ダイブ 次なる海へ
脚本:十川誠志 絵コンテ:西田章二 演出:佐藤道拓
作画監督:Noh Gil-bo 総作画監督:仲條久美
★あらすじ
地響きとともに水中へ沈んだと思ったら、エルドラディモンごと空に投げ出された太一たち。
なんと、クラウド大陸は空に浮遊する大陸だったのです。
そこに現れた大量のマメモン。一難去ってまた一難のところに、レオモンたちが合流。
眼下に海が迫る中、エルドラディモンを軟着陸させる作戦が展開されます。
太一たちはビッグマメモンの弾力性を利用し、彼らの体をクッションにする方法を考案。
甲斐あってエルドラディモンは無事に軟着陸し、新たな海へのダイブは成功するのでした。
しかし、現実世界にはさらに大規模な侵攻が展開されていました。
緊張の面持ちで見守る空たちの側に、意外な人物が現れて……
★全体印象
25話です。
クラウド大陸が実は浮遊大陸だったという事実を発端に、大半が落下の中で展開されるお話。
件の大陸の設定については「ファイナルファンタジー3」を思い出しますね。
どっかにオーエンの塔みたいな動力装置があったりするのかな。
20話からこっち暗い背景が多かった状況から一転、抜けるような青空という場面の変化は
新展開を強く連想させるもので、落下という状況もハチャメチャさがあって良いと思います。
ただマメモンに全くキャラ性がなく、単なる「現象」扱いになっているのは
かなり勿体無いというか、モヤモヤさせられる点。
ヒカリの登場の唐突さやスルーされっぷりも気になるところです。詳しくは個別項目で。
脚本は前回に続いて十川誠司さん。
メインスタッフには特に新規の顔ぶれは無いようです。
★キャラなど個別印象
・太ヤマ組
引き続き居残り組。一息つく暇もありません。
さすがにアグモンとガブモンが限界で、しばらくの間休まねばならない状況でした。
進化はしたものの成熟期までが精一杯。これはもう仕方ありません。
むしろあれだけ戦ってよくそこまで持ち直せたものです。ここは特に旧作との差異が目立ちます。
エルドラディモン軟着陸作戦では上記の関係上、しばらく太一とヤマト自身が体を張ってます。
パートナーが復帰後はレオモンらとともにビッグマメモンを海へ叩き落とし、
その弾力を利用して海面に跳ね返らせ、エルドラディモンの腹にくっつける作戦に打って出、
見事成功させています。絵面はだいぶマヌケでしたがその点はまあ……
詳しいことはマメモン/ビッグマメモンの項にて。
・空組・光子郎組・ミミ組・丈組
いつのまにか大量出現していたズルモンの群れへの対応に苦慮していました。
いっこうに収まらない危機を前に、気持ちが落ち着かないことこの上ないでしょう。
そのせいか、空以外はヒカリの登場に気づいていませんでした。
光子郎以外は気づいてそうなもんなんですが……
・タケル組
前回、前々回といろいろお出ししたぶん今回は控えめです。
パタモンがめっさ解説役になってるのはなんか奇妙な気持ちになりますが。
・ヒカリ
いつのまにかいました。唐突すぎて視聴者のこっちまでびっくりしましたぞ。
しかし特にそれ以上口を突っ込んではおらず、そのため半ばスルーされています。
テイルモンはまだOPにしか出てませんが、どんな出会いになるのでしょう?
・レオモン
ペックモンたちに乗って太ヤマタケ組と合流。
決戦の場に馳せ参じたところ、エルドラディモンの落下に巻き込まれたようです。
飛行可能な足があったのは幸いでした。彼らがいなかったら、太一たちとて
エルドラディモンに取り付くことはできなかったでしょうから。
戦闘ではマメモンを相手に大立ち回りを演じています。
活躍度ではグレイモンやガルルモンにも劣らず、頼れる漢っぷりをアピールしました。
デジモンについての知識も豊富ですが、マメモンについては特に言及してません。
・スパーダモン/ファルコモン
三度の登場。特に前者はタケルとアグモンたちを乗騎に載せ、マメモン相手に奮戦してました。
ファルコモンはレオモンに随伴してましたが、これという活躍はしてません。
というか相変わらず声がない。スパーダモンには今回もちゃんとセリフがあるのですが、
なんでしょう、神代知衣さんを呼べないならいっそ喋らせないという方針でしょうか?
・エルドラディモン
究極体であることがパタモンの口から語られました。
もちろん、少し詳しい人ならこの存在がセイバーズに出ていたと知っていることでしょうけど。
パタモンの解説によれば、闇の瘴気で弱っていたところをデビモンに利用されたのだそうです。
要するに、その胎内を丸ごと地下基地に転用されてしまったってことなんでしょう。
体が重すぎるのと背中の上で激しい戦いをしたせいで、大陸の底が抜けちゃったんですね。
どうも大陸の端、陸地が他よりも薄い箇所だったっぽく見えるし。
その大音声は言葉をなしてませんが、パタモンには聞き分けられるようです。
助けを求めていることもわかり、タケルの鶴の一声的なアレで救出作戦が敢行されました。
おかげで海面に軟着陸できたわけですが、泳げるんでしょうかこのデジモン?
亀に似ているといっても、どう見たってリクガメだしなぁ……
でも、もしかしたら初めて泳ぐところを見られるかもしれませんね。
今後の扱いがどういうことになるかまではわかりませんけど。
セイバーズでは壮絶な死を遂げましたが、こうなった以上は生き延びることを祈るばかりです。
・マメモン/ビッグマメモン
今回のメインエネミー?にして今回の問題点のほとんどを背負ってる方々。
敵という位置付けですが、数が多すぎてリーダーや統率者もいないので、個性は全くありません。
かろうじてビッグマメモンが行動指針を決める役、というぐらいでしょうか。
それどころかセリフも掛け声もなく、ひたすら無言で爆破を繰り返すだけです。
しかも敵味方お構いなし。怖すぎる。ある意味デビモンより怖いです。
どうしてあんなところにいたのか全く不明なのも怖い。なにもかもが怖い。なんだこいつら。
それだけならまだしも、彼らには「人権」と呼べるものすらありませんでした。
ただひたすら集団で自爆を繰り返すのもそうですが、ビッグマメモンの特性を上述のように
「利用」され、エルドラディモンが海面に突っ込む際のクッションがわりにされたのです。
これでビッグマメモンたちはほぼ全滅、マメモンたちもいなくなりました。
敵と呼べる扱いですらない。上に書いた通りの「現象」扱いです。これはさすがに酷い。
しかも彼ら、別に闇の瘴気に侵されてるわけでもデビモン軍の手の者ってわけでもないのに。
もっと言えば、彼らは「完全体」です。シナリオでは誤魔化されてましたが「完全体」なのです。
本来なら、一体でも体格に優るはずのグレイモンやガルルモンを苦戦させておかしくない。
シンプルな見た目と強さとのギャップが、マメモン系本来の持ち味であるはず。
事実、02ではちゃんとメタルグレイモンやホーリーエンジェモンでお相手してます。
オーバーキルと思ったこともありますが、あれは完全体である彼らへの礼儀でもあったわけだ。
しかし実際には成熟期であるレオモンやグレイモン、ガルルモンらどころか、
成長期扱いのスパーダモンやパタモンの攻撃にも蹴散らされる始末。
完全体の脅威を描いた経緯がありながら、彼らが完全体であることは事実上無視されているのです。
これなら誰かの意見で見かけたように、ボムモンあたりを採用した方がマシだったでしょう。
もっとも本来、ボムモンの導火線が無くなったらどうなるかは誰も知らないそうなのですが。
彼らにパーソナルが皆無なのは、上記の酷い扱いに抵抗を抱かせないための措置なのかもしれません。
しかしながら個人的には、そこまで分かってるんなら他の手はなかったのかと言いたいです。
別に誰とも彼とも和解して力を合わせる流ればかりが良いとは思わないけど、それにしたってさあ……
・ズルモン
ネットワーク空間に大量発生し、船舶同士を衝突させてました。正しく数の暴力。
ちゃんと名前を呼ばれる形で映像作品に出たのは、確か初めてのはずです。
結果として国々同士の緊張が高まり、武力衝突が誘発されかねない危険な情勢になってきています。
これが連中の狙いだとしたら、背後にはやはりデビモンとも別のブレーンがいそうですね。
それが何者なのかまではまだわかりませんが。
★名(迷)セリフ
「次から次に…! 理解が追っつかないな、こりゃあ!」(太一)
マメモンたちの常軌を逸した攻撃行動を見て。まったくもって同感です。
「なんだあいつ? でかい風船みたいだ」(太一)
見た目よりずっと軽い勢いで吹っ飛んでゆくビッグマメモンを見て。
ヤマトには「感心してる場合かーッ」とツッコミを入れられましたが、一応後半への布石です。
「いや、ひょっとしてあれは… エルドラディモン!?」(レオモン)
スパーダモンに「あのデジモン、デビモンの仲間では?」と疑問を呈されて。知っているのかレオモン。
なんだか:界の三面拳・雷電の立ち位置になりつつあるような気がしますな。
もっとも、説明を引き継いだのはパタモンなんですが……
「ボク、助けたい! エルドラディモンのおかげで、ボクとパタモンは会えたんだ!」(タケル)
一同の行動を決定づけた鶴の一声。
ヤマトが同意を示したのは太一より後ですが、彼がそうそう弟の意向に逆らうはずもなし。
「なに、してるのかなぁ…って…」(ヒカリ)
空たちの側へ突如として現れ、これに気づいた空に「どうしたの?」と訊かれて。
もはや喋る彼女はシリーズ前半におけるレアケースです。
直後での空のコメントはごもっともなところなんですが、そのあと特に何もなくヒカリを放置するので
なんかちょっとモヤモヤします。
せめて「うまく言えないんだけど、今とっても忙しいの。ごめん。用事ならあとで聞くから」
と断りを入れさせるぐらいはしてほしかった。本作って、結構細かくこーゆーところがあります。
最たる例は太一ママですけど。
「ヤマト…! あれだ!」(太一)
仲間同士でぶつかって跳ね返るビッグマメモンを見て。前半の布石を回収するセリフです。
直後、久しぶりのBe the Winnerが流れてくれました。19話以来かな?
★次回予告
ワルシードラモン初登場。モブで出てた可能性を除けば確かこれが最初です。
エビドラモンの正規登場はクロスウォーズ以来ですが、デジアド系列限定なら02の5話以来になりますか。
「こんな時、丈先輩とゴマモンがいてくれたら…」なんてセリフがあるといいな。