さまよえる愛
脚本:小林キリコ 演出:髙戸谷一歩
作画監督:川村敦子、酒井夏海/杜明芮/KANENOBU/天界/Mooseky/Kamon
総作画監督:小島隆寛 作画監督補佐:楢崎朝子
★あらすじ
レーナやマコト達と買い出し中のトモロウは、久しぶりにヒトミと顔を合わせます。
ところがヒトミの様子はどこかおかしく、彼に急接近するような素振りを見せながら
急に我へ返ったようになって帰ってしまいました。
その直後、今度はトモロウがおかしくなります。
ゲッコーモンに対して異常な愛情を見せるようになり、咎めようとしたレーナや
仲裁しようとしたマコトもパートナーへ異様な態度を見せるように。
あげくの果てにはキョウまでが奇行をはじめる有様。
どうやら彼らの腕の妙な包帯が原因のようなのですが、どうしても外れません。
途方に暮れたゲッコーモン達は吉村の助けも借り、トモロウ達を拘束して
マキの所に相談に行きました。結果、事件の裏で文字通り糸を引いているのは
かつて賞金首になるも姿をくらましていたゴースモンかもしれないとわかります。
果たして、犯人はそのゴースモンが進化したマミーモンでした。
彼は愛のe-パルスを好み、自らの一部である包帯を用いて人の愛情を異常増幅させ
そのe-パルスを吸って進化し続けていたのです。
背景にはサポ主に捨てられ、愛に飢えるようになったという経緯がありました。
完全体相手の打開は至難と思われましたが、ありのままのトモロウが良いと
ゲッコーモンは彼に頭突きを決め、トモロウを正気に戻すことに成功。
他の面々も同じやり方で正気に戻り、いざ反撃……と思われましたが
過ちに気づいたマミーモンは自ら幼年期へ退化し、事件は終わりました。
ふたたび日常へ戻ってゆくも、少しだけまた絆を強めた皆。
しかし、キョウのセンスがズレていたのは包帯のせいじゃなかったようです……
★全体印象
27話です。いわゆる奏章編のラストエピソード。
結論から書くととして、思いっ切りギャグに振った内容でした。
でありつつ、異常な行動に走るトモロウ達にドン引きするパートナー達など
ホラーも入った笑いの取り方が選択されています。
そんな中、マミーモンの行動の裏事情は本作らしいダークさ。
可愛さ余って憎さ百倍、ではなくただひたすら愛情を求めて彷徨ううちに
ああした常套手段を取るようになったと思うと、彼が加害者でありつつ
被害者でもあることが強調され、悪印象を上書きする仕掛けになっていました。
その後戦うこともなく改心するあたり、「ゴーストゲーム」っぽいノリです。
本作が様々なアプローチをできるという良いテストケースかもしれません。
単独でなく人間を絡めるとやはり深みを出しやすいですね。
脚本は小林キリコさん。
見ない名前だと思ったら今回が脚本家デビューだったみたいです。
幕間エピならではの抜擢ですね。作画スタッフも他の回とちょっと違うし。
★キャラなど個別印象
・トモロウ
異常ににこやかになってゲッコーモンに卵料理を振る舞いまくっていました。
包帯の影響を受けていたときの彼らの行動には抱える背景が関連している……
という説が流れておりますが、その説に則るのならば彼の行動はやはり、
兄との思い出に依るところが大きそうですね。
ゆで卵や目玉焼きばっかり出してたのは、作れるのがそれぐらいだからでしょう。
何か別の食材をメインにした料理を開発するなどの発展性がみられないあたり、
思考能力がかなり奪われていることもわかると思います。
そこらへんまでがマミーモンの能力の限界ってやつなのかもしれません。
正気に戻ったあとは戦う気まんまんでしたが、向こうが戦意喪失したので
成熟期進化だけに終わりました。相手が完全体だからもしや……と思いましたが、
こういうお話で完全体進化をホイホイ出すのもどうかと思うから仕方ないですね。
・ゲッコーモン
食いしん坊なので最初は気前のいいトモロウに喜んでいましたが、
やがて異常に気づいてドン引きするようになってゆきます。
あれぐらい彼なら平らげられるでしょうが、もはや食い物の問題じゃないわけで。
後半ではマミーモン相手に打開策が見えない中、本来のトモロウがいいと訴えて
頭突きをかまし、彼を正気に戻すことに成功しています。
苦し紛れの行動だったかもですが、これが正解だったんですね。
まあ、二人の間にしっかり芯の通ったものがあったから起きたことでしょうけど。
初期の彼らだったらもっと苦労したんじゃないでしょうか。
終盤アルマリザモンへ進化はしたものの、上記の通りの顛末で戦闘へは至らず。
結局奏章編農地、メインキャラにある程度マトモなバトルがあったのは25話だけ、
という結果に終わったわけですね。次回以降に向けてのタメですな。
・レーナ
プリスティモンにやたら高価なものを買い与え続けていました。
しまいにはマキに借金までしようとして、当のプリスティモンに止められてます。
あのケチで守銭奴を演じてる彼女がこんなことになるとは恐ろしい。
その裏にあるのは「反動」ではないかという分析を見かけます。多分そうなんでしょう。
本当はもっと相方の望みを叶えてあげたいのに、その気持ちを抑え込んで生きているのなら
自制心がなくなったとき、一気に弾けても不思議じゃありません。
それでなくたって、色々なものを飲み込んで生きてきた半生でしょう。
加えて彼女、16話で描かれた通りの境遇なんでそれが影響している可能性もあるんですね。
きっと、蒸発した両親からはロクなものを買い与えてもらってなかったんでしょう。
欲しいものは自分で手にいれる、という生き方にたどり着いたけれど、本当ならばそれは
あんな幼い頃から至っていいような生き方ではなかったはずです。
今でさえ、まだ庇護されていてもおかしくない年齢だというのに。
後日談の場面では、ティーセットだけ返品せず手元に残しています。
思い切って買ったことにして、相棒を喜ばせてあげたくなったのですね。
奇妙な形でしたが、ほんの少しだけ気が晴れてそうです。
・プリスティモン
食事はしないものの、紅茶の香りが大好きな彼女。
ティーセットの高価さに引きまくりなレーナに対しては、だいぶ不満げでした。
香りしか堪能できないからこそ、違いがわかるのでしょう。
とはいえ、レーナのそういうところも理解はしているはずなのです。
彼女が単なるケチだけで、そういう考え方をしてるわけではないということも。
そのぶん、件のティーセットを買ってくれたときにはことのほか喜んだわけですが
だからこそ、自制心がなくなったレーナには強い危惧を抱いたのです。
時に自分とぶつかることがあっても、 ファミリーの生活の維持を第一義に考え
本当はいろいろ我慢しているレーナのことをよく知っているからですね。
バトルでは先陣を切って果敢にマミーモンへ挑みましたが、さすがに歯が立ってません。
ゲッコーモンの行動を見て同じ手でレーナを正気へと戻したものの、上の通りの顛末で
今回は進化さえしませんでした。というか進化したのはゲッコーモンだけです。
・マコト
ただただひたすらキロプモンを愛でていました。
喧嘩するほど仲がいい、を真に受け、自分を攻撃させようとまでしています。
キロプモンが本気でやるはずもないので、ただ可愛いだけでしたが。
もちろんホラー気味な可愛さですけど。
行動の裏にあるのはやっぱり「孤独」でしょうか。
キロプモンを友と認めるにしても、たった一人で恵まれた環境を捨てた決意の陰には
相当の覚悟があったと考えるのが普通です。
すべてを引き換えにしてでもキロプモンを守りたかった、ってことですから。
でもこれ逆に言うと、彼にとって当時の生活はキロプモンと天秤にかけられるほど
価値のあるものではなかった、という推測も成り立ってしまうんですね。
キロプモンが生まれる前から、彼はやはり孤独だったのかもしれません。
ハルコの印象通りなら、それを周囲には悟られないようにしてた可能性はありますが。
そんな彼にリミッターがなくなれば、ああなるのは当然だったのかもしれません。
ある意味において、メンバーの中でダントツに重い感情かもしれない。
そんな重さがさらに増幅されれば、それはそれはズッシリしたものになるでしょうね。
いずれそのうち、彼が出奔したときの経緯が明かされるのかもしれません。
描写次第では、この回で描かれたものの重みがさらに増えそうです。
・キロプモン
マコトの過剰な愛情を前に、完全にビビり倒していました。
愛されているという自覚は一番持っていそうな彼ですが、そんな彼にとっても
マコトの奇行は毒にしかなっていないわけです。まさに過ぎたるは及ばざるがごとし。
これでも4組の中ではマシな方なのがまた怖い。
バトルでは、クーガモンのラースロアに合わせて技を放っていました。
成熟期レベルなら充分に効いたでしょうが、相手が悪かったので一切通用してません。
ましてトモロウたちのe-パルスで強化されていては無理もないでしょう。
ラストシーンでは、マコトのそばに寝転んで平和を堪能していました。
無闇に与えたりしなくても、ただ一緒にいられるだけでこの二人は充分幸せなのでしょう。
・キョウ
クーガモンの抜け毛で人形を作るという、誰しもの予想を上回る奇行に走っていました。
その物言いからクーガモンの毛並みを相当に気に入っていることがわかるので、
それが包帯の影響で大暴走してしまったのでしょう。
黄金のキョウと呼ばれた彼も、今回ばかりはカタナシです。
でもなんかこう、誤魔化されたような気もしますね。
この行動からは、クーガモンが大好きということしか伝わってきません。その裏が見えない。
トモロウはもちろん、すでに過去がある程度示されているレーナやマコトに比べても
推測できる材料が見当たらないのです。あるいは意図的に隠されている。
というか絶対、まだファミリーにも話してないことがありますよね。
あのカイトのように、ただひたすら怒りのまま暴れるだけだった彼に何が起こり、
今の穏やかな彼が出来上がったのか……
要するに今開示するわけにはいかない、ってことなんでしょうけど。果たして。
ところで何でもできそうな男でしたけど、どうやら美術センスはズレていたようです。
アレを「結構可愛い」と感じるとは……ファミリーが皆微妙な顔をしてますよ。
・クーガモン
キョウのことは何でも理解してそうな彼でしたが、毛糸人形には恐怖しています。
しかしこれは無理もありません。キョウが抱いていた「お気に入り」の感情が、
あの包帯によって無理やり極大化されているも同然の状態だったのですから。
アレをもって隠れた一面、と呼ぶのは無理があるでしょう。
バトルでは完全体になれないこともあって、苦戦を免れない状態。
それでも攻撃を受けそうになったゲッコーモンをうまくフォローしてのけたり、
他より高レベルなところは見せてくれていました。
ラストシーン、キョウが見せた人形には誰よりも渋い顔をしています。
まあ自分の毛で呪物が作られていると考えれば、あんな顔にもなるでしょうが。
・吉村
前回に続いての登場ですが、えらいところに出くわしてしまいました。
トモロウ達が疲弊したところでふん縛るのを手伝ったうえに、たぶん車まで出して
伽藍堂まで連れて行ったのでしょうから、頭が下がりもします。
迷惑手当でも貰わんとやってられんでしょう。
一番貰いたい相手にはもう支払い能力がないわけですが。
・マキ
危うくレーナにとんでもねえ貸しを作らされるところだった人。
プリスティモンがギリギリ止めてくれたのは不幸中の幸いでした。
伽藍堂の場面ではマミーモンの話を聞いて、手配書リストに名前がなく
アンデッド型であることから「身を隠していたゴースモンが進化した姿では」
とすぐに当たりをつけていました。このあたりはさすがというべきところ。
こういう面が凄腕の情報屋、と呼ばれる所以なのでしょう。
・ヒトミ
本編で最初に登場する人物。
マミーモンの包帯の影響を受け、トモロウに猛アタックを仕掛けるのですが
途中で包帯がトモロウへ移ったためにあっさり正気に戻り、帰ってしまいました。
出番はそこで終わりです。
予告でそこそこ目立ってたから彼女にスポットが? と予想したのですが、
ものの見事に外れました。一般人代表を脱する予定はなさそうです。
一般人代表なんだから一般人やめちゃったら困る? それはそう。
でもすでに指摘している人もいる通り、トモロウへの感情が強くなければ
あのような状態にはならなかったかもしれません。
でもそれはゼロじゃないというだけの、恩人へと向けた感情。
それが無理やり好意へと増幅されたことで、ああなってしまったんでしょう。
おまけにそれは、包帯の影響がなくなれば消えてしまうほど儚い仮初。
ある意味、マミーモンがズレていることを最初から示していたとも言えます。
・マミーモン
「ゴーストゲーム」に続いての出演となるアンデッド型の完全体デジモン。
マキの推測通り、3年前に姿をくらまして以来行方不明だったゴースモンが
長い期間をかけて進化した姿です。成熟期のときはどんな姿だったのでしょう。
元々はとある女性のもとで生まれ、以来しばらく一緒にいたのですが
男ができた彼女にあっさりと捨てられ、それから歪んでしまったようです。
賞金がかけられていますが、失踪する前に何かやらかしたという確証はありません。
野良には何もしてなくても須く賞金がかけられる可能性もあるし。
決定的だったのは、サポ主の女の「彼のためなら何でもしてあげたい、彼を愛してるから」
という言葉。これによって「尽くすことこそが愛」「そのための手段を選ぶべきではない」
と思い込んでしまったのかもしれません。
あるいはそう思わなければ、好きだったはずのパートナーに捨てられたという事実に
心が押しつぶされてしまいそうだったのでしょう。
それからでしょうか、彼はe-パルスの中でも「愛情」を特に好んで吸うようになります。
包帯を伸ばして自在に操るのはもともとの能力ですが、これを応用することによって
巻き付かせた人間の感情を暴走させ、愛情が極大化するよう操る能力を身につけました。
こうなった人間は頭に強い衝撃を与えない限り、簡単に元へ戻ることはありません。
サポ主から受けていた愛情が忘れられなかったのですね。たとえ簡単に捨てられるものでも。
とはいえトモロウのe-パルスを知ってヒトミからそちらに乗り換えていたりもするので、
普通によりエネルギーが強い方を好む傾向もあるみたいですが。
戦闘力も完全体だけあって高く、しかもトモロウ達のe-パルスで強化されているため
進化さえできないゲッコーモン達では手が出ないほどの実力があります。
ラースロアとパラライズエコーの同時攻撃もあっさりと弾いていました。
しかし「元のトモロウがいい」とゲッコーモンが頭突きでパートナーを元に戻し、
他の面々も次々と相棒を正気に戻したのを見て「愛は尽くせばいいというものではない」
と遅ればせながら気づき、改心して幼年期モクモンに退化しました。
自らの意志でこれまでに得たものを放棄した、とも取れますね。
長い期間をかけて進化したと書きましたが、その間目立った事件は起こしていません。
なんらかの手段で愛情のe-パルスを吸い続けてはいても、常に陰からコッソリとやり
対象がコールドハートへ陥るほどの影響を及ぼしたこともなかったんでしょう。
犯罪者としては凶悪さこそ薄いものの非常に用心深いタイプだった、と見ます。
トモロウのe-パルスに惹かれて欲を出したことが発覚に繋がったんですね。
マミーモンといえば、初登場作である「02」での報われぬ恋が印象的です。
あちらの彼はその愛情に身を焦がしたあげく、破滅へと突っ走ってしまいました。
けれど、こちらでは「本当の愛とは何か」を考える機会を得ることができています。
いつかは真っ当にやり直すときが来るかもしれませんね。
中の人は山崎たくみさん。
「機動武闘伝Gガンダム」のジョルジュ・ド・サンドや「機動新世紀ガンダムX」の
ロアビィ・ロイといった優男も得意としますが、ギャグキャラも自在にこなします。
最近ですと「鬼滅の刃」の鎹鴉(かすがいがらす)役が有名ですね。
本作の演技はギャグ寄りですが、同時に悲哀を感じさせる難しい役どころと言えます。
ゴースモンの頃は中の人が異なり、後藤恵里菜さんが演じておりました。
「ゴーストゲーム」にもゲストで出演しています。
ウィッチモンの影響で魔女になってしまったあの子ですね。はからずも帽子繋がり。
★名(迷)セリフ
「オレのビートに従う、か……
トモロウ君、今ごろ何してるんだろう……?」(ヒトミ)
学校の屋上でぼんやりと遠くを見つめながら。遠景のシャングリラエッグが示唆的。
後から見返すと、直後のマミーモンの言葉のトンチンカンぶりがわかりますね。
人間のe-パルスの流れは読めてそうでも、関心と愛情の区別がイマイチついていない。
「あなたさまは、彼を愛している!」(マミーモン)
街角でヒトミに。わざわざ2回繰り返します。
ここで的確にその対象が誰か示すあたりは地味にやばい調査能力なんですけど、
「そういうことにして獲物にする」というほど悪辣じゃないんですよね、コイツ。
困ったことに。
「なんと、無料ですよぉ」(マミーモン)
サブタイ表示直前。妙に印象的です。
「30000クレジット!? 高っか! カップなんて飲めれば一緒じゃん!」(レーナ)
ティーセットの価格に思わず全身でドン引きして。パートナーは大いに不満そうです。
でも本来の彼女の嗜好を思うと、そうした欲を抑え込んでるんでしょうね。
それが今回のことで一気に噴出してしまった状態でもあったわけです。
結局このティーセットだけ残ったのは、そんなせめぎ合いの中での
「ま、いっか」という落とし所がコレだった、ってところでしょう。
「ボクたちは、ケンカしなくても仲がいいけどね」(マコト)
言い合いをしているレーナとプリスティモンを見て興味深げなキロプモンに。
こんなことを言ってますが、いわゆる「ケンカするほど仲がいい」には
彼自身ちょっと憧れていたっぽいことが後でわかります。
「……オレと?」(トモロウ)
二人きりになりたい、というヒトミに。盛大に戸惑っています。
ヒトミのマミーモンへの「そういうんじゃないですから」というセリフといい、
この二人がほぼ完全に脈なしなことが強調されてました。
「お構いなく〜」(レーナ)
トモロウについて行こうとするゲッコーモンに当て身を食らわせて。当て身?
もちろん二人の邪魔をさせないためですが、あまりに容赦なくて笑いました。
「えー……??」(マコト)
トモロウたちを出歯亀する気まんまんなレーナに。良いリアクションです。
「アイツ……この流れでしくったの……?」(レーナ)
ヒトミが突然帰ってしまったのを受けて。何もかもがカン違いです。
しかし、このときすでにトモロウにも異変が……
「あなたたちは幸せですね……」(マミーモン)
高所からプリスティモンとキロプモンの様子を見て。
たぶん心の底から出たセリフでしょう。
「あ、マキさん? ちょっとお金かしt」(レーナ)
「ダメェーーーー!」(プリスティモン)
マキに借金しようとしたレーナと、慌てて止める有能なパートナーの図。
後で青くなって慌てて返品するレーナの姿が目に浮かびます。
本当に、いや本当に借金までしなくてよかった。
「キロプモン……ボクだけを見てってば……」(マコト)
トモロウから逃げるゲッコーモンを見ていたキロプモンに。
キロプモンはこの言葉を聞いて恐怖にかられていました。
包帯のせいで、ただでも重めな感情が100倍ぐらいになっています。
「毛ざわりが……最高なんだぁ!」(キョウ)
クーガモンの抜け毛で呪物みたいな人形を作ったあげく、
本人の毛ざわりを堪能しようとして。もちろん正気ではありません。
すでにこの時点でクーガモンは完全にドン引きしていました。
「吸うなぁ! やめろぉ! やめてくれぇー!
やめろッ! ……助けてくれェ!」(クーガモン)
キョウの包帯を外そうとするも全く効果がなく、逆にキョウに吸われて。
こんなに必死な彼は初めて見たかもしれません。
逃げる直前の表情は、とても相方に対するものではありませんでした。
「ヤッホー! 遊びに来ちゃ……
……何これ????」(吉村)
ホームを訪れて。さもありなん。
タイミングが良いのか悪いのか……
「私だって彼のためなら、なんでもしてあげたいの……
彼のこと、愛してるから……!」(ゴースモンのサポ主)
回想にて、ゴースモンをあっさりと見捨ててのセリフ。
元は仲が良かったようなのですが、彼女は変わってしまったみたいです。
それとも「彼」が変えたのか。真相は定かじゃありません。
「オレっちは、いつものトモロウが好きだってナ!
楽しいことも、イヤなことも、ベーコンも……トモロウと半分こしたいんだってナ!
だから、元に戻るってナ!」(ゲッコーモン)
愛されるのは素晴らしいこと、と言い切るマミーモンに。
パンダモンから得た「半分こ」という考えも加味した仕上がりです。
敢えてああしたんでしょうけど、24話のアレもこの半分こをうまく使えば
より本作独自の文脈を出せた可能性はありますね。
「トモロウは……そんなんじゃないんだって……ナ!」(ゲッコーモン)
愛情に溢れすぎているトモロウに。セリフの最後で頭突きを食らわせています。
このとき、わざわざ舌を使って勢いを増しているのがポイント。痛そうです。
「お前、きたないんだよ……」(トモロウ)
正気に戻り、喜びのあまり鼻水でベチャベチャなゲッコーモンを見て。
「しょうがないヤツだなぁ」と、ぶっきら棒ながらも愛情が感じられるセリフ。
「お前はそのままでいい。だが、吸うのはたまににしてくれ」(クーガモン)
正気に戻ったキョウに。どうも彼、吸われるのはあんまり好きじゃなさそうです。
キョウとしては面目しだいもなく、曖昧に笑うしかありませんでした。
「尽くすことが、愛じゃないんですか……
なんで、こんなところで気づかなきゃいけないんですか……
私だって、あの人の横にいたかった…… 私だって……」(マミーモン)
正気に戻ったトモロウたちを見て、戦意喪失してのセリフ。
愛とは与えるもの。しかしそれが全てではなく、また一方的なものでもなく、
時に反発しながらも互いが互いを思いやってこそ、だと気づいてしまったのですね。
かつての自分たちにはそれができていなかった、ということも。
簡単に言えば、トモロウ達のことを「羨ましい」と思ってしまったわけです。
そして彼は、失った愛や羨望を憎しみに変えることだけはしなかった。
だからキョウも、希望を教えてあげたくなったんでしょう。
「なあ、みんな。よかったらコレ、もらってくれないか。
結構かわいいと思うんだが……」(キョウ)
ラストシーン、自分で作った人形を見せて。
明らかに持て余しての提案ですが、本人的にはそれなりに気に入ってる模様。
全員からの答えはもちろんノーでした。クーガモンの表情に注目です。
★次回予告
いよいよ「GIFT編」のスタートです。いきなりの象徴的なサブタイ。
ギフトとは生まれ持った才能のことも指しますが、ここでは贈り物の意味、
でしょうか。この言葉が秘めるさまざまな意味を表現してゆくのかな?
あんまりいい意味じゃなさそうだけど……