究極体ウォーグレイモン

脚本:山口宏 絵コンテ:八島善孝 演出:ひろしまひでき

作画監督:澤木巳登理/北野幸広 総作画監督:浅沼昭弘

★あらすじ

執拗に追撃してくる闇の勢力。
太一は空に森のデジモンたちの護衛を託し、自分たちは殿(しんがり)に回ります。
迫るアロモンたちを次々に撃破する彼らですが、そこにパロットモンが出現。
さらに黒い稲妻の作用で進化を果たし、究極体クロスモンとなります。

クロスモンの圧倒的な強さに、一時は倒れてしまった太一とアグモン。
しかしその中で何かをつかんだ彼らは再び立ち上がり、クロスモンを追います。
戦いに気づいたクロスモンが舞い戻り、リターンマッチが始まりました。
限界を超えるほどの力で立ち向かうメタルグレイモンですが、それでも及びません。

でも、太一もメタルグレイモンももう折れませんでした。
幾度も片鱗を見せていた究極進化が、ついにその姿を現したのです。
その名もウォーグレイモン!

ウォーグレイモンの力は、クロスモンもろとも敵を全滅させる凄まじさでした。
彼らはついにたどり着いたのです。最後の騎士に限りなく近い域へ。

一方、光子郎は現実世界に起こりつつある恐るべき危機に気づき……
 
 
 
★全体印象
 
30話です。
タイトル通り、ついにウォーグレイモンが登場。
ブリッツグレイモンになる可能性も予想してましたが、まあOPに出てたし。

10話と大筋では被り気味なのですが、これまでの回想を交えながら
進化への盛り上げへ繋げてゆく演出はある程度効果があったと思います。
大半戦ってばっかの回想なのはいろんな意味で本作らしいけど。

バトルではむしろメタルグレイモンの健闘の方が印象的で、ウォーグレイモンは
出て割とすぐガイアフォースぶっぱで終わったんでむしろアッサリしてます。
強さは示していたし、バンクにもさすがに力は入ってますが。

事実上の三連続太一回となりました。今回は出てすらいないメンバーもいます。
この偏りっぷり、最初にOPを見た時の予感が当たっちゃった感があります。
ヤマトすら影が薄いのはホントどうかと思いますな……

脚本は山口さん。メインスタッフに特に新顔はいないようです。
 
 
 
 
★キャラなど個別印象
 
 
・太一組

 相変わらず一切のブレが無いまま、ここまで来てしまいました。
 あまりにも強すぎて、ヒーロー的な頼もしさ以外は本当にどっかへ行っちゃってます。

 弱さを見せないことが悪いというより、キャラに幅が無くなっていると思うのです。
 鋼メンタルだったVテイマーのタイチだって、よく葛藤したり苦しんだり 
 途方にくれたりしていたというのに。

 それはともかく、ポイントはメタルグレイモンの戦いぶりです。
 相手の強さを示すためでしょう、今回はボロボロになる描写が多かったのですが
 それでも出せる手を全部出して食らいついてゆく流れは良かったんじゃないかと。
 それだけやっても究極体には及ばないというのも込みで。

 究極体になってからはまさに桁違いの火力を発揮しましたが、
 もうちょい格闘戦やって同じ世代でも格の差を見せて欲しいところはあったかも。
 例えば、ドラモンキラーを受けようとしたクロスモンの爪が砕け散るとか……
 ブレイブシールドを活かしてたのは良かったんですが。
 
 
 
・空組

 序盤でメガドラモンと殴り合ってました。
 出番は概ねそこまでですが、航空戦力を壊滅させたので貢献度は高いです。
 
 
 
・光子郎組

 人工衛星が国際宇宙ステーションに衝突する軌道を取っていることを突き止めました。
 大変な事態ですが、DWからどうやってこれを食い止めればいいのでしょう。
 次回から登場するあのデジモンを打倒すればいいのでしょうか。
 
 
 
・ヤマト組/ミミ組/丈組/タケル組

 今回は出番なし。
 あと20話しかないとなると、一部組はもう挽回が難しそうです。
 究極進化回も、このぶんだとドラマっぽいものを貰えるすらか怪しくなってきたし。
 
 
 
・ヒカリ
 
 ちょっとだけ出番がありました。
 「どこ行くの?」と訊く声がかなり荒木さんっぽかったです。
 
 
 
・ウッドモン/バドモン/ロップモン

 今回はほぼ移動してるだけ。
 思わせぶりな演出の多いロップモンですが、次回予告を見る限りやはり何かありそう。
 
 
 
・アロモン/メガドラモン/ベジーモン

 尖兵としてせっせと働いていた方々。
 しかしメガドラモンは序盤で全滅したので、あとはアロモンが主体です。
 相変わらず弱すぎるぞメガドラモン。

 で、なぜか今回からベジーモンが加わりました。
 戦闘力的には低そうですが、なぜか司令塔のような役割を果たしていたようです。
 その関係で「成熟期の指示を受けて動く究極体」という珍妙な構図が発生しました。
 役割に徹してるだけ、と言えなくもないのですが。
 
 
 
・パロットモン

 どうしたわけか序盤はいなかったお方。
 高空からの電撃やメタルグレイモンのメタルボディをも切り裂く鋭い爪など、
 完全体の時点でも相当の強者として描かれています。

 それでもコイツ相手までなら、メタルグレイモンでなんとかなったのでしょう。
 
 
 
・クロスモン

 黒い稲妻を大量に浴びたパロットモンが究極進化を遂げた姿。
 02の頃に登場したデジモンですが、メインエネミーとして登場するのは初めてになります。
 特にボスキャラではないコイツがここまで強くなるとは、新大陸おそるべしと言うべきかも。
 たぶんダンデビモンより強いぞ。半モブだけど。

 その力は完全体レベルをまさしく超越しており、ポジトロンブラスターを正面から受けて
 全くダメージを食らった様子がありません。
 ギガデストロイヤーを撃っても目にも留まらぬ爪撃で切り刻まれ、届きもしない。
 ついには全身から炎のようなオーラを放っての突撃「カイザーフェニックス」によって
 一度は太一組をKOし、今度は空たちの追撃へ向かおうとしました。

 再戦においても実力をいかんなく見せつけ、決死の勢いで迫るメタルグレイモンの攻撃を
 ことごとく跳ね返し、真正面から受け止めてみせてます。
 限界レベルで食らいついてる主役側に対し、まだまだ全然余裕のある描写が光ってました。
 こういう「格の差」が明確にわかる演出は良いですね。

 しかし、ウォーグレイモンが出てからは状況が一変。
 警戒して初手からカイザーフェニックスを繰り出すものの、ガイアフォースによって
 技ごと粉砕され、そのまま地上のアロモンたちごと消え去りました。
 ウォーグレイモンの実力のほどがよくわかる顛末。

 進化回の相手役として、一定以上の仕事はしたと思います。
 いかんせん因縁どころかセリフすら無い獣同然なキャラなんでドラマ性は無かったけど。

 その他、電撃を収束させたような光線も使います。こちらはミスティックブレイクかな?
 
 
 
 
★名(迷)セリフ

「オレたちにはまだ、やらなきゃいけないことがあるんだ… みんなと一緒に…!
しょげてる暇はない。ビビってなんてられない。
何度だって立ち上がって…!」(太一)
「何度だって、飛び込むんだ!」(アグモン)


 むしろしょげたりビビったりしなさすぎてこっちがビビるレベルです。
 こんだけ非常時の連続だと、余計なことを考えるヒマがない気は確かにしますが。
 
 
「見せてやろう…! オレたちの… オレたちの力を!」(太一)

 究極進化を前に。確信に満ちた表情です。
 究極体進化って完全体進化に比べてあっさり気味なこともあるんですが、本作の場合は
 完全体進化の時よりは描写が強めでした。進化後のバトル描写ではあっちの方が好みですが。
 
 
 
 
★次回予告

 ゴクモンが映像作品初登場。メタルファントモンは二度目ですね。
 これからは究極体クラスがバンバン出てくることになるのでしょうか。
 ミレニアモンは確かに、その中でもボスを張るにふさわしい存在ですが……