天使たちの決意
脚本:十川誠志 絵コンテ:志田直俊 演出:ひろしまひでき
作画監督:宇代佑規 / 舘直樹 / 北野幸広 / Eugene Ayson /
Joey Calangian / Noel Añonuevo
総作画監督:浅沼昭弘
★あらすじ
紋章の謎に迫り、新たな力を手に入れた選ばれし子供たち。
間もなくやってくるという「巨大な破滅」に備え、まずは全員の合流を目指すのですが
先手を打つかのように、情報の大樹を大量のサウンドバードモンが襲って来ました。
ガーベモンやワイズモン達も襲われますが、タケルとヒカリによって救援されます。
これを皮切りに他の選ばれし子供たちも次々と到着、守りを固める運びに。
と、サウンドバードモン達が一箇所に集合。合体を果たして巨大な姿となりました。
かつての大戦の最初期にも現れたという闇の王、デスモンです。
情報の大樹の中枢にまで及ぶデスモンの攻撃でしたが、ウォーグレイモンがこれを阻止。
さらに、新たな決意を固めたホーリーエンジェモンとエンジェウーモンが究極体へと進化、
伝説にも語られるセラフィモンとオファニモンがその姿を現しました。
二大究極天使の力によりデスモンは打ち倒され、サウンドバードモン達も滅びます。
しかし、それは終末を告げる角笛の音でしかなかったのでした。
空に開いた巨大な穴と、その中に広がる真っ白の虚無。
巨大な破滅の本質、ネガーモンとはいったい何なのでしょうか……
★全体印象
64話です。ようやく話が動きました。
全66話という噂でしたが、このままの予定だと1話増えそうですね。
内容的には少々タケル組、あとヒカリ組が目立ってる程度で状況回といえます。
51話以来の全員集合もなされますが、そこまで強調はされてません。
またデビモンの件もあわせ多くの事象が1話から繋がっていたことが再度強調され、
ずっと引っ張られていたサウンドバードモンの正体も明らかとなっています。
個人的には「そうかぁ」と思うぐらいでそんなにはノれてないのですけれど。
これが4クール目早々に語られたことだったのなら「なるほど、そうだったのか」
ぐらいにはなったと思うんですけど。衛星狙撃作戦も記憶に新しい頃だし。
ただ、そこから一話完結色が強まったんで暖めが足りてない印象なんですね。
もっと言えば、現実世界を挟んでの介入がパッタリと止んでいる。
なんで急に止んだのか意味不明ですし、現実世界が今どうなってるのかも
全然描かれなくなってるのです。ネットワーク世界の現状もわからないまま。
中途半端と言わざるを得ません。
ファーガの時もそうなんですが「なんだかヤバそうだ」という雰囲気醸成というか
「いつ事が起こっても不思議ではない」感を積み上げてきていないので
今回になって急にイベントが発動したように見えるのだと思います。
一応57話とか63話で前フリみたいなものはやってるんですが、相手が太一組なんで
暖簾に腕押しというか、出続けてんのにこのへんの要素をあまり引っ張ってくれず
縦軸を意識させる役回りをやってくれないんで効能が半減してしまっていました。
こんだけ目立ってんのにこんなに仕事してない主役なんて初めて見ましたぞ。
脚本は十川さん。作監がまた複数いますが、さほど大勢には見えません。慣れって怖い。
貝澤カントクは58話を最後にプリキュアへ行ったっぽいので、次回作への登板は無いかも。
まあ一時的なものかもしれないから断言はできませんが。
★キャラなど個別印象
・タケル組
なんか二人してデビモンの夢を見てましたけど、あれパタモンの脳内会議なのでは…??
なんか妙にフレンドリーだったし。でも友じゃなくて脳内(後略
バトルにおいてはようやくセラフィモンが出ています。
セブンヘブンズの威力描写はおそらく過去最大。トドメを刺すには至りませんでしたが、
エクスプロージョンアイを使用不能に至らしめてはいるっぽいので貢献度は高いといえます。
見る限り「本気出せばなれる」レベルには達していた模様。
61話のアレでその状態に至れるものなのかどうかは置いといて、そういう状態だったようです。
じゃあゴッドドラモンって何だったのよって話にはなるんですけど。
その他、移動重視なのかペガスモンが久々に登場しています。
・ヒカリ組
ヒカリはあまり喋っておらず、テイルモンがあれこれ思い出しながら話してました。
黒い瘴気関連のシステムを応用して黒い稲妻がどうこうという話に関しては
「それさ、早く言ってよ〜」と脳内の松重豊さんが顔を出します。
後半ではタケル組とともに究極進化を披露。
いずれの進化も、本体の上へさらに鎧を纏ってゆくようなスタイルになってますね。
ホリエンの方はいったん装備を脱いでるけどエンウーの方はそのまま。
いやアレ以上脱いだらまずいんで当たり前なんですけど。
エデンズジャベリンは初披露、というわけじゃないんですが印象はだいぶ異なります。
「フロンティア」では槍の先から七色のビームを放つ描写で、かつケルビモン悪を
一時的にとはいえ善に戻すという浄化技に近い追加効果がありました。
こっちでは突撃技であるうえ、決め手となったほどの攻撃力を秘めています。
盾を掲げながらであるため、相手の技を相殺しながら攻撃できる模様。
ビジュアル的には遥かに強そうな仕上がりになっていますね。
というよりフロンティアでの描写が(後略
・その他組
全員集合してはいますが、天使組以外だと究極体以上になったのは太一組のみ。
他はヤマト組以外成熟期止まりで、途中からは見てるだけでした。
総力戦感は出しつつもまだセーブしてる扱いですね。前哨戦である所以。
・ガーべモン / サーチモン
情報の大樹に逗留していましたが、サウンドバードモンの襲撃を受け救援要請を送ってきました。
完全体とはいえ戦いは得意な方ではなく、しかも数が多いので手に負えないわけです。
メカノリモンのようなマシーン型を操られたりしたらますます厄介ですし。
ただ、サーチモンは得意の「ジャミングヘルツ」で妨害電波を発し敵方の制御を阻害できる模様。
一緒にいる限り、メカノリモン達に襲われる心配は少ないという形に落ち着きました。
たぶん、それほど広範囲に有効というわけじゃないのでしょうけど。
あと後述のゴーレモン?は操られてるわけじゃないので、妨害電波は無効でした。
そーいえば、ガーベモンが本来の技を使っていましたね。絶対食らいたくないけど。
・ワイズモン
前半はガーべモン達と、後半は子供たちとともに行動しあれこれ解析を続けていました。
結果、紋章の意味を悟っていましたが彼ひとりのモノローグで片付け終わっています。
これで終わったらさすがにアレだし、そもそもこーゆーことをやらせるのであれば
このキャラはもっと前に出しておくべきだったんじゃないでしょうか……
・メカノリモン
マシーン型はサウンドバードモンに操られやすいということで、敵になっちゃいました。
ガーベモン達を襲いましたが、救援に来たタケル組とヒカリ組にボコられています。
さすがに手加減したのかダウンしたのみでしたが、すぐに起きあがろうとしてきました。
マシーン型であるぶん、ダメージがあっても無理矢理動かされてしまうのかもしれません。
サーチモンの妨害電波で沈黙するあたりも、マシーン型といえばマシーン型らしい。
ところで、空と太一が乗り捨ててった個体は今どこにいるんでしょう。
情報の大樹に変換されたと思いたいところですが、そうすると被害に遭ってることに……
彼らがいったい何をしたっていうんだ。
・ゴーレモン??
サウンドバードモンがデータの屑を集めて作った名もなき人形兵士。
姿としては、ゲーム「デジモンワールド」に出てきた「ゴーレモン」に酷似していますが
当然のように名前クレジットは表示されず、単なるうごくせきぞうみたいな扱い。
強さも大したことはなく、ギガデストロイヤーで簡単に斃されていました。
それでも成熟期相当の戦闘力はありそうですが……
もちろん、後で一般化したゴーレモンとは別の存在です。
本作ではそっちのゴーレモンもゲストとして出てるんで、割にややこしい。
・過去ゲストのみなさん+α
レオモンを筆頭に、各地で異変を察知して空を見上げていました。
大量にのぼるので列挙は避けますが、一回出たっきりのゲスト達も相当数が確認できます。
子供たちが大元に向かうなら、彼らは地上で奮闘するのかもしれませんが……
そこらへんは見れれば儲けもんぐらいのつもりで、あまり期待しないでおきましょう。
・サウンドバードモン
4話ぐらいからずーっと暗躍してた方々。
ムゲン大陸に渡ったあたりからパッタリ見かけなくなってましたが5クール目から再活性化、
ナノモンを操るなど牽制のように悪さを仕掛けてきていました。
デビモンの部下、ないし眷属だとばかり思われていましたが、実際にはラスボス直属であり
デビモンもこいつの影響下で生まれ、活動していた節がここへきて顕となりました。
彼が黒い瘴気を媒介に目指したという進化も、その一環であるというのです。
もっとも、その行き着く先は破滅だったようですが。
なんでこんな連中がこれほどの影響力を持っているのか長らく不明だったんですが、
今回で一応の答えが出されました。
ただの成熟期ではなく、破滅の使者たるデスモンそのものでもあったからなのでしょう。
彼らの集合体がデスモンなのではなく、デスモン自身の細分化が彼らであると考えれば
ある程度の説明はつくと思います。長い伏線だったわけだ。
まともに喋ったのが最後だけなんで、あんまり面白みのない連中でしたが……
不気味ではあったけど。
・デスモン
破滅の先触れとして現れた魔王型の究極体デジモン。
素体のようなものが先に現れ、そこにサウンドバードモンが群がる形で出現しました。
アニメへの本格登場は初めて。
ただ、全てのサウンドバードモンが集合したわけではないようです。
普段は白い姿なのですが「来るべき時」には体色が黒へと変わり積極的行動を起こすそうです。
実際、最初だけは白色でしたが登場してすぐに黒色となりました。
本作の場合、デスモンが姿を見せるとき = 黒モード移行なのかもしれません。
設定では中立の立場を保ち、あまり積極的には動かないともされています。
このことから、光でも闇でもない所謂「無」ないし「ム」に仕える存在と位置付けられ
今回の起用に至ったのではないかと思われます。
積極的に動かないのも「全ては無意味」という虚無感に繋がる設定と言えなくもありません。
ただ長く暗躍してきた割には本当に前座みたいな扱いで、必殺技はウォーグレイモンに無傷で凌がれ
何食わぬ顔で究極進化した二大天使にはほぼ一方的にボコられており、だいぶ残念な顛末。
自分で「オレは一番の小物…!」って言ってるようなもんだったしなぁ……
大意では同じこと言ってんのに、無印デビモンとのこの差はなんなのでしょう。
デスモンといえば「Vテイマー01」における間違いなく三本の指に入る名場面として名高い
エアロブイドラモン登場回において、究極体の強さとそれを完全体の身で凌ぐという
ゼロの強さを大いにアピールするための噛ませという大変重要な役割をこなしており、
物語の一区切りを飾るとても印象的なキャラクターでもありました。
冷静に見れば究極体なのに完全体にボコられたヤツ、ではあるんですけど
「ゼロが規格外だから」という一点でカバーしており、進化前は圧倒してたので
それほど格は落ちていません(そもそもゼロは成熟期時点で完全体に勝てるぐらい強い)。
死に際のセリフさえもない機械的なところも、不思議と印象的でした。
そのへんはまあ、ネオの連れてたデジモン全般に言えることなのですけれど。
・アルゴモン(メッセンジャー)
破滅の誕生を見守り、その名を呼んでいました。
ここからどういう立ち位置になるのかは不明ですが、特にそれっぽい下地もないし
意外な立ち回り、のようなものは見せてくれないでしょうね。
★名(迷)セリフ
「聞こえる…… あの、音が……」(デビモン)
聞こえる 聞こえる……
愛に悩む人々の叫びが 悪に苦しむ人々の嘆きが……
だってウサギの耳は長いんだもん……
ではなくて。
それにしても「何か用?」と尋ねるパタモンの言動が妙にズレてます。
「フフフ…それでこそ。 足掻いてみせよ……古き友よ」(デビモン)
なんでそんなに上から目線なんすかアナタ。
あとなんで妙に友好的なんすか。
「そして、その過程で生まれたシステムは…ベーダモンらによって、
ミレニアモン復活に利用された……」(テイルモン)
へぇ、そうだったの……
それさ、早く言ってよ〜(二度目の松重豊)」
「彼らが言っていた、巨大な破滅……
ミレニアモンをも越える恐ろしき脅威が、始まろうとしているのか……
世界は、終わろうとしているのか…!
……いや、そうはならない! 決して!
我々は信じている! 選ばれし子供たち…我らの光を!
我らの、希望を!」(レオモン)
無数のサウンドバードモンが空を揺るがすのを見つめながら。
このセリフの流れはワイズモンへと繋がれます。
「! そうか……
このデジタルワールドで、彼らの純真で誠実な想いがデジモンたちとの友情を結び……
知識によって救い、勇気と愛情を育む……そして、希望の光を灯した……
紋章の謎の答え…それすなわち、彼らの冒険。そのすべてなのだ…!」(ワイズモン)
オレたちの冒険こそが本当の宝だぜ! 的なアレ。言ってやった感があふれています。
問題は、これをワイズモン一人が口にして終わっちゃってることです。
せめて全員がいるところで言ってくれたならよかったんですけど……
「破滅…闇さえも欺く邪悪なるものよ!
見よ! 我らの希望の輝きを!」(ホーリーエンジェモン)
究極進化直前のセリフ。
じゃ…完全体をさらにもうひとつ超えてみっか…感がありますな。
実はできました的な意味で。たぶん後でベジータに怒られる。
「我は…我は”産声”…!
破滅より放たれし産声… 我響き渡り、我鳴り止みしとき…始まる……
始まる…始まる……」(デスモン)
去り際のセリフ。後からやってくるヤツらは、さらに戦闘力が上なんだぞ。
しかし君ら、ホントに言いたいことだけ言いっ放しですね。
少しはキャッチボールしてくださいよいまさら遅いけど。
★次回予告
次回の図鑑はオファニモンのようですが「次はどんなデジモンかな?」は無し。
わかりきってるから省いたんでしょうけど。
で、見たかぎりネガーモンとやらとの直接対決はまだみたいですね。
言葉が通じるかどうか怪しいけど、少しは会話してくれるんでしょうか。
ラスボス関連はしゃべれても会話できない連中ばっかだしなぁ……