ミミちゃんウォーズ

脚本:山口宏 絵コンテ:- 演出:佐藤道拓

作画監督:Noh Gil-boLee/Yeong-gyu 総作画監督:仲條久美

★あらすじ

食料調達中、事故で川に流されてしまった太一組と空組。
その先でミミと再会するのですが、彼女は現地のゴツモンらとゴーレモンを味方に引き入れ
一帯に君臨するゴグマモンを打倒しようと計略を練っていました。

ゴグマモンはゴツモンらを奴隷のごとく働かせ、掘り出された宝石を貪り食うという
一人だけ美味しい思いをしている暴君でした。ミミは祖父の影響からこの状況の打破を考え、
太一と空をも巻き込んで行動してゆくことになります。

果たして現れたゴグマモンは、宝石のみならずゴツモンたちをも食う恐ろしい存在でした。
その頑丈な体は攻撃を受け付けませんでしたが、ダイヤモンドだけは噛み砕けないという
弱点でもあるその食性が露見。ダイヤモンドを弾丸がわりに使ったフラウカノンで
亀裂を受けたゴグマモンは、もはやリリモンの敵ではありませんでした。

すべての根源を断つため、ゴーレモンたちにあとを任せて太一たちと旅立つミミ。
選ばれし子供たちがまた一人合流したのでした。
 
 
 
★全体印象
 
37話です。
前回の光子郎に続き、今回はミミの当番。これまたずいぶん待たされました。
ここ最近は出てるだけでもレアでしたから、当番回というだけでハードルが下がります。
書いてて自分でもわけのわからない状況だと思いました。

ISS落下による被害抑制が功を奏したため、全体に箸休めのムードが強い一篇。
ミミがしばらくぶりな分猛烈にそのマイペースぶりを発揮しており、太一と空は
完全に振り回される側でした。
視聴者側としても何度か「お、おう……」と言わざるを得ない状況へ陥っています。
細かい話は個別項目にて。

バトルでは久しぶりにリリモンが活躍。他は成熟期止まりです。
このへん、さじ加減が難しいのも確かですけど悪くはないバランス取り。
おかげでミミ組のアクションが長めに取られ、新鮮さを味わうことができました。

脚本は山口さん。やはりこの方はミミ担当という捉え方で間違いなさそうです。
メインスタッフには特に新顔はいないようですね。
 
 
 
★キャラなど個別印象
 
 
・太一

 ミミちゃんカンパニーNo.72。
 勢いだけに見えるミミを心配して単身ついて行ったんですが、パートナーと離れたため
 一時はゴグマモンに無防備で相対する破目になるという結果を招いてしまいます。
 すぐミミ組が救援に現れたものの、グレイモンとの合流が遅れたのでバトルでの見せ場は
 ほぼトゲモンとリリモンに譲っていました。まあこういうこともないとね。
 
 
 
・空

 ミミちゃんカンパニーNo.73。
 川に流されそうになった太一たちを助けようとしたものの、ピヨモンともども
 仲良く下流まで流される憂き目に遭いました。

 オメーらパートナーは二体とも飛べるじゃねえかよと言いたくなりますが、
 ピヨモンの言い方だと進化はしたらしいです。じ ゃ あ し ょ う が ね え な 。
 まあ、おかげでミミとも合流できたんで怪我の功名なんですが。

 それにしても、割にずっといるのにホント存在感ねえな……
 普通、9話も出ずっぱりならもうちょっと印象に残りそうなもんですが。
 
 
 
・光子郎組/タケル組/ヒカリ組

 今回はほとんど出番がありません。
 コモンドモンが居眠りして合流が大幅に遅れたためです。
 デジモン図鑑では、光子郎が意外と筋トレ好きそうなセリフを。本作ではそうなのかな。
 
 
 
・ヤマト組/丈組

 出番なし。それでもようやっと、本当にようやっと次回で出番があるようです。
 温泉と一緒に流れ落ち果てた株を次回だけで回復できるとは到底思えませんが、
 とにかく丈先輩をなんとかしてください。このままではアカン。
 
 
 
・ミミ

 大会社会長の孫という、本作独自の側面を強く打ち出してきました。
 その会長が常々言っていた言葉に照らし、あまりにもブラックな鉱山の状況を見かねて
 ゴツモンやゴーレモンたちと共に機会を伺っていたようです。
 太一と空が合流したことで勝ち筋が見えたのか、一気に駒を進めました。

 合流までの経緯はこれまでも断片的に描かれてたのですが、ハッキリ言わせてもらえば
 わざわざ小出しにするもんでは全然なかったと思います。
 だって本当に、ミミの説明だけで概ね済んでしまうような内容でしたもの。

 あと、ヒカリが拉致された件を知ってたはずなのにそんなことをしていたというのは
 無駄に彼女らの株を下げるだけの全くメリットのない要素になっちゃってます。
 裕子ママと同じで、その辺はスルーされるんでしょうけど……

 DWに慣れたためかそのマイペースぶりはますます際立っており、セリフ自体にも
 割とインパクトはあるんですが、ギャグ扱いということもあって浅い印象も多々受けます。
 中途半端にいいこと言わせるぐらいなら、ギャグで通した方が良かった気がしますね。
 それをやり切ったのが無印の浦沢脚本で、彼女との相性も悪くなかったんですよね。

 戦闘ではほぼ要所を持って行く活躍ぶり。
 ダイヤを握りこんでからのフラウカノン展開でダイヤを弾丸として使ったり、
 手元にエネルギーを固定してドリル状に回転させるなど、リリモンの描写においても
 本作独自の色が強く出ていました。決まると花が咲くのも相変わらず。

 ただし前回と違い、ロゼモンのオーラは出てません。
 出てたとしても、だいぶわかりづらい形になっていたと思います。
 
 
 
・ゴツモン

 ミミが仲間に引き込んでいた鉱石型デジモンたち。
 ゴツモンはシリーズ常連でパートナーデジモンの扱いを受けたこともありますが、
 成長期とあって強くはないため、被害者ポジションに収まることもあります。

 今回は特に、強制労働力兼ゴグマモンのオヤツというひどい扱いを受けていました。
 メルクリモンの側近だった個体あたりが一番優遇されてたパターンかな?
 
 
 
・ゴーレモン

 ミミちゃんカンパニーNo.99。ラストシーンで社長代理にも兼ねるようになります。
 このゴーレモンは02でダークタワーデジモンとして登場したのがアニメ初登場で、
 クロスウォーズでブルーフレアの一員だったこともあるものの、セリフなどはありませんでした。
 一応ちゃんと喋るうえで、味方に回ってくれるゴーレモンは珍しいと言えます。
 しかも仲間の処遇に激怒してゴグマモンに向かってゆくなど、純朴で善良な性格に描かれてました。

 一度バラバラになったもののそれぐらいでは死なず、戦いの後で元に戻っています。
 その際、肩に花が確認できるのでたぶんリリモンが花の首飾りあたりを応用して
 つなぎ直してくれたのでしょう。お花はワンポイントというわけです。個体識別にもなる。

 中の人はゲスト役常連のボルケーノ太田さん。
 悪役をやることも少なくない中、割とマシな待遇を受けた役柄と言えそうです。
 
 
 
・ゴブリモン/スナリザモン

 今回のザコ担当。後者は映像作品初登場です。
 前者は割と便利に雑兵として使われており「デジモンフロンティア」5話においても
 ほぼ同じ役どころで登場していました。使い勝手が良いのでしょうね。

 スナリザモンはせっかく初登場なんですけど、新デジモンの割に扱いは良くないです。
 岩地にカモフラージュできるようですが、演出として見受けられるだけのことで
 不意打ちとして役だった場面は特にありませんでした。

 
 
・ゴグマモン

 今回のメインエネミーである鉱石型完全体デジモン。
 鉱山に城を構え、ゴツモンたちを強制労働させて宝石を発掘させ、これを独占していました。

 のみならず、ゴツモンたち自体までをオヤツ扱いして食っていたことがわかっています。
 ゴツモンたちにとっては天敵とも言える扱いですね。
 本来の設定では食事らしい食事は取らず、時折洞窟から外に出て光を蓄えるだけのはずなんですが、
 鉱石を直接食う方が美味いと考えたのでしょうか。ゴツモンたちはいい迷惑ですが。

 ほとんどの鉱石を簡単に噛み砕くという極めて高い硬度を誇り、体も頑丈の一語。
 ゴーレモンを一蹴し、リリモンの攻撃も当初は通用しませんでした。
 しかしダイヤモンドだけは噛み砕けないことを見抜かれ、自慢の体に亀裂を受けています。
 なおも抵抗するのですが、リリモンに正面から捩じ伏せられて敗北。消滅しました。

 この手の大型敵にしてはめずらしく喋るんですが、交渉の余地のない悪党として描かれてます。
 立ち位置的には、なにも斃すことはないんじゃないかと思ってしまう程度の相手ですが。
 禍根は絶った形ではあるけど。
 
 中の人は乃村健次さん。「フロンティア」でアルボルモン役だった方です。
 渋めのバイプレイヤーが多いんですが「キン肉マンII世」のスカーフェイスのような役柄も。
  
 
 
★名(迷)セリフ

「何があっても、ヒカリは守り抜いてみせる。この命にかえて」(テイルモン)
 
 食料調達で自分たちが場を離れる間、ヒカリとタケルはあまり遠くへ行かないように、
 との空の言葉を受けて。言葉がいちいち重いです。それが本作なりの味付けではあるけど。
 
 
「しかも、掘り出したものはみーんなボスがひとりじめ!
 まるでブラック企業! 社会問題の波は、このデジタルワールドにまで押し寄せていたのよー!」(ミミ)

 
 一帯の現状を説明して。鼻息が荒いです。
 太一と空が割と引いていたので、ここは笑うところなんでしょう。
 しかも太一、「何を掘り出してるんだ?」とさりげなく話題を変えてます。
 
 
「……すごい名前だね」(太一)
 
 ミミパルが付けた宝石類の名前を聞いて。
 完全にミミのペースに乗せられてるため、ツッコミのテンションがバグっています。
 
 
「…お、おう……」(太一)
 
 特に多用されていたリアクション。
 他に言いようがないときに使われるわけですが、今回はそうしたケースばかりでした。
 
 
「平和に暮らすゴツモンたちを捕まえて、休みも与えぬ重労働…!
 懸命に働くものたちを、粗末にするような悪徳上司は!
 この太刀川ミミが! リストラを言い渡ーす!」(ミミ)

 
 人それを「搾取」という……
 一応キメてるんですが、スベってるようにも見えます。
 あまりに堂々とスベってるので誰もツッコミを入れられないようですが。
 
 
「この城にあるものは、石も、デジモンも、すべてオレの……」(ゴグマモン)
「わたしのよ!!!」(ミミ)
「言い切った…!」(太一)

 
 一見まったく同じことを言っているようですが、このあとミミは「だから見捨てない!」
 と言い添えています。そこが一応、ゴグマモンとの差なのでしょう。
 あんたは最強の盾を誇るホムンクルス・グリードか何かですか?

 それにしてもセリフを最後まで言わせてもらえない時点で、ゴグマモンは詰んでいますね。
 「セイバーズ」33話の聖といい、セリフを遮られた悪役は必ず負けるのです。
 
 
「あなたは! クビよーっ!」(ミミパル)

 「ジョーンズ! 貴様はクビだ!」
 「どうも」(正確無比な射撃)

 かくして内部告発と外部からの働きかけにより、ジョ…ゴグマモン社長は退陣に追い込まれたのでした。
 退陣というか死んだわけですが。文字通りクビが飛ばなかっただけマシかな……?
 
  
「カンパニーって、会社だけじゃなくて、他の意味もあるの!
 それはね… 仲間、よ!」(ミミ)

 
 ラストシーン。なんだかわからないけど良い話っぽく落としましたな。
 ミミの表情もやたらといい感じに仕上がっています。
 
 
 
★次回予告

 メフィスモン登場。こいつ、確かテイマーズじゃアポカリモンの残滓だったような。
 サラマンダモンも映像作品初登場ですが、注目はやっと見せ場がもらえそうな丈。
 ヤマトとガブモンの出会いも描かれそうな気配ですが、まず丈先輩を優先してほしいな……