夜明けのヒカリ

脚本:冨岡淳広 演出:セトウケンジ

作画監督:原憲一/Noel Añonuevo/Eugene Ayson

総作画監督:仲條久美

★あらすじ

ついに妹・ヒカリのもとへたどり着いた太一。
黒い結晶体の上でダークナイトモン、そしてヒカリを媒介とした儀式が始まります。
彼女を生贄とすることで、ミレニアモンを復活させようというのです。

救助しようとする太一の手を取ることなく、ヒカリはダークナイトモンの中へ。
真意がわからないまま、それでも太一は必死に戦い続けます。

果たして、闇の中で輝く何者かへ語りかけるヒカリ。
彼女はずっと自分を呼んでいたその存在と接触するため、敢えて踏み込んだのです。
そんな彼女たちを襲う茫洋たる闇の龍。ミレニアモンの悪意でしょうか。

そこへ、ダークナイトモンの攻撃を突破してきた太一が馳せ参じます。
ヒカリたちは無事に救助され、闇の勢力は一時後退してゆきました。
かくして、最後のパートナーデジモンがとうとうその姿を現します。
その名はテイルモン…!
 
 
 
★全体印象
 
33話です。
タイトル通りのヒカリ救助編。

…なんですが、敵はわけがわからないしダークナイトモンはなんも言わないで光ってるだけだし
ヒカリはもはやなんかやべー人になっていて非常にコメントに困る一編でした。
あと太一偏重が酷すぎてもうそろそろ言い募る回数が減ってくると思います。
これだけ偏ってるってことは、そういう至上指示があったってことなんでしょうかね…?
邪推はろくなことにならないのでやめときますけど。

脚本は富岡さん。作監に東映フィリピンのスタッフも見て取れます。
プリキュア以外のニチアサで見るのは珍しいような……
 
 
 
★キャラなど個別印象
 
 
・太一組

 わけのわからない敵と真意のわからない妹に振り回されてるようにも見えますが、
 それでもブレずに戦い続けている人・八神太一。あんたも大変だな……
 本作の場合、余計なことを考えている暇が本当に無いといえば無いんですけど。

 戦闘では31話に続いてウォーグレイモンが登場。
 出番は完全体以下よりも短いですが、そのぶん切り札感は確保されています。
 ブレイブトルネードも初出ですが、やめてください太一が死んでしまいます。

 …ロデオギャロップといい、一体どうなってるんだこの状況は。
 デジヴァイスが所謂Bt’Xのガードシステムっぽい役割なのはいいとして、
 なんの説明もないと「ギャーッパートナーが死ぬ!」って毎回なっちまいますよ。
 
 
 
・空組

 太一組を補佐し、メイルドラモンを撃破する実績を挙げました。
 特筆点が本当にそれだけだから困ります。
 ずっといるのになんでこんなにも存在感ないんだ、この子ら……
 
 
 
・光子郎組

 毎度恒例、宇宙ステーションの現状をお知らせ・解説する役回り。
 そうは言ってもDWからは何もできなかったりするので、
 延々とただ状況だけ流されても視聴者としては「で?」ってなるのが困りもの。
 
 
 
・ヤマト組/ミミ組/丈組

 今回も出るには出たけど、な扱い。
 相変わらずヤマトは走ってるし先輩は風呂に入ってるしでどうなってんのこれ。
 そしてやっぱりミミ組の状況が見えねえ。
 
 
 
・タケル組

 前回を受け、今回からはしっかり太一のサポートをこなすようになりました。
 ろくに人物が描かれないままなんで、これという感慨はないのですが。

 そういえば、パタモンがテイルモンに反応していました。
 どうやら、記憶の断片が残っていたようですね。
 相方みたいなもんだから、やっぱり一番よく覚えていたのでしょう。

 
 
・ヒカリ
 
 儀式?の影響でしょうけど、なんか光ったり目がキュピーンとなったり非常に怖いです。
 ダークナイトモンに取り込まれる際の演出は軽いホラー。
 なんと言っていたのかは、結局明かされることがありませんでした。

 その実、兄が救出に来ると信じて敢えて渦中に飛び込んだことが判明しています。
 いやいやいや、どんだけ兄貴を信頼してるのよ……
 旧作でもそういうとこは多々あったけど、何かもう常軌を逸してませんか。
 怖ェ、怖ェよこの娘………

 なお改めて、和多田さんの演技はキャライメージ的にほぼ満点でした。
 それだけに怖ェ。怖ェよぉ……
 
 
 
・テイルモン

 なぜかダークナイトモンの中で、光そのものみたいになって閉じ込められていたっぽいです。
 ヒカリに触れたことで己を取り戻し、パートナーである彼女を庇う場面もありました。
 まだ安定していないのか、ヒカリに抱えられてることも多かったですが。

 エンジェモン同様、どーゆー経緯であんなことになっていたのかはわかりませんでした。
 まあ、ヴァンデモンが絡んでなかったことだけは確かみたいですけど……
 ウィザーモンに関しては影も形も出てきませんが、これは仕方ないかも。
 出なきゃ出ないでそれ自体はしょうがないことだと思うのです。
 
 
 
・スカルナイトモン → ダークナイトモン

 なんかむっちゃ光ってた人。
 黒い稲妻と儀式の影響か途中から完全体に戻り、そこからさらに強大化しました。
 大地からイビルモン似のアンデッドソルジャーを呼び出す芸当もやってのけます。

 また、普通なら一本しかないはずの「ツインスピア」を無数に召喚することまでできます。
 さながらゲート・オブ・バビロン。

 この力によって、わずかな間ながらブレイブトルネードをも止めています。
 しかし岩をも通す一念で迫る彼らを防ぎきることはできず、突入されてヒカリ達の救出を許し、
 そのまま崩壊してゆきました。まさか棒立ちのまんま退場とは……
 22話での疾く重い立ち回りがすでに懐かしいです。

 長く暗躍していたデジモンですが、キャラが薄すぎるせいで感慨はほとんどありません。
 デビモンでさえそうだったのだから言わずもがなってやつです。
 ダークメイルドラモンもこの少し前に退場しましたが、1クールも出張ってたとは思えないほど
 こちらもあっさりすぎる降板でした。もうちょっとこう…なんというか……

 結局なぜテイルモンが中?にいて、彼らがその役割を請け負った理由もわからないままでした。
 一から十まで語れとは言いませんが、一すら語ってない事例が多すぎません?
 
 
 
・ベーダモン

 ご本尊と思しきミレニアモン結晶の前で祝詞を並べてました。なぜベーダモン。
 失敗した際のセリフがダゴモンの使徒と似ていて、悪い意味で既視感がありました。
 
 
 
 
★名(迷)セリフ

「迷ってなんか… いられない!」(太一)

 ヒカリが伸ばした手を取らず、ダークナイトモンに呑み込まれたのを受けて。
 本作の彼はいつもこんな感じですね。
 
 
「わたし、ここだよ……
 あなたでしょ? ずっとわたしを呼んでたの……」
「わたし、来たよ…! ここにいるんでしょ…?
 こっちにおいで…… ここから、出してあげる…!
 きっと、ううん… 絶対、助けに来てくれるから…!
 ほら… 掴んで、わたしの手を…!」(ヒカリ)


 闇の中で輝く何かに語りかけて。
 少なくとも、ヒカリの兄への信頼が絶対であることがわかるセリフです。
 それを疑うことすらない時期だからこそ、見えるものもあるのかもしれません。
 
 
「ダメだろ、独りで遠くへ行って…! …迎えに来たぞ、ヒカリ」(太一)
「ごめんなさい… でも、信じてた…! 絶対、来てくれるって… お兄ちゃん…!」(ヒカリ)


 完全に主役とヒロインのやり取り。
 ヒカリのセリフがまあまあ重い内容なのはこの際置いときます。
 
 
「ダガ我ラハ… 次ナル機会ヲ待ツ……」(ベーダモン?)

 ヒカリを使って良からぬことをしようと企む連中というと、
 どうしてもあの昏い海のものどもを思い出してしまいますね……
 このセリフはそれを連想させた最たるものです。
 
 
 
★次回予告

 海の楽園を守るための戦い。ヒカリとテイルモンの初陣です。
 海のデジモンか…… 丈先輩ーっ! はやくきてくれーっ!
 出番がどんどんなくなるぞーっ!