罪の味
脚本:赤星政尚 演出:嶋谷将
作画監督:中野彰子/宇代祐規/渠逸辰/劉文慧/袁跃維
総作画監督:金久保典江
★あらすじ
ニリンソウの前に行き倒れていた男を介抱したキョウとクーガモン。
e-パルスでボムモンを進化させたことから、キョウはその男の素性に気づきました。
あの曽根ハルオミが生きていたのです。彼はコロシアム落ちするもライトに敗れ、
コールドハートされそうになるも寸前で逃げ出していたのでした。
コロシアムにいた頃、彼が組まされていたのがエリザモンでした。
ハルオミは彼女?に助けられて難を逃れ、以来行動を共にしていたのです。
エリザモンは何者かにサポ主を殺害されており、その仇を討つ決意を固めていました。
ハルオミもそれに付き合うと約束し、今やエリザモンからベタ惚れされる日々。
が、本来のサポ主であるコマンドラモンは納得がいきません。
喧嘩沙汰になりかけたところでキョウの仲裁が入り、さらにゲッコーモンの提案で
どちらがハルオミの好みに合うか料理対決をすることになりました。
結果ハルオミはエリザモンを選び、何も言わずに二人で姿を消してしまいます。
不審に思うトモロウ達へ、事情に気づいたコマンドラモンが全てを話しました。
実はハルオミはタクティクス時代、エリザモンのサポ主を手にかけていたのです。
エリザモンが出してきた料理がまさにそのサポ主の得意料理である
ピンクペッパーが決め手のピンクカレーだったことから符合を得たのでした。
コマンドラモンの予想通り、ハルオミはエリザモンを故意に攻撃。
仇が自分だと明かして殺意を向けさせ、自分を殺させようとしていました。
ライト達に捕まった時と同じく、自分だけ悪者になろうとしていたのです。
それを身を挺して止めたのは、コマンドラモンでした。
彼とキョウの説得で、ハルオミは命を取らせることを思いとどまります。
すでにハルオミを好きになっていたエルザモンも復讐心を捨て、
三人はあの光が浜でピンクカレーパン屋を始めることとなったのでした。
でもお店は繁盛したものの、パートナー達は相変わらず喧嘩ばかり。
自由を得た後も、やっぱり苦労の絶えないハルオミでありました。
★全体印象
26話です。
18話で初登場するも、今まで行方不明となっていたハルオミが再登場するお話。
ニリンソウの近くで行き倒れていたのはお話の都合以外で解釈するなら、
何かの縁ってヤツかも知れません。結果的に良縁となりましたが。
今回は、そのハルオミがタクティクス時代にやったことが跳ね返ってきます。
彼にとって不幸だったのは、エリザモンの仇が自分だと気づいてしまったこと。
もし気づかなければ、罪の意識に押しつぶされかけることもなかったでしょう。
彼が本来殺しに平気でいられる人間じゃないことは、パートナーからも明らかです。
でも一緒に過ごしてきた時間や、自ら仇を討たれようと首を差し出したことから
エリザモンはサポ主と同じかそれ以上にハルオミを好きな自分を再確認し、
コマンドラモンの体を張った説得もあって思いとどまることができました。
皮肉かもしれませんが、この事実が二人、いや三人の絆を強くしたのですね。
ハルオミが何を考えているか見抜き、捜索へ出るトモロウ達の行動も早い。
なにしろハルオミが「そういうヤツ」だということは、もはや疑うまでもなく
みんな知っていることですからね。前回の下地がきいてます。
ゲストが主役でメインも一切進化せずと、確かに幕間的なお話ではありました。
でもマイルドな前半と、シリアスなスパイスの効いた後半とがコントラストを作る
まさにカレーのような仕上がりのお話だったと思います。ハイ。
脚本は赤星政尚さん。当然のように18話と同じ方であり、5・6話の人でもあります。
久々の笹竹親分とパンダモン共々、デジモン持ち担当ゲストの集大成的エピでした。
こうなるとEDには再登場してるハルコの現状も見たくなりますねぇ。
演出の嶋谷将さんは10話以来の登板。
派手なバトルはない回ながらも、緊張感のある画面作りをこなしています。
★キャラなど個別印象
・トモロウ組
セリフはそれなりにありますが、基本的には見守る側です。
ゲッコーモンの言い間違いに対するトモロウのツッコミは、もはや芸人の域。
ゲッコーモンもコマンドラモンの様子がおかしいことに気づいて引き留め、
事情を聞くなど成長を窺わせる場面があります。
・レーナ組/マコト組
その場にいるだけで特筆すべきことはしてません。殊にマコト組は本当にいるだけ。
レーナのハルオミへの当たりは地味に一番強いです。
ちなみにアイキャッチ担当はレーナ組でした。
・キョウ組
そういえばこの二人ハルオミには面識なかったんだっけ、と今さら思い出すなど。
キョウの態度はそれもあり、終始にわたって一歩退いてた感じです。
その分、感情的にならずにハルオミやエリザモンを説得できたんでしょう。
過去にこだわるな、という言葉を誰より体現している男ですし。
・キノコ団のみなさん
ニリンソウの中で寝泊まりしていることが判明しました。だいぶ懐かれてます。
彼らとしても、廃墟とはいえ雨風を凌げてそれなり以上に広さもある
この場所がそれなりに気に入っているのかもしれません。
料理対決ではどこから持ってきたのか、マイクで実況を担当していました。
横断幕まで用意してノリノリです。暇なんだね、などと言ってはいけません。
・吉村
ちょっと久しぶりの出演。
ハルオミにアロハを返せとせっついていました。そんなこともありましたね。
後のシーンでハルオミの服装が変わってたので、ちゃんと返してもらえたようです。
ある意味今回いちばん胸を撫で下ろした人物かもしれません。
・ハルオミ
18話で初登場したコマンドラモンのサポ主。
以後は19話の回想に登場したぐらいで行方不明でしたが、健在が確認されました。
もう出て来ないんじゃないかと思ってたので正直ちょっと驚きましたね。
しかし、今度は18話とは別の苦難が彼を待っていました。
上記の通り、命の恩人のカタキがよりによって自分自身だったという因果です。
なんという皮肉な巡り合わせでしょうか。
エリザモンの出したピンクカレーを見た瞬間、彼は軽く絶望したのかもしれません。
逃げて逃げて、僥倖なことにやっと自由を手に入れて、追っ手の心配もなくなり
やっとこれからどうしようかなと考えられる段階まで漕ぎ着けられたというのに、
ここへ来て過去の業が牙を剥いてきたのですから。
全部胸の中にしまい、今まで通りに振る舞うこともできたでしょう。
コマンドラモンも早晩気づいたでしょうが、口止めすることもできたはず。
自分たちから言わない限り、エリザモンが気づくこともなかったと思います。
でも、彼はそれを良しとしませんでした。
自分のやってきたことに目と耳を塞いで、あれは命令だったんです自分は悪くない、
そう開き直れるような性格じゃないし、できればもう逃げたくないのでしょう。
より以上に、恩人であるエリザモンに対して誠実でありたいと考えたのですね。
もっとも、芝居までして露悪的に振る舞い敵意を煽ろうとしたのは悪い癖というか、
すぐに自分を投げ出そうとするところが出てしまっていたと思います。
そこまでしないとエリザモンに仇は自分と信じてもらえないと思ったのでしょうが。
もう少しこう何というか、やり方というか……
思いとどまった後は、恥を忍んでエリザモンと関係を修復しています。
この際、エリザモンが思ったよりずっと慕ってくれていたことを確認したことでしょう。
結果だけ見れば、後ろめたさのないより強い絆を結び直せたと言えるかもしれません。
ラストシーンでは光が浜で店を開くことになり、遍歴に一定の落着を得ます。
でも、正直まだ安心はできないんですよね……
今後の事件次第では光が浜自体が大変なことになる可能性だって捨てきれませんし、
ピンクカレーを目印にエリザモンのサポ主の家族が様子を探りに来る可能性も……
・コマンドラモン
今回最大の立役者。
パートナーだけあってエリザモンが「あの時のアイツ」だとハルオミの次に気がつき、
そのことをトモロウ達に伝えて皆を動かしました。
本当は一人で行こうとしていたんですが、ゲッコーモンに訊かれて答えた形。
こういう抱え込んでしまうところ、相方によく似てるかもしれません。
修羅場にたどり着いた後は射撃でエリザモンを食い止め、さらにハルオミの盾となって
エリザモンの一撃を喰らい、その怒りと悲しみを受け止めます。
このときは死ぬんじゃないかとヒヤヒヤしましたが、軽い負傷ではないものの
命に関わるようなものではなく、動ける程度の被害で済んでいます。
でも、ハルオミがエリザモンのこの一撃を受けたら死んでいた可能性が大。
一心同体を常日頃より標榜している彼が受け役を肩代わりしたことによって、
エリザモンの激情を止めることができたと言えそうです。
18話でハルオミに守られた彼が、今度はハルオミを守る側になった構図ですね。
料理などはろくにしたことがなかったようですが、揚げパンを生地から丁寧に作り
ハルオミに絶賛されるあたり、料理の才能そのものはあった模様。
「できらぁ!」と言っておいて実際にちゃんとできたケースは意外に少ないです。
その才能は、店を開いたあとエリザモンと言い合いできるレベルに達してました。
ということは、ハルオミにもそういう才能があったってことなんでしょう。
・エリザモン
ハルオミと共に行動していた成長期デジモン。シリーズ初登場です。
サポ主を殺された後、いかなる経緯かコロシアムに確保されていたところを
ハルオミと組まされて戦う羽目に陥りました。
すぐに敗れてしまったのは組んで間もないし、相手が相手だから仕方ないでしょう。
でもたぶんそうなるまでの間に、ハルオミのことが大変気に入ったのでしょうね。
職員をぶちのめし、コールドハートされる寸前のハルオミを救出したのです。
ハルオミにとってはまさに「命の恩人」でした。
ハルオミへの思慕は共に行動した経緯や、仇討ちに付き合うと言ってくれたことから
非常に強くなっており、彼のことを「ダーリン」と呼ぶほどになっています。
パートナーというよりかは押しかけ女房といった風情。
きっと、サポ主と同じで気に入った相手には愛情が深い性格なのでしょう。
こうした流れから、ハルオミが自分こそ仇だと明かしても最初は戸惑っていました。
しかしそれが真実だと実感するに至り、激情のまま彼を傷つけそうになってしまいます。
それはハルオミの思惑通りだったのですが、コマンドラモンが止めました。
その後ハルオミの側を離れようとした裏には「仇の側になどもういられない」ではなく
「ハルオミを傷つけかけた自分はもう側にいられない」というニュアンスがあります。
つまり、彼が仇であるかどうかという事実をとっくに超えたところに自分の気持ちがある。
そのことに気づいて、だからこその行動なんでしょうね。
だからハルオミが側にいてくれないか、とぎこちなくも頼んできた際には、
皆までいうなとばかりに飛び付いていたりします。
仇かどうかなんて関係ない。過去はどうあれ、私は今のあなたが好きなんです……と。
許すとか許さないとか、そんな尺度では測れない気持ちなのでしょうね。
料理の腕についてはかなりのものがあり、得意のピンクカレーはサポ主の十八番。
生まれた時から知っていたのか、サポ主が自分で教えたのかはわかりませんが、
彼女にとって思い出深い料理であることは間違いないでしょう。
ハルオミにも知ってほしいと思うのは、むしろ自然な感情といえます。
まさか、彼に自分の罪を思い出さすことになるとは誰も予想できなかったでしょうが。
中の人は大空直美さん。
「アイドルマスター シンデレラガールズ」の緒方智絵里のような控えめな少女から、
「宇崎ちゃんは遊びたい!」の宇崎花といった騒々しい役どころまでをこなす方です。
デジモンシリーズではゲーム媒体のみの出演でしたが、今回でアニメデビュー。
声質もエリザモンによく合ってると思います。さすが東映、キャスティングが的確。
・エリザモンのサポ主
18話よりだいぶ以前、ハルオミがまだタクティクスを抜ける前に殺した男。
生業は不明。コマンドラモンは彼がデジモン持ちだと知らなかったっぽいので、
クリーナーというわけではなく犯罪者の頭目だったのかもしれません。
あんな雪山に警護付きで隠れ住んでるあたり、敵は多かったものと思われます。
ただエリザモンの言葉を信じるなら、まるっきりの悪人というわけでもなかった模様。
身内には優しかったし、子供たちにも慕われていたようでした。
対外的には極悪非道で通っており、相方のエリザモンをして「殺されても仕方ない」
と言わせるほどの悪行もやってたようですから、人物像は多層的です。
ですが少なくとも、エリザモンに仇討ちを決意させるぐらいには可愛がってたはず。
料理も得意なようで、エリザモンの料理の腕は彼から受け継がれたものでしょう。
得意のピンクカレーを子供たちに振る舞ったのは、セリフから察する限り
これが最初で最後だったみたいですが……
中の人は大槻丈一郎さん。以前レアモンを演ってらした方です。
活動時期は2022年からと新しめですが、その割には渋めの声質。
若干中田譲治さんっぽく聞こえるパートもあります。
・笹竹親分とパンダモン
6話以来の登場。ハルオミたちを快く迎え入れてくれたようです。
仁義さえ通せば誰でも受け入れる。光が浜の面目躍如ですね。
まあ確かにパンダモンみたいなのが普通にウロウロしているこの町であれば、
ハルオミ達が肩身の狭い思いをすることも少なく済むでしょう。
★名(迷)セリフ
「久しぶりだなぁ。元気してたか、コマンドラモン」(ハルオミ)
再会のセリフ。言葉で意思疎通できるのは成長期になってからみたいですね。
「やっと見つけたぞニイちゃん! そのアロハはオレのなんだぞ!」(吉村)
ハルオミの首根っこを引っ捕まえて。そういえば借りっぱなしでした。
むしろよく原型保っていたものです。
「フッ……おあいこだな」(ハルオミ)
詫びようとするトモロウに寸止めして。
彼自身はとっくに気にしていなかったんでしょうが、トモロウの気持ちを軽くするため
敢えてこういう返し方にしたのでしょう。
「ダーリンとは、もう一生離れられないカラダなの♡」(エリザモン)
誤解を招きまくるセリフ。
実際には、仇討ちの相手を探すという共通の目的ができたことを言っています。
もちろんそのカタキがダーリン本人とは夢にも思っていません。
「……そうか。付き合うよ。仇討ち」(ハルオミ)
サポ主の仇を探している、というエリザモンに。
何を考えていたかは描かれてませんが、コマンドラモンのことを考えていそうです。
アイツならオレが死んだときどうするだろうな、やっぱりコイツと同じことするのかな、とか。
「そこまでだ。ここでの争いごとは、許さない」(キョウ)
コマンドラモンとエリザモンを止めて。幼年期たちが縮み上がっていました。
ここで両方とも一旦矛を収めているのがポイントです。
エリザモンも「こいつは怒らせちゃまずい」と察知してたんでしょうか。
「だったら、お料理バトルで決めればいいんだってナ!」(ゲッコーモン)
突然の宣言。
料理番組に影響を受けたためですが、まさかの展開を招きました。
終わってみれば巡り巡って良い方向へつながったのですが。
「ダメだぞー」(トモロウ)
美味しそうな揚げパンにフラフラ寄ってゆこうとするゲッコーモンに。
この後ピンクカレーでもう一回、より強調して繰り返されます。
完全に手慣れておりますな。
「懐かしいなぁ。当たりだったんだ、給食に揚げパンが出ると」(ハルオミ)
回想シーンより。
彼が昔はきちんと学校に通っていたことがわかるセリフですが、
最近、というか未来の小学校でも揚げパンって供されるのでしょーか??
「……なんでもない」(ハルオミ)
ピンクカレーを見た後、たっぷりの回想シーンを経て。その心理はいかばかりか。
というか蓋が開く前、匂いの段階で「あれ?」と覚えのある風でした。
解説いわく一度嗅いだら忘れられない匂いとのことですし、覚えていたんですね。
「まさか……あの時の……!」(コマンドラモン)
エリザモンに突き飛ばされた瞬間、そのシルエットを見て。
遠目で見たあの雪の山荘にいたデジモンが彼女だと、記憶の一致を得たのです。
あの広げたエリと四つん這いがキーですね。
「どうした? なんか変だってナ」(ゲッコーモン)
ハルオミ達を探しに出ようとしたコマンドラモンを止めて。
これを受け、コマンドラモンは事情とハルオミの意図を話すことになります。
周りの様子に目を配れるようになったという意味で、成長を窺わせる場面ですね。
おそらく、ゲッコーモンの協力なしには間に合わなかったでしょう。
「まだわかんねぇのか? お前のサポ主を殺したのは……このオレだ!」(ハルオミ)
エリザモンをナイフで刺そうとして。もちろん芝居です。
精一杯の悪人顔でなかなか真に迫っていますね。闇と雷光がさらに強調してます。
「今ごろ、アイツ!
下手くそな芝居で、エリザモンが自分に殺意を向けるよう仕向けてるはずだ!」(コマンドラモン)
「自分を殺させるために……!」(トモロウ)
ハルオミを捜索しながら。完全にバレてるー!!
あまりにもバレバレすぎて、不謹慎ながらちょっと噴いてしまいましたよ。
「雨でもピンクカッパーの匂いは消せなかったんだってナ!」(ゲッコーモン)
「ピンクペッパーな」(トモロウ)
コマンドラモンと共にハルオミとエリザモンの間に割って入って。
流れるようなツッコミです。
「あの人の、カタキぃっ!」(エリザモン)
ハルオミの繰り出したナイフを弾いて。たぶんこれもおそらく芝居ですが。
この涙ながらの一言とともに繰り出したのは、滑空の勢いで尻尾の一撃を加える
「ヘリコプテイル」と呼ばれる技ですね。
しかしコマンドラモンが身を挺して受け止めたため、ハルオミには当たっていません。
また、負傷はさせたもののコマンドラモンも致命的ダメージは受けませんでした。
どうしても憎みきれずに、技の矛先が鈍った可能性もあります。
「この世界では、デジモンはひとりでは生きられない……
ハルオミのそばにいろ!」
「お前の仇討ちは、もう終わった……」(コマンドラモン)
ハルオミのもとを離れようとするエリザモンに。
結果はどうあれ、エリザモンの一撃は仇討ちの念を込めて放たれたものです。
ですがそれは、彼女を独りぼっちにしてしまう一撃でもありました。
コマンドラモンは代わりに自分が受けることで、復讐を間接的に遂げさせたのですね。
技を放った後のエリザモンの気持ちも理解した上で。
「わかんないのかよ! いつもいつもこんなやり方しやがって!
お前が死んだところで、誰も幸せにはならないだろ!」(トモロウ)
なぜオレなんかのために、と嘆くハルオミに。
以前の事件でやり切れない思いをした彼には、言う資格があります。
「いつまでも過去に囚われて生きる必要はない。
エリザモンの仇討ちが終わった今、曽根ハルオミって人間も……
もう死んだんだ」(キョウ)
過去の罪を悔い、のうのうと生きていていいはずがないと言うハルオミに。
おそらく昔は数多くのデジモンをデリートし、それを悔いるような出来事を経て
五行星を抜け独自にチームを立ち上げた彼ですから、重みがあります。
「イヤなわけないじゃないっ!」(エリザモン)
お前が嫌じゃなければ側にいてくれ、と言いかけたであろうハルオミに飛びついて。
あの一撃が未遂に終わった瞬間、彼女は安堵する自分を見つけたのかもしれません。
たとえ過去がどうあれ、ハルオミがどんな人間か知り、サポ主だからではなく
自分の意志で側にいたいと思えた人間を殺めてしまうところだった、と。
そして悟ったのでしょう。残るのは後悔だけだということに。
そのあとはもう言葉になっていません。
許すとか許さないじゃない、この人を失いたくない。もう独りになりたくない。
そんな想いが溢れ出している場面でした。
「あー、もう! ケンカすんじゃねぇ〜!」(ハルオミ)
ラストシーンのセリフ。
光が浜にて再出発となった三人ですが、毎日のようにこんな調子なんでしょう。
見るからにウンザリした表情ですが、なんかもう大丈夫そうだなとも思えました。
この町が、今のままであり続ける限りは。
★次回予告
「ゴーストゲーム」に続きマミーモンが登場。
そして久々にヒトミへスポットが当たるようです。しかもトモロウに急接近!?
いったいどういう展開になるのでしょう。これは気になります。