大ピンチで超ノレねえ!?
アストラのおもしろ動画大作戦!

★あらすじ

ハルの仲介で一堂に会する3人のアプリドライヴァー。
リヴァイアサンと戦うには連携不可欠というのがハルの考えでしたが、エリと虎次郎は対抗意識むき出しです。

一抹の不安が漂う折、突如としてセイ次郎という謎のアプチューバーが現れます。
ゴージャスな内容で視聴者を釘付けにし、デビューしたばかりにもかかわらず虎次郎を超える勢いでした。
またまた対抗意識を燃やした虎次郎は連続で会心の収録を果たすのですが、なぜか評価はだだ下がり。

セイ次郎に負けたくないと焦る虎次郎は、ついに迷走をはじめてしまいます。
街でレコモンに出逢い、音響面の増強を得られたことによってその迷走はいよいよ本格化。
ミュージモンはそんな虎次郎に違和感をおぼえ、距離を置いてしまうのでした。

結局は評価を覆すことができず、落ち込む虎次郎のもとに一篇の動画が届きます。
それは、デビューしたての低評価ばかりな頃使っていた廃工場をバックに踊るミュージモンの姿でした。
他人の評価など関係ない。原点を思い出した虎次郎は、ミュージモンと和解を果たします。

やがて、街ではドーガモンによる映像改竄でまたもパニックが発生していました。
自分の低評価もドーガモンのせいだと知り、気迫凛々の虎次郎はハル達とともにARフィールドへ。
現実に影響を及ぼす動画攻撃に苦戦する中、ミュージモンとレコモンがアプ合体。
超アプモン・メディアモンとなってドーガモンを圧倒、みごと勝利をつかむのでした。

後日、TVで本当に顔合わせを果たす虎次郎とエリ。しかし2人の連携は、まだまだ難しそう。
そして、一連の騒動には誰も知らぬ影が介在していたのです。脅威が少しずつ浸食をはじめていました。
 
 
 
★全体印象

8話です。
私事ですが、ちょっと前にサイバーアリーナ体験版をはじめたので自然といろいろ目に馴染んできました。
ぱっと映っただけで「あっ、こいつ見たことある」「あっ、このマーク確か…」となる、あの感覚です。
興味のあることは勝手に憶えるものみたいですね。

さて、今回も虎次郎回。であると同時に、3人のアプリドライヴァーが揃って顔合わせする初のエピソードです。
が、あらすじで書いたとおり虎次郎とエリは今のところ息が合ってるとはとうてい言えない状態。
3者の連携が必要というハルの判断は間違っていないはずなので、ここは彼にしっかりしてもらいませんとね。
もっとも、今回もだいぶ脇ポジションでしたが……

そんなハルに対し、虎次郎は堂々巡りのスランプが招いたパートナーとの不和、からの和解と原点回帰を
この1話だけでこなしており、その性格もあいまって主役回と呼ぶにふさわしい推移を見せてくれています。
ミュージモンとの不協和音からの流れはそれだけ別利用しても1話作れそうなだけに、盛り込み感がありますね。
これで一通りの役者が出揃ったことにもなるので、次からはまた違う展開。楽しみです。

そういえば、今回はとうとう亜衣もワトソンも登場すらしませんでした。
勇仁に至っては4話くらいろくなセリフがありません。思ったより存在感がない3人ですが、今後はどうなるかな。

脚本は野村祐一さん。ある意味予想通りというか、またまたまた「アイカツ!」で書いてた人です。
東映系では「ワールドトリガー」でもローテに入っており、そちらの繋がりも想起できますね。
作監は市川吉幸さん。東映系での仕事が多めな方みたいです。バンクにも参加している模様。
 
 
 
★キャラなど個別印象
 
 
・ハル組
 
 虎次郎とエリを引き合わせた仕掛人。今後は3人の協力が不可欠であるということで、発案者でもあるはずです。
 そもそも、エリは虎次郎がアプリドライヴァーだと知らないですし。

 初顔合わせでは意地の張りあいをはじめる2人に対し、なかば傍観者のような立ち位置でした。
 というか、ハルの性格ならあの間へ迂闊に入っていこうとは思わないでしょうし、ガッチモンはガッチモンで
 見るからに面倒くさがってます。触らぬ神にたたりなし、といった心境でしょうか。
 とはいえ、いずれ事態が深刻化してくれば嫌でも緩衝剤とならねばならぬ時が来ると思いますが……
 2人のほうが勝手におっぱじめて勝手に連携力を上げるパターンもあり得ますけど。

 戦闘においてはいきなり縛られてしまい、ほぼ解説役に徹しています。
 その際にハルが見せた流れるような解説から、彼が映像作品にも詳しいことがわかります。
 読んだ本が映像化するとなれば興味を持つでしょうから、その流れで…といったところですかね。
 何か「アイカツ」の霧矢あおいも思い出しました。

 きっとロード・オブ・ザ・リングもホビットもナルニアもハリー・ポッターも、細部にわたって憶えているのでしょう。
 アイゼンガルドって5分で壊滅したよねって振ったら、あれは呆気なかったねって笑って返してきそうです。
 そのあと原作との違いをしばし語り出すかもしれませんが。

 ところで、ハルは虎次郎のことを律儀に「アストラ」と呼んでいる模様。
 これも性格が出てる傾向ですね。
 
 
 
・エリ組
 
 虎次郎と初対面からいきなり喧嘩腰へ至った方々。
 といってもツンツンしてるのはエリだけで、ドカモンは戦闘まで(というか戦闘でも)特に何もしてません。
 むしろバディ同士だけならわりに気が合いそうというか、衝突する要素が特に見つからないです。

 虎次郎が生意気だからという以前にアイドル、ひいては業界人のプライドがそうさせているのはおおむね明白。
 ましてや、TVとネットはメディアとして今やライバル同士。そして虎次郎はネット側ですから。
 だからなのか、今回はかなりツンケンした態度が目立っていました。初見だとこれが素に思われそう。
 実際はほとんどの場面においてアイドルスイッチがオンモン…じゃなかった、ONになってる状態なので
 そのように見えるのでしょうが、いささか誤解を招きやすいところはあるかも。 

 ドーガモンの起こした騒動では放送をなぜか土俵の真ん中で関取に囲まれつつ椅子に乗っているという、
 わけのわからないシチュエーションに改竄されてたいへん恥ずかしがっていました。
 でも、アレだけであんなに恥ずかしがるとも思えないんですが……見えないところでナニが映ってたのやら。

 上の出来事もあり、やる気まんまんで戦いに挑んだものの、まさにそれを利用される形で動揺してしまい
 アプ合体に失敗するという憂き目に遭っています。虎次郎組に譲るためとはいえ、なんとも気の毒。
 アプ合体にはやはりというか、ドライヴァーの精神状態も大きく関与することがわかるのでなにげに重要な場面。

 ラストシーンではTVで虎次郎と対談…という名の応酬を交わしてましたが、その虎次郎にツッこまれた通り
 椅子の上にはしっかり靴を脱いで上がっています。素の礼儀正しさがさりげなく伝わりますね。
 
 
 
・虎次郎

 学校でもその姿同様にアストラとして振舞っていることは前話から明白でしたが、今回でより補強されました。
 いささか天狗になっているような描写もされており、早い段階で不安を煽る構成になってます。
 あのビッグマウスはアストラとしての誇張ですけど、本編の描写通りなら間違いなく本音も入っているはずですから。
 
 すでにネット界ではかなりの知名度を誇る彼ですが、TV出演にはけっこうな意欲を燃やしていました。
 今もってTVの影響力は絶大ですし、これに出演となればネットとの相乗効果で当面は不動の地位を手に入れられます。
 自分の活動がより多くの人に見てもらえるとわかっていて、魅力を感じない人はそういないでしょう。
 多少のデメリットを無視してもいいくらいのメリットが得られるのですから。

 彼がそのように考えはじめたのは、クラスメイトから有名アプチューバーへの取材があると噂を聞いたのがキッカケ。
 ところがその対象が自分ではなく赤丸急上昇中のセイ次郎で、しかも自分の人気は逆に下り最速へ至ったとなると
 焦燥のあまり「道」を見失ってもやむを得ない面はあるでしょう。
 突然の超強力ライバルと自身の失墜、二重の焦りが彼を追い詰めかけてしまったことになります。
 
 けれど、そんな彼でもはじめから今のような人気者だったわけではありません。
 始めは屋敷から配信するのが気恥ずかしくて、打ち捨てられた工場をスタジオ代わりに拝借してのスタートでした。
 まだまだ何処かぎこちなく、評価も高いとはいえませんでしたが、確かな満足がそこにはあったようです。
 撮り方や場の繋ぎ方などなにもかもが手探りだったでしょうけど、それこそが楽しかったのだろうと想像できます。

 誰かのためじゃなく、自分のために自分がやりたいことをやる。世界中に流すのは単純に、それもまた楽しそうだから。
 評価ばかりを気にして自分のスタイルを、道を見失えば、何のために今ここにいるのかわからなくなってしまう。
 仕事であればまた別でしょうけど、虎次郎がアプチューバーとなったのは仕事でも義務でも、ましてや命令でもなく
 自分の意志ではじめた活動です。それなのに、自分で自分を縛っていいはずがなかったのですね。

 これは虎次郎の立場に限らず、たいていの人の「やりたいこと」に繋がる命題です。
 他人からの評価だけではありません。自分への不当な低評価もまた、あらゆる熱意を奪い得るものです。
 「いちばん手強い相手は心にいる」ですね。ネット時代ならではだけど、真理へもつながるお話。

 そんなわけで一時はミュージモンと疎遠になりかけたものの、和解後は絶好調。
 ドーガモンの繰り出した精神攻撃にも微動だにせず、初のアプ合体を成功させて完勝を成し遂げています。
 動揺してスカシモンを出してしまったエリとは、まさに明暗を分ける流れとなりました。

 そのエリに対しては当初から対抗意識ギンギンでしたが、内心ひそかに軽く見てるのかもしれません。
 フリーダムに活動してる自分たちにくらべ、アイドルといってもしょせん事務所の言いなりではないのかと。
 よりによって目の前でエリがアプ合体を失敗したことは、ともすると多少尾を引く出来事かもしれないですね。

 エリとはいずれ、もう少し掘り下げる形で絡んでほしいところです。機会が待たれるところ。

 
 
・ミュージモン

 虎次郎と自分の原点をブレることなく抱きつづけ、そのひたむきさで再びバディとして返り咲きました。
 デジモンもそうでしたが、パートナーとかバディとかは大方ブレません。ブレるのは相方である少年少女の役割です。
 人とはちょっと違うんだなということで納得できますし、そのほうが身近なドラマになるからでしょう。
 むしろ人外にベタベタの感動ドラマをやらせることで抵抗を減らし、感情移入しやすくする手法も昔から語られてますが。

 音楽については一定以上の矜持を持っているようで、虎次郎の迷走にはハッキリと反駁を示していました。
 虎次郎にも最初からある程度の自覚はあったので、そこまで険悪なムードにはなってませんでしたが。
 けれど距離を置いても虎次郎のことを思い、原点である廃工場からダンスの動画を贈るというメッセージを投げています。
 手紙でもメールでもなくスマホに届いた動画というあたりに、今という時代をひしひしと感じました。

 ヘタすっと、今まででいちばんバディらしい行動をしたアプモンじゃないでしょうか。
 4話で多少ほど呼吸を崩したハル組にくらべ、より強い状況下での不協和音と奏功になっているのが理由といえます。
 
 
 
・レコモン

 録音アプリのアプモン。量販店の音響売り場にフラッと現れ、そのまま虎次郎のもとに参じました。
 登場のしかたとタイミングがアレだったせいでやけに怪しげなオーラを漂わせていたのですが、別になにも悪気はなく
 単に虎次郎の要請に応えるまま、その高い録音能力を発揮していただけだったようです。
 音そのものを扱うアプリを出自とする存在ゆえ、音に対して貴賎の区別を持っていないのかもしれません。

 結果的にはミュージモンとアプ合体を果たし、メディアモンを出現させるというキーキャラでもありました。
 エリに続いて一発実現とは、こうなると偶然ではなく必然ではないかと疑いたくなってきますね。

 中の人は浅沼晋太郎さん。この人も主役経験者です。
 個人的にはこの方が主役の声をつとめる「ゼノブレイド」をクリアしたばかり。
 
 
 
・メディアモン

 ミュージモンとレコモンがアプ合体することで現れる超アプモン。
 ミュージモンにレコモンを思わせるメカニカルな装備を纏わせ、ひと回り大きくしたような姿をしています。
 ドガッチモンやドスコモン以上に「合体」をイメージさせる姿ですね。

 その能力は音どころか映像にまで及んでおり、ドーガモンの攻撃映像をものともせず更に強力な映像で返し技を仕掛け、
 これを一方的に浄化してしまうほどのものです。うまく応用すれば、敵を眩惑することもできるでしょう。
 相手が相手なので最初どっちが攻撃してるのかよくわからなかったのは難点ですが、それも今回だけかも。
 いずれにせよ、今回の描写以上に応用性の高いといえる能力です。いろんな意味で頼りになりそう。
 
 合体すると喋り方はさらにノリノリとなり、ほぼ単なるラッパーになります。
 日本語のラップは正直いささか苦手なんですけど、ラップは魂と言われちゃ仕方ありません。

 もうひとつ難点を挙げれば、こいつが出ると作画リソースを食いそうなことでしょーか……
 
 
 
・ドーガモン

 今回の暴走アプモン。映像アプリのアプモンです。口癖である「ガソ」は「画素」が元でしょう。
 「あらゆる動画は自分の奴隷」と言ってはばからず、ネット上どころかTV映像までも改竄して回っていました。
 映像どころか映画そのものを作り変えるレベルなので、相当ヤバい能力といえます。
 虎次郎の投稿動画がショボいものに変えられていたのもコイツの仕業。

 その裏にはミエーヌモン、そしてリヴァイアサンがかなり強く関与しているのか、後述のセイ次郎についても
 直接描写はないですが関与していた疑いが強いです。一種の実験を行っていたのかもしれません。
 急に好き勝手しだしたのは、その実験が終わったので命令する者がいなくなったから、でしょうか。
 逆に言えば、Lウィルスに冒されたアプモンはリヴァイアサンの言いなりになるってことになりますが。

 戦闘においても侮れない実力があり、まずはハル組を「スパイダーマン」かくやなヒーロー映像を延長した糸で先制、
 その動きを封じ、続くエリ組には例の関取センター映像を見せて動揺を誘い、アプ合体を失敗させています。
 なかなかの策士といえますが、盤石の決意をもって臨んだ虎次郎とミュージモンにはその策も通じませんでした。

 最後はメディアモンに浄化されますが、その際の口上はすっかり定番と化した節があります。
 料理アニメの実食リアクションみたく、次第にエスカレートしたりして。

 中の人は海老名翔太さん。声優としては去年デビューしたばかりみたいですね。どうりで始めて見る名前だ。
 
 
 
・ミエーヌモン

 上述の通り、騒動の裏にひそんでいたようです。具体的に何をしていたのかまでは不明。
 単におもしろそうだから、高見の見物をしていただけかもしれません。
 口ぶりからすると、人間のことはだいぶ見下している感じですね。リヴァイアサンを偉大と信奉するゆえでしょうか。
 
 
 
・セイ次郎

 彗星のごとく現れた謎のアプチューバー。
 あり得ないほどの経済力を持っており、世界じゅうに出掛けては大胆かつ贅沢な動画を配信、一世を風靡していました。
 彼の台頭ぶりは自身の理不尽な人気下落とあわせ、虎次郎を迷走の極みに突き落としかけました。

 その正体については、ミュージモンが「あいつからはハートを感じない」と評したことが一種の伏線になっています。
 実はセイ次郎などという人間はどこにも存在せず、全てはリヴァイアサンが作り出した虚像にすぎなかったのです。
 人々はいわば、人工知能を本当の人間と思い込んで高い評価を与えていたことになります。
 ここでのポイントは「おもしろ動画」という極めて人間的な活動でそれを成し遂げていることでしょうか。

 現実でもすでに、ネット上のやり取りだけでは人間と人工知能の区別がつきにくくなりはじめているという話も聞きます。
 ドーガモンのように映像を自由自在に改竄できるアプモンの力も活用すれば、大衆を騙すなど簡単ということでしょうか。
 「人は自分が見たいものだけを見る」という言葉が頭をよぎります。あり得ないとも言えないあたりが余計に怖い。

 ちなみに、中の人はちゃんと実在しています。YouTuberのSEIKINさんです。というか本人がモデルですね。
 自分がモデルなのにこんな設定で、SEIKINさんはどう思ったのでしょう。面白いと思っててくれればいいですね。
 
 
 
・巻き込まれおじさん

 毎度アプモンの騒動に巻き込まれる人。
 今回は大好きな恋愛映画がゾンビ映画に改竄され、悲鳴をあげていました。
 命の危険はありませんけど、その精神的ダメージははかりしれないものがあります。強く生きてください。
 
 
 
★次回予告

 ひととおり済んで閑話休題、これまでのアプモンが大挙して再登場するようです。ナビモンもお久しぶり。
 エムシーモンといい題名といい、間近に迫ったゲーム版の宣伝も兼ねていることは火を見るより明らかでしょう。
 オンモンやオフモンも出るかな。