白イ花嫁
脚本:藤田伸三 絵コンテ:鈴木正男 演出:羽多野浩平
作画監督:小澤誠/大山康彦/金澤龍/權容祥
総作画監督:仲條久美
★あらすじ
花嫁がとつぜん失踪するという事件が多発。
しかも現場の跡は謎の菌糸が蔓延り、胞子が舞い飛んでいました。
一方、親類の結婚式に招待されていた瑠璃は写真モデルとして依頼され、
衣装としてウエディングドレスを着ることに。
その彼女を襲ったのは、花嫁ばかりを襲うあの錦糸でした。
アンゴラモンや宙たちが駆けつけるも、彼女は何者かに拉致された後。
捜索を続ける宙とガンマモンは、別の式場で花嫁を連れ去るデジモンを目撃。
後を追いますが、連中が飛ばしてきた胞子で体じゅうにキノコが生え、
力を奪われてあえなく拉致されてしまいました。
現場を見たというゲレモンの案内で、残る一同は犯人のアジトに急行。
果たして、そこに潜んでいたのはキノコの姿をしたシャンブルモン達でした。
幸せの絶頂にある花嫁から美味しいキノコが育つと知った彼らは、
式場を襲って新婦を攫い続け、キノコの苗床にしていたのです。
止めようとする清司郎たちですが、胞子を受けて窮地に立たされる破目に。
が、彼から生えたキノコを食べたシャンブルモン達は次々に不調を訴えます。
逆に自分のキノコを食べた清司郎は力が漲り、勢いのまま完全体進化が発現。
テティスモンはあっという間に勝負を決め、皆を治療。
シャンブルモン達は、キノコを好むゲレモン達に連れ去られてゆきました。
宙は彼らを見て、デジモンについての理解がまた遠のくのを感じるのでした。
★全体印象
48話です。今回は「結婚式」「花嫁」が題材に取られているのですが、
結婚にまつわるお話ではなくその晴れの舞台を狙って起こる怪異のお話。
花嫁とか結婚式の要素はつまり理由づけですね。
今回のシャンブルモンも新規デジモンですが、マッシュモンの色違いです。
演出かなんかで色が違って見えるのかと思ったら別モンだったというオチ。
強さ以外はあんまり新種である必然性なかったけど。
また、今回でリュウダモンがギンリュウモンに進化しています。
大切な誰かへの感情が高まることで進化する例は過去にもありましたが、
この場合可逆性があるのかどうかは不明で戦闘にも参加していません。
あくまでもサブ要素です。この子のポジションがよくわかりませんな……
今回も各メンバーの描写は軽めで、怪異描写が最優先でした。
もともとそういう作風だけど、最近ますますこの傾向が強まってます。
キャラ間の関係性も変化が少ないし、やる事があまりないのかもですが……
新デジモンのアピール期間という可能性もあるけど毎週じゃないしなぁ。
脚本は藤田伸三さん。
戦闘作画は一点集中型で、テティスモンの活躍場面に全振りって感じでした。
★キャラなど個別印象
・宙組
なぜか披露宴にお呼ばれしてた方々。まあ瑠璃が誘ったのでしょうけど。
チョコが食えるということでガンマモンなどは一つ返事だったでしょうし。
ただ今回はいいところが全然なく、もぎられ損という感じでした。
・瑠璃組
瑠璃はそれなりに結婚へ前向きみたいですね。
題材が題材だけにお鉢回かと思いましたが、むしろ真っ先に被害を受けてしまい
結果としてアンゴラモンもほとんど活躍できないありさまでした。
側にパートナーがいないところで襲われたらどうしようもないんだよな……
・清司郎
今回の解決役その1。
42話以来の限突を果たし、一時は窮地に立つも敵の能力を逆利用する形で復活、
逆に圧勝するという形へ持ってゆきました。
自分から生えたキノコをドカ食いするという普段ならまずしないこともやってます。
この行動にはシャンブルモン達もドン引きしていました。
彼から生えたキノコがなぜシャンブルモンたちに有害だったのかは不明ですが、
要はどんなキノコが生えるか彼らにもわからないってことなんでしょう。
味はともかく体質?に合うかどうかは食べてみないとわからない、という。
で、たまたま清司郎のキノコは彼らにとって毒だったのでしょうね。
ラッキーと言えばラッキーですが、本人はあまり嬉しくないでしょうね。
・ジェリーモン → テスラジェリーモン → テティスモン
今回の解決役その2。
途中までは清司郎ともども遠隔で関わってましたが、ギンリュウモンの登場で
現場へ急行することが可能になりました。
その後他の皆同様にキノコで体力を奪われてしまいますが、清司郎の復活によって
自身もパワーアップし、そのままの勢いで完全体進化を遂げました。なにげに2話連続。
パワーアップの影響もあり「ハンマーサンダー」「ビリースマッシャー」のコンボで
完全にシャンブルモンを圧倒してのけます。
さらにキノコから解毒薬を生成、皆を治療するなど大活躍しています。
たぶん、キノコに移った精気を本人に還元してあげているのでしょう。
彼女がいなかったら詰んでたケースは過去にもいくつかありましたけど、
今回もその例に該当すると言っていいでしょうね。神様仏様、ジェリーモン様。
花嫁衣装にも興味津々で、ラストシーンでは瑠璃に便乗していました。
なかなか似合ってますが、衣装はどうやって調達したんだろう。
・エスピモン
なんかその場にいて成り行きで手伝ってます。
時と場合によってはなにも聞かず協力してくれるので、やっぱり結構良いヤツです。
前回に続いてサーチモードを発揮し、建物の外からシャンブルモンを発見しましたが
活躍といえるのはそれぐらいで、あとは清司郎組に任せているような形。
・リュウダモン → ギンリュウモン
たまたま遊びに来たけどガンマモンが不在で暇を持て余していたところ、
そのガンマモンが危ないと知って発奮、成熟期に進化しました。
上記の通り、こういった例は本作でも初めてではありません。
18話では、ホークモンたちが友への想いでオルカモンに進化していますし。
ただし現場に清司郎たちを運んだだけで、戦闘には参加していません。
どこにいたのかも不明ですが、撤退する場合に備えて上空で待機していたのかも。
本当に全然出てこないタイミングがあるんで、そう考えるしかない状態です。
ところでこの進化、可逆なんでしょうか? 不可逆なんでしょうか?
少なくとも上のオルカモンの場合、元に戻った様子はないのですが。
・シャンブルモン
成熟期の植物型デジモン。全部で四体が登場。
成長期に属するマッシュモンの色違いであり、カサが白いのが特徴的です。
モノクロモンに対するヴァーミリモンみたいなもんでしょうか。
あまり強そうには見えませんがその実かなり危険なデジモンで、
胞子に触れるとたちどころにキノコが生えて精気を奪われてしまいます。
劇中では瑠璃をはじめ、宙とガンマモンをも抵抗の暇すら与えずに捕らえ
一時は清司郎たちをも胞子に冒すなど猛威を振るいました。
この際、サイボーグ型であるエスピモンにまでキノコが生えてます。
花嫁ばかりを狙ったのは、幸せの絶頂にある彼女たちを恐怖と絶望に落とすことで
良質なキノコが育つというド外道な理由によるもの。
何かのキッカケでこの事実を知り、文字通り味を占めてしまったのでしょう。
女子中学生を騙して資源にしていたどっかの白饅頭を思い出します。
このキノコはさらに、デジヴァイスを付けている宙たちを苗床にすることで
より美味になるようです。しかも食うことで得られるエネルギーが桁違いらしく、
巨体にパンプアップしてよけい手がつけられなくなってしまいました。
キノコをもぎ取る際には相当の痛みが伴うのですけど、彼らはお構いなしです。
悲鳴をバックにキノコが貪り食われるさまはかなりのホラー具合。
とりわけ痛々しいのは瑠璃でしたが、画の迫力は清司郎に軍配が上がるでしょうか。
しかし暴食が過ぎたバチが当たったか、清司郎から生えたキノコには
激しい拒絶反応を示して悶絶してしまいます。相性が悪かったのでしょうか。
一方の清司郎はこのキノコで力を取り戻し、テスラジェリーモンを進化させました。
その後の顛末は書いた通り。
敗れた後もまったく懲りていなかったのですが、そこに現れたゲレモン達によって
どこへともなく連れ去られ、キノコを作らされる羽目に陥るという末路を迎えます。
これは、本作の作風からするとだいぶ重めのペナルティ。
欲望を満たそうとやり過ぎた結果、相応の報いを受けることになった形です。
ところでキノコを作らせるってことは、やっぱり苗床は……
いちおう世代は上がってるものの、キノコのモンスターであることに変わりはないので
わざわざ色違いを用意する意味がどれぐらいあったのかは不明です。
推測するに今さら成長期が出張ってきても宙たちの相手にならないということで、
でもお話のネタは使いたいし、なら色違いの成熟期を用意しよう!
って経緯があるんじゃないかとは思うのですが定かではないです。
なお中の人は妙に豪華です。
ネプトゥーンモン以来の出演となる真殿光昭さんがいるのもポイント。
・ゲレモン
成熟期の軟体型デジモン。アニメ初登場です。
性格は凶暴とされていますが本作ではパッと見あまりそうは見えず、
野外をウロウロしているのを見たアンゴラモンもただ珍しがるだけでした。
たぶん、普段はジメジメした暗がりを好むのでしょう。
シャンブルモンを追う宙たちにも協力的でしたが、そこには別の目的がありました。
清司郎たちがシャンブルモンを捕まえるのを待っていたかのように集団で出現、
キノコを作らせるために連れ去っていったのです。
得意の「ハイパースメル」は邪魔されないための威嚇でしょうか。
もっとも、宙たちにわざわざ彼らを止める理由も義理もないのですが。
つまり彼らもまたシャンブルモンを狙っており、宙たちを誘導することで
労せずして良い苗床を手に入れることができたわけです。
この出来事は、宙にデジモンへの理解を考え直させるインパクトがありました。
中の人は浦和めぐみさん。
デジモンシリーズでは伊織とアルマジモンでお馴染みの方です。
本作にも以前、8話のコクワモンでゲスト出演しておられました。
・宙のデジモン調査ファイル
「その話を土に埋めてくれ〜!」に座布団一枚。今日も寮長はキレッキレです。
★名(迷)セリフ
「関係ないさ! ミーが着たいのさ!」
「それが何さ!」(ジェリーモン)
ウェディングドレスに興味を示すも、多忙もあって素っ気ない清司郎に。
相変わらずのマイペースぶりですが、ラストカットへの布石でした。
彼女によると、ウェディングドレスに憧れてるデジモンも結構いるみたいです。
「幸せの絶頂から限りなき絶望…! その恐怖が!
美味しいキノコを育てる…♪」(シャンブルモン)
花嫁からキノコをもぎ取りながら。真に迫った悲鳴が痛々しいです。
これたぶん、あんまりやり過ぎると苗床にされた人間が死んじゃいますよね…?
いやそれ以前に、恐怖が麻痺して味が落ちてしまったら……
「ガンマモンが… おれを助けてくれた、ガンマモンが…!
今度は…おれが!」(リュウダモン)
宙とガンマモンが捕まったと聞いて。
友を想っての進化ですが、今まであまり出番がなかった人物なので
お前そこまでガンマモン大好きだったの!? とびっくりしたのが正直なところ。
「あり得ねえ! こんなキノコを育てるお前は…おかしいー!」(シャンブルモン)
「し、し、失敬な! 僕のキノコにケチをつけるなんて!」(清司郎)
清司郎のキノコを食って一斉に体調不良になったシャンブルモンたちと、その返し。
前者のお前が言うな感がすごいですが、後者もなんかズレてます。
しかも清司郎、この後自分で食べて「うまいじゃないか!」とのたまう始末。
変なところでプライドが高いです。
「フフフフフフ……東御手洗清司郎! 完・全・復・活!」(清司郎)
キノコを食べて体力が戻ったばかりか、元気爆発状態になって。
このみなぎる気力がテスラジェリーモンに伝播、完全体にまで至ります。
デジヴァイスVがある分、彼らはデジモンに影響を与えやすいのです。
シャンブルモンたちのキノコにもそれが作用したのかもしれませんね。
「他人の体を使って、キノコを栽培するなんて…許すわけにはいきません!」(テティスモン)
シャンブルモンと対峙して。
なんか今にも「お覚悟は(以下削除)」などと言い出しそうな宣言です。
「こいつら、もう人間おそわない。キノコつくらせる。
オレたち、キノコ好物〜!」(ゲレモン)
シャンブルモンを連れ去りしなに。
オレたちも得だしお前らも得、ウィンウィンだろ? とでも言いたげです。
見かけによらず狡猾なところがあるのかもしれません。それとも本能かな。
宙の「えっ!?」と若干引いてるリアクションも印象的。
「オ、オレたちが悪かった! 人間、助けてくれ〜!」
「イヤだ! 行きたくねぇ〜!」(シャンブルモン)
ゲレモンに連れ去られながら。
彼らに捕まったらどういうことになるか、よく知っているのかもしれないですね。
ですが、やらかしたことを思えば他の作品なら始末されててもおかしくありません。
作風を加味してもまだ優しい方かもしれませんよ。
…すまん、ウソだ。たぶん死ぬよりつらい目に遭わされる。
でもまあ、君らも花嫁たちにそれを強いようとしたってことでさ……
こらえてくれ。
「……デジモンのこと、なんとなく分かったつもりになってたけど……
まだわからないことだらけだ……」(宙)
ゲレモンを見送って。無理もありません。
唖然茫然とした口調が内心の混乱をよく表しています。
「縁は異なもの、摩訶不思議。
いずれアヤメか、カキツバタかな」(アンゴラモン)
今週のアンゴラポエムです。正直よくわかりませんでした。
とりあえず後半が言いたかっただけのような気がします。
★次回予告
思った通りのハロウィンネタ二発目ですが、今度はウィッチモンっぽいですね。
と見せかけて色違いかもしれんので油断できませんが。
パンプモンたちは出るかな?