子供たちのサバイバル
脚本:冨岡淳広 絵コンテ:- 演出:佐々木憲世
作画監督:直井正博 総作画監督:浅沼昭弘
★あらすじ
迫るダークナイトモンを前に、再びその姿を現した聖なるデジモン、エンジェモン。
激突の中、聖なる力に守られた太一たちはその場からの退避に成功します。
が、太一の側にいたヒカリを除く全員がバラバラに引き離されてしまいました。
子供たちは、未知の大陸でどうにか再びの集合を目指すことになります。
そんな最中、太一たちの前に現れたのはヴォルクドラモンでした。
熱で身を守り、凄まじい炎で襲ってくる巨大な敵です。
苦戦するメタルグレイモンでしたが、激励を送る太一と光の掌が合わさったとき
ふたたびあの輝ける竜人が現れ、ヴォルクドラモンを撃滅せしめました。
しかし安堵した瞬間、ヒカリが姿を消します。
追ってきたスカルナイトモンの手の内に落ちていたのでした。
暗黒の騎士の促しにただ黙って従い、ともに飛び去るヒカリ。
彼女はどうしてしまったのでしょう……?
★全体印象
28話です。
エンジェモンが現れての引きからどうやって離散へ持ってゆくのかと思ったら
新たな敵の仕掛けではなく、エンジェモンの謎エフェクトによる緊急退避でした。
戦闘中にマロール唱えるようなもんでしょうか(わかりづらい例え)?
いかんせん、パートナーごとの座標までしか保証されてなかったようですが……
石の中に飛ばされなかっただけまだマシですかね。
この離散展開、2度目ぐらいなら「おっ今度は個人単位か」で済んだかもしれません。
実際、中盤でそれぞれの成長のため離散、というのは旧作がそうだし、他作品においても
時折あることです。そしてそれは各人の見せ場でもありました。
が、それは彼らの魅力を引き出す印象の強い敵役あってこそのもの。
ヴォルクドラモンの強さ、大きさはある程度伝わってきましたが、そこまで止まりで
ただ襲ってきたから倒す、という繰り返しの上塗りになってるんですね。
前回は久しぶりの6組連携で新大陸一発目だったし、好意的に見れたんですけれど。
しかも最初が太一組なんで「またですか…」という印象が拭えません。
19話からこっち、ほぼずっと戦ってるじゃないですか。
頼むからもうちょっと他のメンバーに配分してください。ヤマトすら影が薄いぞ。
このバランスの悪さ、無印の逆張りというならその通りなのですけれど
ハッキリ言ってそんな逆張りは要りませんぞ。
あといい加減、変に落ち着かない引き方を繰り返すのは勘弁してほしいです。
1クールに1、2回程度ならいいけど、こうも連発されるとウンザリしてしまう。
物事には加減ってものがあるでしょうに……
脚本は前回に続いて富岡さん。作監は直井さんです(相変わらずわかりやすい)。
演出担当の佐々木さんは近作だと「魔法つかいプリキュア!」の9話や
同作の31話など重要な回を演出し、特に9話はファンから絶大な評価を得てるんですが、
アレはキャラの情緒がクドいぐらいに出てたからできたことだったのかもしれません。
★キャラなど個別印象
・太一組
ここまで出ずっぱりでありながら、バトル以外をほとんどさせてもらえてない太一。
その裡の弱さとそれゆえの強さ、良くも悪くも子供っぽいところや危なっかしさ、
時として強引で強情なところなど本来、八神太一という男には様々な顔があるのですけど、
これらのうち「強さ」しか持たされてないのが現状の:太一という印象です。
どうりで何度出張っても作画と演出しか印象に残らないわけですよ。
今回はそのバトルもあまり見所がなく、必殺技を順々に撃ってただけという印象。
しかも最後はひどくあっさり勝ってしまい「え? これで終わり」ってなります。
彼らの「兆し」だけで二度もやるなんて、本当にバランス偏重と言わざるを得ません。
いくらウォーグレイモンの登場が近いっぽいとはいっても……
・ヤマト組/空組/光子郎組/ミミ組/丈組/タケル組
いろいろあってはぐれました。
具体的な状況が描かれてるのは丈組ぐらいで、他はこれからというところです。
いやある意味丈組も、あの状況を脱してからが本番なのかもですが… 何だあの状況。
そんな中、ミミ組は相変わらずマイペースなんですが… 今回はタイミングが悪いかな。
・ヒカリ
とことんまでノーリアクションという新たなスタイルを確立しつつあります。
本当に何をしても動じねえ。いや本当は驚いたり怖がったりしてるんでしょうけど
あんまり顔に出ません。少なくとも出てるって感じさせてくれない。
おかげで、何を考えてスカルナイトモンに従ったのかもわからないままでした。
相手に何かを感じたからとか、実は脅迫されていたとか様々な説が飛び交っていますが、
なんせ向こうがなんも布石を置いてくれないんで本当によくわからない状態だったりします。
彼女もまた「神秘性」というふんわりした概念しかキャラとして与えられてないんでしょうか。
だとしたら、それ以外特になんもない感じなのは必然なんでしょうけど…(必然ではない)。
・フライモン/モノクロモン/デッカードラモン/サイバードラモン/ゴーレモン/ナニモン
子供たちの行く先々に現れたデジモンたち。
デッカードラモンの登場には「おっ」と思ったんですが、そのあとの描写に唖然としました。
えっと…… クロスウォーズを少しでも見てたら、この組み合わせには何かもっとこう
別のことをさせるのが人情ってものなんでしょうけど… 人の心がないのか??
あのゴーレモンは延々と何やってるんでしょうね。
ずっと丈の真ん前に居座ってるだけのナニモンが一番わからんけど。
・ヴォルクドラモン
今回のメインエネミーである竜型完全体。そうか、火竜型とかじゃないのね。
森林が主な戦いの場でしたが、特に火災は起きていません(それは次回からかな?)。
本来は争いを好まないという設定なんですが、黒い稲妻のせいかビシバシ襲ってきます。
この稲妻、浴びたデジモンを凶暴化させるだけでなく力をも与えるそうですので、
おそらく素ではもうちょっと弱めだったりするんじゃないでしょうか。
戦闘力は高く、正面からではジガストームが全く通じないばかりか
ポジトロンブラスターも自分から呑み込んでしまいます。
どうやら、エネルギー系の攻撃は相性が良くないようですね。つまり体内への攻撃も無駄。
しかも全身に炎を纏って身を守っているので、トライデントアームも通じません。
手詰まりと思われましたが、太一とタケルが手と手を繋いでハートでキュンした結果
究極進化の兆しが発動し、あっさり斃されてしまいました。
エネルギー系の攻撃に強いとはいっても、限度があるってことでしょうが……
正直、もうちょっと頑張ってほしかったです。
このデジモンは「クロスウォーズ」にも登場し、超大物として扱われていました。
今なら配信サイトで見れたりもするんで、どんなだったか再確認するのも良いですね。
・ズルモン
いまだに各所で活発に活動しているようです。
終わってみれば、人間界に一番被害を与えたのはコイツだったってことになるかもしれませんね。
さすがにそうはならないと思いたい。
・ダークナイトモン → スカルナイトモン
いっつも横から掠め取ったり追い討ちしてきたりする人。
騎士という割には野盗かハイエナみたいな真似をしますが、後者の表現はハイエナに失礼でした。
なんかヒカリに意志を伝えたっぽく見えるんですが、それが何なのかさっぱりわからないのが現状。
味方なんじゃないかって意見もあるんですが、正直それはさすがに無いと思ってます。
味方だとしたら、21話と22話の行動が全部意味不明になってしまうし。
全部ブッチしてミスリードでした、ってなりかねないのが怖いところなんですが。
あ、でもヒカリをマントで攫った演出は良かったです。
この取り合わせ案外アリだな… と思わされる程度には(腐ってやがる…)。
★名(迷)セリフ
「みんな、今のを聞いたな!?
周りに注意して、何かあればすぐに連絡を取り合おう!」(太一)
思えば、本作の太一は最初から決まっていたかのようにリーダーでした。
やたらリーダーって言い張り続けてる丈先輩も、この点はあんまり気にしていません。
気づいてないのかもしれないけど……
ちなみに28話といえば旧作の場合、丈先輩が正式にリーダーを太一に委ねる回だったりします。
「そうだ… 小さい頃から、こういうとこがあった… ヒカリには……
いつも遠くを見て、まるで何かを待ってるかのような……」(太一)
その通りなんですが、それが強調された結果常にボーッとしてるように見えます。
大丈夫か、この子…? とレオモンみたいなコメントを残したくなる。
「しっかりしてるじゃないか、タケルは」(ガルルモン)
「…… 早くこいつらとケリをつけよう」(ヤマト)
むしろしっかりしすぎてて怖いんですが……
この先、タケルがまともに人物として描かれることってあるんでしょうか??
★次回予告
タンクドラモンさん、映像作品デビューおめでとうございます。
それはいいとして、まさかまた太一回なの…?? なに かんがえてんだ?(SAGA)