総括02(第2クール)

2クール過ぎたんで、また軽くまとめたいと思います。
例によって正直に、でもある程度言葉に気をつけながら書きたいです。
正直に表明することと、言葉を整えることは両立できるはずですし。たぶん。
 

 
★ストーリー構成

順を追って見てゆくとまず14、15話で完全体ラッシュがひと段落します。
そこから偽東京編三部作、レオモン登場、タケルと聖なるデジモン、アルタラウスにサジタリウス、
デビモン戦、クラウド大陸からの落下と海戦、と続く流れ。

2クール目の大きなポイントは、EDでも大きく扱われているタケルの合流でしょう。
彼のパートナーである「聖なるデジモン」もいろいろあって再び成長期にまで進化を成し遂げ、
26話ラストではヒカリも合流したのでようやく役者が揃いつつある感が醸し出されてきました。

しかしながらこの第2クール、第1クール以上に問題が多かったりもします。

まず何より大きいのは太一とヤマト、それにタケル以外の処遇がサブエピ扱いになっていた時期が
19話から26話終盤までとほぼ7話分も続いたことでしょう。
しかも現実世界に戻っておきながら、それを利用した展開も大してありません。
一応ミミの両親やシン兄さんが出たりもしてますが、効果的というには遠いものがあったし。

偽東京編3部作、ニーズヘッグモン戦におけるオメガモンの登場も大きな重石です。
アレで「条件はあるが出る時は出る」ということが確定しちゃったのはかなり痛いと思いますね。
しかもニーズヘッグモンには痛手こそ受けなかったけどまあまあ手こずってしまったので、
その後に戦った相手がどいつもこいつもデフレを起こしてしまったのです。
極端な話、ダンデビモンでもオメガモンを出してたらパワーでゴリ押せたでしょう。
まあ成熟期の出番がまだあったという点は悪くなかったんですが…

さらに問題なのは、19話から26話までのほとんどがバトル一辺倒だったことです。
確かにこの手の作品にとってバトルというのは大切な要素で、疎かにはできないのですが
本作の場合、とにかく敵のキャラが薄すぎるんで手応えが驚くほど少ないんですね。

19話のミノタルモンはともかく20話のベルグモン、21話のスプラッシュモン、
それに22話のダークナイトモンと、不気味さは感じますがそこまで止まり。
キャラが濃いわけでもセリフで盛り上げるわけでも、悪辣さで感情を揺すってくるわけでもない。
当面の黒幕だったデビモンに至っては、一人で勝手にブツブツ言ってただけです。
25話のマメモン集団に関しちゃもはや言うまでもないでしょう。

これではメインキャラ側も「出てきた以上は迎え撃つ」以外の対応を取りようがありません。

その上そいつらと戦ってるのはもっぱら太一とヤマトだけなんで、ますます話の幅が狭くなる。
フルメンバーじゃないから苦しい戦いになるのだとしても、状況を長く引っ張りすぎです。
太ヤマ組がタフすぎてだんだん行き場のない気持ちになるというのもそうですが、
あまりにも連戦が続いてしまっいて「いい加減一度落ち着こうぜ」と何度思わされたことか。

上にも書きましたが、連戦に次ぐ連戦でも面白かったり納得がいくのならまだ良いのですよ。
この展開が別に面白いわけじゃないから困っているのです。
物事には緩急ってものも必要なのに。

それだったら別にフルメンバーのままで良かっただろ、ってなってしまう。
おかげで放り込まれっぱなしのタケルがなんもキャラ付けのない舞台装置にされてますぞ。
解消されないまんまヒカリが投入されてますし。

もう3クール目というところまで来てこの状態だということは、これはもう
子供たちのドラマを描く気が無いのではないかと思えてきます。
そりゃあ無印と同じことをやっても仕方ないというのは紛れもない事実なんですけど、
まさかそんな形で「無印と違うこと」をするとは思いませんでしたよ。

いったいぜんたい、なぜこんなことになったんですか…?
 
 
 
★作画・演出
 
回にもよりますが相変わらずかなりの出来で、24話などは特にすごかったと言えます。
旧来デジモンでもほとんど現場のノリで出したかのような新技が多く、そこは楽しめる時もありますね。
大したやり取りもないままてんこ盛りバトルを叩きつけてくるんで、胸焼けが起きてしまうのですが。

やっぱりシナリオあっての作画と演出なんだな、と思わされることしきり。
絵が頑張っていても見てる方の感情が乗っていけない、というか……
 
 
 
★キャラクター
 
 
落ち着いて聞いてほしい。実は1クール目より状況が悪くなっている。
 
 
・太一組

 信じがたいことですが、本当にバトルしかしてないので1ミリもキャラが厚くなってません。
 24話で闇ムーブを取りましたがアレはどうやら闇の瘴気の影響の方が強く、
 そのあとは綺麗さっぱり治っちゃった上にその間のことは全然覚えてなかったりします。
 このキャラ付けレベルで急に精神的問題で暗黒進化されても、それはそれで困るっちゃ困るんですけど。

 10話とかなり早い段階で登場したメタルグレイモンですが、21話で右腕も機械化可能となり
 これを使用しての新技・ポジトロンブラスターを会得しました。
 しかしダンデビモンには一切通用しないなど、早くも苦しい戦いを強いられています。

 というか完全体の登場はあんなに早いのに、究極体はけっこう引っ張るんですね。
 オメガモンが二回も出てきてる以上、あんまり意味がない気もするんですが……
 それとも元祖オメガモンはサービス兼フェイクで、本当はブリッツグレイモンになるんですかね。
 カードでは太一とブリッツグレイモンが一緒に出てる公式絵もあるようだし……

 ともあれ26話ラストで合流したヒカリが、彼らにどう波紋を投げるかです。
 それ次第では、3クール目以降がどういう方針でいくのか推し量れるかもしれません。

 あと実はまだ三瓶太一に慣れきってなかったりします。
 
 
 
・ヤマト組

 見てる方が不安になるぐらい、タケルに対してのヤマトのリアクションが薄いです。
 旧作ヤマトのように目に見えて過保護なわけでも、ジェンのように戸惑いから自分を見失うでもなく
 単純に弟には甘いという事実のみを伝えてくるだけ。

 タケルはよく見ると幾度も異様に危ない橋を渡ってるんですが「よくやったぞ」と褒めるのみです。
 そりゃ結果は出してますけど、22話なんてヤマトだけじゃなくワーガルルモンがいなかったら
 大変なことになってたはずなのです。

 タケルのことを心配してないとか、そーゆーことを言いたいんじゃありません。
 それだけはあり得ないからです。わざわざ言わせんでください。
 というか、まだどーゆー事情で離れ離れなのかさえ語られてないんですけどね。

 ワーガルルモンサジタリウスモードは一種異様な姿で、個人的には嫌いじゃないです。
 「スピードを犠牲にしてパワーと格闘能力を得た」というワーガルルモン自体の設定を台無しにする形態、
 という意見もちらほら見かけますが。確かにそういう見方もありますね。


 
・空組

 この2クール目はユキダルモンの冷凍攻撃を食らって苦しんでたのと、
 光子郎の横であれこれコメントしてたぐらいで驚くほど見せ場が少ないです。なんだこれ。
 26話で増援組の大トリを飾ったあたりで、どういう位置付けにしたいのかだけは伝わってきましたが。

 ちなみに母親からはこってり絞られたそうですが、旧作と同じく華道の家なのかは不明です。
 そういえば無印だと、26話はまさにその彼女の事情が詳細に語られた回でしたね。
 アレは空を語る上では決して外せないエピソードです。
 
 
 
・光子郎組

 2クール目トップバッターを飾ったコンビ。
 見せ方としてはわかりやすく、本作の完全体進化エピとしては上位にくる出来。
 偽東京編でも解説役として活躍しています。

 参謀役なんでセリフはめっさ多いですが、19話からはパートナーとは離れてる上に
 光子郎本人のパーソナルに幅をつける類のエピソードも無く、食い足りないです。
 相方に引っ張られる形でテントモンのセリフも多めですが、途中から進化しっぱなしでした。
 5~9話といい、このコンビは特に進化しっぱなしなことが多いです。
 
 
 
・ミミ組

 16話で互いにアボカドチーズバーガーを食べる約束をしたり、
 家族との一幕があったりと「現実世界組」の中では比較的描写に恵まれています。
 相変わらずリアクションも豊富な方なんで、見てて割と安心できる取り合わせ。

 1クール目で完全体進化をこなしてるにもかかわらず存在感があり、そこはさすがだなぁと。
 まあ出番そのものはお察しというやつなのですが。

 26話で敵の陰からスッと現れるリリモンの描写は、けっこう印象的でした。
 キュアレモネードVSダークレモネードを思い出します(わかりづれえ)。
 
 
 
・丈組

 丈先輩が微妙にマウント取りたがる人になってる気がします。
 こちらは親の姿こそ出てこなかったものの、シン兄さんが02ぶりぐらいの登場を果たしました。
 まあ親御さんが顔を出さないのは旧作もですしね。未知とのアーマー進化で声が出たぐらい?

 2クール目のハイライトは、なんといっても完全体進化。
 困難に見舞われても自分のやるべきことを完遂する、という描写は今考えると
 ドラマではなくバトル絡みにした関係でなんかちょっとズレた部分もある気はしますが、
 本作の中では悪くない流れのひとつになっていたと思います。

 ゴマモンは15話で丈を鼓舞する姿が印象に残ってますが、そこ以外はかなり地味です。
 でも26話で現着するなり、ハンマー二発でシードラモンを瞬殺した場面で
 多少なりとも取り返しました。デジアドにおける水中デジモンキラーの面目躍如です。
 
 
 
・タケル組
 
 この2クール目で最もコメントに困る取り合わせ。

 タケルが表舞台に出てきたのは19話なんですが、太一やヤマトとまともに会話もしないうちに
 聖なるデジモンであるエンジェモンが向こうから現れ、あっという間に力尽きてデジタマ化。
 タケルの立場からすれば、わけのわからないうちにわけのわからない献身を押し付けられて
 目の前で死なれたようなものです。ある意味無印以上のトラウマになっておかしくない。

 しかしそのタケルはさほど戸惑うことも嘆くこともなく、デジタマを守って奮闘しています。
 時にはかなり危ない橋を渡ってヤマトやガブモンに助けられることもあるほどで、
 なぜ話したこともない相手のためにここまでするのか、恐ろしくすら感じてしまう。
 これはtriのときとは全く種類の違う引っ掛かりです。

 この際ハッキリ言っちゃいますが、人間扱いされてないと感じるんですよ。
 見たものに何を感じ、何を求め、何に怒るのか。そもそもどういう子で、
 ヤマトとはなぜ離れ離れで暮らしているのか、ちゃんと描かれていないままです。
 せめて相方であるパタモンとの交流があればと思うんですが、それもなし。
 というより、これから描かれるかどうかという段階です。

 パタモンはパタモンで、聖なるデジモンとしての記憶を維持しているのか
 解説役から通訳までこなす便利キャラになってる一方、性格描写が希薄です。
 二人揃って、舞台装置扱いの域をほとんど脱していないんですね。
 無印のエンジェモン覚醒が念入りに仕込まれた出来事ということを思い返すにつけ、
 なぜこうなったと唖然呆然の極みへ陥らずにはいられません。

 挙げ句の果てに、ろくな描写もないまんまヒカリが合流するという……
 見ててリアルで「嘘だろ…?」と呟いてしまいました。どう挽回すんのこれ。

 あ、でも潘めぐみさんの声はほぼ完璧だと思います。これ前にも書いたな。
 
 
 
・ヒカリ
 
 オメガモン登場に計らずも貢献したあとはしばらく出てきませんでしたが、
 25話で突然の再浮上。その場は空に誤魔化されましたが穏便退去は求められず留まり、
 じっと様子を見ていました。なんか何を考えてるかよくわかんない娘になってる気がします。
 ボーッとしがちと言い換えてもよさそう。

 26話の後半では「呼んでる……」という電波ゼリフとともに周囲を巻き込むようにDWへワープ。
 ただしまだデジヴァイスは持ってないんで、彼女自身の持っているモノに
 近くにいた空たちのデジヴァイスが反応したと解釈した方が近いのかもしれません。
 紋章の設定が出てこないんで、彼女のその特性はだいぶフワッとしちゃってるのですけど。
 いやまあ光の紋章自体がフワッとしてるっちゃしてるんですけど。

 彼女の加入は一種の分水嶺と言えます。
 これで太一やタケルのキャラに幅が出せなかったり、出すつもりがなさげな経緯を辿るなら
 本作はドラマに関してもう期待ができないと判断するしかないかもしれません。
 それでなくたってテイルモンの登場が遅れそうなのに……

 和多田美咲さんの声はまだ長台詞が少ないので断言できませんが、
 こちらもかなり無印の荒木さんに近い仕上がりになってそうでそこは期待しています。
 
 
 
・レオモン一派
 
 11話からネーモンたちの話に出ていましたが、19話で合流。
 レオモン、スパーダモン、ファルコモンの三人にペックモンが一体ずつという取り合わせです。
 このうちファルコモンとペックモンは声がなく、スパーダモンも必要最低限しか喋らないので
 実質レオモンがメインで他はオプションみたいな扱いです。

 出てる回ではサポート役として出番が多く、レオモンについては19話でミノタルモンを斃すなど
 実績を上げているのですが、いかんせん本作の世代描写がだいぶ曖昧なので
 成熟期である上記と互角だったと思えばマメモンを纏めて片付けるなど、よくわからんちんです。
 マメモンについては、なにもレオモンだけが問題に巻き込まれたわけじゃないんですけど……

 オーガモンとは旧作でライバル関係でしたが、退場済なので特に絡みはありません。
 デビモンの名を太一たちに教えたのもレオモンなんですが、決戦時には不在でした。
 その意味では、今後どう関わってくるか読めない枠のひとつと言えます。

 妥当なのは新大陸に着いた段階で別行動を取り、仲間を集めるという流れでしょうか。
 光子郎たちがいない間を埋めていた役割でもあったので。
 もっとも、その彼らでさえ不在期間が結構あったのですけど。

 剣になったスパーダモンをレオモンが使う展開、あるかなあ……
 
 
 
・敵陣営の皆さん

 オオクワモン、ズドモン、オロチモンと完全体ラッシュに始まり、アイズモンや
 ニーズヘッグモンといった新規デジモンが出はじめたのも第2クールの特色です。
 特にニーズヘッグモンは事実上前半最強レベルの敵で、オメガモンの手まで煩わせたほど。

 しかしこれが災いし、何が出てきてもデフレが起きてしまうという事態に陥ってしまいました。
 それだけならともかく「斃したと思ったら進化」を偽東京編だけで二度もやらかし、
 都度ゴールポストを動かされて勝利条件が上書きされるので、徒労感が募ります。
 二回ぶんに縮まってるとはいえ、デビモンのときもまた同じことをするし。
 しかもこれ、アルゴモンの時も同じことしてるんですぜ?

 20話以降はベルグモン、カルマーラモンと幼年期〜究極体のカテゴリに収まっていない
 フロンティアやクロスウォーズ系のデジモンも登場しはじめます。
 ただし後者に当たるスプラッシュモン、ダークナイトモンらはこの展開の直前に
 いずれも完全体としてカテゴライズされています。このための世代設定だったのでしょうか。
 タイミング的にその線が濃厚ではあります。デスジェネラルの半数を完全体にする采配はともかく、
 
 デビモンはエンジェモンを「古き友」と呼び、そのデジタマを闇に染めようとしていました。
 かつての友を闇に引っ張り込もうとする迷惑な輩といったところですが、
 これらについてはデビモンが勝手に言ってるだけで、太一たちからはノーリアクションだったんで
 何がしたかったのかよくわかりません。わずかにトコモンがそれっぽい表情をするだけ。

 どんなに悪辣な言い分であっても「そんな勝手な理屈があるもんか!」と反論してもらえれば
 それは「主張」「感情のぶつけ合い」として成り立つもの(東映作品ならプリキュアが好例)なんですが、
 スルーされちゃったら単に気味の悪い独り言で終わりです。これはその典型的なケース。
 いやホント、こーゆーのが一番困るんですわ……

 偽東京編以降だと、最も楽しめたのは率直に言ってレオモンVSミノタルモンでしょうか。
 メインキャラが絡んでさえいねえ。

追記1:
 あの役回り、カルマーラモンがやる意味ありました?
 イカじゃん! 後半本当にただのイカじゃん!

追記2:
 サウンドバードモン達はどこに行ったんでしょうか?
 アレらがもしデビモンの眷属扱いなら、一緒に消滅してておかしくないけど。
 
 
 
★今後へ向け

 2クール目までにタケルもヒカリも合流してエンジェウーモンとホーリーエンジェモンも出る。
 そう思っていた頃が私にもありました。

 最低でもタケル推しは間違いないと思ってたし、実際に後半から出てはくるのですけど
 まさかここまで浅掘りのまんま放置されるとは……
 いやまあ、ドラマ性ややり取りが食い足りないのは他も同じなんですけど、タケルは群を抜いてる。

 登場から7話もかけておいて一体何をやってたんだ……
 少なくともエンジェモンは出せたでしょうに。いや出たけど! 斜め下の方向から!

 3クール目以降が良くも悪くも読めません。
 レオモンがオーガモンともデビモンともろくに絡まなかったところをみると、
 ひょっとして単に無印の逆張りをしてるんだろうかという勘繰りが頭をもたげてきます。
 …だとしたら、バトル偏重でドラマが薄いのもその一環…いや、まさかな。

 このあたりは、テイルモンがヴァンデモンと関わってるかどうかでも判断できそうです。
 ここまで来るとヴァンデモンともウィザーモンとも関わってない気がしてきましたが、
 本作の場合バチバチに絡んでるケースをフツーにお出しされることもあり得ますからな……
 結局、フタを開けてみなければわからないといったところです。

 何はともあれ、27話からいよいよ新大陸編です。
 EDが変わることはわかってますが、OPも一部カットが変わったりするかもしれません。
 その内容次第では、あれこれと今後への想像ができるでしょう。

 夢想しているうちが華、なんてことになりませんように。
 後半は良かったと、手の平を返す準備はいつでもできています。