脱出 燃える密林

脚本:古怒田健志 絵コンテ:大地丙太郎 演出:武藤公春

作画監督:荏原裕子 総作画監督:仲條久美

★あらすじ

ダークナイトモンに連れ去られたヒカリを追い、アグモンとひた走る太一。
そんな中、森に住むウッドモンやバドモンたちに巡り会います。
穏やかに暮らすことを望む彼らでしたが、彼らの森にも闇の勢力が迫っているのでした。

やがて尖兵たるアロモンが出現。上空からはメガドラモンが迫ります。
さらにその後からは完全体・タンクドラモンが現れました。
ウッドモンたちを守って戦う太一とメタルグレイモンですが、いかんせん多勢に無勢。

そのとき、太一を案じて急行していた空が馳せ参じてきました。
彼女らの救援で勢いを盛り返した太一たちは次々に技を繰り出し、タンクドラモンを撃破。
しかし、敵の軍勢はなおも途切れることを知らず……
 
 
 
 
★全体印象
 
29話です。
ヒカリを追っている最中にサブクエストこなしてるようなお話…なんですが、
これがそのまんま究極進化イベントに繋がるっぽいという流れになってました。
えっお前これメインイベントだったの? ってなってます。

相手はどうやらパロットモンのようですね… 意図のほどは明確。
しかし出すタイミングが微妙すぎて、判断に困らされているのが実情です。
これが例えばクロスモンだったり、進化してそれになるっていうならまだ分かるので
ひとまず保留したいんですが…… ハッタリ利かすなら最初から究極体出すわな、と。

脚本は古怒田健志さん。絵コンテにはなんと大地丙太郎さんが参画しています。
大地さんといえば90年代は「こどものおもちゃ」「すごいよ!!マサルさん」「十兵衛ちゃん」、
2000年代は「レジェンズ」「ギャグマンガ日和」などなどハイテンションな演出で知られる方。
情報によれば最近は東映作品にも参加してるそうなのですが、そこらへんの縁なのでしょうか。
 
 
 
★キャラなど個別印象
 
 
・太一組

 太一にちょっとだけ打ちひしがれてる描写がありました。ほんのちょっとの間ですが、
 ああいうのが少しでもあると人間っぽさが出るんで、とても良いと思います。
 我ながらハードルが下がってる気がするけど。

 戦闘では途中までおおむね孤軍奮闘。
 一般デジモンたちは一番強いウッドモンでさえ、一般兵レベルのアロモンに歯が立たない始末。
 とはいえ最終的には空組の救援、さらにはウッドモンたちのささやかな援護に勇気を得て
 一気に形勢を逆転させています。

 しかしながら見せ場を空組と折半したほどでもなく、タンクドラモンはほぼ独力で撃破してます。
 次回はどう考えても見せ場が多いんだから、今回は空にもっと分けたげても良かったのに……
 
 
 
・空組

 太一組と最も近い位置にいたのでしょう、真っ先に合流しました。
 それも彼らが追い詰められたタイミングという、なかなかに美味しい状況です。
 また、シャドーウィングの一撃で森の火災を消すという大きな貢献も成し遂げていました。

 が、あとはメガドラモンを殴ってるぐらいでこれという見せ場はありません。
 どうせなら、メタルグレイモンとの同時攻撃ぐらいさせてあげても良かったのに……
 
 
 
・ヤマト組/光子郎組/ミミ組/丈組/タケル組

 今回も「出るには出たけど…」な扱い。
 キャッキャしてるミミ組と、温泉でのぼせてる丈組が地味に株を爆下げしてます。
 君ら、ちゃんと状況聞いてました…?

 あと光子郎が現実世界の様子を逐一知らせてくれるんですけど、
 現状子供達からはどうにもできないことなのがなんとも歯がゆいところです。
 布石なんだろうし意味がない流れとまでは言えませんが。
 
 
 
・ヒカリ
 
 今回は出番なし。結局なんでおとなしくダークナイトモンに従ってたんですかね?
 
 
 
・ウッドモン/バドモン/ロップモン

 森に住む一般のデジモンたち。
 いわゆる闇の勢力には属さず、森でただ静かに暮らすことを望んでいたのですが
 弱肉強食をよしとする闇の勢力によって追い立てられる身となってしまっていました。

 一応逃げ惑うばかりではなく、ウッドモンたちは仲間を逃がすためアロモンに立ち向かうし
 最終的にはバドモンらを含めた総出でタンクドラモンに攻撃を仕掛けているのですが、
 力が足りなさすぎてダメージを与えるには至っていません。
 それでも、後者の行動は太一とメタルグレイモンに勇気と反撃のチャンスを与えました。

 そんな彼らの中に、一匹だけロップモンが混じっております。
 ロップモンといえば天使型のルーツのひとつ。思わせぶりな演出も多いのですが特に何もなし。
 このまま本当に何もなかったらズッコケ案件なんですが、次回待ちですかね。

 端役としては珍しく、ウッドモンたちにはセリフがあります。
 本作ではデジモンつながりで、こういうときよくボルケーノ太田さんが起用されますね。
 プリキュアの大型モンスターがみんな同じ声なのと似たようなものでしょうか(違う)。
 
 
 
・アロモン/メガドラモン

 闇の勢力の尖兵。
 最初はダークナイトモンが太一組の追撃を断つために呼んだ連中かと思ったのですが、
 ウッドモンらを襲っていたところをみると別にそういうわけじゃないのでしょうか。

 アロモンは今回の敵集団では戦闘単位として最弱なのですが、それでも成熟期である
 ウッドモンをやすやすと屠っているため攻撃力は非常に高いものがあります。
 メタグレの左肩(メタル部)への噛みつきがダメージになっていたのにはびっくりしましたけど。
 一応メタル部分も痛覚あるのね、やっぱり。
 (追記:指摘を受けましたが、アロモンは成熟期じゃなくてアーマー体でしたね)

 メガドラモンは上空から獲物を追い詰める役なのですが、完全体でありながら非常に弱いです。
 成熟期のグレイモンにジャイアントスイングされるまではまだ良いとして(良くはないけど)、
 ガルダモンにワンパンで斃されるのはいくらなんでも弱すぎやしませんかね…?
 この程度の強さでいいならエアドラモンで務まりますぞ(エアドラモンに失礼だけど)。

 そもそも本作のメガドラモンは初登場の時から成熟期であるレオモンに普通に斃されてるし、
 あまり強い扱いではないんですよね。悲しいことですが。
 メガシードラモンあたりと同じ、強ザコレベル扱いの完全体といったところでしょうか。
 
 
 
・ナニモン

 いつのまにか増えてました。この方々、単に温泉に入りに来ただけなのでは…?
 それにつけても状況が謎すぎます。いつ動くんですかこれ。
 
 
 
・タンクドラモン

 今回のメインエネミー。映像作品には初登場です。
 アニメ以外だと「デジモンネクスト」にその回のボスとして出張っていましたっけ。

 名の通り重戦車の下半身を備えるデジモンで、さしずめデジモン版恐竜戦車とでも呼ぶべき存在。
 攻撃力はヴォルクドラモンほどじゃない感じですが、全身をいわゆる超信地旋回でスピンさせることで
 ギガデストロイヤーをも弾き飛ばすなど、防御力は非常に高いものを誇っています。
 シャドーウィングの直撃にすら耐えきり、空を瞠目させたほど。

 しかし底力を発揮したメタルグレイモンには敵わず、ポジトロンブラスターで斃されました。
 どうやら次が本命で、こいつはあくまでも前フリみたいなものみたいですが。
 
 
 
・パロットモン

 メガドラモン軍団の背後に控えていた影。
 状況的に間違いなく、旧作最初の劇場版「デジモンアドベンチャー」からのオマージュでしょう。
 「ラストエボリューション」での大暴れが記憶に新しいところです。

 しかしこのままだと、ウォーグレイモンの正式初陣相手が格下になってしまいかねません。
 途中でクロスモンあたりに進化するかしてもらわないと箔がつかないと思うんですが……
 そりゃまあ新大陸の敵が強い、という提示はされてるんですけども……

 同じ鳥系だし、どうせならガルダモンとやりあって欲しかったかも。
 
 
 
 
★名(迷)セリフ

「太一……
 立って、太一!
 太一が落ち込んでたら、誰がヒカリを助けるのさ!」(アグモン)


 ヒカリを見失い、いっとき消沈に見舞われた太一に。
 本作において彼が太一に投げるセリフとしては、非常に珍しい類です。
 
 
「…太一。きっと大丈夫だ」(ヤマト)
「ボクも頑張る…! だから、太一さんはヒカリちゃんを…!」(タケル)


 高石田兄弟からも激励。
 否でも応でも、止まることは許されません。リーダーはつらいよ。
 
 
「ずいぶん頑丈ね……」(空)

 シャドーウィングをもろに受けながら健在を誇るタンクドラモンに。
 なぜか妙に余裕のある口ぶりです。「…だが、それだけか!」と繋げたくなる(ファフナー脳)。
 
 
「我らも、戦うっ!」(ウッドモン)

 メタルグレイモンと組み合うタンクドラモンを仲間総出で攻撃しながら。
 効果としては煩がらせる程度の微々たるものでしたが、これが太一たちの闘魂に火をつけました。
 たった一人で戦っていた太一が彼らを奮起させ、それが太一たちに還ってきた形ですね。
 
 
 
★次回予告

 どうも究極体初進化の相手が半モブになっちゃいそうな雰囲気なんですが大丈夫でしょうか。
 無印の初陣相手だったヴェノムヴァンデモンは、それでも一体じゃキツいボスキャラだったんですが。
 あと状況が10話と丸被りな気がするんですけど……?