終極 ダンデビモン
脚本:十川誠志 絵コンテ:貝澤幸男 演出:宍戸望
作画監督:二階堂渥志/舘直樹 総作画監督:浅沼昭弘
★あらすじ
瘴気を伴い、究極体に進化を遂げたデビモン。その名もダンデビモンです。
メタルグレイモン達の攻撃をことごとくはね退け、背中の瘴気そのもので形成された腕で
二体をジリジリ追い詰めてゆくその力は、これまでと次元が違うものでした。
ついにヤマトとガブモンが斃れ、駆け寄ろうとしたタケルにまで魔の手が及んだとき
太一の絶叫とともにメタルグレイモンが闇のオーラに包まれ暴走。
が、ダンデビモンはそれさえも凌いで太一を呑み込んでしまいます。
これを見て、メタルグレイモンが異様な進化を遂げます。
力は互角近くになりましたが、それはダンデビモンと同じく怒りに任せた心なき進化でした。
そこでトコモンはタケルに頼み、デジヴァイスを媒介に意識を繋いでアグモンを正気へ戻します。
すると光に包まれた龍の戦士が現れ、ダンデビモンの体内に呑まれた太一を救出。
それと同時閃光がダンデビモンの体を貫き、勝負は一気呵成につきました。
時を移さず、地響きがあたりを覆います。今度は何が起ころうとしているのでしょう。
★全体印象
24話です。
デビモン系究極体ダンデビモンがデビューを果たし、この悪魔との戦いに決着がつきます。
また、アグモンが究極体進化への布石を打ちました。
太一とアグモンが暴走したようになったのは半ば闇の瘴気のせいだということはわかりますし、
そのあとの暗黒進化?もアグモンが太一が死んだと思い込んでしまったせいです。理解はできます。
しかし正直言って感情的には全然ノレないというか、むしろ「やっと終わったか…」が強い印象。
現実世界ではゴールポスト動かされて事態が全然収拾しておらず、区切り感も薄いです。
おまけに最後がアレですからね。いい加減にしてください。
「ザ・グリード」じゃあるまいし…… お次はなんだ?
エンジェモンの介入でアグモンが我に返るというのも「また聖なる力か…」というのが正直なところ。
それでウォーグレイモンが出るのかと思ったら、本格的にはまだみたいだし。
オメガモンを早く出しておいて、通常究極体は妙に引っ張るというのがよくわかりません。
そんなら完全体の登場をもっと遅らせてもよかったでしょうに……
2クール目からでも充分間に合いましたよ、特に17話以降のドラマ密度なら。
そもそも当面のボスが相手だというのに、実質太一組だけで勝ってるというのもいただけない点です。
聖なる力が乗ってるのだろうとはいえオメガモンの片割れだけで斃してしまっているため、
ダンデビモンの格も落ちてしまってます。これ結局ニーズヘッグモンより弱いってことやん……
脚本は十川誠志さん。作画と演出にはさすがに力が入っていました。
★キャラなど個別印象
・太一組
引き続き居残り組。連戦に次ぐ連戦です。
過労がたたったのか瘴気のせいか、なにやら太一までもがお目目真っ赤で暴走。同化現象かな?
一時呑み込まれましたが、丸呑みにされた時点で生還はほぼ明白でした。
死ぬとは1ミリも思ってませんでしたけど… まさかtriと同じこんな見え見えの手をまた使うとは。
アグモンの方が激怒で暴走したというのは新しい要素ですが、あっという間に元へ戻ってます。
それもエンジェモン(イメージ映像)の説得?によるものという、だいぶフワッとした扱い。
一応そのあと太一との諸々を思い出して究極進化(兆)を発動させてはいるんですけど、
この二人戦ってばっかで本作としての人物像が全然掘り下げられてないんだよな……
「アプリモンスターズ」のグローブモン初進化の方がまだずっとノレた気がしますぞ。
救出された後、瘴気漬けだった太一の腕が元に戻ってましたけどあれは聖なる力のおかげでしょう。
恐らくきっと、たぶん。
・ムゲンドラモン?
瘴気と太一の生死不明状況を受け、激怒したメタルグレイモンが進化した姿。
あのムゲンドラモンに近い姿をしていますが、なぜかムゲンキャノンがありません。
トコモンによると「それは駄目」な進化なのだそうです。
ダンデビモンと同じく、感情のまま力だけが肥大化したからなのでしょう。
激情を示すようにボディは赤熱していて、戦い方も獣のそれです。
序盤は猛然とした攻めでダンデビモンを押してましたが、途中から五分に戻されました。
最終的には抑え込まれ、敗北寸前にまで追い詰められています。
そのあとアグモンが正気を取り戻すと卵の殻のように割れ、中からウォーグレイモンらしき
光の姿が飛び出してダンデビモンを葬り去りました。
やっぱ暴走形態は良くない、といいたいんでしょうけど、暴走までしといてこの有り様だと
見てる方としてはいたたまれない気持ちになりますね。
スカルグレイモンみたいに大暴れさせればいいってものでもないですが。
・ヤマト組
ボス戦というこの肝心なときにグロッキー状態だった方々。
ここまで来て太一とアグモンに全部やらせるんなら、何のために二人で残ったのでしょう……
どうせならオメガモンはここで出して欲しかった、と思われてなりません。
・空組・光子郎組・ミミ組・丈組
アルゴモンらの数の暴力を前に苦戦中のようですが、本筋からは締め出された状態です。
まさかここまで露骨な扱いを受けるなんて……
彼らがいないと総力戦感ゼロなんですよ。なんでいつまでも蚊帳の外にしてるんですか。
太ヤマ組と交替で描写する気配すらないし… 早いとこ合流してもらえませんかね。
しかしゴールポストの動かされ方が本当にひどいです。
前回で挙げた成果が完全に無効になってるというのは、何度もやられると徒労感が深まります。
・タケル組
危険を顧みずヤマトを助けに行こうとして、間接的に暴走を誘発した方々(言い方)。
あとで意識にコンタクトを取って正気に戻したんでプラマイゼロではあるのですけど。
デジタマに戻って間もないにもかかわらずトコモンの聖な力はは健在すぎるほどで、
バリア貼ったり暴走アグモンを説得したり進化したりとなんでもありです。
トコモン主体でタケルはあんまり介在してないのは困りどころですが。
というか、早々にホーリーエンジェモンになってトドメを掻っ攫うとばかり思ってました。
そこを外すまではいいとして、総力戦ですらない太一組単独になるとは予想できませんでしたが。
無印の何をどう見たらこんな流れにできるのでしょう……
・ダンデビモン
デビモン系としては初の究極体。種族は変わらず堕天使型だそうです。
その真っ赤な顔を凶悪に彩る特徴的な目や口から垂れ下がった舌はマーベル系のダークヒーロー、
ヴェノムを強く連想させるもの。というか割にそのまんまです。歯並びがいいあたりは違いますけど。
デビモン系本来の長い腕は健在ですが、これに加えて背中からもう一対、異様にでかい腕が生えてきてます。
これは、振るっただけでカイザーネイルやポジトロンブラスターを弾いてしまうほど柔軟で強大。
おまけに瘴気がそのまま腕となったようなものなので、触れるだけでも危険。
事実、ヤマトを庇った太一はメタルグレイモン共々掴まれただけで瘴気に侵され、体の自由がきかなくなりました。
この瘴気はそもそも精神を侵すようで、暴走が誘発されたのもその影響が強そうです。
しかし理性は喪われており、ただ憎悪と破壊衝動のままに暴れまわる野獣と化しています。
策謀家然としていた基本形態では考えられない四足歩行も見せており、その有り様は獣そのもの。
太一を丸呑みにしてしまったその行動も獣のそれであり、以前の面影は輪郭ぐらいにしか残っていません。
同等の巨体を得たムゲンドラモン?との殴り合いは、怪獣バトル的な迫力があります。
激闘の末にムゲンドラモン?を押さえ込むのですが、その中から光とともにウォーグレイモンが現れ、
太一を奪還された上に自身は一撃で斃されました。だいぶあっさりとした退場です。
エンジェモンとの因縁を匂わせてましたが、結局は謎のまま終わりました。
…このまま匂わすだけで終わりそうな気もするなあ。
というかヴェノムヴァンデモンとキャラ被ってません?
追記:アルタラウスモードの技は「ポジトロンブラスター」であるとの指摘をいただきました。
これに従い、文面を修正しております。
・アルゴモン軍団
なおも大量に現れ、ネットワークを混乱に陥れ続けています。
数が多すぎるからか進化は盛んじゃないのですが、その数こそが問題。
ある意味では、こっち側の方が脅威度が上ですらあるかもしれません。
・エルドラディモン
なんか予告に出てました。生きとったんかワレ。
★名(迷)セリフ
「究極体…!
これが、デビモンが目指していた進化…! でも、もうデビモンは、デビモンじゃなくなっちゃった……
力だけ進化して… 心は、もう…!」(トコモン)
ダンデビモンの異様な姿を見て。
憐れみさえ滲むセリフで「なんかワケアリだったんだろう」と察することはできるんですけど
具体的にはなんも説明されんままなので視聴者の私としては察するだけで精一杯です。
そもそも心がどうとか言われても、太一たちとデビモンで会話が成立したことなどありません。
「危機は…まだ去っていないということです!」(光子郎)
見てる方の感覚的には16話ぐらいからずっとそうです。さすがに辟易してきました。
「逃がすかっ!」(ヤマト)
上空に飛んだダンデビモンを見上げて。
この手のセリフは、力が互角か上回ってる場合に使うのが相場なんですが……
でも、空中に放ったビーム刃を足場に登ってゆくワーガルルモンの描写は面白いです。
「ダメ… それは、ダメ…!」
「すごく怒ってる… 怒って、なにがなんだかわからなくなって…
ダメ… これじゃ、デビモンと同じになっちゃう…!」(トコモン)
太一を目の前で呑み込まれた怒りから、ムゲンドラモン?に進化したメタルグレイモンを見て。
一行目と二行目以降とは間が空いてます。
唐突な状況ではありますが、言いたいことはわかる。これは心なき進化ですから。
「怒りに、心を呑み込まれてはいけない…!
心を澄まし、感じるのだ。お前にとって、かけがえのないものを……」(エンジェモン)
おそらくアグモンの深層意識の中、見境なく襲いかかるムゲンドラモン?の彼を制して。
この言葉をきっかけにアグモンは太一がダンデビモンの中で生きていることを直感し、
ダンデビモンを斃すのではなく太一を守るため、真の究極進化の兆しを発揮することになります。
しかしそれにしてもつくづくなんでもありですな、この天使様は……
あの姿で現れたってことは、デジタマに戻ろうが本質は何も変わってないってことなんですね。
★次回予告
マメモン、マメモン、またマメモン。
なんか次回はほぼ落下するお話になりそうです。
レオモンも再登場するみたいですが、それはそれとして他メンバーとの合流はまだ??