女王ノ晩餐
脚本:山口宏 演出:中村明博
作画監督:酒井夏海/村山綾音/仁井宏隆
総作画監督:西野文那
★あらすじ
ある時から水を極端に恐れ、風呂に入らなくなってしまったコタロウ。
心配した宙とガンマモンが話を聞くと、何者かがコタロウに何かを仕掛け
それから水を恐れるようになったらしいとわかります。
しかも今夜、その何者かが次の動きを見せるらしいこともわかりました。
果たしてその夜、コタロウは夢遊病者のように廃墟の方へ。
幻覚に踊らされるまま、コタロウが一見わけのわからないことをしています。
様子を見張っていた宙たちですが、尾行はとうにバレており全員捕まってしまいます。
事件を起こしていたのは、オウリアモンという花のデジモンでした。
コタロウに「印」をつけて幻覚を見せ風呂に入らないように仕向け、
体臭が強くなったところで食べようとしていたのです。
が、オウリアモンのことを思い出したジンバーアンゴラモンが一計を案じて
皆を拘束から解放。さらに瑠璃の機転でスプレー缶の匂いをばら撒き、
そこをソルブローの最大出力で引火させてオウリアモンをダウンへ追い込みます。
話を聞くと、オウリアモンは臭いものが大好きなだけだと発覚。
それならば人間を食おうとせずとも道はあると、宙たちは彼女を促します。
その後、なんとオウリアモンは臭いものを食べまくるVtuberに転身していると判明。
世の中には色々な趣味嗜好があるものだと、瑠璃たちは苦笑するのでした。
★全体印象
46話です。今回のテーマは「人喰い」ってことになるでしょうか。
今回の事件を起こしたのはオウリアモン。
前回に続き、アニメが初登場となる新デジモンです。こりゃ予想つかんわ……
新種で話を引っ張るのは良いことだとは思うんですけどね。
筋立てはシンプルめで特に大きな問題もないのですが、
ガン首揃えてとっ捕まってる絵面がいささか間抜けではありました。
その後割にあっさり解放されてるので尚更。
宙たちはともかくパートナー達は割に簡単に脱出できたのでは?
となってしまいます。まあ、あの状況なんでヘタに動けなかったのも確かですが。
脚本は山口宏さん。
演出の中村明博さんは登板五回目ですが、演出関連を一人でやるのは
実は4話以来だったりします。そういえば4話はハロウィン回でしたっけね。
今年もそろそろハロウィンの季節ですが、パンプモンたちは再登場するのでしょうか?
★キャラなど個別印象
・宙組
今回もそんなには描写されてませんが、事件を追う役としては活躍しています。
特に宙がスプレー缶のガスを利用してソルブローの威力を増大させたあたりは
勝負の決め手になるほどのインパクトがあったと言えますね。
オウリアモンは完全体ですが火には弱そうだし、相性が良かったのでしょう。
・瑠璃組
中盤で瑠璃がオウリアモンの弱点を看破し、後半ではスプレー缶を見つけて投げつけ
その香りで大幅に弱らせるというファインプレーを遂げていました。
捕まっていた際にはジンバーアンゴラモンがより良い調理法を教えると偽って
オウリアモン相手に隙を作り、その間に皆を解放する活躍を見せています。
反撃のチャンスを二度も作ったわけなので、貢献度は最も高いかもしれません。
・清司郎組
今回はあまり目立ってないですね。
戦闘においてもテスラジェリーモンがスプレー缶投げるぐらいしかしてないし、
ファンには物足りない回かもしれません。
・コタロウ
前回に続いての被害者枠。
実はなかなかのキレイ好き男子であるとわかった回でもあるのですが上記の通り、
二週間も風呂に入れなかったので凄いことになってました。
この年頃だと代謝が高いから雑菌も増えやすいんですかね……
食われかけた上にそんな目に遭ったわけですから、被害者の側面は非常に強いです。
プールの水着女子を目の保養にしようなどと通ったせいではあるのですけど、
まさかそんなところにオウリアモンみたいなのが潜んでるとは思わないでしょうし
さすがにそれだけで彼を責めるのは気の毒というものでしょう。
事件の後はすっかり元気を取り戻し、宙をプールに誘っていました。
二週間の垢を落とした時には、さぞ気持ちが晴れ晴れとしたことでしょう。
・オウリアモン
完全体の食虫植物型デジモン。
設定ではまさしく食虫植物のように香気でデジモン、特に昆虫型を引き寄せ、
その大きな花弁で捕食してしまうデジモンです。
最近はいろんな植物型が増えてきて嬉しい限りですね。
上記から転じたのか、グルメの女王を名乗る美食家という設定になっています。
自分で料理を作って、訪れるものに振る舞うこともあるようです。
宙の父・北斗とはその縁で知り合いました。
ただその嗜好はかなり尖っており、強い臭いを放つものを特に好みます。
北斗から人間も放っておくと強い臭いを発するようになってしまうと聞き、
デジタルワールドに来たのを機会に人間を食べたらどんな風味なのだろうと
一種の好奇心からたまたま潜伏先を訪れたコタロウを狙いました。
彼女の舌から「印」を植え付けられると、水に近づくたびに幻覚が見え
植物に襲われるかのようなリアルな恐怖を味わうようになってしまいます。
このせいで、コタロウは一切風呂に入ることができなくなりました。
水を飲んだりや食事は問題なかったので、基本的には水の面積か
体を清めようとする行為、またはその両方が幻覚を誘発しやすいのかも。
その後、コタロウの体臭がキツくなった頃を見計らって幻覚で誘い出し、
念入りに下準備させた上でいよいよ実食しようと試みます。
この時、捕まえた宙たちにも「印」を植え付けていました。
が、ジンバーアンゴラモンの挑発に乗って彼を解放し、皆の「印」を解除。
その瞬間に隙を作られ、宙たちを解放された上擬似デジタルフィールドによって
コタロウをも隔離されるという大逆転を喰らいます。
「印」を解除させられたのは、デジモンの影響を受けている人間は擬似DFでも
隔離できないから先に解除させておく必要があったってことでしょうね。
「晩餐」を台無しにされて怒り狂い、宙たちを八つ裂きにしようとするのですが
瑠璃たちにスプレー缶を投げつけられ、その中のガスの香りに悶絶。
さらにガスの引火力を利用され、最大火力のソルブローで大ダメージを受けます。
完全体レベルで一度は宙たちを全員捕まえるなど実力はあるのですが、
弱点がハッキリしていたため格下である成熟期に敗れる結果となりました。
白旗を上げたところで、臭いの強い食材なら他にいろいろあると聞き
人間を食べるのはやめてシュールストレミングやくさやなど、
臭いの強い食材を食べまくるVtuberとしてデビューするまさかの顛末を迎えます。
あれらの臭いは人間をちょっと熟成?したぐらいでは到底及ばないものなので、
もうリスクを冒してまで人間を食べようとは思わないでしょう。たぶん。
中の人は池澤春菜さん。デジモン初出演です。
少年役も得意で、「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」では主役の片方に抜擢されました。
「獣装機攻ダンクーガノヴァ」の飛鷹葵や「ケロロ軍曹」の西澤桃華などなど、
可愛いけど癖の強いところのあるヒロイン役を演じることが多い方です。
そういう意味ではオウリアモンにピッタリかもしれません。
★名(迷)セリフ
「モテモテ男子の条件! 常に清潔サッパリと!」(コタロウ)
宙と大浴場に向かう際に。
動機は不順ですが、彼が身だしなみに気を遣っていることはよく伝わってきます。
最終的にまた清潔サッパリ男子に戻ったようで何より。
「やっと思い出した。
オウリアモン…デジタルワールドの辺境に住むデジモンか。
それじゃあ、料理の何たるかを知らなくても無理はない」(ジンバーアンゴラモン)
コタロウを食おうとするオウリアモンに。
オウリアモンがグルメ通としての高いプライドを持っていると見抜き、
これを利用した心理戦です。ただでさえ強気が前に出るこの形態とあって、
挑発的な言動と口調がとても映えています。
「もういいわ…煮るなり焼くなり、好きになさい!」(オウリアモン)
ソルブロー+引火のダメージで膝を突いて。
悪としてはまったく強さが足りない、追い詰められると弱気になる輩だとわかります。
こういうタイプは一度折ったら、そう簡単に悪事へは走らないものです。
サラマンダモンあたりもこの類ですね。
「あら、なんで知ってるの?」(オウリアモン)
料理を振る舞った相手が北斗パパではないかと訊く宙に。
ちょっとお茶目というか素が出てる物言いで妙に印象に残りました。
「蓼食う草も好き好きなれど、イカモノ食いも、時にまた良し」(アンゴラモン)
Vtuber「オウリ女王」として臭いものを堪能しまくっているオウリアモンを見て。
今回のアンゴラポエムです。「まあ本人が満足してるならいいんじゃない?」ってところ。
途中までとオチの落差が結構スゴい。
★次回予告
どうやら次のメインはシェイドラモンみたいです。
新デジモンではないけど、またずいぶん渋いチョイスできましたね……
消滅しかけたところを、ゲストの体を乗っ取って生き延びようとする流れ?