重なる鼓動

脚本:山口亮太 絵コンテ:小松由依 演出:都築悠一
作画監督:小松こずえ/洪範錫/近藤瑠衣/楢崎朝子
総作画監督:小島隆寛 作画監督補佐:仲條久美

★あらすじ

プロガノモンに不意を打たれ、コールドハートに追い込まれてしまうキョウ。
取り戻そうと奮闘するトモロウ達でしたが消耗した状態では如何ともしがたく、
レーナとマコトまでもがキョウと同じ憂き目に遭ってしまいます。

ファミリーを次々と奪われて激怒するトモロウ。そのe-パルスが暴走し、
アルマリザモンにも影響が出てしまいます。
そして、元とはいえそれで崩せるほど五行星の壁は薄くありません。
しまいには制御を失い、マトモに攻撃を当てることさえできなくなります。

窮地を救ったのは、間一髪でコールドハートを逃れていたライトでした。
彼の叱咤で頭を冷やしたトモロウは、ゲッコーモンに謝罪。
もう一度力を貸してくれと頼むトモロウの言葉を、ゲッコーモンは否定します。
けれどそれは、戦いたくないという意味ではありませんでした。
力は借りるものでも与えるものでもなく、合わせるもの。
パートナーの言葉に強く同調したトモロウは、力を合わせるため再起しました。

心の赴くまま、もっと自由に。
アルマリザモンがさらなる進化を遂げ、完全体モナークリザモンに到達を遂げます。
新しい力が噴き上がらんばかりのモナークリザモンは、プロガノモンを圧倒。
ファミリーを救う、その一念がもたらした一撃が野望へ最後の審判を下しました。

捕まったクレイから、トモロウは兄のサポタマを奪ったデジモンの名を聞き出します。
アレとはいずれまた出会う。不気味な予言を残し、クレイは連行されてゆきました。

こうしてタクティクスは解散。
チームセブンはクーデターの件に関与していないということでお咎めなく、
ライトたちもそれぞれの再出発へ向かって歩き出すことになります。
そしてトモロウ達は、やっと目を覚ましたキョウの快復を喜びあうことになるのでした。
 
 
 
★全体印象
 
24話です。
全何話かは知りませんが、中盤戦のクライマックスと言って良い内容でした。

トモロウが怒りと焦りからパートナーの声を聞けなくなってしまう状況、
やはりという感想です。むしろ多感な彼がアレでああならない方がおかしい。
それを諌めてくれるのがライトというのも、予想通りではありました。
この局面を乗り切るなら完全体進化しかないだろう、というところも。

しかしその予想通りのところへ、期待通りにビシリと嵌めるのが本作の良さです。
そこに加えて新形態のデビュー戦=図鑑入りというワクワク感も手伝っていて、
これはリアタイの特権であると改めて実感しましたね。
対するプロガノモンも本作がアニメデビューですから二重に美味しい。

そのトモロウの対比として改めて描かれたクレイも、悪役として十二分でした。
夢のためにひた走ってきたのかもしれないのに力そのものに魅せられてしまい、
他者の夢を奪うことに愉悦を見出すようになった孤独な男の末路としては
お手本のように見事な描かれ方だったと思います。
いっぺん誰かに一発ぐらいぶん殴られても良いとは思いましたが。

脚本は13話以来となるシリーズ構成の山口亮太さん。
ゲッコーモンのあのセリフは、わかる人ならわかる構成繋がりオマージュでしょう。
でも、お話の流れへの嵌りっぷりは元ネタ以上だったかもしれません。

演出は都築悠一さん。前の担当である9話はヒリヒリ感が伝わってくる演出で、
今回はそれをさらにバトルも含めて押し進めていた印象です。
その分、プロガノモン打破に至るまでの流れは見応えがありました。
 
 
 
 
★キャラなど個別印象
 
 
・OP

 イントロまでやっておいていきなりぶった斬りで本編を始めました。
 かなりインパクトのある、かつ力の入った演出です。
 
 
・トモロウ

 怒りと焦りで黒いe-パルスを発現させたものの、確かにパワーは増しましたが
 制御することができず、前半は徒に力を消耗するばかりでした。
 彼がそういう危ういところを残した子だということは繰り返し描かれているので、
 まだまだ成長途中である以上ああなってしまうのは必然だったと思います。

 でもライトの介入ありとはいえリカバーも早かったので、成長も見えるんですね。
 12話以前の彼だったら、あそこで立て直すのは難しかったと思いますし。
 ほっとけない誰かを助ける、という一点において二人の感情が一致したときの強さを
 ある意味誰より知っているライトが諌め役になってるのも美しい構図です。

 それにしてもやはり気になるのは、そのe-パルスです。
 仮にも20年かけて積み上げてきたクレイのe-パルスとプロガノモンの強さを
 わずか半年足らずで上回って見せるとは。それがたとえ瞬間最大火力でも。
 本作の常識に照らし合わせれば、かなり異常と言っていいでしょう。

 何かウラがあると思わされざるを得ませんね……
 それが何か判明したときこそ、彼に最後の試練が課せられるときなのかも。
 あと一回か二回は暴走するもんと思っといた方が良いかもしれません。
 
 
 
・ゲッコーモン→アルマリザモン

 トモロウの影響をもろに受けてパワーを増したものの、上述の通り制御できず。
 意識はあるようで何度もトモロウに呼びかけてましたが、伝わってませんでした。

 ああなると自分ではどうにもならないようですね。ニュートロンレイザーについても
 うまく収斂できず、周囲へ無駄にエネルギーを撒き散らすだけでした。
 しまいには視力を失ったウォーズマン状態になってしまうし。

 一方的に与えられる力では時として振り回され、不協和音が発生してしまう。
 その問題を強く実感できたことが、トモロウへのあの発言に繋がっている感じです。
 成熟期進化のときもコロシアムのときも何となくやっていたことを、
 ハッキリ言語化できた事実はかなり大きいのではないでしょうか。
 
 
 
・モナークリザモン

 強襲に秀でているらしい完全体のサイボーグ型デジモン。
 このシリーズ、主役のサイボーグ型率が高いですね。メタルグレイモンからの伝統?

 そのアンバランスなデザインも伝統通りですが、過去作と少しばかり異なるのは
 かなり接近戦に寄った能力になっているというところ。
 左腕の複合武装による技もビーム斧にゼロ距離射撃と、射程1〜3のP技ばかり。
 必殺技のファイナルジャッジメントに至っては言うまでもないでしょう。

 その強さは外見の重厚さ、爆増する斧のエナジーといった描写にたがわぬもの。
 初登場補正付きの状況とはいえ、プロガノモンを完全に圧倒してのけています。
 相手だって三人分のe-パルスを吸収し、まだ保持している状態だったのに。
 これは規格外というほかないでしょう。

 ところで「モナーク」という言葉は「王」を意味します。
 つまり「トカゲの王」という名を文字通り冠していることになりますね。
 トカゲの王というと連想するのは「バジリスク」ですが、でもアレ本来トカゲじゃなく
 蛇だったはずなんでそっちのニュアンスじゃないのかもしれません。

 つまり究極体は読めねえということです。
 ここまで来たら直立歩行にこだわらなくてもいい気はしますが。
  
 
 
・レーナ組

 思ったより健闘はしましたが、やはり消耗している状態ではあれが限界かも。
 よく体を張るレーナですが、今回ばかりはそれがアダになった感じです。
 パートナーの悲痛な叫びが耳につらい。

 ラスト前、何事もなくレーナ達が元に戻ってるたのは若さゆえか、
 それともキョウほど無茶してないからか。
 バトル戦績的には決して良くなかったので、3クール目以降に期待ですね。
 
 
 
・マコト組

 こちらも今回はダウンしており、他のファミリー同様トモロウの戦いを見ていません。
 ナイトキロプモンは無謀な攻撃を仕掛けようとするアルマリザモンを止めてましたが、
 結果として自分が退化に追いやられるハメになってしまいました。
 今んとこ大きな活躍は初登場話のみだし、これからに期待したいです。
 
 
  
・キョウ組

 真っ先にコールドハートされてしまいました。
 しかもどうやら、他のファミリーより目覚めるのが遅かったみたいです。
 これ、やっぱり相当無茶をしてたってことなんでしょうね……
 五行星を抜ける際に大怪我をして、それ以来ずっと本調子じゃないとか。
 
 
 
・ライト

 狙いすましたようなベストタイミングで救援に入った天才。
 最初にやったのが自分と同じ醜態を晒すトモロウへの叱咤なのは「らしさ」です。
 しかし、かける言葉には柔らかさが混じる瞬間がありました。

 その後はランフォモンの機動力を生かし、プロガノモンを撹乱。力は及ばずでしたが、
 時間稼ぎの目的は充分に果たしました。その表情には満足感があったように見えます。
 命令ではない、自分の意志で起こした行動が視聴者目線において初めて
 快哉すべき結果へ繋がったというのは偶然か意図的か、嵌りの良い流れです。

 戦いの後はホタルコ達を助けましたが、そのことを恩に着せようとはしていません。
 また、ホタルコやグラニットとは離れて行動することを選んでいました。
 チームリーダーとして褒められたところはあまりなかったし、しばらくの間は
 相方と二人で自分たち自身を見つめ直すつもりなのかもしれません。

 進化バンクがある以上はメインキャラだし、いずれまた再登場するでしょう。
 その時はいつか、早くも気になってきました。
 
 
 
・ケトモン/モノドラモン/ランフォモン

 コールドハート直前にライトを助けていたことが判明。
 後から石棺に乗っかってついて行ったのが奏功したみたいですね。
 シャコモンとルドモンは中に閉じ込められていたし。

 プロガノモンとの戦いでは完全体進化しませんでしたが、しなかったというより
 できなかった、と考えるのが妥当かもしれません。
 ある程度以上戻ったとはいえライトのe-パルスはかなり吸われていただろうし、
 成熟期進化までが精一杯だったのでしょうから。
 
 
 
・ホタルコ/グラニット

 ラスト手前に無事な姿で再登場しました。あの後すぐライトが助けたようです。
 そのことに対して素直に礼を言うあたり、ホタルコの吹っ切れぶりがわかります。
 グラニットまで勧誘して大胆さも垣間見せてますね。

 グラニットもそういえばホタルコとの間柄は別に険悪じゃなかったわけだし、
 誘われたときは嬉しかったようで珍しく素直な笑顔を浮かべていました。
 昔のメンタルに戻るのはもう遠い日じゃないのかもしれませんね。
 
 
 
・河原崎

 戦いが終わってから割とすぐヘリで駆けつけ、クレイを確保しました。仕事が早い。
 クレイの居所を大体掴んでいて、かつトモロウ達のサポタマから位置を把握、
 急ぎ向かったと考えるあたりが妥当かもしれません。
 無愛想ですが、会を追うごとにシゴデキぶりを発揮している感じです。
 
 
 
・内藤

 クーデター関与の罪を部下に代わり被っていた可能性が示唆されました。
 ライトには「あの男がそんなことするか?」なんて言われていたし、可能性の話ですが
 彼にも多少なりと善性はあったというフォローだったのでしょうか。
 
 
 
・クレイ

 力は合わせるものだと言うことを思い知らされた人。
 彼とプロガノモンがそうじゃなかったというわけではないのでしょうけど……
 少なくともかつてにおいては。

 トモロウは知る由もないことですが、彼には相当の辛酸を舐めてきた過去があります。
 セリフの端々だけでなく、そこに被さる多くの回想からもそれは明らか。
 けれど、どこまで行っても圧倒的な力の前には跪くしかないということを
 のし上がればのし上がるほどに思い知らされてきた半生なのでしょう。

 だからと言ってこんなことをして良い理由にはならないし、してはならんのですが。
 彼のやってきたことは、彼に犠牲を強いてきた者たちの行為そのものです。
 しかもいつの頃からか、奪うことに愉しみさえおぼえるようになってしまった。
 「あちら側」になってしまったのです。理屈をこねるのだけは上手くなって。

 グローイングドーンの面々を一人ひとりコールドハートに追いやる際の様子は、
 まさにその愉悦の典型が出ていたといえます。まして一人はあのキョウです。
 内心愉快でたまらなかったでしょう。そんな顔をしています。
 キョウが五行星の頃は「勝てない相手」と認識してたのだとしたら尚更ですね。

 そんな彼ですが、プロガノモンが倒れた後は糸が切れたみたいに静かになり、
 情報だけ残して逃げることもなく、あっさり連行されてゆきました。
 彼自身も知らないうち、未来の見えぬ生き方に疲れ果てたのでしょうか。
 そんなタマじゃねえ気もしますけど。

 あれだけやらかした割には、結構あっさりした退場でした。
 やっぱり誰かに一発ぐらいぶん殴られても良かった気はします。
 この際平手打ちでもいいので。平手打ちを実際に受けたのはなぜかトモロウだけど。
 
 
 
・プロガノモン

 クレイの振りかざす力の権化として、トモロウ達をさんざん追い込んでます。
 絶好調のときは完全体をも倒すことがあるアルマリザモンですが、暴走状態では
 ある程度粘ることはできても押し切ることは不可能に近い状況でした。
 ライトが評した通り、防御力に優れているのも相性が悪い点。

 ランフォモンの機動力には手を焼いたものの、自らの能力を利用して
 なんと短時間ながら空を飛ぶという芸当まで披露、これを撃墜しています。
 地力だけでなく場数の差も出た格好。元五行星の相方は伊達じゃありません。

 が、モナークリザモンの規格外ぶりには序盤しか良いところを貰えずやられっ放し。
 最後は「ファイナルジャッジメント」で八つ裂き光輪状態へと陥り、
 自らの敗北を認められぬまま退化しました。以後の消息は不明。
 すぐ河原崎たちが来たので、彼らに連れてかれた可能性は高そう。

 最後までクレイのために戦い、そして敗れました。
 いつしか彼も、弱者をいたぶることに愉悦を感じるようになっていたのでしょうか。
 パートナーがそうなって行ったように。
 
 
 
・ゲンジョウ

 クレイが国民保護省に確保されたこと、やったのがグローイングドーンであることを
 王会長に報告していました。会長の手足としてよく働いています。
 相変わらずその真意は見えませんが……本当に会長の懐刀だけの人物か否か。
 
 
 
・ローズ

 クレイが捕えられたことに危機感を募らせたか、部下と今後について話してました。
 彼女クレイとは一番距離が近かったし、明日は我が身と思ってても不思議じゃありません。
 次に直接まみえるのはこの人物の陣営かもしれませんね。
 
 
 
・カイト/ホノカ

 クレイが捕まった件について話していました。
 カイトは「興味ない」と言ってましたが、どこまで把握しての発言でしょう。
 
 
 
・王会長

 クレイの確保をグローイングドーンがやったと聞き、微かに笑ってる感じでした。
 何がその笑いに繋がったのでしょう。気になりますね。
 
 
 
 
★名(迷)セリフ
 
 
「あの時と…… 同じ……!」(トモロウ)

 キョウがe-パルスを吸われてゆくのを見ながら。完全な地雷案件です。
 
 
「……一人目……」(クレイ)

 キョウをコールドハートに追いやって。
 無数のサポタマの中に光る演出は、e-パルスが取り込まれた証です。
 直前の舌なめずりが実にイヤらしい。
 
 
「このっ……ゲス野郎めぇーっ!」(レーナ)

 キョウのe-パルスを使って攻撃してきたクレイ達にブチ切れて。
 明らかに無謀ですが、この子こういう子だからなぁ。
 
 
「そんな……! レーナ! イヤ……イヤよ……!
 レーナ!」(ウルヴァモン→プリスティモン)


 コールドハートされ倒れたレーナに。二行目は退化後のセリフです。
 今回は目立たない彼女ですが、印象には残ってます。
 
 
「くそ……! くそ! くそっ! くそっ!
 オレの……オレのファミリーを、返せッ!」(トモロウ)


 あっという間に孤立して。焦燥と激昂が入り混じった表情が良いです。
 この後レーナに続いて殴りかかりますが、あっさり止められる結果に。
 色々潜り抜けてきただけあり、クレイ自身も腕っぷしは強そうですね。
 
 
「これが力……これが現実だよ。
 悔しいか? 悔しいだろ? 己の無力さを思い知らされるのは!」(クレイ)


 トモロウを片手一本で吊り上げて。
 かつての自分に言っているかのようなセリフです。
 でも、その現実を「打破」するのが本作のテーマというのが私見です。
 
 
「持たざる者がどれだけ抗おうと、定められた運命を変えることはできない。
 圧倒的な力の前では、持たざる者は無力!
 ただ首を垂れて、跪くことしかできはしないのだ。
 そう……圧倒的な力の前では……!」(クレイ)


 「持つものと持たざる者」の絶望的格差をトモロウに説き。
 かつて味わった屈辱と苦難が詰まったセリフです。これだけでお話作れそう。
 そして、彼は誇りよりもただ「持つもの」になることを選んだわけですね。
 
 
「お前は……お前だけは……絶対に許さない!!!」(トモロウ)

 クレイの嘲笑に激怒して。中の人の熱演が光ります。
 直後に黒いe-パルスが発現しますが……
 
 
「ダメだってナ……トモロウ……! これ以上は、もう……!」(アルマリザモン)

 見当違いの位置を攻撃しながら。完全に黒いe-パルスに振り回されています。
 それでも意識だけはちゃんとあるあたり以前とは違うのですが。
 
 
「それはこっちのセリフだ! 何やってんだてめえ!」
「聞こえないのか! ゲッコーモンの声が!」(ライト)


 やって来るなりトモロウにビンタをかまし、何をするんだと抗議を受けて。
 自分たちができていないことができるはずだったトモロウとアルマリザモンが、
 まさにその自分たちと同じ状態に陥ってしまっているのを見て色々とこう、
 我慢ならなかったのでしょう。お前はもっとやれるはずだろ、と。
 構図だけ見ると19話の意趣返しです。
 
 
「その闘技場さえマトモに管理できてないのはどこのどいつだか……?」(ライト)

 闘技場落ちしたごときが、とクレイに煽られての煽り返し。
 しかもクレイさん、洒落た返しの一つもできてません。ここはライト組の勝ち。
 ライトの口の悪さが初めて頼もしく思えた瞬間かもしれません。
 
 
「デジモンと人間……互いの感情が重なるときに、さらなる高みに到達できる。
 ハッ…… てめえが教えてくれたんだろ、天馬トモロウ。
 何ボーッと突っ立ってんだよ。早くてめえのデジモンと、ちゃんと向き合ってこい」(ライト)


 上の直後。
 「あの時の礼をしに来た、この場はオレが時間稼ぎをしてやる」
 って言ってるのと同じなんですが、そういうことを普通に言うタイプじゃありませんね。
 
 
「ああ……オレは、大丈夫だよ……
 ごめん、ゲッコーモン。あいつの言った通りだ。
 感情に呑み込まれて……お前の声、全然聞けてなかった。
 本当にごめん……!」(トモロウ)


 開口一番、自分よりトモロウの方を気遣ってきたゲッコーモンに。
 このことが余計に効いたことが、口調からわかるようになっています。
 言い始めの調子が本当に優しい。
 
 
「そりゃ反則っ……!」(ライト)

 空に飛び上がって攻撃してきたプロガノモンに。
 さすがの彼らもこれは想定外だったらしく、直撃をもらってしまいました。
 まあアレがごく短時間とはいえ飛ぶとはフツー思わんわな。
 
 
「トモロウ。
 力は貸すもんでも、与えるもんでもねえ。合わせるもんだってナ!」(ゲッコーモン)


 力を貸してくれ、と頼むトモロウに。拒絶ではなく、あくまで訂正です。
 これにトモロウも同意し、二人はさらなる高みを掴むことになります。
 元ネタは「デジモンセイバーズ」38話におけるマサル兄貴のセリフですね。

 でもただの繰り返しではなく文脈に沿ったものだし、そもそも20話の時点で
 ここへ至るまでの布石はあったので個人的には高く買っております。
 
 
「フ……遅えよ……!」(ライト)

 窮地に陥りつつも、トモロウ達に起きた変化を見て。
 なんか何年も張り合ってきたライバルみたいなムーブし始めてて少し吹きました。
 
 
「いいんだよ。
 上手い下手なんて関係ない。自分の思うまま叩けばいい。
 それに、二人でビートを重ねるのは楽しいぞ? トモロウ!」(アスカ)


 進化直前の回想より。
 トモロウにとって兄アスカがどれだけ大切な存在か、改めて教えてくれます。
 時々生きづらさがあっても、兄さえいてくれればそれで良かったのです。
 素直で明るいトモロウの受け答えがまた……
 
 
「打ち鳴らせ! もっと、自由に!」(トモロウ)

 完全体進化のコール。ポジション的には「フルチャージ」ですね。
 
 
「ゲッコーモン進化っ! モナークリザモン!」(モナークリザモン)

 というわけで出ました完全体。しかも成長期からの二段階進化です。
 成熟期シルエットになってから即さらなる変化を遂げてゆく形で、テンポも中々。
 シリーズにおける作画力の進化を一番感じるのは、やはりこの進化バンクですね。
 
 
「大丈夫だ……信じろ。オレの……オレたちのビートを!」(トモロウ)

 プロガノモンとがっぷり四つになるも、押し切れないモナークリザモンに。
 もちろん新たな決意を得て臨む彼らの力は、この程度では止まりません。
 
 
「バカなあぁぁぁあぁあッ!」(プロガノモン)

 モナークリザモンの「ファイナルジャッジメント」にぶった斬られて。
 ものの見事に真っ二つです。オメーは二代目バルタン星人か。
 セリフも典型的なぶん、視聴者の溜飲をドーンと下げてくれます。
 
 
「この俺が……負けた……」(クレイ)

 敗北して幼年期Iのスナモンに戻ってしまったプロガノモンを見て、膝を落とし。
 幼年期Iにまで戻ってしまうと、すぐには再進化できないっぽいですね。
 彼の場合「もう勝てない」と思っちゃったらしばらく立ち直れなさそうだし。
 
 
「心配するな。いずれまた、出会うことになるだろうさ」(クレイ)

 ゴクウモンの名をトモロウに教えて。
 彼、ゲンジョウのことはそれほど把握していない感じでしたけれど、
 あの男の狙いがグローイングドーンにあることはなんとなく察してはいるんでしょう。
 別にもうどうでもいいのかもしれないけど。
 
 
「礼はグローイングドーンの連中に言え……」(ライト)

 助けてくれてありがとう、と礼を述べるホタルコに。
 ライトからすればトモロウがいなかったら詰みだったし、ただの事実でしょうけど
 直接助けたのが誰かによって助けられた側の視点も変わるんですよね。
 
 
「うちで働く?
 もちろん、クリーナーも続けながらになるけど……
 ちゃんと住むところも用意するわ。悪い話じゃないでしょ?」(ホタルコ)


 新しい居場所を探さなきゃ、と言うグラニットに。
 この二人、当面はコンビで活動しながら店を盛り立てることになりそうです。
 グラニットの表情も必見。
 
 
「みんな無事で……本当に良かった……」(キョウ)

 ラストシーン、ファミリーの皆に文字通り泣きつかれて。
 トモロウは声を上げていなかったけど、たぶん泣いていたでしょうね。
 そして、キョウは皆の無事を喜ぶと同時に改めて思ったことでしょう。
 やはり俺のファミリーは最高だ、と。
 抱きつかれたとき、体重でちょっと「うっ」って言ってたのはご愛嬌。
 
 
 
★次回予告

 スターモンとピーターモンが登場。後者はまさかの二作連続出演です。
 どうやらマコトがメインになるっぽいですが、どういう話になるかは読めませんね。
 しばらく大変なお話ばかりだったし、久々の箸休めになるか否か。