総括01(第1クール)

1クール過ぎたんで軽くぶっちゃけようかと思います。
どうしても無印との比較が多くなると思うのですが、あまり忖度はせずに書こうかと。
もちろん言葉は乱暴にならないようにするつもりです。
 

 
★ストーリー構成

無印との最大の違いは「初対面が多い」ことと「順番に出てくること」です。

たとえば無印は最初から太一、ヤマト、空、光子郎、丈は旧知の仲だし、ミミに関しても
丈がある程度知っており、全員に初対面だったのはタケルぐらいでした。
ヒカリも太一の妹ということで、ミミ以外には顔が通っていたはずです。
このヒカリを除いた7組が最初から全員出てきて、DWで関係性を巡らせながら冒険してゆくのが
序盤の見どころであり、そうした中でそれぞれの人物像も浮きぼられていました。

対して:は太一と光子郎ですら初対面で、あとは空と太一に縁があるぐらい。
ミミと丈は全員と初顔合わせだし、ヤマトも事実上そう。ヒカリも空とぐらいしか面識がないはず。
タケルに至っては声しか出てこず、ヤマト以外は(彼が言わなかったからですが)タケルの苗字が
「高石」であることも知らないはずです。

しかしこの差異については「無印と違う設定にする」という以外の意義やメリットがさほど見えません。
まずは一斉に出しておいて下地を組んでおき、進化回でグッと深掘りしてゆくという無印のやり方は
「人物数が最初から多すぎて煩雑」というデメリットはあるものの、うまくハマりさえすれば
人物像をしっかりと作ってから見せ場へ持ってゆくことができます。

その一方で:のケースではミミや丈(厳密には太一も)のように本格登場回で即成熟期進化となってしまい、
無理があるとまでは言いませんがどうしても即席感が拭えなくなります。
それだけならまだしも、大して間も空けずに完全体進化まで行ってしまうのでなおさらでしょう。

代わりに序盤からクライマックス連発なのかと言われれば
「そういう感じにしようとしてるのはわかる、だがしかし……」と言葉が濁ります。
強引でもエモーショナルに話を引っ張ってゆく雰囲気ではないし、各キャラのいいところを
押し出そうとはしていても詰め込みすぎでいまひとつ浅い部分しか掘れていない(キャラにもよりますが)。
まだタケルが出てないから、描かなきゃいけない人数は減ってるはずなんですけど。

最初の3話で無理してオメガモンを出したことと、太一たちに早く目的を与えすぎたことも
この「詰め込みすぎで掘り下げが弱い」問題に大きく関わっていると言えます。
オメガモンが最初に出てしまっていることで、9話の段階で完全体が出てきても周回遅れ感が出てしまうし
「未来が決まってる」的な予定調和感が拭えなくなってしまいます。
無印のオメガモンが「初登場イコール本邦初公開だった」ことを忘れてはいけません。

また当面の目的が5話で判明したことや現実世界の状況が尻を叩いていること、
その割にバトル描写の尺が増えて人物描写が減っていることでかなり座りの悪い印象を受けています。
そもそもヒカリはともかく、タケルの本格登場がこんなに遅いなんて思いませんでした。
展開が早いのか遅いのかよくわからないのも、このモヤモヤの理由かもしれません。

この調子でずっと進んでいくんでしょうか?
さすがに進化ラッシュが収まったらまた違ってくると思いたいんですが。
 
 
 
★作画・演出
 
20年を経てるのもあって、毎度かなり気合の入った仕上がりです。
旧作より作画スタッフが増えてる印象もあるし、それだけアクションに力を入れてるのでしょう。

しかし、アグモン系とガブモン系のバンク以外は簡易版みたいになってるのが気になります。
おまけにアグガブはメイン担当じゃなくてもフルで進化バンクを入れるんで、そのぶん尺を食います。
この二組は毎度バンクを出す決まりになってるんだろうかと、変に勘ぐってしまいますね。
 
 
 
★音楽
 
 
 戦隊、ライダー、ガンダム、ウルトラと特撮・アニメを問わず様々な作品に関わってきた
 佐橋俊彦さんが担当しています。メインテーマは「ウルトラマンメビウス」を思い出させますね。
 次回予告なんて、各キャラのセリフを繋げる形式にしたら割とそのまんまです。

 ただ無印に比べると印象的な曲はそれほど多くなく、有澤サウンドの個性を再確認できますね。
 triでリスペクトされたのも納得。かえすがえすも惜しい方を亡くしました。
 年齢的にはまだまだ現役だったのに……
  
 
 
★キャラクター
 
 
総じて一言で言うなら「雑味が薄い」です。
 
 
・太一組

 出番の割に特に雑味が少ない方々。

 太一の度量の大きさやリーダーとしての資質が最初っから大きくアピールされている一方、
 その反面として強引さや淡白な面、お調子者で危なっかしい性格的欠点がことごとくスポイルされ、
 かえってキャラとしての厚みを損なっているという困ったことになってるんですね。
 良い面だけを描けばいいってもんじゃない、を地で行ってる。

 アグモンはなんか人生二週目っぽい雰囲気を纏ってたんですが、5話で別にそうじゃないと発覚して以降は
 特にそういったそぶりを見せず、オーガモンの時以外はあまり主張もしていません。
 そもそも、あそこでオーガモンの誇りを察して応えてやろうとするのはこの二人のキャラと少し違うというか…
 あれが大輔組だったらまだ分かるのですけど。:ではそういうキャラ付け、と言われたらそれまでですが。

 完全体での技が特に理由らしい理由もなく「ジガストーム」に変わってたりもします。
 普通にギガデストロイヤーも使えそうなんですが、頑なに使わないのはなんででしょう。

 三瓶太一には実はまだちょっと慣れてません。
 欠点の多い人物こそ得意としてそうな方なんですが、そうじゃないからな……
 
 
 
・ヤマト組

 ヤマトのメインカラーが緑から紫に変わっています。
 クールでミステリアスな側面を強化する方針なのか、口数は少なく冷静さも崩れにくい印象です。
 タケルのこととなると周囲が見えなくなるのと意外にムキになりやすいのが無印での彼でしたが、
 本作では現状どっちかというと合理的思考で動きたがるタイプに見えます(最後は情に絆されるけど)。
 11話で「余計な重荷を背負いたくない」と言ってたのも別にそれほど無茶な意見ではないし。

 ガブモンはそんなヤマトをよく理解してるようですが、だからこそあまり何も言いません。
 積極的に周囲を取り持とうとしたらそれはそれで「誰だお前」にはなるけど。

 本作では当初から成熟期までは進化可能でしたが、いつから活動しているのかは不明です。
 一同の中では最も場慣れしてるように見えるコンビなんですが、その理由も不明。
 完全体進化まではさほどドラマをもらえてないので、タケルが出てきてからが本番でしょうか。

 浪川さんの抜擢は最初「??」でしたが、聞いてみたらうん、まあ… でした。
 風間ヤマトとも細谷ヤマトとも違う感じなのは、狙ってのことでしょうか。

 
・空組

 ヤマトと同じくメインカラーが変わった空。キャラ立てを変えますよと言うサインなんでしょうか。
 本作では「おふくろさん」だった旧作とは打って変わって「姐さん」を目指しているように見えます。

 が、当初からメンタルが極太すぎてほとんど振幅のない人物像になってしまってます。
 デジタルワールドに迷い込んで早々、スナイモンに追われている状況で迷うことなく飛び降りる選択に同意した上
 ピヨモンを気遣う余裕まで見せた場面はその最たるものです。
 メンタルが強すぎてもはやドン引きするレベルですぞ。心臓に毛が生えてんのか。

 もっと言えば、本来持っていた繊細さがほとんど抜け落ちたまま、むやみに博愛を振り回す人になってるんですね。
 強さを出したかったのかもしれないけど、強くなることと繊細さが消えることは別なんですが…
 というか、もう少し丈先輩のこと気遣ってあげてください。

 ピヨモンは当初こそ気弱でしたが、以後は特にこれという描写がないまま完全体まで来ています。
 成熟期時代から決め手として炎を纏い、敵に突っ込む決め技を多用してるんですがアレなんて言うんですかね?
 私は便宜上「科学忍法火の鳥アタック」と呼んでいますが(古い…)。

 白石さんの空自体には割と耳が馴染んでます。問題はそっちじゃないし。
 
 
 
・光子郎組

 光子郎は旧作の人物像からあまり剥離していない一人です。
 頭脳派の参謀役というスタンスが非常にはっきりしたキャラなんで、動かしやすいのかもしれません。
 悪い言い方をすると便利キャラなんですけど、使い勝手がいいとも言い換えられるわけで。
 まあ5話あたりの落ち着きっぷりには若干ビビりましたが、14話でちょっと弱ってたのはむしろ良い傾向でした。

 小林由美子さんの声にはもうほぼ違和感がなくなりました。
 テントモンは櫻井さんの声が太くなったのと、若干演じ方が変わったんでむしろこっちに違和感があります。
 同じ人だというのに…… こういうこともあるんですね。
 
 
 
・ミミ組

 こちらもキャラ的にそれほど離れてません。
 ミミは感情のまま素直に怖がったり怒ったり喜んだりするんで、いるだけで場を彩ってくれます。
 どっちかというと関わったキャラの扱いの方に問題があるような…(アンドロモンとか)

 パルモンはメンバーの中だと、比較的進化のトリガーがはっきりしてる方です。
 ミミの感情の発露が進化を導くのなら、次はただの怒りとは違う何かが必要ってことでしょうか。
 それ次第で(シナリオ的な意味ではなく)おかしな方向に行く可能性もあるのは怖いところですが。
 あとフラウカノンってあんな技だっけ?

 高野麻里佳さんは早くも自分なりのミミを確立している感じ。
 声質的にもナイスキャスティングと言える一人です。

 
 
・丈組

 なんか丈先輩が無印の3.14倍ぐらいウザい人になってる気がしてなりません。
 乗り物酔いしやすいという誰も得しない設定追加もあり、情けない描写も増えてます。
 それでもめげずにヤマトへ絡みに行ったり、援護を買って出たりするなど頑張ってはいるんですが。

 ゴマモンはナマイキ成分の大半が消えるなど問題もありますが、そのぶん献身的な描写が増えて
 いいヤツ度がわかりやすく上がってます。
 別にこんなにわかりやすくせんでもいいんじゃないかとは思いますけど。

 草尾さんの丈は独特というか、この方にしか演れない丈ですね。さすがベテラン……
 ゴマモンは実はあんまりしゃべんなくなったんで印象が減ってたりします。もっとなんか言ってくれ。
 
 
 
・タケル/ヒカリ
 
 なんとまだ両方とも本格合流してません。
 でもキャスティングは完璧だと思うんで、そこは期待します。
 
 
 
・敵陣営の皆さん

 まずもって現状、最強の敵が2話のアルゴモン究極体な時点でいろいろ言いたいことがあります。
 進化段階というものを太一たちが正しく認識したのは5話ですけど。
 このぶんだとデビモンが出た時点で「正体はデーモンでした!」になってもおかしくありません。

 とはいえ4話のスナイモン、7話のゲソモン、9/10話のメタルティラノモン、14話のオオクワモンと
 「今までありそうでなかった王道カード」を積極的に登用しているのは好感が持てます。
 バトル自体の迫力はあるんで、本作の醍醐味パートと言えるかもしれません。経緯は置いといて。
 ただサウンドバードモンと黒い瘴気がチートすぎるんで、釈然としないところもあります。

 オーガモンはなんであんな片言キャラになったんですかね。小物っぽさが減ったのはいいけど。
 それとも、アレは黒い瘴気の影響だったんでしょうか?
 あとで出てきた時メチャメチャ普通に喋って「こっちが本来のオレなんだよ!」ってなるパターンも
 ありえなくはないですが… まず再登場するかどうかが不透明だからなあ。
 レオモンもそのうち出るらしいし、なんらかの絡みはあるかもしれないけど。
 
 
 
・歌

 主題歌と挿入歌2曲が全部谷本さんなのはちと食い足りない気もするんですが、どれも好きです。
 どれか一曲って言われたら総合力で「未確認飛行船」を推しますが、個人的には「Be the Winner」が好み。
 ただ歌詞はデジモンというより、戦隊とかライダーとかのヒーローものっぽいですね。
 
 
 
★今後へ向け

 2クール目までにタケルもヒカリも合流してエンジェウーモンとホーリーエンジェモンも出そうですね。
 ドラマとしてはそこからが本番になると思ってるんですが、断言はしないどきます。
 先にグワッと出しといて後からドラマを突っ込む、というのは戦隊とかライダーだと思うんですが、
 本作もその路線で攻めてるってことなんでしょうか。知らんけど。

 とにかく今は急いで完全体まで揃えるというのならばさっさとやってもらって、
 そこから話を盛ってゆく方向に期待しときましょう。

 とか言って3クール目から02組が出てきたりしたら笑いますけど。
 いやヒカリのクラスメートとかでモブ出演とかならなんも問題ないですが。