デジモンゴーストゲーム
2クール目までの総括

2クール過ぎたんで、軽くまとめたいと思います。
ことさら書くことが多いわけではないのでサラッと纏めようかと。
 

 
★ストーリー構成

本作はデジモンを題材に扱っての怪奇路線に舵を切った作品です。
方向性としては前作にあたる「デジモンアドベンチャー:」よりその前の「ゲゲゲの鬼太郎」
に近いものがあると言えましょう。縦軸よりもバリエーションを重視したエピソード構成は
まさしくこの「鬼太郎」と一致するスタイルです。

これに伴って主人公陣営の進化も緩やかになっており、ベテルガンマモンの登場こそ
2話と早かったもののグルスガンマモンを含めた四形態が出揃うまでには年明けを待たねばならず、
ジンバーアンゴラモンに至っては15話登場という遅さ。
1クール目までに成熟期ぐらいは出揃うと思っていたので、良くも悪くも驚かされました。
そして完全体登場の気配が無いまま、2クール目を終えるに至っています。
無印でも最初の完全体進化が20話(暴走含むなら16話)だったのを思うと、前代未聞レベルの遅さ。

これについては、本作の作風というものに理由があると思います。
本作では理由もなく暴れるデジモンがおらず、誤解や思い込みで事件を起こすケースが大半なうえ
凶悪な輩であっても斃されず姿を眩ますことが多いため、必ずしも斃すことが勝利条件ではなく
説得成功したり追い払えれば勝ち、というパターンも結構あったりするんですね。

実は毎回のデジモン達は完全体までなら最序盤から顔を出しているのですが、出てきた以上
主人公側に斃されなければならないという縛りが無いため、説得以外にも許してもらったり(5話)
ブラックテイルモンUverの介入で途中送還されたり(8話)、相手側が自滅したり(19話)、
そもそも倒しようがなかったり(22話)と、実力に訴える以外の流れで収拾がつくことも多く
その時点ではとうてい勝てないレベルの相手であっても話が成立するように作られています。
他のシリーズとはここが決定的に違うところ。

恐らく「怪奇」をテイストとして選んでいるため、毎回のデジモン達は主人公側と同格か
またはワンランクぐらい格上である方が「脅威」として描きやすいのでしょう。
あまり早く完全体以上にステージを持っていってしまうと究極体を出張らせざるを得ず、
どうしてもバトル要素や事件規模がデカくなるので極力遅らせたいのかもしれません。
それは取りも直さず、怪奇路線と進化して強くなってゆくデジモンというキャラクターとの相性が
非常に悪いということにもなってしまうのですが……

この路線についての私のスタンスは「なんとも言えない」といったところです。
良い部分もあれば悪い部分もあり、一概に否定すべきものでも諸手を挙げて支持するものでもない。
「こういう作りにしたいんだろうな」という理解だけがあるという感覚です。
これはキャラ描写に関しても同様。

ただひとつ言えるのは、割に楽しんで見れてるってことでしょうか。
いまいち入れ込めないって意見もなんとなくわかるのですけれど。
 
 
 
★作画・演出
 
戦闘パート以外でまれに崩れることはありますが、総じて不満というほどのものは無いです。
総合的に一番見応えがあったのは20話のダークリザモン&セーバードラモン戦でしょうか。
 
 
 
★キャラクター
 
 
突っ込んだ描写は少ないけど要素は拾える、という印象。
 
 
・宙

 おとなしめな外見の割にけっこう行動派、咄嗟の機転に優れるなどの特色は序盤から出してますが
 それ以上に目立っているのは図抜けたお人好しっぷりです。
 危険な類のデジモンが相手でも説得を試みようとしたり、たとえ自衛のためであっても
 ガンマモンに相手を斃すような行動をさせたがらないなど、いささか常軌を逸した面も。
 これについては本作の作風に合わせた性格設定、という節が窺える点において問題があるかもしれません。

 一方、ピッキングが得意だったり一人キャンプが好きだったり、23話ではラーメンのちょい足し用に
 ニンニクラー油漬けを作っていることが判明するなど妙に具体的かつマニアックな趣味を持っているのは
 これまでの主役と一線を画すところかもしれません。独りで人生を楽しむ術に長けはじめています。
 「弟」であるガンマモンがいるので、もう独りではないのですけど。

 田村睦美さんはさすが少年役を大得意としているだけあって、安心して聴いていられます。
 光子郎と馬神トッパの間ぐらいの演技が絶妙。
 
 
 
・ガンマモン

 「弟」として宙のもとにやって来てから、視聴者目線ではや半年。
 ふだんは無邪気で人懐っこいのですがたまに加減を知らなかったりなどモンスターらしさもあり、
 辿々しい喋り方も含めて愛くるしさがあると思います。
 このままでも成長はしてるんですが、急激にというほどではありません。

 進化すると流暢に喋るようになり語彙も増えるため、劇的な変化といえばやはりこちらの方。
 判断力も向上しており、ひたすら突進あるのみな成長期時点より的確な攻撃ができるようになります。
 扱いやすいのでしょう、基本三形態の中ではベテルガンマモンが最も多用されているのが現状。
 空戦特化気味のカウス、火力偏重のウェズンに比べると確かに一番バランスは良いです。

 グルスガンマモンともなると完全体をも一蹴する成熟期の枠を超えた力を持っているのですが、
 この形態の存在が彼の最大の謎のひとつでもあります。
 もともとこの姿だったのが理由あって現状に至ったのか、それとも……

 中の人である沢城みゆきさんは上に挙げた「鬼太郎」でも主役をアテていた方。
 ガンマモンの可愛らしさ、基本成熟期での勇ましさ、グルスガンマモンのドスの効いたふてぶてしさと
 一粒で何度も味わえるのはさすがの一言です。
 ゲームの方では神楽由麻に御神楽ミレイと、タイプの異なる女性キャラを演じているのもポイント。
 
 
 
・瑠璃

 1話から登場していますが、正式にアンゴラモンとパートナーの間柄になるのは3話から。
 「ピッタリ探し」と称して様々なことに手を出したり首を突っ込んだりしています。
 家にピアノがあったりベランダがやたら広かったりするので、実家はかなり裕福と思われます。

 宙たちを気まぐれで振り回すこともありますが、メイン3人の中では恐らく最も常識的。
 その一方で勇敢な面も多々あり、危険に対して真っ向からぶつかってゆくケースもしばしば。
 デジモンが巻き起こす怪異に一番スタンダードな反応を示すのも彼女なのですが、
 そこから勇気を奮い起こして事件解決に結びつけてゆくことも少なくありません。
 ホラー路線においてはある意味もっとも王道的な造形かもしれません。

 アンゴラモンとは強い信頼関係で結ばれており、回を追うごとに深まってゆくように見えます。
 ただし進化のスピードは遅く、成長面ではマイペース型と言えそう。

 中の人である小林ゆうさんは少年役や中性的な役を演じることが多く、女性キャラを演じる際も
 大人の女性役が多いため女子中学生役はかなり珍しい印象を受けてしまいます。
 でも違和感どころか独自の味を出せているあたりはプロだなぁ、と感じますね。
 
 
 
・アンゴラモン

 気は優しくて力持ち、を地でゆく瑠璃のパートナー。
 博識でもあり、劇中ではほぼ一貫してデジモンの解説も行っている生き字引です。
 別名、ゴーストゲーム界の三面拳・雷電。

 瑠璃のピアノをこよなく愛し、体を張って彼女を守ろうとする一途な性格である一方
 時々(言い方は柔らかいけど)口うるさいオカン気味なところもあり、それが原因で
 瑠璃と気まずくなってしまうこともありますが、根っこのところでは信頼しあっています。
 瑠璃が強気に出られるのもこのアンゴラモンあってこそ、と思わされる場面もしばしば。

 事件の締めに毎回詩をつぶやく癖があり(通称?アンゴラポエム)、彼の呟きが
 本編のラストシーンを飾ることも少なくありません。
 この慣例については賛否両論あるようですけど、本作の特色であると同時に
 ある種の名物コーナーではあると思います。

 中の人の中井和哉さんは気合の入ったオラオラ系の役柄が多いのですけれど、
 基本的にイケボなのでこういう穏やかな役もよくハマりますね。
 過去デジモンシリーズで演じたガオモンにも、そういう柔らかさがありました。
 
 
 
・清司郎

 寮長のふたつ名で親しまれている出戻り系天才児にして重度のオタク気質。
 5話とパートナーを得るのは最も遅いですが、成熟期進化は10話に達成しています。

 地熱発電所のシステムメンテを任される(17話)ほどの規格外の才能を誇っている一方、
 普段は大変ビビりでデジモンに対しても恐怖で腰を抜かす場面が大半。
 押しにも弱い性格で、ジェリーモンに振り回されて酷い目に遭うことも多いのですが
 オチを担当させられることもあるという気の毒な被害担当という印象が強めです。

 でも恐怖がある段階を過ぎると突然冷静に振る舞うようになり、この状態に入ると
 頭脳面において非常に頼りになります。本人はその間のことを憶えていないため
 「スイッチが入る」とか「限界突破する」などとも呼ばれる状態。

 ただ22話において、夢の中という特殊条件下でこの限界突破を実感できたらしく
 今後さらなる確変を起こす可能性を秘めていると思います。
 3クール目以降に事件が規模・内容ともに激化の一途を辿るというのであれば、
 徐々にビビり体質を改善していかなければ話にならないのかもしれませんけど
 あのリアクションは彼の持ち味でもあるので難しいところですね。

 中の人の石田彰さんは、押しも押されぬ人気ベテラン声優。
 腹の底が読めない美形から熱血漢、腰の引けてるヘタレお坊っちゃまに至るまで
 軽々と演じこなす名優であり、その実力は本作でもいかんなく発揮されています。
 かなり難しい役だと思うんですが、初登場時からそれを全く感じさせませんね。
 
 
 
・ジェリーモン

 一言で表すなら「トラブルメーカー」。

 清司郎のビビりっぷりの面白さと、スイッチが入った時の凛々しさに惹かれて
 やや強引にパートナーへ収まるのですが、以後もシスタモンシエルの暴走に噛んでしまったり(8話)、
 勝手にビジネスを始めて大事を招きかけたり(22話)など定期的にやらかします。
 知力は高いのですが、モラル面ではまだまだといったところで女ねずみ男なイメージが強いですね。

 そんな中でも動揺する瑠璃を激励する(17話)など、土壇場になるほど根性を見せるあたりは
 ある意味パートナーと似たもの同士かもしれません。
 上記の17話ではピンチに際し、緊急事態的に瑠璃ともデジヴァイスを介して連携しています。

 清司郎を「ダーリン」と呼ぶ一方で立場としては上位に居座りたがるなど、両者の関係性は複雑。
 しかし清司郎の今後や彼女自身のやらかし度合いによってはいつ崩れても不思議ではなく、
 メイン三組の中ではグルスガンマモンの存在を考慮しても一番危なっかしいかもしれません。
 ある意味では最も見守りがいがあるとも言えますが。

 中の人である嶋村侑さんは「アプリモンスターズ」でオフモンを演じていたこともある方。
 「Go!プリンセスプリキュア」のはるか、「Gのレコンギスタ」のアイーダ、
 「ゼルダの伝説BtW」のゼルダ姫、「ブレイブリーデフォルトII」のグローリアなどなど
 お姫様(的)役にやたら縁のある人なのですが、本作ではそのどれとも違うナマイキ系の演技。
 オフモンとも違うし、観測範囲では新境地かもしれません。
 
 
 
・北斗パパ
 
 宙の父。
 デジタルワールドにいるらしいのですが、そこで何をしているのか、どうやって行ったのか
 はぐらかすばかりで全く実のあることを言ってくれないので埒が開いてない状態です。
 本筋が進まないのはだいたいこの人のせい。

 もっともそれは「まだとても言える段階ではないから」なのかもしれんのですが……
 グルスガンマモンは何か知ってそうなんですけどね。
 
 
 
・とりまく人々
 
 サブレギュラーは何人かいますが、出ない回も多いので実質セミレギュラー待遇です。
 コタロウは結構クセが強いので、今後もちょくちょく出番を期待したいんですが……
 EDだけではちょっと勿体無いかも。
 
 
 
・デジモンたち
 
 本作のデジモンには上記の通り、理由もなしに問答無用で襲ってくる通り魔みたいな輩は少なく
 その多くは何らかの目的に沿って動いており、前作と比べてもそれぞれの性格はハッキリしてます。
 その分、ただそこで暮らしているだけの話が通じる者が多いのも特徴的。
 退場してしまったボコモンや、その助手をしていたバクモンなど手助けしてくれる個体もいます。
 最初は人間を襲っていたデジモンであっても後で成り行きぎみに共闘するパターンもあり、
 その典型例が1話から登場しリベンジマッチを経て大人しくするようになったクロックモンでしょう。

 他方、自分たちの増殖のためなら何でも利用することを仄めかしていたザッソーモン、
 殺しそのものが目的であり手段であるシールズドラモンや、
 人間界浸食のため人々を石に変えるという暴挙を繰り返していたフェレスモンとその一派、
 他者の脳を食って自身の能力を高めていたアルケニモンと、他のシリーズから見ても
 際立って凶悪な連中が存在していたりします(ザッソーモンはまだマシな方)。

 しかもザッソーモン達やフェレスモン一派はいまだに野放し状態。
 こいつらは宙たちの目の届かないところで、いまだに何かやっている可能性が高いです。
 3話のあれっきり出てこないドラクモンも、やり方次第では侮れません。
 これが後々の火種にならないといいのですが……気になります。
 
 もしこれらデジモンの脅威が一般に知れ渡ったら、現状ではパニックが引き起こされると思います。
 結果、人間たちの間でデジモンを排除しようという動きが……という展開もあり得るのですが、
 そんなモロに鬼太郎と被るようなことまでやるかなぁ、と懐疑的にもなっているのが現状。

 人間にどうこうできてしまうデジモンなんてあんまり見たくない、というのが本音ですしね。
 そーゆーのはセイバーズでもうお腹いっぱいですわ。
 
 
 
★今後へ向け

 1話完結色が強いため、急激に事態が動く可能性はあると思います。
 一方で3クール目を迎えてなお暫し動きがなかったとしても、個人的には想定の範囲内。
 不正アクセスのために1ヶ月ぶん吹っ飛んだことで、どの程度の皺寄せが来るかも気になるところ。