感情の鼓動
脚本:山口亮太 演出:宮本宏彰
作画監督:浅沼昭弘/仲條久美/小松こずえ/市川吉幸/近藤瑠衣/金久保典江
総作画監督:小島隆寛
★あらすじ
2050年、人の感情から生まれる「eパルス」をエネルギー源とした「サポタマ」により
人類は適切に管理され、さらなる発展を遂げていました。
しかし、その陰では恐るべき脅威が跋扈していたのです。
高校生の天馬トモロウは、音楽のリズムに生きている実感を抱く少年。
彼はなぜか、触れたサポタマがバグを発生させる特異体質の持ち主。そのせいかどうか、
サポタマに支えられた理想的な社会、理想的な自分に違和感をおぼえていました。
そんなどこか鬱屈した毎日の中、トモロウは同級生の篠宮ヒトミのサポタマに偶然触れ
バグらせてしまいます。それ自体は彼にとっていつものことと思われたのですが、
すぐ後にそのヒトミが「コールドハート」になったとのニュースが飛び込んできました。
eパルスの急激低下によって起きる「人間凍結状態」です。
もしや自分のせいではと慄くトモロウに家を出ないよう言いつけ、兄アスカは外出。
苛立ちのまま投げつけられかけたサポタマから、なんとモンスターが現れました。
トカゲに似たそのモンスターはいきなりトモロウからeパルスを吸い取っただけでなく、
なぜか彼がヒトミを探したがっていることを察して飛び出していってしまいます。
やむなく後を追ったトモロウを、二体の怪物が襲います。
間一髪のところでアスカが助けに入り、トモロウを逃がそうと試みるのですが
アスカは怪物に捕まり、その牙によってeパルスを食い尽くされてしまいました。
なおも迫る危機にトモロウが力を願ったとき、あのトカゲに似たモンスター……
ゲッコーモンと名乗る存在が駆けつけてきます。
ゲッコーモンの呼びかけに、兄の最後の言葉を重ね合わせるトモロウ。
彼は自分自身の感情の鼓動に従い、運命へと手を伸ばすのでした。
★全体印象
いよいよ始まりました、デジモンビートブレイク。
アプモンも含めた関連アニメ作品としては、記念すべき10作目に当たります。
なんだかんだ息が長いですね。まだ果敢に朝枠を維持してるし。
まず感心したのは、グローイングドーンによる導入です。
あの数分だけで本作の傾向やメインキャラの性格、バトル様式が理解できました。
突っ走りがちなレーナ、情報担当で慎重派のマコト、そして極めてマイペースながらも
「ファミリー」へ手出しをする者には容赦しないキョウと、すでに立ってます。
ムラサメモンの圧倒的な強さも印象的。
加えてOPから分かる通り、本作の敵はデジモンだけではありません。
デジモンの力を利用して悪事を働く人間もまた、敵役として立ちはだかるのです。
この点をこれほど強調したシリーズ、もしかして初めてじゃないでしょうか。
所謂テイマーVSテイマーとはだいぶ異なりますが、まあ意図的でしょう。
こうした場合、デジモンより人間の方がタチ悪い描写になりがちなんですが
本作の場合はeパルスを狙って人間を襲う野良デジモンも厳然と存在するため、
そういう意味でもバランスが取れているかもしれません。
ハイエモン達のキャラも俗っぽいヒャッハー雑魚イメージだし。
とまあ過去イチ治安の悪い本作ですが、平和そうないわば陽の部分に目を向けても
裏に潜む闇のようなものが透けて見える仕掛けになっています。
もっと言えば「格差と分断」がくっきり見て取れるんですね。
街のど真ん中に傲然と聳え立つ「シャングリラエッグ」はその象徴かもしれません。
あのエリアに住めるのは一部の人々、つまりは上級国民だけ。
別に私たちの現在にもそういった場所はありますが、より明確な形なんですよね。
整然としているのも一部だけで、一歩離れると廃墟だらけに見えます。
一極化がますます進んで、インフラが放棄された場所の方が多そうなんですよね。
「逃走中 グレートミッション」をも思い出してしまいます。遥かにサイバーでしたけど。
問題は誰が、どんな目的でサポタマを流通させ、現在の社会を作り上げたかですが
いずれにせよトモロウにとって生きやすい社会ではないようです。
あるいは、デジモンに関わっている人々皆にとってそうなのかもしれません。
まだまだ謎だらけですが、ともあれ一話としては上々の掴みだと思います。
ゲッコーモンとトモロウがどう戦うのか含め、早くも目が離せません。
まだこれからグローイングドーンとの合流も待っていますもんね。
★キャラなど個別印象
・天馬トモロウ
なにげに前作主役と苗字の一文字目が同じな本作の主人公。
年齢的には高校生と、続編を除けばシリーズ中最も年上になっています。
そのためか大人びた印象も与えてきますが、実際には年相応。
物事を斜めに見ているのも生きづらさを感じているからで性格のせいじゃないし、
明らかに過去なにかあって、そのせいで余計に鬱屈しているように見えます。
兄との関係も以前とはだいぶ違うみたいだし。
そもそも、両親らしい人物の姿が見えないんですよね。
アスカへの訴えといい、その件も彼の屈折と大きく関わってるのかもしれません。
ほんの一、二年前ぐらいまではもっと幸せそうだったのに。
ゲッコーモンを生み出したものは、そんな現状を打破したい気持ちからでしょうか。
だからなのか、その呼びかけにも比較的素直に応えていた感じです。
自分の感情から生まれたのなら、それは自分自身の分身と同じってことですし。
そうか、心のままに行動し現状をぶち破ること。
それが彼の根本的な動機であり、ひいては作品のテーマでもあるのかも。
だとすれば、現実の世相に合致しているとも言えそうですね。
声の担当は入野自由さん。
「千と千尋の神隠し」で重要人物たるハクを演じて知名度を上げ、それ以後も
第一線で活躍し続けてきた方です。まだ30代だけどキャリアはすでに30年。
声質からかナイーブな人物を演じることが多く、トモロウにはピッタリと言えます。
・ゲッコーモン
トモロウのサポタマから現れたデジモンにして、彼のパートナー。
その際二段階進化を遂げてますので、幼年期をすっ飛ばしていることになります。
トモロウのeパルスが強いからなのか、生まれる時は大体こうなのかまではまだ不明。
主役デジモンとしてはなかなか攻めたデザインで、特に顔は可愛らしさとキモさが
絶妙に同居したもの。一度見たら忘れがたい仕上がりです。
なんか触ったらヌメヌメしてそうだし。
初見ではいきなりトモロウに噛みついてeパルスを吸い取っていましたが、
それはトモロウの望みを手っ取り早く把握するためでもあったように見えます。
どうやらeパルスを得ることで、対象の思考も読み取れるようですし。
戦闘力のほどはまだ未知数ですが、成長期としてそこまで突出してはいない様子。
逆に言えば、トモロウの決意と助力を得た次回からが本領発揮でしょう。
果たして進化するのか、それともまだパワーアップに留まるのか。注目ですね。
名の由来はおそらくヤモリで、種族もやはり爬虫類型。
ヤモリには「家の守り神」として親しまれている側面もあるので、
そういう観点ではトモロウやその家族の守護者という意味もありそうです。
「月光」とのダブルミーニングにもなってるっぽいですが。
声の担当は潘めぐみさん。
「クロスウォーズ」の洲崎アイルに始まり「アドベンチャー」の高石タケルなど
シリーズのメインキャラのみならず、「デジモンワールド ネクストオーダー」
のクズハモンのような苛烈な敵役デジモンも演じるなど歴任が目立つ方ですね。
十年ちょっと前にはプリキュア役経験もあったりします。
でも、このゲッコーモンのようなタイプの演技は初めて聞いた類かも。
だいぶ気合を入れて作ってるのか、プロモーション動画においては
共演者の入野さんに心配されるレベルでした。ちょっと渡辺久美子さんというか
ケロロ軍曹っぽいものも感じさせる声になってますね。
・咲夜レーナ
クリーナー=賞金稼ぎチーム「グローイングドーン」の一員で切り込み隊長。
彼女が掻き回している間にマコトが作戦を整え、キョウが決め手を取る……
というのが定石の流れみたいですね。
性格的にも役割にふさわしい、またはそれ以上の突進型。
キョウの到着を待たずして行動を起こしたり、相手の抵抗が予想以上だった際には
プランの変更をマコトに丸投げして行動再開するなど、直情が目立ちます。
サポタマによる進化も、その激しい性格による賜物なのでしょう。
よく見ると、手の甲にトモロウに現れたものと同じQRコード状がありますね。
もしかすると、これがデジモンに関わる体質?の証なのでしょうか。
色が違うのは個性とかそういう位置付けなんでしょうけど。
本作は人間にも割と容赦なく攻撃してくるので、いきなりピンチになってました。
先走って痛い目を見ることも多そうです。今後が早くも心配。
まあ前作は考えてみりゃ人間狙いの方が多いぐらいでしたが……
声の担当は黒沢ともよさん。
2025年上半期、「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」の主人公・マチュ役で
大きな注目を浴びた方です。こちらの役もマチュに負けず劣らずの行動派。
かつては独特の声質を活かし「アイカツ」の有栖川おとめや
「アイマス」の赤城みりあ役などポヤンとした可愛い人物を得意としてましたが……
いやあ、芸風広がったもんですね。
・プリスティモン → ウルヴァモン
レーナのパートナー。
成長期のときは可愛らしい姿ですが、どうやら相方に似て強気な面もあるようですね。
もっとも、普段どういう感じなのかまではまだわかりませんが。
進化して成熟期になるとその強気はさらに強まり、果敢に前へと出て
標的へ連続射撃を仕掛けてます。能力的にも切り込み役が向いてる感じですね。
ただその分防御力は低いのか、受けに回ると弱い傾向が垣間見えてます。
相方たるレーナを直接狙われたせいもあるけど。のっけから平気で不文律を破ってきます。
成熟期時の名の由来はおそらくウルヴァリン、つまりクズリですね。
成長期の方はちょっとわかりません。レッサーパンダの分類に綴りが似た学名がある程度。
ひょっとしたらヌイグルミ関連の用語かもしれませんね。
中の人は田村睦心さん。言うまでもなく、前作主役である天ノ河宙を演じてた方ですね。
先頃も「魔神創造伝ワタル」で主役を演じたばかりだし、メインキャラ経験が豊富。
でも今回は女性を強く連想させるセリフ回しで、演技も一味違ってます。
どちらかといえば洋画吹き替えの方に類似を見つけやすいかもしれません。
・久遠寺マコト
グローイングドーンの一員にして最年少、かつ情報分析担当。
見るからに頭が良さそうで、言葉遣いや服装などから元々の育ちの良さも見て取れます。
掃除屋として荒事に関わっている裏には、なんだか色々と事情がありそうな予感。
本編においては犯罪者を追跡・発見しており、担当分野をいきなりアピールしてました。
慎重派でもあるようでリーダーたるキョウを待つようレーナを諌めていましたが、
彼女が飛び出してしまったため已むを得ずそのフォローに回っています。
同様のケースは今までいくつもありそう。
現場ではゴーグル状のスマートグラスを着用しており、その点も情報屋っぽいです。
なんだかセーラーマーキュリーを思い出してしまいますね。
そーいえば、あのシリーズのシリーズ担当も終盤は山口さんだったっけ……
総合的にみて、光子郎あたりと気が合いそうな人物と位置付け。思った通りです。
なにかと苦労してそうなところにも、共通したものを感じずにはいられません。
年齢の割に落ち着いたところは若干「アプモン」の桂はじめも連想させますね。
声担当は関根有咲(ありさ)さん。
「ゴーストゲーム」にて宇田川アオイを演じていた方です。
守備範囲では馴染みの少ない名なので、これからよく覚えたいですね。
・キロプモン
マコトのパートナー。
名の由来はコウモリの分類たる「翼手目(Chiroptera)」からでしょうか。
その名の通り、コウモリに似た姿でもちろん飛行もできます。
能力もコウモリらしく超音波を利用したもので、本編においては上空から
得意技の「パラライズエコー」を仕掛けて犯罪者に苦痛を与えています。
殺傷力の小さい技なのか、またはキロプモン自身が威力を調節していたのか
割とすぐ復帰されていましたけれど。
能力的には、まだまだ未知数の部分が多い印象を受けます。
マコトとより緊密に連携した場合、もっと色々なことができそう。
本人もオタク気質で知識が豊富そうだし、そちらの活躍にも期待ができます。
中の人は久野美咲さん。
舌足らずの甘ったるい声質から、アニメデビュー以降すぐ人気者となりましたが
実は2000年代初頭から子役として吹き替えに参加してる結構なベテラン。
すでに個性が確立してからのアニメ進出だったんですね。
・沢城キョウ
グローイングドーンのリーダーにして最年長。
なにげに、前作主役デジモンの中の人と苗字が同じです。
非常にマイペースな性格で、仕事中に小腹が空いたのでコンビニを探し
肉まんを手土産に現れて皆を唖然とさせる場面があります。
このことによる遅刻が、レーナの先走りを招いたのは事実。
しかし彼らの実力は他を圧するもので、現れたその瞬間に趨勢が決したほど。
また上で書いた通り「ファミリー」に手を出した者には一切の容赦がなく
言い逃れしようとする峰崎に冷酷な一言を放っていました。
敵には回したくないタイプの人物といえます。
気になるのは、目にハイライトらしいものが無いこと。
ハイエモンにeパルスを食われたアスカの瞳からハイライトが消えてる以上、
わざわざ描き分けだけでこんなキャラデザにしたとはどうも思えません。
相方たるムラサメモンのレベルが高いことと、何か関係あるんでしょうか。
まあムラサメモンの実戦経験自体がものすごいのかもしれないし、
彼本人も本当にああいうキャラデザなのかもしれんのですが。
声の担当は阿座上洋平さん。
「機動戦士ガンダム 水星の魔女」のグエル・ジェタークで注目を集めた方ですね。
個人的には「勇気爆発バーンブレイバーン」のルイス・スミスも挙げたいところ。
デジモン界隈では「サヴァイブ」の富永リョウ役でも知られていますね。
上ふたつの役とは性格が全然違うけど。
・ムラサメモン
キョウのパートナー。メンバーでは唯一の完全体です。
背中に巨大な大剣を背負った、いかにもな武闘派タイプの獣人型デジモン。
レオモンの完全体も張れそうな佇まいですね。
名の知れたキョウの相方とあって実力は凄まじく、空間を斬って現れたと思うや
たったの一撃でワスプモンを斬り捨てて無力化していました。
完全体と成熟期のレベル差をまざまざと見せつけてくれる場面ですけれど、
本人もレベルの高さだけに頼らず鍛え上げていそうな雰囲気がありますね。
設定によれば、普段は成熟期クーガモンの姿で寝ていることが多いそうです。
裏を返せば、平時は余計なエネルギーを使わないようにしているということ。
このこともキョウの状況と関わりがありそうなんですが……考えすぎですかね。
声の担当は濱野大輝さん。
守備範囲で一番著名なのは「SSSS.DYNAZENON」のガウマでしょうか。
ちょうどゲームで絶賛活躍させ中ですよ。
・天馬アスカ
トモロウの兄。
かつては仲間とともにバンドをやっていた節があり、トモロウがドラムを好んでいるのも
この兄の影響なのは明白なんですが、現在は見る影もありません。
加えて何やら仕事を抱えており、毎日のように夜遅くの帰宅となっていたようです。
ざっと見て、この兄貴がデジモンにまつわる何かに関わっていたのは明白。
トモロウを強く諌めていたのも、弟を守るためと考えれば辻褄は合います。
もともと時が来たら話すつもりだったのでしょう。予定は早まったようだけど。
しかし話す機会を得る前に、ハイエモンスカーによってeパルスを吸い尽くされてしまいました。
人間がeパルスを一度に大量に失いすぎると、彼のように意識を失ってしまうのかも。
レーナも設定として、eパルスを使いすぎてぶっ倒れることがあると明記されてます。
症状が重篤に陥ると、そのまま目覚めない時期が長くなる可能性もありそう。
それがきっと「コールドハート」と呼ばれる状態なのでしょう。
おそらくこの兄貴の把握している中には、今知られちゃ困ることが含まれてるのでしょう。
視聴者的にも、トモロウの心の準備的にも、まあ色々と。
知ってて教えてくれないのは困りますが、意識不明になったんじゃ仕方ないですね。
さすがにあっさり目覚めることはないと思うし……断言はできないけど。
声の担当は中井和哉さん。
「ONE PIECE」のロロノア・ゾロで有名な方ですが、シリーズにも三度目の出演。
加えてナレーションも担当してます。いずれアスカ自身も復帰するんでしょう。
……復帰するよね?
・篠宮ヒトミ
トモロウの同級生。
偶然から自分のサポタマがトモロウの手に触れ、バグってしまった気の毒な子です。
その後「コールドハート」に陥ったのは、それが遠因っぽいですね。
割とサブキャラ代表みたいなテイで出てきてるんですが、後半ではまったく出番なし。
ニュースで「コールドハートになった」と判明するのみです。ナレ退場状態。
状況は不明ですが、アスカと同じ状態になってしまった可能性が大でしょう。
登場場面の演出そこそこモブを脱したキャラデザの割には、ちょっと意外な扱いです。
中の人も津田美波さんという、結構な名のある人なんですよね。
ゲストだからキャストに凝ったのか、それとも実はセミレギュラーなのか……
まあ年末までには答えも出るでしょうけど。
・峰崎ミツオ
本編冒頭にてグローイングドーンとやり合っていた時計泥棒の犯罪者。
デジモンの力を悪用している類の人物で、ファンビーモンが相方です。
盗んだ時計は、足のつきにくいところで売り捌くつもりだったのでしょう。
ちょうど似たような事件が起こったばかりと記憶してるので、タイムリーです。
プロを自称しているだけあり、デジモン関連の犯罪者としては割と手練れの模様。
驚くべきはeパルスを用いてファンビーモンの技を強化しているばかりか、
成熟期進化までもやってのけていることでしょう。
どうやら本作、eパルスさえあれば誰でもデジモンを進化させられるみたいですね。
この事実は戦慄すべきものかもしれません。
もっとも、それだけのeパルスを持った人間は多くはないのかもですが。
レーナ達のことはかなりナメてましたが、キョウの噂はよく知っているのか
言い逃れしようとパートナーに咎をなすり付ける情けなさを晒しています。
所詮ネームドモブ止まりといったところなんでしょう。
最終的にはグローイングドーンに捕まり「国民保護省」へ送還されたようです。
件の省へ行くことを言い渡された際、異常な怯えを見せていました。
つまり、以前もそこに入っていたことがあるんでしょうね。
耐えられなくなって脱走したのでしょうが、ここにも闇がチラチラと見えます。
中の人は近藤孝行さん。
「神魂合体ゴーダンナー!!」の猿渡ゴオ役です。なにげにこの人も主役経験者。
「ゴーストゲーム」ではフレイウィザーモン役だったので事実上の連続起用ですが、
扱いとしてはあちらよりも上と言っていいかもしれません。
・ファンビーモン → ワスプモン
ミツオのパートナー。
:では被害者ポジションですが、本作ではいきなり敵役として登場します。
しかもeパルスによって強化されているのか戦闘力が向上しており、
必殺技は直撃すればウルヴァモンを吹っ飛ばすほどのパワー。
成熟期のワスプモンともなれば、回避を選ばざるを得ない攻撃力を発揮してます。
1話の敵としては相当に強力な部類でしょう。
が、突如として乱入してきたムラサメモンには一撃で倒されてしまってます。
ただし死ぬことはなく、幼年期のププモンに戻っただけでした。
どうやら大きなダメージを受けると、進化を維持できなくなるみたいですね。
このへんは旧来シリーズと同じですが、敵キャラでこのケースは珍しいところ。
もっと大きなダメージを受けたらどうなるかわかりませんが。
ミツオのことはマスターと呼び、忠実に従っていました。
もしこのデジモンがゲッコーモン同様にミツオの感情、または欲望から生まれたなら
その悪行に手を貸すのはある意味当然なのかもしれませんね。
この場合、働き者な性格が利得になるケースは十分に考えられます。
声の担当は川口桜さん。
比較的若手ですが、:やゴーストゲームにも出演経験があるほか
「逃走中 グレートミッション」ではレギュラーとして活躍していたようです。
・ハイエモン
トモロウとアスカを襲った二体組のデジモン。
大柄な体格ですが、実はこれで成長期だったりするみたいです。
アンゴラモンみたいな例もありますし、体が大きい自体は前例がありますけど。
モチーフから連想される通り獰猛な性格、というか所謂ヒャッハー系。
人間のことは餌としか見ていない節があり、一体はアスカに噛みつき
そのeパルスを吸い尽くしてしまいました。現在のところアスカの安否は不明。
ヒトミがコールドハートへ陥ったのも、十中八九コイツらのせいでしょう。
その後トモロウにも襲い掛かろうとしますが、ゲッコーモンの乱入と
意を決したトモロウ自身のパルスで反撃の憂き目に遭おうとしています。
おそらくコテンパンにされるでしょう。今から御愁傷様と言っておきます。
でも寝てたはずの子を起こしてしまったあなた達が悪いんですからね?
中の人は「スカー」が松山鷹志さんで「ピアス」が岸尾だいすけさん。
どちらも、シリーズにおいてはお馴染みすぎるぐらいお馴染みの方々です。
もちろん悪役の経験も豊富。
というか、やられ役にしちゃメチャクチャ豪華じゃないですか????
まあ一話のやられ役ってある意味すごく大事な役回りだけど……
・OP / ED
OPはMADKIDによる「Mad Pulse」。
来歴には詳しくないんですが、激しいリズムに溢れた曲調は本作のイメージと合致しています。
映像的にも見どころが多く、敵役らしい人間キャラが次々シルエットで出る場面は盛り上がりどころ。
ドイツも強そうです。あの総統メビウスみたいな男が黒幕のひとりでしょうか?
EDの「beat up」は新進気鋭たる冨岡愛さんの担当。
こちらは曲名が作品タイトルと近い仕上がりですが、どちらかといえば優しい曲調。
事件が終わってホッと一息という雰囲気にこの曲調がよく合ってます。
よく見るとまだ本編に登場してない人物や、クーガモンらしきデジモンの姿も見えますね。
★名(迷)セリフ
「よーし! タマ篭めるかっ!」(レーナ)
プロスティモンを進化させる直前。
この際、相方が吐き出した?サポタマを掴んでそこにeパルスを注入しています。
「タマ篭める」はそのプロセスの彼女なりの通称なんでしょうが、何か乱暴ですね。
ここにも性格が出てるかも。
「マコっちゃん! プランB、よろしく!」(レーナ)
標的からの予想外の反撃を受けて。ほぼ同時に飛び出してます。
割と毎度のお約束になってそう。
「その言葉、丸ごとお前に返してやるよ」(キョウ)
冷徹なる宣告。来るぞ来るぞと思わせてからのドンピシャなタイミングです。
「──それで?
お前は俺のファミリーに何をしたんだ?」(キョウ)
レーナへの気さくな口ぶりから打って変わって。今度は表情も込みです。
彼を象徴する一言でもあると言ってよさそうですね。
慌てふためくミツオとはまさに対照的。
「理想的ねぇ……なんかつまんなくね?」(トモロウ)
シャングリラエッグに住むため、理想的自分を手に入れるのが夢と語るヒトミに。
斜に構えているようで、どこか諦めもあるようなセリフです。
自分は他とは違う…というより、自分は理想を掴むことなどできない、
とでも思い込んでしまっているような。
少なくとも、レールに乗ることを嫌がっているのとはまた違う気がします。
ただ、ビートを感じているときには生きている実感があるようですから
別にそれ自体に不満があるわけではなかったのかもしれませんが。
たとえそれが生きづらさからの逃避だとしても。
「誤魔化すなよ!
オレがマトモじゃないことぐらいわかってる!」(トモロウ)
お前のことは守る、と不安を諌めようとする兄アスカに。
その前の口ぶりからして、前にも似たようなことがあったのは間違いなさそうです。
もしかして、両親と関わりのある事件なのでしょうか。
そうか、サポタマが彼に異常反応するのは、eパルスが強いせいなのかもしれません。
デジモン達からみれば当然、エサが多く獲得できる人間が狙い目。
共生を選べばミツオとファンビーモンのように、コンビを組むこともあるのでしょうけど。
まあ、ファンビーモンについてはサポタマから生まれた可能性も高いんですが。
「なんだ。ヒトミ、探したいのか。
シシシ……トモロウ! ついてこいってナ!」(ゲッコーモン)
トモロウのeパルスを吸って。
今生まれたと言っているのに、まるで前からヒトミを知っているような口ぶりです。
もっともトモロウの感情から生まれたのだから、トモロウの知っていることは
彼も把握していてなんら不思議じゃないですし、今彼が何をしたいのかは
eパルスから読み取ることができるのかもしれません。
「頼むよ、兄さん……! オレを独りぼっちにしないでくれよッ!」(トモロウ)
アスカを必死に助け出そうとしながらの、涙の訴え。
かつて何かあったのだろうし、アスカが自分を守ろうとしていたことは気づいていても
それが孤独を深めてしまったのだとすれば、実に皮肉なことです。
彼は若くして絶望しかけていたのかもしれません。
「すまない……でも、お前は独りじゃない。
お前の鼓動が、世界を揺さぶるんだ…!
信じろ…! お前の、ビートを…!」(アスカ)
弟に詫びながら。
デジモンの危険だけでなく、トモロウの秘めたものをも把握してそうな口ぶりです。
兄さん……いったい何が始まってるんだ〜っ!?
えっ第三次大戦??
「当たり前だってナ! オレっちを信じろ! トモロウ!」(ゲッコーモン)
勝てるのか、とトモロウに訊かれて。自信に溢れた返答です。
この言葉、トモロウの胸に兄と同じ律度を持って届いたようですね。
かくして兄のカタキを討つためにも、彼はサポタマに手を伸ばすのでした。
あっゲッコーモンがサポタマ呑み込んでるから、トモロウが入る必要があったんですね。
だからって呑み込まんでもとは思いますが。