ズドモン 稲妻の鉄槌

脚本:佐藤寿昭 絵コンテ:- 演出:セトウケンジ

作画監督:井口忠一/原憲一 総作画監督:仲條久美

★あらすじ

雪原を進むヤマト、空、丈のチームを襲うユキダルモンの集団、そして完全体のマンモン。
疲労の濃いピヨモンを庇って、空がユキダルモンの冷気を受けてしまいます。
焚火などで継続的に暖を取らなければ危険でしたが、マンモンたちの執拗な追撃が。
この状況を受け、行く手に広がる河を渡ってそれから火を起こすことになりました。

しかし動けない空を抱えて移動中に追撃を受けないよう、誰かが気を引かねばなりません。
これを買って出たのはゴマモンでした。自動的に丈もこの役割を請け負うことになります。
不安でいっぱいの丈でしたが、意を決して囮役に臨みました。

果たしてなんとかマンモン達をおびき寄せた上で振り切り、河へ入ることはできたのですが
マンモンはなんとツンドラブレスで河を凍らせて橋を作り、その上を渡ってきました。
このまま敵を通せば空が危険です。それに、一度受けた役割は必ず果たさねばならない。

イッカクモンと丈の決意がデジヴァイスを輝かせ、完全体ズドモンへの進化が導かれました。
ズドモンはその力でユキダルモンらを一蹴、マンモンをも圧倒してのけます。
とどめは必殺のハンマースパーク。かくして、二人は見事に役割を果たしたのでした。

そのころ、奇妙な洞窟を抜けた太一、光子郎、ミミがたどり着いたのは意外な場所でした……
 
 
 
★全体印象
 
15話です。今回は丈の担当。。

合流以来なかなか見せ場に恵まれなかった丈先輩ですが、ここでついに活躍しています。
無印では他の誰かがそばにいるときに進化していましたが、今回は事実上の完全単独。
ありがたいことに他のメンバーの完全体進化は無く成熟期進化もバンク無しだったので、
彼らの檜舞台へしっかりと尺を使って見せてくれています。

これで完全体進化は一区切りとなったので、次回からは新展開となるはずです。
太一組に視点が移ってますが、なかなか気になるところで引きましたね。
無印の20話を意識してる面もあるのでしょうけど。

脚本は8話の佐藤寿昭さんで、他は9話と共通です。
新顔スタッフはしばらく出ない感じですかね。途中参加もあると思うけど。
  
 
 
★キャラなど個別印象
 
 
・太一組

 光子郎たちと合流地点へ急ぐ最中、奇妙な洞窟へ入り込みました。
 その先に待っていたものは夢かうつつか…… 待て次回、ですね。
 
 
 
・ヤマト組

 咄嗟に他のみんなを拾い、雪崩から離脱したあたりが見せ場です。
 そのあとは空を連れ、首尾よく対岸へ渡って火を起こし、丈を待っていました。
 やばそうならそっちへ行く、と声をかけるあたり、ヤマトの変化が顕著になってきてますが
 これはもともと彼が持っているものであり、それを表に出すようになっただけなんでしょう。
 
 
 
・空組

 足役としての負担がでかいピヨモンが休んでいる最中にという不運に見舞われました。
 空が受けたのは氷のウィルスとでも呼ぶべきもので、完全に溶かしてしまわないとダメだそうです。
 なにかと無茶をしがちな彼女ですが、今回はそれが裏目に出た形。
 確かにあそこで庇わなければ、ピヨモンが冷気の直撃を受けていたのでしょうけど。

 そんなわけで今回の空は弱った表情が多いのですが、普段あまりにも揺らがないので
 弱いところを見せてくれたのは個人的にむしろ良かったかもしれません。
 この子も人間なんだな、って気持ちになれましたから(言い方)。
 
 
 
・光子郎組

 太一やミミと一緒に不可解な状況へ巻き込まれました。
 これはまた彼の頭脳が回転しまくる展開になるのかもしれません。
 
 
 
・ミミ組

 「可愛かったので乗ってみた」という理由でキウイモンに跨ってしまい、大変な目に遭ったミミ。
 今回は(も?)完全にトラブルメーカーでしたが、持ち前の愛嬌でカバーしています。
 パルモンのツタは無印以上にあれこれ使われてる気がしますね。
 
 
 
・丈

 なにかと立場や発言力の弱さを嘆いていましたが、ゴマモンのフォローと鼓舞で奮起。
 囮役を請け負い、イッカクモンとともにマンモン達を引きつける役割に徹しました。
 のみならず、これを見事に撃破して追撃の憂いを断つという活躍につなげています。
 そういえば後半は乗り物酔いしてませんでしたが、必死になってると忘れるんですかね。

 囮も水際での迎撃も、実のところはゴマモンに引っ張られる形で決意を固めたものです。
 でも彼はそんなに能動的ではない代わり、一度引き受けたことは必ずやり遂げるタイプです。
 マンモンを迎え撃つと肚を決めたとき、彼はステージをひとつ登ったのでしょう。

 本作の完全体進化は、子供たちの「決意」が重要なキーになっていたようですね。
 ドラマとしてはここからが本番と思いたいところです。
 
 
 
・ゴマモン→イッカクモン→ズドモン

 自信なげな丈を支え、その長所を引き出すために腐心していました。
 丈がどういう人物か仲間内で一番知っているのは本作の場合、間違いなく彼だと断言できます。
 なにしろ丈がデジタルワールドにやってきた時から、ずっとその側にいたのですから。
 そんなゴマモンだから、丈をやる気にさせるのも上手いのでしょう。

 完全体進化を遂げると、左腕の爪だけでユキダルモン達を瞬殺。
 格の違いを見せつけ、マンモンに対しても終始にわたって優位に戦いを進めました。
 ハンマースパークの威力はハープーンバルカンをビジュアル的にもハッキリと凌ぐものですが、
 マンモンの頭に当たった時の「ガーン」という音はなんか中途半端で間が抜けてたかも。

 イッカクモンとしても、丈を乗せてアクロバティックな滑走を披露しております。
 このデジモンには雪原がとても似合う。
 
 
 
・タケル/ヒカリ
 
 両方とも出番なしです。前者はそろそろちゃんと出てほしいんですけどね…?
 
 
 
・ユキダルモン

 無印9話にも登場したデジモン。
 最初は黒い歯車に操られていましたが、正気に戻ったあとは太一とアグモンを他の島に渡してくれたり
 モジャモンとの戦いでは手助けしてくれるなど、親切なデジモンとして描かれていました。
 終盤でも恐らく同じ個体がミミと一緒に遊撃隊を構成し、ピエモンとその配下との戦いに参加しています。
 また「セイバーズ」ではイクトの育ての親として登場するなど、メインではないながら扱いはいい方でした。

 今回は数が出てくるのはともかく、喋りもしなきゃ表情もほとんどないんで機械的な印象が強いです。
 丈に雪玉をぶつけられたとき、わずかながら怒ったような描写があるんで感情は残ってるようですけど。
 また、黒い瘴気を吐く描写もありません。たぶん影響下にはあるんでしょうが。
 描写としては02の5話に近い印象を受けますね。デジモン側が被害者であるという大前提を除けば。

 それにしても喋らないのは寂しいなあ。事情があるのかもしれないけど。
 
 
 
・マンモン

 今回のメインエネミーである完全体。
 イッカクモンと同じく、雪原がとても似合うデジモンです。

 無印では光が丘に現れ、ガルダモンと死闘を繰り広げました。凶暴で見境のない性格だそうです。
 「セイバーズ」でもメインを張ったことがありますけど、人語を喋ったことは一度もありません。
 まあ、ペラペラ喋るのが似合うタイプじゃないことは確かですが。

 ただ今回は明確に知能が高い描写があって、雪崩を誘発させて子供たちの始末を試みたり
 ツンドラブレスで河を凍らせて橋を作り、その上を悠々と渡ってくるなど
 凍結能力は無論ですが、ただの獣ではなし得ない頭の回るところを見せてくれています。
 一時は丈たちにまんまとおびき寄せられたあたり、頭が切れるとまではいかないようですが。

 最終的にはズドモンと対決。
 パワーでは互角でしたが河に叩き落とされ、ハンマースパークを打ち込まれて斃れました。
 タスクストライクスという奥の手もあるんですけど、出すことなく退場しています。
 渡河を終えていれば足場が安定したんで、もう少し粘れたかもしれませんね。
 
 
 
 
★名(迷)セリフ

「可愛いから乗ってみたくなったのー!」(ミミ)

 爆走するキウイモンから降りられなくなって。
 あまりに後先を考えてないセリフですが、乗ってみたくなったんじゃ仕方ないですね。
 なにしろミミですから。


「大丈夫よ、こんなの… うっ!」(空)

 仲間を心配させまいと振る舞うも、立つことすらできないありさまでした。
 それにしても君、ホントそういうとこだぞ。


「…わかった、やってみる!」(丈)

 空を抱えたヤマトから敵の目をそらすため、囮役を買って出ようというゴマモンに応じて。
 臆病なようでも、ここ一番では決して逃げないのが丈のいいところです。


「もしもし、こちら城戸! マンモンたちをこっちに引き付けたぞっ!」(丈)

 囮作戦中に。喋り出しに性格が出ています。電話か。
 この後もいろいろ喋ってたようですが、ヤマトにはこの一言以外全部スルーされました。


「そうだ、足止めさえできればいいんだ… 足… …! あれだ!」(丈)

 崖に追い詰められ、マンモンを目の前にして。
 イッカクモンに励まされ、必死の中で打開策を見出します。
 いざというときに働く機転にこそ、その人の資質が現れているってことですね。


「……いや、大丈夫! 問題ない!
 今、空くんを独りにはできない! キミは空くんについていてくれ!」(丈)


 通信の向こうから救援を提案するヤマトに。
 城戸丈という男の真価が顕れた瞬間です。


「やろう、イッカクモン! ぼくたちで絶対に食い止めるんだっ!」(丈)

 このときすでに「X-treme Fight」が流れはじめています。
 そう、城戸丈の最大の魅力はいかなる困難、障害があろうとも己の仕事は絶対に遂行する、
 責任感だーっ!
 
 
 
★次回予告

 ラストシーン、銀座らしき場所に出た太一、光子郎、ミミのチーム。
 しかし、どうやらこの東京は幻影のようですね。そうじゃないかとは思いましたが。
 でも、だとしても敵の目的がわかりません。気になりますね。
 あの影と目玉はシェイドモンかな…?