるどころか助けに行こうとしたり、
 今回のハルは行動も言動もまさしく主役そのものでした。
 覚悟を決めていてもなお、ああいうことをできるかどうかが主人公の条件ですもの。
 ついでに駆けつけるタイミングも完璧でした。

 そして実際、賭けではありましたが彼の判断もまた結果的には正しかったことになります。
 あそこでレイを助けに行くという選択を取らなかったら、彼らは未来の仲間を失うところでした。
 それは取りも直さず、セブンコードアプモンたちも戻ってこないことを意味します。
 想いだけでは勝てなくとも、その想いが次の一手へ繋がることは確かにあるということですね。

 自分がムチャするとなると、仲間を説得しようとはしないのが彼の奥ゆかしいところ。
 勇気をもって歩くその背中は他のふたり、とりわけエリに強い何かを感じさせたようです。



・ガッチモン→ドガッチモン
 
 ハルの言葉へ真っ先に反応を示し、バディとして共に戦う意志を示しました。
 相方が勇気ある一歩を踏み出すのなら、それはバディとして選んだ自身の誇りにも繋がることです。
 ならば自分が気合を入れないわけにはいかないだろう、ってわけですね。

 サクシモンに対し単独の真っ向からでは不利でしたが、レイドラモンとアプリンクを遂げてからは
 逆に終始圧倒しています。翼が生えて超高速の空中バトルも可能になりました。
 レイドラモンの尻尾を模した剣を使えばサクシモンの罠フィールドを書き換えて無効にできる他、
 ブッ刺して直接敵のデータをハックし引っ張り出せるようですね。
 超検索が加わってるからか、知りたいデータへかなり早くたどりつくこともできてます。
 リヴァイアサンがサクシモンのデータを消してしまったので、決定的な手がかりは無理だったようですが。

 リンク時のパワー値は20000を超えるもの。強力であるぶん、そうそう出せぬ一手でしょう。
 この姿でもかなわぬ相手となれば、もはや極アプモンの力が必要になってくるでしょうね。

 ちなみにこの超アプリンクが影響したのか、次回からは初手でドガッチモンを出せるようになりました。
 戦いの激化を予感させる事象です。



・エリ組
 
 レイが連れ去られたのを受け、最初は迷うことなく撤退を考えて実行しようとしてました。
 しかしハルの決意を聞き、その背中を見て自身も同行するという決断を固めています。
 もちろん、ハルを放っておけないという気持ちも大いにあるはずですけど。

 というか明らかにハルに惹かれてませんか、これ。
 予想以上に強く反論されてたじろいでた場面でも、バツが悪いというのとは違う表情でしたし。
 もっと言えば、ハルがたまに見せるああいう強いところが心に訴えかけてくるのでしょうし。

 とはいえ、今回も活躍自体はさっぱりできてなかったりします。
 いずれ超アプモンチップがアクティブになる時が来ると思うので、そこに期待でしょうか。
 ドカモンがどーにも地味なのは気になりますけど。



・虎次郎組
 
 3組揃っての話になると、実はかなり地味になりがちなコンビ。
 彼らのキャラが組み合うシリアスと、大筋のシリアスが良相性とは言い難いからでしょうか。
 特に面白いことも言わないし、むしろ今回は弱気な発言が垣間見えました。
 公開してナンボの生き方なのに、アプリドライヴァーとしての活動が秘密なのも地味に痛いところ。

 しかしながら、ハルの言葉に虎次郎もエリ同様、自分の原点を思い出したようです。
 こんな状況でたったひとつの繋がりを道標に、勝てる見込みの低い戦いへあえて向かってゆく。
 ハルのある種イカれた選択にノる事こそ、酔狂に生きる自分たちらしさだと思ったのでしょうね。

 戦闘ではエリ組同様、開幕でサクシモンに吹っ飛ばされた後は特に何もしていません。
 ミュージモンについても、ドカモンと揃っての天丼リアクションが印象的なぐらいのもの。
 こちらも今後に期待ですね。
 
 
 
・レイ

 なんか微妙に賢ちゃんも入ってる人。
 怪しすぎるメールに従ってホイホイ出向いたりとか、貴方本当にハッカーですか? と言いたくなる場面も。
 逆に言えば、そのあたりが結局まだまだ子供って証拠なのかもですが。
 の割に戸籍を改竄したりとか、犯罪めいたどころかモロ犯罪もやらかしてますけど。
 そんなに弟と離れたくなかったのか……

 回想において、はじめの為に料理を覚えはじめる場面とそこで披露したエプロン姿は大きなポイントでしょう。
 はじめと会話しているときの柔らかな表情ともども、他人にはまず見せない類の激ヤバショットです。
 最初は低かった料理スキルを、弟のため次第に上達させていった描写がさり気なく挟まれてるのも見逃せません。
 本来は、自分がこれと定めた相手にならとことん献身的になれるタイプなのでしょう。

 であると同時にハッカーとしての強い好奇心を兼ね備え、それが高じると大切なはずの相手に対してさえ
 少々ぞんざいな態度を取ってしまう面も描写されてます。このへん、実はハルに似てるのかも。
 もっとも、今となっては後悔に繋がってそうな場面でしたけれど。

 でもって弟のためにならできたことが、独りになるとガタガタッと崩れてしまうわけですね。
 2人のときは小綺麗だった自宅が、いまやゴミ屋敷みたいになっちまってるあたりで如実に伝わってきます。
 あのチューチューゼリーはひとつの布石だったってわけですね。

 アレは心の余裕のなさのあらわれでもあるのでしょうが、それだけなのかどうか。
 そもそも、自分のこととなると無頓着なタイプに見えますし……
 そのうち誰かが行って片付けを始めるんじゃないか、と想像してしまいます。
 
 今回、バトルではほぼ良いところなし。不意にサクシモンの罠へ落ち、完全に翻弄されてます。
 はじめを見た瞬間に罠もスコーンと忘れて走り寄ろうとするあたり、弟が好きすぎる本質がよく出てました。
 ドガッチモンが引っ張り出した情報を見ているときも、割と見てらんないくらいの有様でしたし。

 結果的には、まさかの救援に現れたハルの行動に信念を感じてレイドラモンチップを使わせる決断をしてます。
 加えてロープレモン達はおろかメールモンも解放したあたりに、礼は言わずとも心境の変化がよく現れてました。
 少なくとも、奪ってまで手元に置こうとしたセブンコードアプモンを託してもよい相手と認めたわけですから。

 結局、ハル達のことは情報で見ただけの印象しか持っていなかったのでしょう。
 どういう人物かなんて、実際に触れてみなければ本当はわからないものです。その認識が抜け落ちていた。
 これは、ハルの「話してみなければわからないよ!」という主張にもガッチモンする件ですね。
 
 
 
・レイドラモン

 前回、レイの意志に反してはじめの事を喋っていたわけですが、レイの命令には特に異論をとなえませんでした。
 単に知られた以上は隠しても意味が無いという、割り切った考えからの発言だったようです。

 戦闘ではサクシモンに対特化トラップを仕掛けられたのか、ほとんど能力を発揮できずに追い詰められていました。
 しまいにはチップに戻ってしまったので、以後のまともな出番がありません。
 レイの決断をどう受け止めているのでしょうか。それとも、レイの決断なら従うと決めているのかな。

 そーいえば、まだレイとの出逢いが描かれていません。
 アプリドライヴァーであるということは、レイもまた「質問」に応えてドライヴを手に入れたはずなのですが。
 質問内容は「弟を守りたいですか?」だと想像できますけど、断言まではできません。

 まだまだ先は長いことですし、このへんは後のお楽しみですかね。
 トーマとガオモンみたいに出逢いが描かれなかった例もあるので、必ずその手のドラマが入るとは限りませんが。 

 その目的といい、シリアスすぎてまだまだ浮いている方々です。弟さんの救出は早いほどよさそう。
 
 
 
・桂はじめ

 正式登場したレイの弟。年齢的には小学校低学年くらいでしょうか。
 見るからに素直で優しい、おとなしい印象の子です。よく泣いてるのは、つらい状況に置かれることが多いせいでしょう。
 今はリヴァイアサンによってネットの海に取り込まれ、そのどこかにいるのだそうです。

 問題は、レイ宛に届いたメールなのに何故このはじめが取り込まれたのか、ですね。
 本来はレイを取り込む予定だったのが、偶然先に入ってきたはじめに予想外の素質を見てターゲットを変更したのか、
 それとも前もって2人の行動を予測していた──つまり、最初からはじめが狙いだったのか。
 後者ならレイは、はじめを確実にゲットするための当て馬として利用されたことになるのかもしれません。

 そして嫌なことに、一連の映像がすべて本物とは言い切れないんですよね。キャメラモンの例もあるし。
 とはいえ、さすがに終盤で顔を向けた場面だけは本物な気がしますけど。アレが何処なのかは置いといて。
 あとはレイが弟の本質をどの程度把握しているのか、でしょうか…あまりにも庇護対象めいた描写に終始しすぎてません?
 そんなことを勘繰ってしまうのは、やっぱりユウの前例があるからなんですが。

 中の人は水瀬いのりさん。真白ありすがサブで、こっちが本命のキャストというわけですね。
 男の子役とは珍しいですが、立ち位置が現状完全にヒロインなのであんまり違和感はないかも……
 
 
 
・サクシモン

 驚くほどの早さで体勢を立て直し、レイを罠に落として能力を発揮させずに追い詰めるという策士ぶりを発揮。
 反転攻勢の素早さもそうですが、勝機を逃さないあたりも強敵感が出ていて良いですね。

 誤算があったとすれば、ハル達の存在を軽視したことでしょうか。
 より具体的に言うなら、あそこでハル達がレイの救援に現れることは100%ないと思い込んでいたのでしょう。
 普通に考えればそうかもしれないし、ハルの言うとおり撤退も判断のひとつではあったでしょうから。

 レイドラモン向けへ尖らせたフィールドを用意したように見えるのも、上の認識を前提とした行動のはずです。
 けれどそれが仇となったのか、ドガッチモン達へはろくに罠が発動していませんでした。
 自身で直接迎え撃っていたのが良い証拠です。罠を使わなかったのではなく、使えなかったのかも。
 余裕がないと目を配れないのか、ハルにもけっこう自由に動かれてましたし。

 が、万一のことがあってもドガッチモン達相手なら後れを取らない程度の自信はあったと思います。
 しかしその自信も、レイが取った決断で完全に崩れ去ることとなりました。
 なので、早めに撤退を選んだのは正しい判断といえます。結局は、それでも予想を上回られたわけですが。

 最後はドガッチモンにデータを引っ張り出され、はじめの情報をドライヴァーたちに奪われかけるも
 リヴァイアサンの介入でそのデータを消されてチップに戻ってしまうという末路を辿りました。
 復活しても記憶を失ってそうな勢い。

 手強い相手でしたが、まさに「「策士策に溺れる」な顛末を迎えたのかもしれません。
 
 
 
・ミエーヌモン

 ドサマギでサクシモンのチップを回収してました。もっとも、みんな忘れてた気がしますが……

 スコープモンのときといい、現状はリヴァイアサンへの手掛かりを潰す役目に徹しているようですね。
 これ以上看過できぬとなれば自ら動くでしょうが、やはり目立たないようにやるのかも。



★名(迷)セリフ

 
 
「そんなのわからないよ!
 聞いてみなきゃわからない! はじめ君のこと、教えて!」(ハル)


 レイに「事情を話したところでどうにもならない」と言われての返し。
 ガッチモンを思わずハッとさせ、レイをもいっとき押し黙らせたほどの強い言葉でした。
 直後に弟の声を聴いたことで思うところができたのか、レイは訥々と事情を語りはじめています。
 
 
 
「オレ様は超検索アプリのアプモンだ!」(ドガッチモン)

 レイの救援に駆けつけた際、よくここがわかりましたねとサクシモンに言われて。
 これ、たいていのことを一言で説明する結構なパワーワードだと思います。ちょっとズルい。

 
 
 
★次回予告

 ひと山越えてのクリスマス回です。勇仁もえらい久しぶりに再登場。
 ハルとアイのあまずっぺー場面も多数窺えますね。明確に意識してるカットもあり。ここにエリが絡んでくるのかどうか。
 ところでレイは結局、ぼっちでクリスマスを迎えることになっちゃうんでしょうか……