真紅ノ収穫祭

脚本:中山智博 絵コンテ:角銅博之 演出:難波涼
作画監督:松本文男/福世孝/明岡辰也
総作画監督:金久保典江

★あらすじ

 ハロウィンの夜、魔女の仮装をした少女たちに次々と異変が発生します。
 本物の魔女のように魔術を使い空を飛び、魔女の仮装をしていない者は
 ネズミに変えてしまうのです。魔女のデジモン、ウィッチモンの仕業です。

 やがて魔女にされた少女たちが一カ所に集められ、その魔力によって
 魔女だけの国が作り上げられようとします。
 変装して忍び込んでいた宙たちは、これを阻止せんと動き出しますが
 分散せざるを得ず、ハロウィンの夜で魔力を増したウィッチモンに苦戦。

 そのとき、あのパンプモンが救援に現れました。
 これによって反撃のチャンスが生まれ、カノーヴァイスモンが登場。
 戦いの中、ハロウィンが終わったことによってウィッチモンの魔力は失せ
 被害者も皆もとへ戻りました。

 気づいた時、ウィッチモンもパンプモンの姿もどこかへ失せた後。
 その直前、ガンマモンはウィッチモンから奇妙な問いを投げられていました。
 「あんたひょっとして、漆黒の覇者?」と……
 
 
 
★全体印象
 
 49話です。
 気づけば50話も目の前というところで、二度目のハロウィン回。
 今回はウィッチモンにお鉢が回ってきました。メイン担当はこれが初。

 また、あらすじ通り4話に登場したパンプモンも再登場します。
 最初の一発以外はあまり活躍できてませんが、目立ちすぎるのもなんだし
 これぐらいでも悪いバランスというわけではないのかもしれません。

 今回もキャラ描写は薄めで、デジモンの起こす怪異が主体でした。
 通常運転というやつですが、季節ネタを使いまわせるのはでかいですね。

 問題はこれがあとどれぐらい続くのか、という話ですが……
 あと一年ぐらい続いても全くおかしくない流れではあるんですよねぇ。
 来春で終わる可能性もあるし、まだどちらとも言えない状態です。

 脚本は中山智博さん。
 松本文男さんと福世孝明さんは、作監ポジでは初めて見ますね。
 前者の松本さんは80年代から活躍しておられるベテランで、最近では
 「ミュークルドリーミー」の作監・総作監をつとめてらした方です。

 福世さんもしばしば松本さんと組んで仕事しておられる方なので、
 その縁で一緒に来たのかもしれません。
 しばしばメカ作監もやっておられるのでそちら方面も強そうです。
 
 
 
 
★キャラなど個別印象
 
 
・宙組

 前回はいいところなしでしたが、パンプモンが絡んでいるというのもあって
 今回は解決役を担当しました。パワーアップしたとはいえ相手は成熟期なので、
 カノーヴァイスモンが出たあとは半ば一方的な流れです。
 仮装では宙・ガンマモンともにミイラ担当。マミーモンが見たらなんと言ったかな。
 
 
・瑠璃組

 前回のような直接被害こそ受けませんでしたが、扱いとしては普通です。
 バトルでも基本、魔女になった子たちを引きつける役なので地味でした。

 仮装では瑠璃がゾンビ、アンゴラモンが海賊を担当しています。
 このおかげで瑠璃は魔女化の被害を免れることになりました。
 その代わり友人たちが魔女にされたし、危険に変わりはないけど。
 
 
 
・清司郎組

 瑠璃組とだいたい同じ程度の扱いですが、テスラジェリーモンの電撃で
 魔女化した子たちの大半を昏倒させたので地味に貢献度は高いです。
 清司郎は魔法使い、ジェリーモンはお姫様の仮装を担当。
 
 
 
・エスピモン

 今回もなんか普通に仲間に加わって行動してました。
 誘われたのか、なんか楽しそうだから首突っ込んだのか、どっちでしょうね。
 バトルではジェリーモンと組んで清司郎のフォローを担当していますが、
 それ以外のこれという見せ場はありませんでした。

 仮装では宙組と同じミイラを担当してます。
 もののついで感がすごいけど、本人は全く気にしてない感じでした。
 
 
 
・詩織

 カルチャースクールのハロウィンパーティ準備に参加していた人物。
 背丈は小さいですが、やり取りからすると瑠璃の同年代でしょうか。

 ガンマモン達とは初対面に近いようで、結構ビビっていました。
 魔女にされた被害者の一人ですが、あくまでもその代表という扱いです。
 ぶっちゃけた話、あんまり出てきた意味がないかも。
 
 
 
・パンプモン

 やはり出ました、前ハロウィン回のメインゲスト。なんと普通に空飛んでます。
 中の人はもちろん高戸靖広さん。

 「友達」である宙たちが襲われているということで、救援に来てくれました。
 宙たちからは友達らしいことを特にしてもらってない(正確にはその暇がなかった)
 のですけど、友達になろうという発言だけで充分だったのかもしれません。

 この際、得意の「トリック・オア・トリートで巨大カボチャを発生させ、
 瑠璃たちを追い回していた魔女化女子たちを封じ込めています。
 ウィッチモンにはかないませんでしたが、おかげで宙組が態勢を立て直して
 カノーヴァイスモンへ進化、優位に持ち込めたので貢献度は高いです。
 こういうのはタイミングも大事ですね。

 ちなみに戦いの後は、ケロリとした顔で復帰しています。
 あれぐらいじゃダメージにならないあたり、完全体は伊達じゃありません。
 ウィッチモンにはあしらわれていたので彼女の魔法、特に風のソレとは
 あんまり相性が良くないのかもしれませんが。

 擬似デジタルフィールドが解けた後は、ウィッチモン共々消えています。
 来年のハロウィンも来たりするんでしょうか?
 もし実現したらまさかの3年目ってことになるけど…… 
 
 
 
・ウィッチモン

 成熟期の魔人型デジモン。
 「クロスウォーズ」3期でハンターと行動を共にしていた個体以来の登場なので、
 アニメで活躍するのは事実上初めてです。
 ハロウィンの夜に魔力が大きく高まるのを利用し、魔女の仮装をしている者に
 自らの力を分け与えて魔女に変えてしまうという行動に出ました。
 魔女の格好をしていない者はネズミに変えてしまいます。

 魔女化した子は傘などの棒状のものに乗って飛べるようになるばかりでなく
 ウィッチモン自身の技である「バルルーナゲイル」「アクエリープレッシャー」
 までも使えます。加えて他の人間を魔女やネズミに変えることもできるので、
 わずかな間に仮装をした者のほとんどが魔女にされてしまいました。

 ウィッチモンの最終目的はこうして集めた魔女たちに祈りを捧げさせ、
 人間のいない魔女だけの国を作ろうというものでした。
 祈りが捧げられた上空には分厚い暗雲が現れ、それを土台にするようにして
 城が現れかけています。これを居城にするつもりだったようです。

 上記の通りその魔力はかなり高まっていて、「アクエリープレッシャー」の一撃は
 カウスガンマモンの状態で食らったらアウトというほどの攻撃力。
 これで攻めまくるのですがパンプモンに邪魔され、退けたものの
 態勢を立て直した宙たちが完全耐震化したため形勢が逆転してしまいます。

 それでも降参したふりをして反撃を試みるのですが、日付が変わってハロウィンが終わり、
 魔女化やネズミ化した人々が元に戻り、城も消え去ったことで戦意喪失。
 有耶無耶のうち、パンプモン共々気づいたらどこかに去っていました。

 その間際、ガンマモンに「お前は漆黒の覇者なのか?」と意味深な質問をしてます。
 オボロモンも同じことを言ってましたが、アレは彼らがその場でそう表現したんじゃなく
 もともとそう呼ばれていた存在がいたということなんでしょうか?
 だとすると、その存在とは……

 中の人は潘めぐみさん。
 デジモンシリーズとの縁は長いほうで「クロスウォーズ」のアイルを好演したほか
 「デジモンアドベンチャー:」やPSP「デジモンアドベンチャー」では
 小西寛子さんの後を継いで高石タケルを演じるなどの活躍をしています。

 今回の蓮っ葉な演技は、女神声だった母君・潘恵子さんの役柄には無いレンジ。
 ただの二世声優の枠をとっくに越えた存在感、改めて見せつけてもらいました。

 
 
・宙のデジモン調査ファイル

 今回の寮長はそこそこ根性を見せてたと思います。
 
 
 
 
★名(迷)セリフ
 
 
「チェルニクチェルニカ、我を崇め讃えよ。
 さあ、まことの姿に目覚めるがいい!」(ウィッチモン)

 
 ウィッチモンの呪文。魔女の仮装をした子を本物の魔女に変える時のものです。
 これが魔女化対象でないと後半が「永久に地べたを這い回るがいい」に変わり、
 対象はネズミになって逃げ回ったり、悪くすると使い魔のネコに食べられてしまいます。
 
 
「ちょと人使いが荒すぎません?」(清司郎)
 
 カルチャースクールのハロウィンパーティ準備に駆り出されて。
 去年はいなかったのでこれが初体験になりますが、割といつも多忙な彼をして
 こんな感想を出させるって一体……
 
 
「おー、ここにもパンプモン。トリニクトリートメント!」(ガンマモン)
 
 ちょっと懐かしい言い回しです。
 と同時に、後半への布石になっていました。
 
 
「すげえ! すげえぞ、私!」(ウィッチモン)
 
 自らの魔法の威力を誇って。
 つまり普段はこれだけのパワーは出ないということです。
 魔力が高まるとともに気も大きくなっていたようですね。
 
 
「これ以上、友達をいじめるんなら! ボク…許さないよ?」(パンプモン)
 
 宙たちを救援に現れての啖呵。
 なかなかゾクリとさせてくれる言い回しですが、この数秒後ぶっ飛ばされます。
 
 
「宙、すまない!」(カノーヴァイスモン)
「大丈夫、気にすんな!」(宙)

 
 完全体に進化、宙を拾って仕切り直しをしての会話。
 宙を危険に晒したことを詫びる弟と、それをサラッと許す兄貴。
 地味にけっこう良いやり取りです。
 カウスガンマモンの方から進化発動したように見えるのもポイント。
 
 
「あ〜あ…終わっちゃった……」(ウィッチモン)
 
 日付が変わり、ハロウィンではなくなった際に。
 祭りが終わってションボリする子供みたいな言い回しです。
 
 
「またボクが来るよ……?」(パンプモン)
「はいはい」(ウィッチモン)

 
 人間と友達になるのを渋るウィッチモンにパンプモンが凄むも、
 軽くスルーされている場面。
 ビビってるというより完全にウザがってるだけという感じです。
 ウィッチモンにとって、パンプモンはあんまり脅威ではないっぽいですね。
 
 
「ねぇ、あんたさ。ひょっとして…”漆黒の覇王”?」(ウィッチモン)
 
 ガンマモンをわざわざ呼びつけて。
 何を根拠にそう判断したのか全然わからないまま去ってしまったんですけど、
 あのグルスガンマモンが今のガンマモンとなる前、あの姿で暴れ回っていて
 その筋では有名だったという推測が容易に成り立つようになってますね。
 真相が明かされるのはいつになるのでしょうか。
 
 
「魔除けの宴は摩訶不思議。
 芝居、こんにゃく、魔女、カボチャ。」(アンゴラモン)

 
 今回のアンゴラポエムです。
 後半の語呂というかリズムはどっかで見た気がしますね。なんだっけ。
 
 
 
 
★次回予告

 いよいよ50話。
 で、どうやら44話の深津が再登場するっぽいです。
 またうまい話に乗っかっちゃうんでしょうか……
 そしてプッチーモンはわかるけど、あのシルエットは何者?