七人目の覚醒
脚本:山下憲一/冨岡淳広 絵コンテ:佐々木憲世 演出:難波涼
作画監督:直井正博/澤木巳登理 総作画監督:浅沼昭弘
★あらすじ
バルブモンの内部に囚われていたのはヤマトの弟、タケルだった──
これは一体どういうことなのか。思いを巡らす間もなく、今度は闇の翼鳥竜ベルグモンが現れます。
ベルグモンは気を失ったままのタケルを捕らえると、バルブモンを空間ごと消し潰してしまいました。
なんとか脱出、邪魔しに現れたメガドラモンをレオモンに任せてベルグモンを追う太一たち。
敵の態勢を崩して取り付き、ヤマトが体を張っての救出に向かいました。
悪戦苦闘のの甲斐あって、なんとかタケルを救出することができましたがベルグモンの猛反撃に遭い、
タケルを奪い返された上に今度は太一たちが消し潰されそうになってしまいます。
絶体絶命の中、タケルの絶叫に応えるようにして天使のようなデジモンが現れました。
天使の圧倒的な光は、太一たちにこの存在こそが聖なるデジモンに相違ないと思わせるものだったのです。
その力を得て回復し、さらに闇を祓う輝きをも上乗せされたメタルグレイモンたちの攻撃により、
おそるべき闇の巨鳥はついに斃されました。
しかし天使デジモンは力を使い果たし、タケルの目の前でデジモンの原初であるデジタマに戻ってしまいます。
おまけに、そのデジタマを謎の黒い騎士デジモンが掠め取ったではありませんか。
聖なるデジモンは、再び闇の勢力に囚われようとしています……
★全体印象
20話です。
タケルがようやっと合流するんですが、すぐベルグモンが来たんで途中までなんも喋ってません。
それに加え、大変な状況が一向に収まらないのでヤマトとはまともに会話していません。
16話あたりからこっち、状況が落ち着いた → 全然落ち着いてなかった の流れが多すぎる気がします。
その上タケルの人となりもまだわからないうちにエンジェモン出してすぐさま退場させるもんですから、
見てる方は完全に置いてけぼり状態。タケルに至っては別の意味でトラウマじゃないですかねこれ……
詳しくは個別で書くとします。
脚本は富岡さんと山下憲一さんの連名。連名しなきゃならん理由がどのへんにあったのかは不明です。
演出には新顔として難波涼さんが登板しています。あの名作「映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」
に演出助手として参加してたようですが、他に目立った経歴は見つけられなかったのでまだ若手なのかもしれません。
作画監督としては、澤木巳登理さんが10話以来の参加を果たしています。
★キャラなど個別印象
・太ヤマ組
引き続き居残り組。
事がタケルがらみとあって、ヤマト組の方が若干目立っていた印象です。
ギガデストロイヤーに乗って一気に自分の間合いへ踏み込むワーガルルモンの描写は無印オマージュかな?
トライデントアームを橋代わりにするなど、一風変わった描写も目立っていました。
ベルグモンにはかなりのダメージを受けてしまいましたが、後述するエンジェモンの介入で回復したように見えます。
さらに攻撃へ聖なる力が乗るというバフを受け、劣勢を強いられたベルグモンをも一気呵成に斃しています。
天使系の祓いの力は、なにやら旧作よりさらに極端なレベルへ達しているようですね。
・空組・光子郎組・ミミ組・丈組
特にあれ以上太一ママやヒカリと絡むこともなく、あっさり次の日を迎えていました。
正直かなりの肩透かしです。裕子ママの中で太一がどんな扱いなのかも結局わからないままだし。
空の回想や光子郎の言葉の濁しっぷりからみて、まだ断言はできないけど家庭環境は無印と大差なさげですね。
ところで、テントモンたちは何を媒介にして光子郎の端末と繋ぎをつけたのでしょう?
・タケル
やっと兄ヤマトに合流しましたが、上で書いた通り状況が全然落ち着かないので話をする暇もありません。
そのうえエンジェモンが現れてそのまんま退場したんで、本人からすればわけがわからないでしょう。
下手すっと軽くホラーの領域です。なぜ自分が捕まったのか、ここはどこなのか、なんでこの天使は
自分の名前を知っていて、なんでそこまでして守ってくれるのか、なにひとつわからないままなのですから。
こんなありさまでまだ引っ張ろうというのですから、いいかげん辟易してきます。
そろそろ一回落ち着こうぜ……?
・エンジェモン(聖なるデジモン)
向こうから来ちゃったよ…… というのが偽らざる第一印象。
拘束されてる様子は前回から出てましたが、別に破ろうと思えば破れたんですねアレ。
まあ、それは力を出し尽くす時と決めていて機を待っていたのかもしれませんが。
当面の目的となっていただけあってその聖なる力は凄まじく、出ただけでベルグモンを怯ませるほどです。
また仲間を回復させ、さらに技へ聖属性を上乗せするというチートじみた支援効果まで持っています。
ダメージの濃い太ヤマ組がベルグモンを打ち斃せたのは、この効果あってのことでしょう。
これが最後の力だったようで、すぐデジタマになってしまうのですが。
無印のエンジェモンはメインメンバー最後の進化としてデビモンを下し、一時退場しているわけですが
その前に1クール近くの期間を使って地道にタケルとパタモンを描写し続け、仕上げとばかりに
12話「冒険!パタモンと僕」で二人の関係性を突き詰め、その上で「ただ共にありたい」という希望を
タケルを守るために捧げ命を賭けるという、一種切ないまでの献身へ繋げています。
別に一から十まで無印に倣えというわけじゃありませんが(それではそもそも:をやる意味がない)、
13話の「エンジェモン一時退場」という展開だけをいきなりやられても困ります。
エンジェモンがタケルのことを知っており、タケルも何かをエンジェモンに感じたことだけは
かろうじて伝わるものの、蓄積がなんもないまま衝撃だけをぶつけてきてる状態になっちゃってるんですね。
タケルの涙に至っては「感動! 君も泣け」って感じでかなりの虚無感がありました。どうすんのこれ………
いや、どうすんのよこれ… マジで……
・レオモン
メガドラモンの相手を引き受け、太一たちを先に行かせるサポート役の鑑みたいな行動を取りました。
「相手は完全体だよ? 大丈夫? 死んだりしないよね?」などと思ってしまったのは秘密。
見てる方までこの方のフラグに振り回されてどうするのですか。
しかし実際には大丈夫どころか、メガドラモンを制圧してのけた節があります。
さすがに負傷してる様子でまともな戦闘続行は厳しそうでしたが、これはすごいことですよ。
・ペックモン
一体のみが再登場。おそらくレオモンが乗っていたのと同一個体でしょう。
騎手によく付き従い、後半でもレオモンの傍らで健在をアピールしていました。
きっと力を合わせてメガドラモンを撃破したのでしょう。見てみたかったかも。
・メガドラモン
ベルグモンを追おうとする太一たちの前に立ちはだかった魔竜型デジモン。
レオモンの挑発に乗ってまんまとそっちへ行ったあたり、頭は良くなさそうです。
加えてそのレオモンに斃されたと思しきカットがあり(二人が乗ってたのってこいつの頭ですよね?)、
出たはいいけど散々な扱いだったと書くしかありません。
レオモンとペックモン二体がかりが相手とはいえ、一応完全体のはずなんですけどねぇ……
というかメガドラモンって、アニメだと総じてあまり扱いは良くないですよね……
無印でさえ、ギガドラモン共々「出ただけ」でしたし。
サイバードラモンの噛ませにされたテイマーズ28話でも、まだマシなレベルの扱いという……
・ベルグモン
「デジモンフロンティア」でお馴染み、闇のビーストスピリットから現れた存在です。
同作では圧倒的な強さを誇っていたダスクモンを攻撃力においてさらに上回る、恐ろしい敵でした。
ハイブリッド体という設定は、光子郎がいないことを逆手に取って暈されてます。
デジタルワールドでは割と名の知れた存在らしく、レオモンにも「大物」と評されています。
そんな存在をも手を貸しているということで、デビモンのさらなる大物描写に寄与していました。
成熟期ってことで嘗めてかかられるけど、実は…… なんて流れが目に見えるようです。
最大の特色である大技、ゾーンデリーターは健在。バルブモンを空間ごと消し潰し(気の毒)、
太一を戦慄させるなど、その力をアピールする材料として大いに活用されています。
バルブモンの装甲がはがれるほどの力なのに、太一たちにそんなに影響がなかったのはご愛嬌。
そのほか羽を無数の手裏剣に変えて飛ばしたり、尾から赤いビームを放つなど、
フロンティアでは見られなかった技を複数披露していますがいずれも技名はわかりません。
逆に、フロンティアで使っていた額ビームの「マスターオブダークネス」は使っていなかったりします。
強力なパワーで迫り、一時はメタルグレイモンとワーガルルモン二体がかりをも追い詰めましたが
乱入してきたエンジェモンの支援を得て技に聖属性を乗っけた二体にはかないませんでした。
とはいえ、この乱入がなかったらたとえ敗れていたとしてもここまであっけなく斃れはしなかったでしょう。
・スカルナイトモン
ラスト手前でいきなり現れ、エンジェモンのデジタマを奪取してダッシュしました。
そのデジタマを高々と掲げる仕草からは、明らかな意思らしきものを見て取ることができます。
セリフはまだありませんが、喋ったりするのかな。あんまり期待はできないけど。
・デビモン
とみに出番が増えてます。黒幕ムーブをガシガシ発揮してますね。
聖なるデジモンを始末ではなく、捕まえることに拘ってた理由もなんとなくわかりました。
要するに堕天させたかったんですね。あれほどの光がそのまんま闇に反転すれば、
それはこの上ない闇の力になってくれると考えたのかもしれません。
まあ、そういう場合は始末せずにおいたことを後悔するパターンへ陥るのが相場なのですが。
それとも実は「もう片方」が「成功例」として存在しているとか…?
・その他のデジモンたち
光子郎の話に出ていた中に、アルゴモン幼年期Iらしきデジモンが描かれていました。
また、前回から出ているイカみたいなデジモンはやっぱりカルマーラモンっぽいです。
ラーナモン系がハイブリッド体の中では人気があることを把握してないわけじゃないと思うし、
そこらへんにアピールしようという考えでしょうか?
今の傾向だとカルマーラモンの上半身を出さないか、出しても一切喋らせなかったり
肝心のラーナモンを1カットも出さなかったとしてもなんら不思議ではないですけど。
★名(迷)セリフ
「ヤツは私が引きつける! 君たちは、ベルグモンを追え!」(レオモン)
ここはオレに任せて先に行け、を地で行くセリフです。
さすがのヤマトも、この申し出に関しては「すまない!」と素直に受けていました。
でもって、実はこのムーブを取った場合の生存率は意外に高いんですよね。
死んだと思ったら生きてました、ってパターンが結構ある。
まあ負傷はしたものの普通に勝ってたみたいですけど。
「あ、いえ… うちは、その……」(光子郎)
空から昨夜は親になんと言われたか、と訊かれて。
もし無印と同じ設定なら、心配はされても怒られはしなかったのかもしれません。
怒って欲しかった、的な複雑な心理が絡んでる可能性があります。
まあこれだけだと実は何も断言できないんですが。
「期せずして、闇に染まるに相応しい姿に成り果てたか……
さあ、再びわが元へ…聖なるデジモンよ…!」(デビモン)
もしかしたら上にも書いた通り「もう片方」は「育成し直してる」最中だったりするんでしょうか。
その成功例に倣って、エンジェモンの卵を利用しようとしている…?
そういうことであれば、捕えるにとどめていた説明もつくのですが……
★次回予告
水虎将軍とも呼ばれたスプラッシュモンが登場。なんか虎モード限定っぽいですけど。
この感じだと究極体になっちゃいそうな感じですが、果たしてどうなるんでしょうか。
OPに出てるからウォーグレイモンだろ、と捉えるにはタイトルがなんか変なんですよね。
実はOP映像はフェイクで、途中から変わる可能性があるわけだし。
いや番組は違うけど「ドラゴンボール超」の宇宙サバイバル編にて、
寸前までフリーザ参戦を隠してた「前科」がこの時間帯にはありますんで……