化ケ猫
脚本:中山智博 演出:高戸谷一歩
作画監督:村山綾音/袴田裕二/Noel_Añonuevo/Eugene_Ayson/
信実節子/小澤誠/仁井宏隆/宇代祐規
総作画監督:石橋大輔
★あらすじ
人々が夜な夜な夢遊病者のように出歩く怪現象が頻発。
現場のひとつに居合わせたアンゴラモンは、猫の鳴き声を耳にします。
被害が清司郎にも及ぶに至り、事件が裏で繋がっている可能性が浮上。
果たして、それは猫たちを影で操るバステモンの仕業でした。
猫の神とも呼ばれる彼女は猫が人間に飼われている現状に不満をおぼえ、
自身の力を分け与えた猫たちを使い逆に人間をペットにさせようとしていたのです。
しかも、不適格とみなした人間は生き埋めにするという苛烈なオマケ付き。
阻止すべく、瑠璃たちはマタタビに類する植物を利用して猫たちを酔わせ、
バステモンの影響を抜いた上で擬似デジタルフィールドを展開。
孤立したかに見えたバステモンですが、ラモールモンを操って押し返してきます。
さらにテティスモンも毒牙にかけようとするバステモンですが、これは罠でした。
テティスモンは予め、体内にマタタビ成分を仕込んでいたのです。
前後不覚に陥ったバステモンはカノーヴァイスモンに制圧され、事件は解決。
無事を喜びあう人々と猫たちを見て、バステモンは牙を収めます。
ジェリーモンの言う通り、人間はすでにネコチャンの言いなりなのかもしれません。
★全体印象
55話です。今回で無印の話数を追い抜きました。
同一タイトルの同一枠放映としては、これで:に次ぐ二位ということになります。
単純な連続話数では依然としてクロスウォーズがトップですけど、事によっては
それすらも抜いて歴代最長話数になるかもしれません。
さて、今回のモチーフはタイトル通りの「化け猫」。
予告からかなりバレバレでしたが、ゲストも予想通りのバステモンでした。
同じような話はミケモンでもできそうですがワープ進化が実装された今、
直接戦闘をやらせるにはいかにも力不足ということでの採用でしょうか。
今回も特にメインを張るキャラがいないので、人物描写的には抑えめ。
長丁場なシリーズになってきたとはいえ、次は進化回になりますよ!
というアピールが歴代一薄いため視聴者としては備えが難しいところはあります。
猫たちがデジモンの影響下にあるうちは迂闊に擬似DFを展開しないなど、
経験を重ねたなりの対処はできてると思うのですが。
脚本は中山智博さん。久々に作監が増し増しです。
そのおかげもあってか、アクションは見応えあり。
★キャラなど個別印象
・宙組
事件を追う立ち位置に徹しており、今回もここで書くべきことは少ないです。
最後を決めたのは彼らですけど、それまでは抑えに徹していましたし。
バステモンがガンマモンについて何か知ってる感じでしたが……
・瑠璃組
事件解決の立て役者その1。
「猫にマタタビ」を思いついてマタタビに近い植物を集め、一部は燻すことによって
猫たちを酔っぱらわせ、かつバステモンの影響を抜くという活躍を果たしました。
単独ではなく他のメンバーと合同でやったことですが、発想したのは瑠璃です。
戦闘では早々にラモールモンを出したものの、バステモンに力を吸い取られた上操られ、
バトル終盤までずっとカノーヴァイスモンに抑えられてるだけと冴えませんでした。
弱体化させないとかなり手強い相手だったんでしょうがない面はありますが。
・清司郎組
立て役者その2。
そもそもマタタビに近い作物をゲットできたのはジェリーモンの人脈です。
さらにこのマタタビ作戦を発展させ、テティスモンに成分を取り込ませることで
「ヴァンパイアダンス」を受けた際に覿面で酔わせるよう罠を仕掛けました。
「ドクテアーゼ」の器官を利用したそうですが詳細は不明。
これによって自身は戦えなくなったものの、フラフラになったバステモンであれば
カノーヴァイスモンだけでも容易に制圧できるという目算だったのでしょう。
こういう搦め手が映えるのはさすがというところです。クラゲだけに。
・エスピモン
今回も割とガッツリ事件に絡んでました。徐々に存在感を増してます。
「モットボム」でマタタビ成分の煙を広げたり、バステモンへの直接攻撃もしてました。
まあ後者は跳ね返されちゃってますが。
・エアドラモン
久方ぶりの登場。
足役としてだけではなく「スピニングニードル」での攻撃行動も披露しています。
味方側としての登場は本作が初めてじゃないですが、必殺技披露は極めて貴重です。
残念ながら効果はありませんでしたが……
・理久
またまた登場。完全にセミレギュラーの位置を獲得しました。
アオイやミカみたくコンスタントに出られない時期もあるでしょうけど頑張ってください。
単独ではなく友人と二人で猫を世話していたところからも変化が窺えます。
猫を可愛がってたの、なんだかんだメイを忘れられないからというのもあるんですかね……
あんな強烈な経験をしたら忘れろって方が無理だとは思いますが。
・バステモン
完全体の獣人型デジモンです。
シリーズ登場は「クロスウォーズ」に続いて二度目ですが、味方だったあちらと違い
プライドが高く気も強いと全然違う性格。元々の設定にはこちらの方が近いですけど。
猫は原始より神であり、人間は猫に仕えるべきだという過激派猫至上主義者でもあり、
猫たちに得意の「ヘルタースケルター」で力を与えつつ操り、飼い主たちが寝ている間に
家から連れ出して散歩させるという「ペットへの躾の練習」をさせていました。
そのあげく人間の選別を行い、不適格者は生き埋めという過激さです。
この時の猫たちは尻尾が二股に分かれ、直立移動できるようになります。
おそらくバステモンの力を受け、これに近づいたからなんでしょう。
人間側は猫たちに操られるというか、見えない力で引っ張られているようです。
バステモン自身は相手が起きていても問題なく操れる模様で、宙がこれに掛かりました。
上記の通り他者を操るのが得意なのですが、自身の戦闘能力も非常に高く
カウンターにも等しいラモールモンの迎撃を軽く躱してのけたばかりか
「ヴァンパイアダンス」と「ヘルタースケルター」のコンボで手駒に変えてしまうことで
状況を五分にまで押し戻すという底力を見せつけています。
危機察知能力が高いのか、テティスモンの「アドゥワールド」も通用しませんでしたが
その体内に仕込まれたマタタビ毒までは読めず、吸い取ってしまったことで酩酊へ陥り
ラモールモンへの影響も途絶えてしまいます。あとの顛末は上述の通り。
人間もデジモンも、頭をオンにしてないとマトモにできないことって多いですからね。
戦いのあとは人間の世界が「そういうもの」だと理解したらしく、敵対行動を止めました。
飼い主たちのもとへ戻ってゆく猫たちを見て、何かを感じたのかもしれません。
実際、猫を飼ってるのではなく猫に貢いでると言って憚らない人もおりますゆえ。
そういえばガンマモンについて何か知ってる風だったんですが、教えてくれませんでした。
自分で否定してたので、「人違い」だと考えたのでしょうけどなんか教えてくれよう。
中の人は生天目仁美さん。なぜか芸人枠だったクロウォと異なり今回は本職です。
9年前演じた「ドキドキ!プリキュア」の主役・相田マナ役が特に有名ですね。
デビュー当初には「月姫」のアルクェイド・ブリュンスタッドを演じてもいるため、
その界隈においては昔から忘れられない名前かもしれません。
今回の役柄はそのアルクェイドに近く、本来はこのあたりが得意ゾーンっぽいですね。
別にマナが異色ってわけじゃあないんでしょうけど。
・宙のデジモン調査ファイル
猫って昔から怪異と結びつけられがちですよね。それだけ人間と関わってるってことだけど。
★名(迷)セリフ
「寮敷地内へ動物の持ち込みは禁止! そもそも、無責任に餌付けするのは良くない」
「感情移入すると、お別れが大変になる。部屋に戻って宿題でもやりたまえ」(清司郎)
こっそり猫に餌やりをしていた理久たちに。
間違ったことは言っていません。動物を飼うのって本当に大変なことですから。
ラストシーンで軟化したのはまあ、今回の事件にビビったせいもあるんでしょうけど……
「原始、猫は神であった。
この試練、合格した人間には、妾たちの寵愛を授けてやるぞ」
「猫に感謝しろ人間ども!」(バステモン)
人間を猫のペットとして選別しようと。
しかし言われるまでもなく、多くの人間が猫に感謝していると思います。
「白いデジモン……?」
「フン…お前のわけないか」(バステモン)
目の前に転がってきたガンマモンを見て。
あっ、あのすみませんお嬢さん。その話もっと詳しく。
「人間と馴れ合うデジモンの技など効かぬ!」(バステモン)
ラモールモンの迎撃を難なく避け逆に操り、エスピモン達の技を撥ね返して。
豪語するだけあり、弱体化させなければ勝つこと自体が難しい相手でした。
直後、テティスモンの「アドゥワールド」をも見切ってみせるのですが……
「堪能していただけたようで何より……
私の体内にたっぷり…仕込んでおきましたからね!」(テティスモン)
精気と同時に大量のマタタビ成分を吸い込んでしまったバステモンに。
いわゆる「かかったなアホが!」というやつです(それ死亡フラグ……)。
単純に取り込んだのではなく、特製のマタタビ毒として精製したのかもしれません。
当然、毒そのものに耐性を持つ彼女自身に影響はないわけです。
ところでよく考えてみたらこの対決、キュアフローラVSキュアハートだ。
「ああ見えて人間はけっこう猫の言いなりさ!」(ジェリーモン)
自分にもパートナーが見つかるだろうか、と零したバステモンへ。
バステモンの高い気位に隠れた寂しがり屋な一面が垣間見えた場面でもあります。
でもホント実際、動物は人間以上に大切に扱わないとダメですもんね。
特にネコチャンは。だから私は飼わないんですけど(私の話などどうでもいい)。
「飼い主の恵み、情けは猫のためならず。己が心のマタタビと知れ」(アンゴラモン)
今回のアンゴラポエムです。
猫を飼い、猫に尽くすのは猫のためだけじゃなくて人間自身のためでもあるんだよ、
といったところでしょうか。
★次回予告
ちょっと何者が関わってるのか全然わかりませんね……
この予告だけで分からないようにはしてるんでしょうけど。果たして……?