終結 究極の聖戦
脚本:古怒田健志 演出:大塚隆史
作画監督:澤木巳登理 / 北野幸広 総作画監督:浅沼昭弘
★あらすじ
ついに復活したミレニアモン。
ヤマト達はこの邪神によって暗黒球の中に閉じ込められ、空間ごと潰される危険に晒されます。
ムゲンドラモンの自爆を切り抜けた太一とウォーグレイモンは仲間を救い、世界を守るため
力を振り絞ってミレニアモンに立ち向かいますが、敵はあまりにも巨大で強大でした。
それでも諦めない太一とウォーグレイモンは必死の勢いで食らいつき、顎に一撃を与えて
暗黒球を解放。呼応して、ホーリーエンジェモンとエンジェウーモンが究極進化を遂げ
ゴッドドラモンとホーリードラモンが出現しました。
二体の活躍によって一度は雲間に沈むミレニアモンでしたが、さらなる凶悪で巨大な
ズィードミレニアモンとなって荒れ狂います。
その規格外の猛威は、もはや誰にもどうすることもできないと思われました。
その時、太一の両手の間に輝きが宿ります。
デジモン達が、大地そのものが宿す滅びへの抗いと希望の光が結集しているのです。
太一はウォーグレイモンのガイアフォースにこれを集め、ミレニアモンへぶつけます。
ホーリードラモンとゴッドドラモンも力を託したことで、力はさらに膨張。
すべての希望を乗せた光が、ミレニアモンを呑み込んでゆきました。
太一たちは、選ばれし子供たちは勝ったのです。
しかし……
★全体印象
50話です。
ミレニアモンが出たと思ったら、一話でカタがついてしまったお話。
作画も演出も相当に頑張っていて、映像としてはかなり楽しめる出来映えです。
が、4クール近くもやってんのに本当に積み重ねが無いのだなということを
ただただ再確認させられてしまう内容だったと言わざるを得ません。
4クール目でのゲストデジモン達との交流が無かったら、もっと酷かったでしょう。
あれとて子供たち個人にスポットが当たってるだけで、関係性が深まってはいないのですが。
何より太一組です。また太一組だけに全部やらせてんですよ。
一応途中でゴッドドラモンとホーリードラモンが出たし、それで中盤は凌ぎましたけど
結局は敵をよけい強くしただけで、太一組に全部託す流れになっちゃってます。
その間他のメンバーは捕まってたり避難してたりするだけで、大したことはしてません。
ヤマトでさえ潰されないよう時間稼ぎしてたぐらいで、あとは大体見てるだけでした。
こうなると、むしろなんでここでオメガモン出さないんだよとさえ思えてしまう。
何のためにメタルガルルモン出しといたんだよ、今出ても誰も文句言わねえだろ、と。
新デジモンとはいえニーズヘッグモンずれに出してる場合じゃなかったろ、と。
いやごめん、ニーズヘッグモン君は嫌いじゃないし君が悪いわけじゃないんだ、ごめん。
いったい、スタッフは無印の何を見て本作を作ろうと考えたのでしょう。
何をどうすれば、太一組が最後に全部持ってく作風になってしまうのでしょう。
デジモンアドベンチャーとは「8人の選ばれし子供たちの物語」であったはずです。
「太一とその他愉快な仲間たちの物語」ではなかったはずなのに。
無印と違うことをするのはいいのです。バトル重視というのもいいんです。
でも、物には限度ってものがあるじゃないですか。
誰がここまで違うことをしろって言いましたか。
なんでそこだけは変えちゃいけないところを、当然のように変えるんですか。
わからない。何もかもわからない。
無印を一回でもちゃんと見ていたら、こんな構図には絶対ならないはずなのに……
脚本陣や演出陣の問題ではなく、もっと根本的な問題があるとしかもう思えませんよ。
しかもこれで終わりじゃないんですよ。
こっから新展開やるって言われても「ま、まだやるの…?」と慄いてしまう。
もはや本筋への期待値が底辺になっているというのに、この上何をやるというのでしょう。
見届けはしますけど、結局あと何話ぐらいなのかなあ。
脚本は古怒田さん。演出はなんと大塚隆史さんです。
プリキュアオールスターズ黎明期を支え、個人的に大好きな「スマイルプリキュア!」
のSDをつとめ、最近では「ONE PIECE STAMPEDE」の監督も担当した、あの大塚氏です。
デジモンに参加してくるとは、いやはや驚いたなぁ……
そういえば、ミレニアモンやゴッドドラモン達の巨大描写には既視感がありましたね。
「STAMPEDE」でダグラス・バレットが繰り出してきた巨人を思い出します。
★キャラなど個別印象
・太一組
一組だけとてつもなく負担がでかいのに、文句ひとつ言わず頑張ってる方々。
あまりにも、あまりにも強すぎます。強すぎて本当に書くことがない。
強すぎることをネタにする作風ってわけでもないのになんでこんなに強いのこの子ら。
前半の孤軍奮闘ではミレニアモンのデカさ、ヤバさを強調する役回りも兼ねていましたが
∞キャノンを食らってもウォーグレイモンはともかく太一が割とピンピンしていたのは
萎えていたツッコミ気力が復活するぐらいのツッコミポイントでした。
もはや「なんで生きてんの? キミ異能生存体か何か?」などと妄言を吐きたくなるレベル。
後半手前にヤマト達を救出したところで力尽き、タケヒカ組にバトンタッチと思われたのですが
終盤でいきなり復帰。突如生えてきた元気玉概念で超巨大ガイアフォースを作り出し、
ゴッドドラモンとホーリードラモンの後押しを受けてズィードミレニアモンを葬り去りました。
っていうか、また美味しいとこ全部持っていきました。
スタッフは本作をドラゴンボールか何かと勘違いしてるんでしょうか??
あっちはもともと最後に決めるのはだいたい主役、だから「そういうもの」で済むけど。
・タケル / ヒカリ
棚ボタみたいな勢いで究極進化を会得した方々。
いちおう「聖なるデジモンがカギ」とは言われ続けてたんでその結実ではあるんですけど、
なんの前フリもない上での突然の会得なんでなんとも反応に困ります。
ゴッドはともかく、ホーリードラモンの進化は雑に片付けないといけない決まりでもあるんでしょうか?
というか「この先で聖なるデジモンが必要となる」って言って太一組が体を張ったっていうのに
その太一組がいないと結局ダメだった時点でいろいろおかしいと思います。
じゃあなんでわざわざ一度生死不明にしたのってなってしまう。
これ、太一がいないとダメってことをわざわざ強調する構図になっちゃってません……?
いや最後にこの二組が力添えしなかったら一歩及ばなかっただろう、という意見はあろうし、
それは確かにそうなんですけど、じゃあ元気玉展開は誰ができたの、って話にもなってしまう。
まあ元気玉展開にしなければ済む話ではあるんだろうけど……
ところで後述の二体、対ミレニアモン用の進化な気がするんで今後は出てこない気がします。
デカ過ぎるんでそもそも扱いづらいし、出たとしても極めて限定的になりそう。
・ゴッドドラモン / ホーリードラモン
聖なるデジモンとされるホーリーエンジェモンとエンジェウーモンがそれぞれ究極進化した姿。
ホーリードラモンは何度か出ていますが、ゴッドドラモンは映像作品初登場。
しかもタケルのパートナーというのは、いちおう初登場としては破格の扱いと言えます。
小柄な方だった完全体時とは対照的に、ミレニアモンにも劣らぬほどの巨体を誇っています。
どのぐらいデカいかというと、あの巨体と普通に殴り合いや取っ組み合いができるレベル。
なんとなく「アプリモンスターズ」の神アプモンを思い起こさせますね。
攻撃力もむろん体格に見合っただけあり、二体で力を合わせれば∞キャノンを相殺したうえ
使用不能に追い込むほどです。そこから一気にゴッドフィストとアポカリプスで畳み掛け、
一度はミレニアモンをダウンに追い込む活躍を見せました。
アポカリプスは本邦初公開。ゴッドフィストは…あら、これX抗体の技じゃないですか。
ゴッドフィストはX抗体化で会得した技なのに、通常ゴッドに使わせるのは変なのでは…?
他に問題がありすぎて、この程度は瑣末に見えてしまうのが恐ろしいところですが。
しかし健闘もここまで、ズィードミレニアモンの出現で事態はさらに悪化してしまいます。
最終的には元気玉ガイアフォース(便宜上名称)に力を託し、最後の後押しをしました。
この際、二体の力の影響かガイアフォースが青く変色しています。
おかげで、ますます元気玉に見えてしまう弊害も発生しましたが(苦笑)。
ミレニアモン含め、この三体の巨大感はなかなかいい感じに表現されていました。
お話がもっと伴ってれば「うおおすげえ迫力」とフツーに燃えられそうなぐらいには。
・その他メンバー
気づいたらミレニアモンに捕まっており、空間ごと噛み潰されようとしていました。
そのまま放置されていても、出られないまま永遠に閉じ込められる破目になってたそうです。
ミレニアモンの技とされる「タイムアンリミテッド」を彷彿とさせますね。
ミレニアモンに捕まっている限り脱出は困難でしたが、データを放出し続けていれば
空間圧縮を遅れさせられるということで抵抗を試みていました。
やや消沈していたヒカリとタケルも、パートナー達の促しで遅れて参加しています。
その後の流れは見ての通り。
結局この土壇場でヤマトは時間稼ぎ以外のことをしておらず、オメガモンも出ませんでした。
ここは出していいところだったのになぁ……
というか、ここは全員で戦っても良かったところなのに。
そりゃあ、完全体止まりのメンバーではキツいところでしょうけど……
ズドモンに至っては飛べないし。
・エルドラディモン組
現場には結局たどり着けませんでしたが、一人一人が胸に秘める希望の輝きを託すことで
勝利の一助を担いました。まあとりあえず無事でよかった、ってところでしょうか。
・ミレニアモン
ミレニアモン史上最大サイズでお送りします、な第一印象。
デカ過ぎんだろ……と呟いてしまったレベルですが、ズィード化するとさらに巨大となり
ゴッドドラモンとホーリードラモンすら豆粒のように見えてしまうほど。
この暴力的なサイズだけでも脅威と言えましょう。
序盤はこの巨体と、ムゲンドラモンのそれをも遥かに上回る∞キャノンの威力とで
ウォーグレイモンを追い込みますが、思わぬ反撃に遭って咥えていた暗黒球を離してしまい
ヤマト達の脱出を許したばかりか、二大聖竜の登場で劣勢に立たされます。
ゴッドフィストとアポカリプスの連続攻撃で体が半ば溶け、一度は雲間に姿を消しました。
が、ズィードミレニアモンとして突如の復活。古代において見せた本来の姿を取り戻します。
その力は、光子郎によるともはや解析不能に達していました。
実際、大地を蹂躙するその猛威は今までのそれが可愛らしく見えてくるほどの力でした。
が、デジモン達や大地の滅びに抗う希望の光が結集し、巨大なガイアフォースとして顕現。
迫るこれを闇の雷撃で迎え撃とうとしますが、ダメ押し気味に二大聖竜の力が上乗せ。
天文学的巨体をさらに覆い尽くす希望に灼かれ果て、チリ一つ残さず消滅しました。
もう復活はさせないと太一は言っていましたが、これで終わったのでしょうか?
あまりにも強すぎるがゆえ長生きできなかったという、典型的なタイプの大ボスです。
おまけに全く喋らないで吠えるだけなので、レスバトルも楽しめませんでした。
なんとも無愛想なボスキャラです。饒舌な誰かが側にいてくれれば違ったのかなあ。
例えばピエモンのような……
なお、中の人はボルケーノ太田さんでした。
なんかプリキュアシリーズのモンスターが全部同じ声なのと同じノリを感じますぞ…?
★名(迷)セリフ
「ボクはまだ… やれるよ、太一……」
「…ああ……オレたちはまだ…戦える!」(太一)
クラウド大陸から落下中のやり取り。
ウォーグレイモンが元どおりになってたのは、進化し直してたからなんですね。
別にどっかに飛ばされてたとか、そういうわけじゃなかったか。
見たとこ、直前で飛び降りたけど余波に巻き込まれた恰好ですかね?
でもウォーグレイモンの時に胴体ブチ抜かれてませんでしたっけ???
タフネスってレベルじゃねーぞ。
それとも進化時のダメージは、進化前に直接は影響しないんでしょうか??
「私は」
「ボクは」
「「聖なるデジモン!」」
「戦士を導き!」
「共に闇を打ち祓う者! 私たちも、最後まで戦う!」(パタモンとテイルモン)
暗黒空間の中、必死に抗うメタルガルルモンたちに呼応して。
この宣言がタケルとヒカリの闘志にも火をつけますが、なんか卒業式の答辞みたい。
「ゴッドドラモン! これで最後だ!」(タケル)
∞キャノンを封じられてなお向かってくるミレニアモンに。
本作としてはトップクラスに勇ましいセリフで、本来なら「強くなったね……」
って言ってあげたくなるセリフ、なんですが。
しかしながら、腕を引くゴッドドラモンの巨大感描写はガチ。出す技はまあともかく……
「これが……世界の終わりか……」(ロップモン)
ズィードミレニアモンの言語を絶する破壊力を見て。
どこか覚悟したような、達観したようなセリフ。
しかしまだ決して絶望していないことは、後のセリフからも明らかです。
「知ってるよ。あの時と同じ光… 希望の光だ!」(シャオモン)
突然現れた小さな瞬きを怪訝に見やるレオモンに対し、確信に満ちた表情で。
41話のもんモンパークに出てきた個体と同一と思われます。いちおう布石だったんですね。
「この光は、これまで出会ったデジモンたちの心に灯してきたもの」(ゴッドドラモン)
「デジモンたちに与えてきた、希望の光…!」(ホーリードラモン)
「デジタルワールドが… みんなが…!」(太一)
主題歌まで流れてすっかり最終話手前ですが、なんと次は最終回じゃないそうです。
今まで出てきたゲストがわーっと流れてきますけど、その中に何食わぬ顔でナニモンがいたり
ダイペンモンいるっぽいのにノヘモンは見当たらないなど割とツッコミどころ満載です。
別にこれ自体はベタなだけで悪い演出じゃないんですが、いかんせん活かしきれてません。
大半が30話以降に会った連中というのもツッコミどころですな……
ともあれ、元気玉パワーに呑み込まれてズィードミレニアモンは消滅しました。
オレたちの全ての力って言ってましたが、最後で体裁整えてる感じで大半は太一の仕事です。
「お兄ちゃんっ! よかった、無事で…!」(ヒカリ)
勝利を飾った直後、太一の胸に飛び込んで。
ここの泣き顔の崩しっぷりがちょっぴり大塚演出っぽいですね。
★次回予告
なんと今さら紋章について設定を語りはじめるようです。
説明もなしにさんざん出しといてまさか今さらやるとは。むしろ説明する気あったんだ。
解説役としてワイズモンが出てくるようですが、中の人は速水さんかな。それとも……
ガーべモン博士とサーチモンも出てくるっぽいので、彼らにも期待しときましょう。
ば~ぷモンの陰に隠れてますが、メカノリモンの登場も久しぶりになりますね。